★Swan-Ganzカテーテル法から分かる事。

◎右心カテで予後変えない、ということだけ知っているレジデントが多いですが、使えるシチュエーションももちろんあります。読み方を知らないのは、単純に勉強不足。


■肺動脈楔入圧 PAOP, PAWP, PCWP
●生理
・2峰性の波;a(山)、x(谷)、v(山)、y(谷)
a(心房収縮)、x(心房圧↓)、v(心室収縮による心房充満)、y(M弁開放)
 ※a波のすぐ後にc波(山)見られうる;僧帽弁閉鎖を意味する
・左室拡張末期圧を推定する(PA〜LVの経路に異常がない前提)
●正常値
a波 (3-15mmHg)、v波 (3-15mmHg)、平均 (2-10mmHg)


●異常
①PAOP高値
 …左心不全、僧帽弁/大動脈弁異常、肥大型心筋症、hypervolemia、右左シャント、
  心タンポナーデ、収縮性心膜炎
②PAOP低値
 …hypovolemia、肺塞栓
③a波大きい:左室充満しにくい、ということ
 …MS、左心不全、volume overload、MI→コンプライアンス↓
④v波大きい:左房容量負荷
 …MR、MIに伴ったVSD


■肺動脈圧 PAP
●正常値

収縮期 (15-25mmHg)、拡張期 (8-15mmHg)、平均 (10-22mmHg)


●PAP高値

・急性疾患
 …肺塞栓、低酸素による肺血管収縮
・亜急性
 …基礎に心/肺疾患を持つ患者の低酸素による肺血管収縮
・慢性
 …肺高血圧症(以下の5分類)
 Group1:肺動脈高血圧(特発性、膠原病、先天性心疾患)
 Group2:左心疾患(左心不全、僧帽弁疾患)
 Group3:慢性肺病変(肺気腫、間質性肺炎)
 Group4:慢性肺塞栓症
 Group5:その他(鎌状赤血球症など)


■右室圧 RVP
●正常値

収縮期 (15-25mmHg)、拡張末期 (3-12mmHg)


●RVP高値

①肺血管/肺動脈弁異常
 …肺高血圧、肺塞栓、肺動脈弁狭窄
②右室疾患
 …心筋症、右室梗塞、心タンポナーデ、収縮性心膜炎、肺高血圧による右心不全
※拡張末期圧↑のうち、拡張早期に圧が落ち込むもの
 =dip and plateau:参照 収縮性心膜炎⇒dip and plateau


■右房圧 RAP
●生理

・2峰性の波;a(山)、x(谷)、v(山)、y(谷)
a(心房収縮)、x(心房圧↓)、v(心室収縮による心房充満)、y(T弁開放)
 ※a波のすぐ後にc波(山)見られうる;三尖弁閉鎖を意味する
…PAOPとほぼ同じ解釈
●正常値
a波 (2-10mmHg)、v波 (2-10mmHg)、平均 (2-8mmHg)

●異常

①RA圧↑
 …右室疾患、肺高血圧、肺塞栓、左右シャント、三尖弁疾患、心タンポナーデ、
  収縮性心膜炎、拘束性心筋症、左心不全、hypervolemia
②RA圧↓
 …hypovolemia
③v波増高
 …基本的にTR
④巨大a波:三尖弁閉じている時に、心房と心室が同時に収縮した場合
 …VT、V pacing、完全房室ブロック、AVNRT、三尖弁狭窄
⑤a波消失
 …Af, AFL


参照 UpToDate、新・心臓診療プラクティス