★先進国で、主にCTによる癌発症率上昇が問題となっている。

■医療による放射線被曝
●単位

・電離放射線の濃度;R
・電離放射線吸収量;Gy(グレイ)
・部分的な被曝を全身被曝量に換算した値(実効線量);Sv(シーベルト)
 …医療のイメージングにおいては1Gy=1Sv
⇒実効線量が被曝による悪影響の指標となる

●実際の被曝量
1年間の日常生活;3mSv
・1回の飛行機での大陸間移動;0.02mSv
・胸部レントゲン;正面 0.02mSv, 側面0.1mSv
・マンモグラフィー;0.7mSv
・頭部CT;2mSv
・胸部CT;7mSv
腹部CT;10mSv
・肺換気/血流シンチ;2mSv
・骨シンチ;4.2mSv
心筋SPECT;12.5mSv
・冠動脈造影;5-15mSv

CTにおいては、患者によって(脂肪など)大きく被曝量が異なる
 +多くの線量を用いればよりよい画像となる
⇒被曝量を減らすため、再構成法逐次近似法などの手段が取られている
⇒また、320列など新しい装置では、撮影時間の低減より被曝量も低くなる


■電離放射線(ionizing radiation)による傷害の機序
活性酸素を産生
⇒分子間結合を傷害;DNA損傷、細胞死
 重要な酵素活性を阻害
⇒細胞、分子レベルの傷害


■実際の影響
●将来の癌発生率が高くなる

 …骨髄腫、白血病、肺癌、甲状腺癌、乳癌、骨種、皮膚癌
⇒癌発生の閾値はなく少量でも暴露されればされるほど発生率が高くなるとされる
 (linear no-thershold model; LNT model
 …主に広島原爆の生存者を対象とした研究による 
●具体的な報告
・3mSvでは有意な癌発生率とは関連しない
1Svで4-5%癌発生率が上昇する
10mSv一回の被爆を原因として、1000人に1人が癌を発症する
・20台の腹部CT 1回を原因として、女性500人に1人、男性660人に1人が将来癌を発症する

 
参照 UpToDate,  Mayo Clin Proc. 2010 Dec; 85(12): 1142–1146