★生活指導と理学療法がメイン。

◎外来をしていると、膠原病科でなくともレイノー現象はよく経験します。割と生活で困る人も多いです。正しい対応を調べました。


■レイノー現象に対する診断アプローチ
●レイノー現象とは

冷感やストレスの刺激で血管が攣縮し、指先の色が白くなり痛みを伴う症候。
⇨基本的には交感神経刺激による血管攣縮、虚血が病態です。
動脈硬化による狭窄による虚血が病態ではありません!!
 …それは閉塞性動脈硬化症(ASO)で、基本的には下肢です。Interventionが必要となり得ます。
 =ASOの症状は労作時です。

●まず、2次性のレイノー現象を除外する。
・SLEや全身性強皮症に伴い、レイノー現象が生じる事があります
⇨それらを示唆する症状がなければ否定的ですが、血液検査をしてもよいです。

※2次性レイノー現象が否定されたものをレイノー病(一次性レイノー現象)といいます。


■レイノー病の治療
●良性な疾患であることを理解する

・基本的に命に関わる事はありません。
7-14年のフォローアップで、1/3以上の方が自然に症状消失が得られます
※ただし、寒冷刺激を避けられない方など、積極的な医学介入が必要がいるのも実際です。


●治療の目標を考える

・症状緩和によるADL改善が目標だが、具体的に評価するとよいです。
Raynoud Condition Score (0-100点)というものがあり、15点以上の変化を有意な変化と考えることができます。
⇨これを用いなくても、発作の記録(頻度、持続時間)を記録してもらい、週ごとに平均することで客観的な指標となります。
⇨介入による変化を確認します。


●治療方法

基本的には以下の流れです。
患者教育(最も重要)
②薬物療法
③認知行動療法


①患者教育

●臨床研究によると、これにより発作回数と重症度を10-40%減じる事ができます。
  最も重要です。

●具体的には以下の通りです。
・寒いところに行かない、急激な温度変化を避ける
・暖かい服を着て、体をいつもあたためておく
・指先まで温める(手袋とか)
・発作時の対応を覚える;温かいお湯につける、両手をこする、などして指を温める
・寒いところでは、じっとしないでなるべく動く
・禁煙する
・市販の交感神経刺激薬を控える;鼻炎薬、アンフェタミン、麻黄を含む漢方など
・ADHD薬を控える;メチルフェニデート、デキストロアンフェタミン
・一部の偏頭痛薬を控える;セロトニンアゴニスト(スマトリプタン)、カフェイン+エルゴタミン
・指を傷つけないようにする
・振動するものを持たない(vibration-induced Raynoud's というものがある)
・感情ストレスをコントロールする。ストレス+寒冷刺激がトリガーとなりやすいため。

コーヒーを控えた方が良い、とするコンセンサスはないです。というのは、カフェインは交感神経刺激ですが、コーヒーは血管保護的なその他多くの生理活性物質を有するからです。そのため、患者個人に経験に応じて、コーヒーをどうするか個別に決定すべきです。


②薬物療法

・①の効果が不十分な場合、薬物療法が検討されます。
第一選択薬はカルシウム拮抗薬です。

・上述したように、レイノー現象の本体は血管攣縮です。冠攣縮性狭心症の第一選択薬はCa拮抗薬です。
⇨海外ではアムロジピンが使われるそうですが、血圧の高い人にはよいですが、結構血圧が下がります。
⇨循環器内科では、コニールかヘルベッサーが頻用されます。


③認知行動療法

・あまり推奨されません。
※あまりにストレスが強く、管理できない場合に検討されることがあります。つまり、スパズム誘引としてのストレス除去、という論理的根拠です。
…大規模臨床試験で効果は実証されていません。


参照 UpToDate