★予後は悪いので、理想的な薬物治療でも虚血が誘発される場合、インターベンションを検討すべき。

■無症候性心筋虚血の予後

・負荷心電図でのST変化、シンチでの誘発虚血があるが、狭心症状がない患者
 (安定狭心症患者の内、症状がないもの)
死亡率、ACS発症ともに悪い;心臓死は3〜6倍
 …症状がある患者よりは予後良いかも

なぜ予後が悪いか(動物実験からの推測)
①虚血を繰り返すと、少量ながら心筋が壊死する
②繊維化、心筋肥大など心筋の異常へつながる
③虚血にさらされている時間が長いと、致死的不整脈を誘発し得る


■治療
●薬物治療

・心筋酸素需要を減らしたい
⇒①β遮断薬、②心拍数を落とすCa拮抗薬 が選択肢となる
虚血が減れば予後が良くなる、といったデータあり
 …ASIST trial, TIBBSなど(β遮断薬が特に有効)
・動脈硬化進展を予防するため、スタチンも有用
⇒通常アスピリン含む複数の薬剤を併用して虚血を防ぐ(optimal medical therapy

●ストレス軽減
・冠動脈疾患があると、ストレスによって虚血が誘発されうる
⇒行動療法や運動などでストレスをなくすことで予後が良くなる
 ※薬物の効果もあるかもしれない

●血行再建
・PCIでもCABGでも、血行再建により予後が改善しうる
⇒但しoptimal medical therapyと同等と考えられている(COURAGE trial)
 …他の研究ではインターベンションの方が予後が良いなど、議論の分かれる所
現状では、optimal medical therapyで誘発虚血が収まらない時、血行再建を検討するべき
 ※optimal medical therapyでない薬物療法は、血行再建より予後悪い
・治療後の虚血フォロー(シンチ、follow up CAG等)の是非についてはcontroversial
 …5.7年でフォローの有無で予後に差が無かったとの報告あり
⇒但し日本ではルーチンに行われている

心筋梗塞後狭心症(PIA)は予後が悪い
⇒culpritの他に病変がある患者は、虚血があれば基本的に血行再建した方が良い
⇒mild ischemiaであれば薬物療法も可能だが、患者の選択に任せるべき


参照 UpToDate