★院内感染症のよくある起因菌で、ユナシンやゾシンは効かないことも多い。

■SPACEとは

●医療関連感染を起こす、代表的なグラム陰性桿菌
⇒Serratia(セラチア), Pseudomonas(緑膿菌), Acinetobacter(アシネトバクター), Citrobacter(サイトロバクター), Enterobacter(エンテロバクター)
・使える抗菌薬が限られるため、臨床的に重要。
ESBL産生株の可能性あり
βラクタム系全て+アズトレオナムに耐性。感受性試験でどれかにRの場合、他がSでも選択すべきでない


■セラチア

・咽頭や泌尿器系に常在
⇒接触感染で広がり、院内肺炎のよくある起因菌
 …他、カテーテル感染(血管内、尿路)が重要
○治療
アミカシン+ピペラシリン(シナジー効果)、セフェピム、イミペネム、シプロフロキサシン
 …7〜14日間
※アンピシリン、マクロライド、第1世代セフェムに内在耐性
 +第3世代セフェムにもよく耐性
※参照:ゲンタマイシンによるシナジー効果の原理


■緑膿菌

・バイオフィルムを形成し、水のある場所に住む
・様々な院内感染、日和見感染をおこす
○治療
第1選択ピペラシリン、セフェピム、セフタジジム、メロペネム、イミペネム、アズトレナム
アミノグリコシドアミカシン>トブラマイシン>ゲンタマイシン
 …1剤では使わない+尿路感染には使えない(移行性悪い)
③キノロン:シプロフロキサシン、レボフロキサシン
 …耐性化してきており、最初には使わない
ポリミキシン:コリスチン、ポリミキシンB
 …多剤耐性の場合、第1選択となりうる
○投与期間
⇒UTI:7-14日, 肺炎:8-14日以上, 菌血症:ライン除去後7-10日
重症の場合、2種類の抗菌薬を組み合わせると予後改善するかも


■アシネトバクター

・自然環境、院内に住む
⇒院内肺炎、カテーテル感染、創感染が重要
○治療
通常イミペネムかメロペネム。アンピシリン/スルバクタムも使えることがある。


■サイトロバクター

・腸内細菌
⇒免疫不全、60歳以上、新生児のUTI、肺炎、カテーテル感染を起こす
○治療
①尿路感染:経口キノロン、ST合剤で十分
②重症:ピペラシリン/タゾバクタム、セフェピム、カルバペネム系
※Citrobacter koseriはセフトリアキソンやセフォタキシムも効くかも。freundiiはカルバペネム系やセフェピム、シプロフロキサシンが必要。


■エンテロバクター

・院内肺炎、熱傷、創感染、尿路感染の原因
・アンピシリン、第1世代セフェムに内在耐性
 +inducible βラクタマーゼ:βラクタムで治療失敗することがある
 +カルバペネマーゼを産生しうる
○治療
ピペラシリン/タゾバクタム+アミノグリコシド or フルオロキノロン
・ESBLの場合⇒カルバペネム系
・多剤耐性の場合⇒コリスチン(+チゲサイクリン)


参照 感染症診療マニュアル、Johns Hopkins ABX Guide