★腎性全身性線維症。

◎ガドリニウム造影剤は腎機能低下例に使用禁忌ですが、副作用は腎機能障害でなく全身性の疾患です。

■腎性全身性線維症
●概要

ガドリニウム造影剤への暴露後2-4週で発症する(2日〜8年との報告も)、皮膚や筋に線維化をきたす疾患。診断は生検によります。
・28%は進行せず、20%に進行を認め、28%が死亡したとの報告があります。

●疫学
・重症腎不全にガドリニウム造影剤を用いた例2.5-5%に生じます。ちなみに本疾患の原因は95%がガドリニウム造影剤ですが、原因不明の例もあるそうです。

●機序
はっきりとはしていないが、2種類の病態が考えられています。
TGF-β1経路の活性化
・トリガーにより、CD68+/XIIIa因子+の樹状細胞が活性化
⇒同細胞がTGF-β1を産生
⇒TGF-β1により樹状細胞の成熟化、抗原提示が促進され、悪いサイクルが回る
⇒組織の線維化

線維細胞の増殖
・トリガーが骨髄を刺激、CD34+線維細胞が産生される
⇒組織に蓄積
⇒組織障害がなくともコラーゲン産生される

トリガーとなるイベントとは?
・ガドリニウム等の毒性物質が組織に蓄積することが原因
ガドリニウムイオン(Gd3+)は水和性が低く、非常に毒性が強い
⇒通常キレートされるが、腎クリアランスが低い場合、キレートから遊離しうる
⇒毒性を発揮する
 …細胞内酵素や細胞膜との反応/ 神経筋のCaイオン伝達の阻害/ リン酸イオンとの反応など


●どの程度の腎不全がリスクとなるか?
eGFR30以上の患者での報告は基本的にない
(2例あるが、AKIであった可能性がある)
・eGFR30未満でガドリニウムが投与されてしまった場合、血液透析を考慮する。


参照 UpToDate