★高感度トロポニンで健常者の99パーセンタイルを超えるかが重要。

■高感度トロポニン
●心筋トロポニンI/T

・トロポニンにはTnI, TnT, TnCとあり、心筋に特異的なのはTnITnT
⇒心筋障害(=心筋梗塞)により心筋トロポニンは上昇する
⇒特異的な診断となる

高感度トロポニンキットが開発され、その使用が推奨される
 …high-sensitivity cardiac troponin I/T (hs-cTnI, hs-cTnT)
⇒測定するものはトロポニンであり、従来のキットと同様
キットが優秀になったという話

・重要な事は、高感度トロポニンは「健常者の99パーセンタイル値を数値化できる」点
 …従来のキットでは測定感度以下であった
99パーセンタイル値を超える、ということが心筋梗塞の診断となる
 (下記参照)

※キットにより、同じトロポニンIでもカットオフ値が異なることに注意
 …トロポニンTは一定(99パーセンタイル値=14ng/l)


■急性心筋梗塞の診断(universal definition 3rd)

虚血の証明(心電図、エコー、症状)に加え、以下の基準(心筋障害の証明)を満たす
ベースラインが99パーセンタイル未満の場合
トロポニン値が99パーセンタイルを超えている
 (+ベースライン値から50%以上の上昇がある)
継時的に20%以上の増加 or 減少がある

ベースラインが99パーセンタイル以上の場合
継時的に20%以上の増加 or 減少がある

※「増加 or 減少」とあるのは、アタックの時期により異なるため
⇒継時的な評価をするため、3時間以上時間をあけてトロポニンを測定する必要あり


■ベースラインのトロポニン値が上昇しうる場合
①冠動脈内プラーク破裂 (MIの原因の60%といわれる)

・ST上昇型/非ST上昇型急性心筋梗塞
 ※不安定狭心症の定義はトロポニンの上昇がないACS
  ACSの定義:参照  http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/43477854.html

②supply-demand mismatch (type2 MI)
・不整脈(特に心房細動)、大動脈弁狭窄症、大動脈解離、肥大型心筋症、脱水、敗血症、重症呼吸不全、重症貧血、高血圧、冠動脈攣縮、冠動脈塞栓、血管炎、erosion (MIの原因の30%といわれる)

③虚血と関係ない原因
・心臓手術、ペーシング、ショック、横紋筋融解症、心筋炎、薬剤性心筋障害

④複雑な原因
・心不全、たこつぼ心筋症、肺塞栓、肺高血圧、腎障害、全身状態不良、脳梗塞、くも膜下出血、出血、サルコイドーシス、アミロイドーシス、激しい運動


参照 EHJ 2012;33:2551-67, EHJ 2012;33(18):2252-7, BMJ 2013;347:f4222