★アブレーションやEPS時に出てくる用語の解説。

■map

●主に2種類
voltage map:電位の高さ
activation map:どこかをリファレンスとし、それと比較した「電位の立ち上がりのはやさ」
⇒どのように興奮が伝導しているか、わかる


■○○ブロック、○○時間

S(刺激), A(心房), H(ヒス束), V(心室)の組み合わせ
…HVブロック=ヒス束から心室へ伝わらない、ということ
…S1A1=最初の刺激から最初の心房収縮までの時間


■頻回刺激法

●不応期、ブロックを評価する
accommodation:刺激に対して反応が安定すること
ウェンケ:Wenckebach型ブロックのこと。刺激頻度を増すと房室伝導時間が延長してくる

overdrive suppression
・早い刺激中止後、一過性に自動能が抑制される現象:通常
・早い刺激中止後、一過性に伝導能が悪化する現象:正確にはoverdrive suppression of conductionであり、fatigue現象ともいう。伝導異常を表す。


■房室結節内二重伝導路

●これによる頻脈がAVNRT。二重伝導路があることだけでは病的意義はない。
心室エコー
 心室期外刺激→His束→早い伝導路が不応期のとき、遅い伝導路を介して心房へ伝導
この時早い伝導路が不応期を抜けていれば、早い伝導路を介して順行性伝導→His束、心室へ


■頻脈性不整脈の機序

リエントリー
・二重伝導路が存在する下で、期外収縮
⇒伝導路Aで、不応期のため一方向性ブロックが生じる
⇒伝導路Bは緩徐伝導であり、ゆっくり伝わる
この間に伝導路Aの興奮性が回復
⇒BからAへ、逆行性に伝わる
⇒以降同じようにくるくる回る

異常自動能、撃発活動
参照:Triggered Activity(撃発活動)とは


■頻拍のEPS

reset
・リエントリーで頻拍が持続している時
⇒回路の近くで、良いタイミングで期外収縮を入れる
⇒回路に進入、逆行性伝導+順行性伝導する
逆行性伝導は、もとの頻拍の伝導と衝突して消滅
 順行性伝導は、そのまま回路を回る
⇒見かけ上、人工的に入れた期外収縮が、頻拍の興奮を早めている(advancement)
…これをリセットという
 =リエントリーであり、撃発活動でないことの証明

entrainment
・リセットと同様の刺激を連続刺激で行う
その刺激が回路をのっとった形となる
…これをエントレインメントという


■伝導異常

fragmentation
双極電極で、局所電位をとる
心筋異常がある所は、興奮がジグザグに、ゆっくり進む
⇒電位幅が広くなり、低電位となる
…これをfragmented electrogramといい、電気生理学的に病的心筋であるといえる

double potential
・fragmentationと同様に幅が広い電位だが、間にflatの部分があるもの
電極の位置に伝導ブロックがあり、2つの異なる時相の興奮を見ている、と判断される
※fragmentationでdouble potential様にみえることもあるが、基本的にdouble potentialは伝導ブロックと判断する


■不応期関連

phase 3&4ブロック
・心筋活動電位の3相は再分極期であり、ここに刺激があっても心筋は興奮しない(phase 3ブロック)
正常心筋はphase 3ブロックのみ
病的心筋は、4相である程度時間が経つとNa/Ca電流が不活性化される
もはや興奮できなくなる(phase 4ブロック)
⇒つまり、phase 3ブロックとphase 4ブロックの間に、興奮できる限られた期間がある
…これ(ある範囲でのみ反応がみられること)をphase 3&4ブロックといい、病的心筋であることを示す

gap現象
期外刺激の連結期を短くしていくと、やがて房室ブロックとなる
⇒さらに短くしていくと、再び房室伝導が回復することがある
…これをgap現象という。病的意義はない
説明)
・期外刺激①は、普通に伝導
⇒①より短い期外刺激②は、不応期の長い領域(◇)でブロックされる
⇒さらに短い期外刺激③は、(◇)以前で伝導遅延が起きており、(◇)に来た時には(◇)は不応期を脱している
 =③は伝導する


参照 EPS