★A novel diagnostic protocol to identify patients suitable for discharge after a single high-sensitivity troponin.   Heart 2015;101:1041-1046

■Intro

・胸痛患者が来たら、まず採血+Xp+ECG
⇒ECGで虚血性変化があればACSを考える
 …ACSはSTEMI, NSTEMI, UAP
・high-sensivity troponinを用いる現状はほとんどSTEMIかNSTEMI
 …NSTEMIとUAPの違いはトロポニンが上がるか上がらないか
トロポニンの上昇が極めて重要;3時間あけて2回測定することが推奨されている
 …2回目でcut-off値を上回ったら、基本的にAMIということ
ECGで変化なく、トロポニンも上がっていなかった場合
全患者に2回測定するか?


■Method

 the modified goldman score ⇒ the TRUST accelerated diagnostic protocol(ADP)
●the modified goldman score(それぞれ1点)
・初発の安静時の狭心痛
・前回心筋梗塞の時と同じ痛み
・ニトロ使用しても15分以上痛みがとれない
・60分以上持続する痛み
・だんだん頻度が増加している胸痛
・低血圧(sBP<100))
・急性の呼吸困難感
・MI、PCI、CABG後6週間以内の胸痛

●TRUST ADP

low risk(=帰してよい)以下の3つを満たす
 the modified goldman score=0か1
 虚血を示唆するECG変化なし
 hsTnT<14 (14がcut-off値)

・その他はnot low risk

・このプロトコルを用いた観察研究
inclusion;18歳以上で救急受診した患者で、虚血性心疾患の可能性があるもの
exclusion:心電図上明らかな虚血、不整脈(Af, SVT, AVBなど)、80歳以上、明らかな他疾患の診断、妊娠、透析など
30日以内のAMI発症、MACEをフォロー


■Result
・low risk=382人
AMI 1人、no AMI 381人
※この1人は78歳女性で、hsTnTが13→20(6時間後)と上昇したためAMIの診断となった
 ⇒medicationのみで良好な転帰
・high risk=578人
⇒AMI 79人、no AMI 499人

・最初のTnTの値のみで決める戦略と比較し、TRUST ADPは診断率が高かった


■感想
・現状ではACSでUAPが少なくなった=ほぼNSTEMIなので、トロポニンの値にACSの診断を大きく依存している。トロポニン上がらないけどそれっぽいな、という時、2回目の測定し、それでも上がらない時入院させるか迷う。
・この論文の目標はTnTを1回しか測定しないことにあるが、実臨床では別に2回測定してもよい。それよりも、この組み合わせの威力が高いことが面白い
・確かに何となくそんな事あったらACSっぽいな、ということを具体的にスコア化している所がすごい。
実臨床で使えそう。
・ただ、coronary risk factorを考慮していないのは頂けない。やっぱりTIMI risk scoreがgolden standard
※TIMI risk score(各1点)
・65歳以上
・FHあり, HT, DLP, DM, current smokerの内3つ以上
・50%以上の冠動脈狭窄の既往
・ST changeあり
・24時間以内に2回以上の狭心症症状
・7日以内にアスピリンを服用
・トロポニン陽性
⇒14日以内の総死亡/AMI/revascularization の割合;0 or 1点で4.7%、2点で8.3%

・今の所はトロポニンをフォローすることがガイドラインで定まっている。the modified goldman scoreを意識して問診していきたい。

 
論文: http://heart.bmj.com/content/101/13/1041.long