知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

放射線・検査

★だいたいわかれば、それでよい。

◎循環器内科医がだいたい見るポイントは決まっていて、簡単です。詳細には、かなり奥が深く、理解が必要です。

■だいたいみるポイント
1) EFが良いか
 ... 見た目で5%刻み、つまり50%, 55%, 60%,というくらいの評価。50%以下だと、低いと考える。
  EFが下がる=心筋症。原因は虚血、不整脈、などいろいろ。

2) Asynergyがあるか
 ... 収縮の非対称性があるか。これは基本的には虚血を意味する。
⇒Asynergyがある場合、
 ・その壁は菲薄化/輝度上昇していないか:していれば陳旧性心筋梗塞
 ・所在はどこか:冠動脈の支配領域に合わせて考える
  ⇒支配領域に合わない場合、他のことも考える

3) chamberの拡大はないか
 ... (右房)、右室、左房、左室の大きさの評価。だいたい。
 ⇒右室が大きい:右心系に血液がうっ滞する病態
  左房が大きい:だいたい心房細動。まれにMS
  左室が大きい:心機能が悪い。だいたいlow EF

4) 逆流、狭窄があるか
 ... 逆流は見た目。狭窄は流速。

5) TRPGとIVC
 ... TRPG高かったりIVC拡張していると、右心系の血液うっ滞


■細かいこと
①流速を測る仕組み(これは大事)
PW…一点の流速を測る
CW…線上のどこでも,一番流速が早い所を測る
⇒基本的にPWを使う.流れが速い時(2m/s以上)はCWでないと測れない
TRPGは流れが早いので、CWで測る

②CO(cardiac output, 心拍出量)
・CO=SV(stroke volume, 一回拍出量)×HR
・SV=LVOT area(左室流出路断面積)×LVOT VTI(血流の時間速度積分値)
 ・LVOT area=LVOT(左室流出路直径)/2×3.14
 ・LVOT VTI:左室流出路にPWのサンプルポイントを設定
       ⇒波形をトレース(横軸時間,縦軸が血流速度)
       ⇒このグラフの面積=LVOT VTI 
※あまりやらない

③推定右室圧
推定右室圧≧40→肺高血圧と診断できる
 …収縮期右室圧=肺動脈圧,と仮定している(よってPSでは適応外)

推定右室圧=4×三尖弁逆流最大速度の2乗+右房圧
 ⇒逆流がないと判定できない!
 ⇒CWにし,基線からVpeakまでの距離=逆流最大速度
 ⇒右房圧は推定する:普通なら5~10,IVC虚脱なら0~5,怒張なら10~15
IVC拡張とTRPGのあわせ技。細かいカットオフでなく、大体が大事。

④左室拡張能の評価:E/A
・左室流入血流は二峰性…E波,A波
⇒僧房弁弁尖先端にサンプルポイントを設定 (PW)
⇒EとAの速度の比を求める
正常(E/A>1)→弛緩障害型(E/A<1)→偽正常型(E/A>1)→拘束型(E/A>2)と移行する
※心筋が硬いか、という指標。managementにはそれほど影響しない。

⑤心筋の動く速度:E'
組織ドプラ
⇒サンプルポイントを心室中隔の僧房弁輪部に
⇒E'を測定
 …これが小さいと左室弛緩能が低下している
※これも、あまりみない


参照 心エコーセミナー

★浸透圧ギャップ。

◎臨床ではマイナー知識です。

■浸透圧の値の出し方2通り
・計算して出す場合:2×Na+Glu÷18+BUN÷2.8

・測定して出す場合
⇛液体が凍結する温度を測ります
 =凝固点降下の評価です
 (昔化学でやりました。水に電解質が溶解すると、凍結する温度が下がる現象です)
⇒溶解物のmolがわかります
⇒これから、浸透圧を換算します


■浸透圧ギャップ
測定された浸透圧>計算した浸透圧 となること。
⇛2つ原因があります。

他の溶解物がある場合
計算に使う電解質が足りない、ということ。
・アシドーシスである時
⇛エチレングリコール、メタノール、腎不全、ケトン、乳酸、ホルムアルデヒド、パラルデヒド
・アシドーシスでない時
エタノール消化物、ジエチルエーテル消化物

偽性低Na血症
●浸透圧は変わらないが、Naの検査値が低く出るため、計算値が低くなる、ということ。
高蛋白血症、高脂質血症でみられます
 …血漿中の水分は約93%であり、7%は蛋白と脂肪で占められる
  =Na140mEq/Lは、実際血中だと140÷0.93=151mEq/L、ということ
 ⇒蛋白・脂肪が極端に多いと、血漿中水分量が減る
  =上記の例で水分80%となった場合、151×0.8=128 となりえる
 ⇒Naの検査上データが低くなる、ということ。
 
 
参照 UpToDate 

★両者とも間質性肺炎のマーカーだが,特徴が異なる.

◎KL-6は当院ですぐに出るのでよく使います。SP-Dとの使い分けを理解しておきましょう。

■起源
KL-6:Ⅱ型肺胞上皮細胞で産生される抗原の一つ
SP-D:Ⅱ型肺胞上皮細胞で産生されるリン脂質-蛋白複合体の一つ

■特徴
KL-6の方が特異的
KL-6:感度60.7%,特異度98.9%
  + 細菌性肺炎では上昇しないです
SP-D:細菌性肺炎,心不全,喫煙でも上昇し得ます
KL-6は鑑別に有用です
※但し,感染性間質性肺炎(ニューモシスチス・CMV),悪性腫瘍(肺腺癌・乳癌・膵癌)でKL-6が上昇することがあります。

KL-6は呼吸機能と相関
・SP-Dに優位な相関は見られないのです。
※但し,両者組み合わせることで,呼吸機能障害のより的確な評価が期待できます.

SP-Dは治療効果・増悪の判定に有用
・急性増悪時,ステロイド奏功時にSP-Dが先に変化します
SP-Dはモニタリングに有用

以上より,
 外来経過観察時⇒KL-6(特異的)
 入院時⇒SP-D(鋭敏) 
が適しているといえます。


参照 医中誌,UpToDate 

★明確なカットオフ値がないのが難点.

◎なぜか国家試験に頻出ですが、機序までかかれているものは少ないです。

レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室[ベストティーチャーに教わる全27章]改訂第2版


 
著者の方はブロガーで有名です。


■用語
BAL:BronchoAlveolar Lavage=気管支肺胞洗浄
  ⇒多量の生理食塩水注入
  ⇒末梢までいきわたらせ,シリンジで陰圧をかけ回収します

TBL:TrancheoBronchial Lavage=気管支洗浄
  ⇒少量の生理食塩水注入
  ⇒気管支部分のみ洗浄,回収;肺胞部分は回収できないです

TBLB:TransBronchial Lung Biopsy=経気管支肺生検
  ※BALと同時に行うことが多いです 


■細胞増多の解釈
リンパ球増多
⇒NSIPCOP、膠原病性間質性肺炎、薬剤関連性肺疾患、過敏性肺炎、サルコイドーシスなど

好中球増多
⇒細菌性肺炎、びまん性汎細気管支炎、AIP、IPの急性悪化

好酸球増多
⇒好酸球性肺炎など、好酸球増多症候群


■マーカー分画の解釈

CD4+CD8+

細胞性免疫が抑制された結果をみています
サルコイドーシス、農夫肺、慢性ベリリウム肺、結核

CD4+CD8+
⇒間質性肺炎(COPNSIPAIP)、薬剤関連性肺疾患、夏型過敏性肺炎


※歴史的に、過敏性肺炎とサルコイドーシスと区別する為に使われていました
⇒しかし、CD4+↑の過敏性肺炎もあり(農夫肺),現在は鑑別には推奨されません。
 過敏性肺炎のこの違いのメカニズムは不明です。



参照 やさしイイ呼吸器教室 

★SLEは赤沈のみ亢進。

◎見落としがちな、大事なことです。

■赤沈 (ESR)
●赤血球の凝集により亢進します!

炎症⇒グロブリンやフィブリノゲンなどの陽性蛋白が産生れます
   ⇒赤血球は陰性です
   ⇒それらが凝集して、
   ⇒赤沈↑

貧血⇒赤血球同士の反発が低下します(少ないから)
    ⇒赤沈↑


■C Reactive Protein
●主に肝で合成される急性期蛋白です。
…炎症性サイトカインの刺激により、肝細胞で産生されます。
 (IL-6, IL-1beta, TNF-alpha, IFN-gamma)

※急性期蛋白とは、炎症の急性期に血中に増加する蛋白の総称です。
CRPはSerum Amiloid Aとともに最も鋭敏に反応するもので、12時間以内に血中濃度が上昇します。


■使い分け
臨床でdiscordanceが有用な状況は、SLEのみといっても過言ではないと思っています。
すなわち、SLEは 赤沈亢進+CRP陰性です。

SLEは重症化すると胸腹水が多量となり、血管内脱水が著明となります。集中管理をしても、ステロイド投与しなくては救命困難ともなりえます。

敗血症のような様相ですが、そんな時にもCRPは陰性であることを経験します。


⬇︎CRPと赤沈の関係を表にまとめました

CRP陽性

CRP陰性

赤沈亢進

その他

炎症回復期,貧血,ネフローゼ,
高γグロブリン,妊娠,ウイルス・真菌感染, SLE, RAの一部

赤沈遅延

炎症初期,炎症+多血症,炎症+フィブリノゲン↓

無フィブリノゲン,無γグロブリン,多血症

 

★生物学的偽陽性と抗カルジオリピン抗体検査は同じものを見ている!

◎実際に梅毒検査陽性をみることはたまにあります。

梅毒検査キット 自宅で出来る性病検査キット(男女共用) 郵送検査キット


↑梅毒検査のスクリーニングを自宅で行う事は可能です。しかし以下の通り解釈は専門的なので、心配があれば病院で行いましょう。


■梅毒検査
●生物学的反応:Wassermann反応
牛の心臓から抽出したリン脂質に親和性をもつ抗体の反応を見ている
⇒この抗体こそがカルジオリピン抗体

➡︎この検査の感度を上げたかった経緯があります
⇒現在は,カルジオリピンを用いたELISA法が利用されている
⇒即ち、抗カルジオリピン抗体検査と同じものを見ているのです

●ただし、梅毒検査の偽陽性はアメリカ人全体の1-2%いるという報告があります
 +titerが高い低いでは、偽陽性か本物の陽性が判別がつかないとされます
…具体的には妊娠、急性発熱性疾患(特に心内膜炎やリケッチア)、最近のワクチン摂取、自己免疫疾患(特にSLE)、iv drug、HIV感染など
特異的な検査に進む
<実際の検査アルゴリズムは複雑です;UpToDate, syphilis screening for asymptomatic, nonpregnanat adult参照>

※抗リン脂質抗体症候群における抗リン脂質抗体は,カルジオリピンの他,ホスファチジルセリンなど他のリン脂質にも親和性を持ちます。 

★テスト用。

◎HbとMCVで一般内科医はどうにかなります。サラセミアは経験することもありますが、血液像を見て技師さんから連絡くれます。

病気がみえる vol.5 血液 [ 医療情報科学研究所 ]


■赤血球検査項目の定義

①RBC(red blood cell)
●1μLあたりの赤血球の個数

②ヘモグロビン(Hb)
●血液中のヘモグロビン濃度

③ヘマトクリット(Hct)
●血液中における血球の体積の割合

④Mean corpuscular volume(MCV)
●RBCの平均サイズ(平均赤血球容積)
MCV (femtoliters [fL]) = 10 x HCT (%) ÷ RBC (millions/microL)

⑤Mean corpuscular hemoglobin (MCH)
●1つのRBCの中のヘモグロビンの重量(平均赤血球ヘモグロビン量)
MCH (pg/red cell) = Hb (g/dL) x 10 ÷ RBC (millions/microL)

Mean corpuscular hemoglobin concentration (MCHC)
●1つのRBCの中のヘモグロビンの濃度(平均赤血球ヘモグロビン濃度)
MCHC (g/dL) = Hb (g/dL) X 100 ÷ Hct (percent)

Red cell distribution width (RDW)
●RBCのサイズの分布(大きいか小さいか;大きさのバラバラ度合い)


(10枚入り!)ヘルメット用ステッカー 血液型O型 35φ

■各検査結果の解釈
●RBC, Hb, Hct
貧血のマーカー

●MCV
小球、正球、大球性貧血の鑑別(詳細は省略):これは実際重要です。

●MCH
鉄欠乏性貧血やサラセミアで低値となる:MCVとほぼ同じ

●MCHC
・低値はMCV, MCHと同様
高値は赤血球の形成異常をほぼ意味する 
 ⇒球状赤血球、鎌状赤血球、有口赤血球、ヘモグロビンC

●RDW
・非常に高値:鉄欠乏性貧血、輸血後、骨髄異形成症候群

★心臓MRIで肝になるところ。

■メカニズム

・ガドリニウム造影剤は正常細胞に取り込まれない
 =間質が染まる
 (正常の間質は30%程度の体積ある)

・心筋細胞が死ぬと、①間質の体積が大きくなり、②細胞膜による取り込みブロックがなくなる
⇒生きている心筋細胞以外の所が染まる
・更に、造影剤をwashoutする毛細血管も減る
⇒遅延造影となる


■染まり方の特徴
●置換性線維化

・局所の心筋がごそっとなくなり、線維化する
局所に集積するLGEとして判別される
⇒分かりやすい、定量化しやすい(計測が簡単)
心筋梗塞やサルコイドーシスでみられるパターン。

※心筋梗塞急性期には梗塞心筋が浮腫状となる
⇒浮腫=間質の増加である
⇒死んでいる心筋の箇所以外にも造影剤が蓄積する
 =LGEが過大評価となる
⇒これは、慢性期にはなくなる

●びまん性間質性線維化
心筋全体に、びまん性に広がるLGE
分かりにくいし、計測しにくい
⇒そもそもLGEとして認識できないこともある
・拡張型心筋症やFabry病で認められる
※拡張型心筋症でLGEが認められるのは20-70%と言われる。心筋中層に筋のように入るLGEが典型的とされるが、そうでもないことも多い。

★基本的には精密なEF/LVDd測定と心筋バイアビリティ評価。

■cine-MRI

シネ画像により、心筋収縮を3次元に捉える事ができます
⇒特に短軸像を重ねあわせる事で、EF, LVDd, LVDs等を定量化できます
⇒MRIによる定量化は最も正確とされます(特にエコーと比較して)
EFの低下、LVDdの拡大は、悪い予後と関連します

・弁口面積の評価にも用いられるそうです。


■ガドリニウム遅延造影(LGE; late gadolinium enhancement)

心筋の線維化、不可逆性の障害を示します
 ⇒CMRで黒い心筋の中に白く染まる箇所です
 …そういう箇所は造影剤の取り込みが遅くなるからです。
※LGEはAMI, OMIどちらも反映します。
・LGEがあると、将来の心血管イベントのリスクが増加します。
・LGEは定量化も可能です(測定は少し面倒くさいです)。
 ⇒LGEの定量化は再現性が非常に高いといわれます。

LGEは収縮機能低下と関連あります
・貫壁性のLGEは心筋のviabilityは少ないと考えられます。
・非貫壁性のLGE(25-50%程度)はviability残存が見込まれます
 =つまり、心筋の収縮力が保たれる可能性が示唆されます
・また、心筋梗塞後すぐのLGEは、時間経過と共に改善する可能性があります
⇒これらの所見は、以下のMVOやIMHにはみられません。

非虚血性心筋症
心筋症による心筋線維化は、斑状のLGEや心筋内LGEとしてあらわれます
 …虚血性のLGEは心内腔側からLGEが進展します
・心筋症でのLGE陽性は、悪い予後と関連します
⇒例えば肥大型心筋症でLGE陽性の場合、突然死のリスクが高いとされます
 ⇒ICD埋め込みの閾値が下がります


■microvascular obstruction (MVO)

・epicardialの血管は問題ないが、その先のmicrovascularが障害された状態
 …CMRで最もよく評価できるとされます
 ⇒LGE(白)の内腔側に黒く抜ける箇所です
Intramyocardial Hemorrhage (IMH)は、MVOが重症化したものと考えられます
 ⇒LGEの心筋内で黒く抜ける箇所です
・MVOやIMHと予後との関連は調べられてきている所です(悪いという事です)。


■その他

・T2 starにより鉄のoverloadを評価できます
・flow encodingにより、その箇所の血流量を定量化できます
 ⇒シャント、弁逆流の定量化や絶対心筋血流量・CFR測定が可能です


参照 UpToDate

★腎性全身性線維症。

◎ガドリニウム造影剤は腎機能低下例に使用禁忌ですが、副作用は腎機能障害でなく全身性の疾患です。

■腎性全身性線維症
●概要

ガドリニウム造影剤への暴露後2-4週で発症する(2日〜8年との報告も)、皮膚や筋に線維化をきたす疾患。診断は生検によります。
・28%は進行せず、20%に進行を認め、28%が死亡したとの報告があります。

●疫学
・重症腎不全にガドリニウム造影剤を用いた例2.5-5%に生じます。ちなみに本疾患の原因は95%がガドリニウム造影剤ですが、原因不明の例もあるそうです。

●機序
はっきりとはしていないが、2種類の病態が考えられています。
TGF-β1経路の活性化
・トリガーにより、CD68+/XIIIa因子+の樹状細胞が活性化
⇒同細胞がTGF-β1を産生
⇒TGF-β1により樹状細胞の成熟化、抗原提示が促進され、悪いサイクルが回る
⇒組織の線維化

線維細胞の増殖
・トリガーが骨髄を刺激、CD34+線維細胞が産生される
⇒組織に蓄積
⇒組織障害がなくともコラーゲン産生される

トリガーとなるイベントとは?
・ガドリニウム等の毒性物質が組織に蓄積することが原因
ガドリニウムイオン(Gd3+)は水和性が低く、非常に毒性が強い
⇒通常キレートされるが、腎クリアランスが低い場合、キレートから遊離しうる
⇒毒性を発揮する
 …細胞内酵素や細胞膜との反応/ 神経筋のCaイオン伝達の阻害/ リン酸イオンとの反応など


●どの程度の腎不全がリスクとなるか?
eGFR30以上の患者での報告は基本的にない
(2例あるが、AKIであった可能性がある)
・eGFR30未満でガドリニウムが投与されてしまった場合、血液透析を考慮する。


参照 UpToDate

★ステロイド+低浸透圧性造影剤の使用

■アレルギー予防法
①ステロイド

有効性は実証されているが、最適な投与法は定まっていない
 例⇒13時間、7時間、1時間前にプレドニン50mgを内服 
   13時間、7時間、1時間前にメチルプレドニゾロン40mg iv

②H2ブロッカー

エビデンスなし

③違う造影剤の使用

・前向き研究で有効性は確かめられていないが、同じ造影剤は必ず避けるべきとされる
低浸透圧(500-900 msom/kg)〜等浸透圧性(290 msom/kg程度)の造影剤が推奨される
 …高浸透圧性造影剤はアレルギーの頻度が多いため
⇒おそらく、浸透圧の出来るだけ低い造影剤を用いるべき

最近はほとんど非イオン性、低浸透圧造影剤が用いられる
⇒高浸透圧性造影剤がルーチンの施設は、以下の患者には低浸透圧性造影剤を用いるべき
・喘息、β遮断薬かNSAIDsの服用、造影剤以外の薬物アレルギーの既往、パワーインジェクターの使用、アレルギーへの不安が強い患者

※但し、どんな方法を用いてもアレルギーが発生する確率をゼロにはできない
(そもそも頻度は非常に低いが;0.05-0.1%未満)
⇒アナフィラキシーに対応する準備をしておくべき


参照 UpToDate

★先進国で、主にCTによる癌発症率上昇が問題となっている。

■医療による放射線被曝
●単位

・電離放射線の濃度;R
・電離放射線吸収量;Gy(グレイ)
・部分的な被曝を全身被曝量に換算した値(実効線量);Sv(シーベルト)
 …医療のイメージングにおいては1Gy=1Sv
⇒実効線量が被曝による悪影響の指標となる

●実際の被曝量
1年間の日常生活;3mSv
・1回の飛行機での大陸間移動;0.02mSv
・胸部レントゲン;正面 0.02mSv, 側面0.1mSv
・マンモグラフィー;0.7mSv
・頭部CT;2mSv
・胸部CT;7mSv
腹部CT;10mSv
・肺換気/血流シンチ;2mSv
・骨シンチ;4.2mSv
心筋SPECT;12.5mSv
・冠動脈造影;5-15mSv

CTにおいては、患者によって(脂肪など)大きく被曝量が異なる
 +多くの線量を用いればよりよい画像となる
⇒被曝量を減らすため、再構成法逐次近似法などの手段が取られている
⇒また、320列など新しい装置では、撮影時間の低減より被曝量も低くなる


■電離放射線(ionizing radiation)による傷害の機序
活性酸素を産生
⇒分子間結合を傷害;DNA損傷、細胞死
 重要な酵素活性を阻害
⇒細胞、分子レベルの傷害


■実際の影響
●将来の癌発生率が高くなる

 …骨髄腫、白血病、肺癌、甲状腺癌、乳癌、骨種、皮膚癌
⇒癌発生の閾値はなく少量でも暴露されればされるほど発生率が高くなるとされる
 (linear no-thershold model; LNT model
 …主に広島原爆の生存者を対象とした研究による 
●具体的な報告
・3mSvでは有意な癌発生率とは関連しない
1Svで4-5%癌発生率が上昇する
10mSv一回の被爆を原因として、1000人に1人が癌を発症する
・20台の腹部CT 1回を原因として、女性500人に1人、男性660人に1人が将来癌を発症する

 
参照 UpToDate,  Mayo Clin Proc. 2010 Dec; 85(12): 1142–1146 

★コイルが揺れる。

■MRIの原理→騒音の原理
・患者は静磁場の中に入る
 …静磁場:空間的に均一で強力な磁場
⇒プロトンが静磁場の方向を向く傾向を示す
⇒この強さをAとする
※分子毎に強さは違うが、水分子の中のプロトン(水素イオン)を計測する

・この患者に、共鳴周波数の高周波磁場(ラジオ波)を断続的に照射
 …位置情報を取り込むため、x/y/z方向の傾斜磁場を使用
⇒歳差運動(首振り運動)が生じ、Aを電圧として検知できる
※実際にはAと関連した色々なパラメーターを計測する 

・高周波磁場は、コイルに電流を流す事で発生させる
静磁場の中で電流が流れるので、フレミングの法則に従いコイルに力がかかる
 (電磁力)
⇒コイルが振動する
⇒ガンガン音がする
※傾斜磁場の掛け方によってコイルの振動の仕方が異なり、音が変わる
 (電子音っぽくもなる)


参照 各社HP、UpToDate

★ACSが疑われる場合で、緊急と準緊急に分ける。
※ACS=STEMI or NSTEMI or UAP
 ⇒定義:NSTEMIと不安定狭心症の違い

■実地での適応
●緊急 (immediate)カテーテル

・STEMI
・血行動態が破綻している時
・左心不全を来した時
・強力な内科治療をしても、安静 or 持続性狭心痛が生じる場合
・MI合併症を来している場合;MR、VSDなど
・持続性VTを来した場合
・ダイナミックなST-T変化がある場合

●準緊急 (early)カテーテル;24〜48時間以内
⇒上に当てはまらない上での話
・CABG後、若しくは最近6ヶ月以内にPCI施行した
・新規と考えられるST低下
・トロポニン上昇(=NSTEMI)
・強力な内科治療をしても、軽度労作で狭心痛が持続する場合
・EF<40%
・TIMIリスクスコア>2 or GRACEリスクスコア>108
 …参照:

※NSTEMI、UAにいつカテーテルをすべきかは色々研究されている
⇒少なくとも60時間以内にした方が良いのは間違いない
⇒しかし早ければ早い方が良いので、可能なら4-24時間以内にすべき
 (特にTIMIリスクスコア>4 or GRACEリスクスコア>140の場合)


■AHAガイドライン
●STEMI

Class 1

緊急カテ:primary PCIの良い適応

緊急カテ:重症心不全 or 心原性ショックで、血行再建適応あり

Class 2a

緊急カテ:中等度以上の範囲の心筋に障害が起きるリスクが高い

Class 2b

待機的カテ:発症後24時間以内に心カテが行われなかった患者

Class 3

血行再建:リスクがベネフィットより高い、侵襲的処置を希望しない患者


●UA/ NSTEMI

Class 1

準緊急カテ:薬剤抵抗性 or 血行動態不安定な、重篤な基礎疾患/禁忌がない患者

準緊急カテ:状態落ち着いたがリスクの高い、重篤な基礎疾患/禁忌がない患者

血行再建法:SIHDと同様に、PCICABGか適応を判断すべき

Class 3

準緊急カテ:重篤な基礎疾患(肝不全、肺不全、癌など)があり、かつ以下の場合

 ・血行再建によるリスクがベネフィットより大きい

 ・胸痛はあるがACSである可能性が低い

 ・同意が得られない


※用語
●エビデンスレベル
Class1:その治療をすべき
Class2a:その治療をするのは合理的
Class2b:その治療を考えてよい
Class3:その治療をすべきでない

●略語

SIHD(stable ischemic heart disease):安定している虚血性心疾患
STEMI:ST上昇型心筋梗塞
UAP:不安定狭心症


参照 UpToDate, Braunwald, ACCF/AHA/SCAI Practice Guideline 2011

★末梢がつまる事で生じ、有効な治療がなく予後が悪いため、予防法がいつくも考案されている。

■slow flow, no flowの定義

PCIでメインの狭窄が解除されたにもかかわらず、造影剤の流れが遅い事
 …具体的には、本幹狭窄やスパズムないがTIMI flow grade≦2の時
・糖尿病患者で多く見られ、予後が悪くなる

□TIMI flow grade

Grade 0 – 全く流れない

Grade 1 – 遠位血管床までは流れない

Grade 2 – 遠位血管床まで流れるが、やや遅れる

Grade 3 – 普通に流れる











■slow flowの機序

・PCIサイトより遠位の冠動脈枝閉塞;プラークか血栓
 ⇒PCI以前に認めていた遠位の枝が、slow flow時見られなくなることがある
微小血管障害
・心筋壊死か気絶心筋
・再還流障害;活性酸素、組織因子
・血管収縮;αアドレナリン↑、トロンボキサンA2、セロトニン


■slow flowの臨床への影響、予後

●TIMI≦2 vs TIMI 3
入院中死亡率: 15% vs 2%, 入院中心イベント: 20% vs 6% (PAMI試験)
遠隔期死亡率も、TIMI≦2で上昇する
※no flowだと更にリスクが上昇する
●TIMI myocardial perfusion grade (TMPG)は心筋組織への還流量の指標
⇒予後と密接に関わる

●治療法は確立されていない

⇒還流低下がある場合、以下を検討(確固としたエビデンスなし)
 ①血管収縮薬、強心薬、GPⅡb/Ⅲa阻害薬の全身投与
 ②ベラパミル、又はニトロプルシド冠注
 ③IABP

★slow flowは予後悪いため、それを予防する手段がいくつも考案されている
direct stenting、血栓吸引、遠位保護デバイス、レーザー(蒸散)、GPⅡb/Ⅲa阻害薬など
 

参照 UpToDate, WikiDoc 

★IVUSでよく確認される。

■合併症発生率

・1998-2000年のデータ;MI 0.4%, 緊急CABG 1.9%, 死亡 1.4%
⇒今はほとんど見られなくなった


■冠動脈解離、閉塞

・PTCA後、50%程度に認められたとの報告
⇒軽い解離なら、早くて6週間で完全に治る(Type A or B)
大きい解離だと、急性冠動脈閉塞を来しうる(Type C-F)
⇒そのため、ほぼ必ずステントが使われるようになった
●分類
Type A:管腔の陰影
Type B:線形の解離
Type C:管腔外の造影あり
Type D:らせん形の解離
Type E:flow低下を伴う解離
Type F:完全閉塞を伴う解離


■壁内血栓

中膜に血液が溜まり、内膜と外膜を押している状態
・IVUSで6.7%に認められたとの報告
・PCI後のACS頻度は変わらないが、1ヶ月以内のPCI再施行率は高くなる


■穿孔

・0.2-0.6%に認められたとの報告
●分類
ClassⅠ:壁内の孔、extravasationなし
 ⇒MI 0%, タンポナーデ 8%, 死亡率 0%
ClassⅡ:心膜、心筋が染まる
 ⇒MI 14%, タンポナーデ 13%, 死亡率 0%
ClassⅢ1mm以上の穿孔で、噴いているのが分かる
 ⇒MI 50%, タンポナーデ 63%, 死亡率 19%
●対応
まずPCI用のバルーンで15分間閉塞させる
⇒だめな場合、カバードステントを考慮する
・遠位が穿孔している場合、コイル塞栓も考慮する
・心嚢水著明な場合、心嚢穿刺
⇒それから凝固をリバースする
⇒心嚢穿刺をしてもバイタル変動する場合、緊急CABGの適応


■病変より遠位の冠動脈閉塞

・非常によくある
・造影でslow flowとして確認される
・別記事参照


■側枝閉塞、ジェイル

側枝の分岐部をステントで塞いでしまう事;stent jail
⇒ワイヤーを残しておき、jail部位をバルーン拡張することもある
⇒しかし、jailのままで普通問題ない
・また、jail後、高圧でバルーンをかけた際に閉塞しうる
⇒しかし皆気をつけるので、あまり問題になる事はない


参照 UpToDate

★Lightの基準で滲出性胸水の場合、色々な手段で鑑別を進める。

■胸水穿刺の意義

確定診断できる疾患は限られている
膿胸、癌、結核、真菌、食道破裂、乳び胸、血胸、カテーテル迷入

※血胸
・肉眼的血胸、Ht>50% で血胸
・原因:悪性腫瘍、外傷、肺塞栓、アスベスト肺
 

■浸出性 or 漏出性
●浸出性胸水の診断

 

 

感度

特異度

胸水LDH

≧血清LDH2/3

82

89

胸水÷血清LDH

0.6

90

82

胸水TP

3

90

90

胸水÷血清TP

0.5

86

84

胸水Chol

60

54

92

43

75

80

胸水÷血清Chol

0.3

89

81

血清−胸水TP

3.1

87

92

Lightの基準

1つ以上

98

83


●浸出性じゃないことを言いたい
(漏出性である心不全、ネフローゼの頻度が非常に多いため)
感度が高いLightの基準が有用
※ただし滲出性=炎症であり、鑑別疾患は多数ある
⇒以下で鑑別を進める


■滲出性胸水の時、鑑別に有用な検査項目
●細胞分画

①好中球優位
・急性期炎症を示す;PEを忘れない
リンパ球優位(50%以上)
・結核、悪性腫瘍、リンパ腫、心不全、CABG後、RA、乳び胸、尿毒症、サルコイドーシス
⇒結核と悪性腫瘍をrule outする必要あり

●糖
・低値の場合、滲出性胸水の鑑別が絞られる
61.2mg/dl以下;肺炎、膿胸、結核、SLE、RA、悪性腫瘍、食道破裂
(膿胸とRAでは特に低く、感度以下ともなりうる)

●pH
・正常値は7.6程度
・肺炎、悪性腫瘍による胸水:pH7.3未満の場合、治療抵抗性で予後が悪い

●ADA
・リンパ球優位だが結核菌が検出されない場合
ADA>50で結核診断の感度91%、特異度81%

●AMY
血清アミラーゼより濃度が高い場合
⇒膵炎、食道破裂、悪性腫瘍の可能性高い


参照 UpToDate、http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-140804-nerima.pdf

★E/A, E/e', SFFの値とパターンで認識する。

◎循環器以外はそんなに触れないが、循環器の中ではwell-knownなトピック。

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■E波とA波(左室流入血流速度波形)
E波:左室急速流入血流速度(最初に心室が拡張する事で左室流入する血流)
A波:心房収縮期流入血流速度(次に心房が収縮する事で左室流入する血流)

正常だと、E波>A波:E/A>1
⇒拡張障害あると、拡張による血液流入↓:拘束パターン
 →E波↓、Deceleration time(DecT)延長(>220ms)
 →代償性にA波が高くなる:E/A<1
 →拡張に時間がかかる:E波とA波の間の時間(IVRT)延長(>90ms)
更に進行すると、左房圧↑
 →E波↑:E/A>1, DecT↓(偽正常化  pseudo-normalization
⇒更に進行すると、もっと極端になる
 …E/A>2, DecT<150, IVRT<70


■E波とe'波(組織ドップラー)

e'波僧帽弁輪部の拡張早期最大速度
 …E波と比較し前負荷の影響を受けにくく、左室拡張能の低下に従い低下する
 (偽正常化しない)
※記録部位が動く事が前提;心筋梗塞でasynergyだと全く当てにならない
 また、僧帽弁疾患、心膜炎だと当てにならない

E/e'は拡張末期圧とよく相関:エコー検査で一番信頼性高い
…8以下が正常、12-15以上が圧上昇

 
■肺静脈波

・4腔断面像で右上肺静脈血流がわかる;3相性
…S波:収縮期に、左房へ流入する血流
 D波:拡張早期に、左房へ流入する血流(E波に相当)
 Ar波:拡張期の心房収縮期に、左房から逆流する血流
⇒それぞれのTVIを測る (時間-流速グラフの体積)
収縮充満率 (SFF:systolic filling fraction)
 SFF = S ÷ (S + D)
⇒EF低下している人でSFF<40の場合、左房圧上昇しているサイン
※ブロック、頻脈、僧帽弁疾患、心膜炎で当てにならない
・Ar波の持続時間も参考にする


■左室拡張不全の診断
●EF保たれている場合

・E/e'<8は正常
E/e'>13は拡張期圧上昇している拡張不全
・この間の場合、以下があれば拡張不全
…LA容量>34ml/m2、Ar持続時間>30ms、PA収縮期圧>35 (肺疾患ない前提)

●EF低下している人場合

・E/A<1で正常パターンなら問題なし
E/Aが拘束パターン:SFF<40なら拡張不全
E/Aが偽正常化なら、ほぼ拡張不全
 …E/e'>15, PA収縮期圧>35、Valsalva法でE/A変化する、などで確認する


■拡張不全の重症度分類

●Grade 1:E/A<0.8, S>D, e'<0.08m/s, E/e'<8
…高齢の場合、正常範囲内とする
●Grade 2:E/A>1, E/e'>10, Ar波持続時間>30ms
●Grade 3:E/A>2, DecT<160ms, IVRT<70ms, SFF<40, E/e'>13
…心不全治療で改善しうる。しない場合、予後が悪い。

 
参照 UpToDate, 心機能指標の標準的計測法とその解説 

★国際的にはEF。

■左室駆出分画 EF: ejection fraction

基本的に収縮能はEFで評価する
⇒エコー、造影、MRIなど
⇒ここではエコーの話

●EF = (拡張末期体積 - 収縮末期体積) ÷ 拡張末期体積

①Teichholz法
・Mモード:短軸 or 長軸
左室最大短径でLVDdとLVDsを測る
左室を回転楕円体と仮定
収縮末期体積 = {7 ÷ (2.4 + LVDd)} × LVDd3

⇒拡張末期体積も同様、上の式でEFを求める

※適応外:左室が回転楕円体から外れる場合(左室瘤など)、asynergyがある場合

②Modified Simpson法

4腔像で左室収縮期/ 拡張期をトレース
⇒20等分し、円柱が20個と仮定する
⇒それぞれの区画で短径を求める
2腔像でも同様に短径求める
⇒この短径×短径×πで断面積となる
体積 = (短径×短径×π) × (長径 ÷ 20) の、それぞれの区画の和
※簡易的に、4腔像の短径を2乗することもある

※回転楕円体でない例にも適応可能
⇒但し肉柱などで過小評価しがち
⇒収縮能の大雑把な把握に適している;わずかな変化は捉えられない


■左室内径短縮率 FS: fractional shortening

●FS = (LVDs - LVDd) ÷ LVDd
・正常値は30-50%程度
※参考程度。国際的にはほとんど使われない。

 
参照 日本超音波医学会 

★逆流は見た目が大事。

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■大動脈弁逆流

・見た目の評価
mild:僧帽弁前尖先端まで、moderate:左室乳頭筋まで、severe:心尖部まで


・重症AR
①逆流ジェット幅÷左室流出路径≧60%
②逆流ジェット面積÷左室流出路面積≧60%
逆流ジェット幅:vena contracta(カラードップラーで逆流ジェットの幅が最小になる所)で測定する
③PHT(pressure half time)<200msec
逆流量≧60ml/beat
⑤逆流分画≧55%
逆流量=左室流入量−左室流出量
 左室流入量={僧帽弁輪径×僧帽弁輪径×3.14}×TVI
長軸で僧帽弁輪径、左室流出路径を測り、PWで左室流入、流出波形からTVIを測る


■僧帽弁逆流
・重症MR

 ①effective regurgitant orifice(ERO)≧0.4㎠
 ②逆流量≧60ml/beat
 ③逆流分画≧55%
 ④収縮期に肺静脈が逆流する
 ⑤僧帽弁逆流ジェットが左房底に達する
ERO(逆流弁口の有効面積)
・複雑なため略


■収縮能評価

EF:(拡張末期容積-収縮末期容積)÷拡張末期容積
 ⇒前負荷・後負荷により影響される
①逆流
・MR:逆流しているので、EFが過大評価となる
・AR:有効な拍出量は、EFでは過小評価となる
⇒これらは、収縮末期容積を指標とする
 …前負荷、後負荷に影響うけないため
手術を考慮:MRでは収縮末期径≧45mm、ARでは≧50~55mm
②狭窄
・ASにおいて、心機能が低下していてもLVEFは正常でありうる
midwall FS(壁厚に依存しない円周方向心筋繊維収縮)を用いるとよい
※ただし計算式が複雑なため、市販のエコーに組み込まれていない可能性あり


■拡張能評価

E/Aの上昇、E波のdeceleration time(ピーク波形から0に減速するまでの時間)の短縮
 …心室が固く、心房のキックが大きくなるイメージ
 ⇒左室収縮能が正常な場合、ばらつきが大きい
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/33262679.html
Tei index
・組織ドップラーにて、心室中隔の壁を動きをMモードで見る
⇒僧帽弁流入が終了してから再開するまでの時間:a
 大動脈への駆出血流が持続する時間:b
⇒(a-b)÷b
 …収縮期の内、大動脈弁が閉じている時間の割合
⇒0.5より大きいと拡張障害
E/E'
・僧帽弁付近の最大流速=E
  組織ドップラーにて、心房尖部の心房方向への最大速度=E'
⇒11以上で拡張障害
E'/A'
組織ドップラーの波形も2相性
⇒心房キックがA'で表される
⇒特に基準値ないが、拡張能を表す
 

★スリガラスと浸潤影は濃度上昇についての客観的な話、他は形態の違いについての主観的な話。

■CT濃度上昇

・基本的には感染か炎症による
スリガラス陰影(ground-glass opacity)
・血管陰影が透けて見え、気管支透亮像(air bronchogram)を伴わないもの
CTの解像度以下の肺実質の変化を表す 
浸潤影(consolidation)
・血管の閉塞を来たし、気管支透亮像を伴うもの
⇒肺胞内が、気体から液体(浸出液など)や個体(細胞など)に置き換わった状態を表す

※エア・ブロンコグラム
水浸しの肺胞内(白)の中に、気管支が透亮像(黒)として見える状態


■異常な形態

網状影
・間質の異常が原因
…粗い:小葉間中隔の肥厚、中間:ハニカム(蜂巣肺)、細かい:肺胞中隔の肥厚

結節影
胸膜かフィッシャーに接している
⇒塊となる:傍リンパ結節 …サルコイドーシス、癌性リンパ管症、珪肺
 塊とならない:血行性結節 …深在性真菌症、結核、血行性転移、敗血症性塞栓

接していない
⇒tree-in-bud patternあり:気管支炎、過敏性肺炎、ランゲルハンス組織球症
 tree-in-bud patternなし:気管支炎、誤嚥
※tree-in-bud pattern(木の芽)
・細気管支が顕在化し、その周囲でたくさん粒がみられる
 ⇒肉芽を表す

③モザイク
・肺実質濃度の血流の違いによる変化
⇒血管病変や、気道病変→低酸素→血管収縮を表す

④嚢胞
・よく描出される壁で隔離された低吸収域

他、空洞、線状影、索状影、粒状影など。


※用語の使い分け
・明らかな形態的特徴があればそれを優先していう
…結節影は濃度的には浸潤影だが、結節影という
・でも形態的特徴はかなり主観的。


参照 UpToDate、呼吸器内科医

★避けた方が望ましいが、必要ならやって構わない。

■リンパ系
間質からリンパへの水移動
 …局所の動脈拍動、骨格筋収縮、静脈弁
リンパから静脈へ
 …径が大きくなること、血管には平滑筋があることにより促進
⇒これらが破綻するとリンパ浮腫となる


■乳癌術後リンパ浮腫の二次予防
①腕、爪の清潔を保つ+日光をよける
・うっ血がある状態に感染が併発すると、急激に発赤や腫脹を呈しうるため
蜂窩織炎ということ
⇒この意味において、熱傷とならない程度の紫外線なら無害

②よく動かし、下にしないようにする
・静脈鬱滞をさけるため

③重いものを持たないようにする
・動脈血血流量、静脈還流量が増加し、対応しきれなくなるため
⇒しかし骨格筋収縮はリンパ系ドレナージに必要
⇒程度の問題か

④医療行為を避ける
・静脈圧上昇、感染につながりうるため
・具体的には;ワクチン、鍼、瀉血、静脈ライン、静脈造影
血圧測定ICUや術中繰り返しはかる場合、避けた方がよいとされる
 ⇒それにより悪くなるというエビデンスはない
  +腋窩リンパ節廓清でなければ全く問題ない(センチネルリンパ節生検など)
採血を避けた方がよいという記述はない
⇒一時的な駆血は問題とならないし、感染予防はよく拭けばよい
⇒理論的にも問題なし

※患者が神経質になっていることがあり、その意味で避けた方がよいこともある
 ⇒必要な時は説明してやるべき。
 
 
参照 UpToDate, 乳癌診療Tips & Traps website

★謎の全身炎症でCRP陰性の場合、SLEを考える。

■機序
○SLE
1型インターフェロン産生
 ※1型インターフェロン:IFNα、βのこと
           …マクロファージを活性化するIFNγと区別される
肝細胞でCRP合成を抑制 
⇒炎症があってもCRP陰性となる
 
■SLEでCRP陽性の場合

・慢性滑膜炎、活動性漿膜炎
・細菌感染の合併


■SLEの血清学的診断
抗核抗体感度93%、特異度は低い
 ⇒陽性の場合、以下の検査をする
 ・抗dsDNA抗体:感度70%
 ・Sm抗体:感度30%
  ⇒これらは特異度高い
・抗Ro/SSA、抗La/SSB 抗体:感度20〜30%
 ⇒Sjogren症候群との合併を考える
・抗U1-RNP抗体:感度25%
 ⇒MCTDとの鑑別が必要
・RF:感度20%
 ⇒抗CCP抗体はほぼ陰性であるため、RAとの鑑別はこちらで行う


参照 UpToDate

★分布、半減期で理論的に鑑別されうるが、実際にはあまり使われない。

■肝逸脱酵素の源
・おそらくは、それぞれが多量に存在する組織から出てくる
ALT:主に肝
  ⇒細胞質内
AST:肝、心筋、骨格筋、腎、脳、膵、肺、血球
  ⇒ミトコンドリア内細胞質内(免疫学的に異なる酵素)
  …血漿中のASTは細胞質内のものだが、肝で活動しているのはミトコンドリア内のものが主。
⇒アイソザイムあるが、臨床的な意義は微妙


■理論的意義
●ASTとALTの比は理論的に鑑別に有用
①半減期
ASTの半減期は11〜15時間、ALTは40〜50時間
⇒肝細胞が急激に障害を受ける急性肝炎では、AST優位
慢性肝炎、肥満による脂肪肝、急性肝炎回復期ではALT優位
②分布
ASTは肝臓内に均一に分布、ALTは門脈域近くに分布
⇒慢性肝炎は門脈域周辺の壊死が強いため、ALT優位
…肝硬変、肝癌では正常肝細胞の減少より、AST優位
アルコール性肝炎は小葉中心部の壊死が強いため、AST優位
 ⇒エタノールによりALT合成が阻害、障害がミトコンドリアに及びAST-mが逸脱することも関与


■臨床的有用性
・AST、ALT比は臨床的に使いにくい
⇒但し、慢性肝炎の内、AST/ALT>2の場合アルコール性肝炎が疑われる
 …C型肝炎、肝硬変、Wilson病でも同様の所見となりうる


参照 UpToDate, レジデントノート

★背景はベルヌーイの式と連続の式。

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■基本

●「狭窄⇒圧較差」
・血液は狭窄部の出口では管腔壁に沿って流れることができない
⇒管腔壁に近い部分では渦が形成される
流れの剥離
⇒圧力損失する
ベルヌーイの式
圧力差=4×速度の二乗

■大動脈弁狭窄

・正常弁口は3㎠
●重症AS定義
 ①大動脈弁通過最高流速(AS jet velocity):多方向から記録した最大値 ≧4.5m/s
 ②平均大動脈弁圧較差(PG)≧50mmHg
 ③大動脈弁口面積(AVA)≦0.75㎠
◎連続の式
・断面積×時間速度積分値(TVI)が、狭窄前後で一定
 …TVIとは、CWで速度をなぞって測れる面積
左室流出路(LVOT)断面積×TVI(LVOT)=弁口面積(AVA)×TVI(大動脈弁 )
⇒LVOT断面積は長軸で測定し、TVI(LVOT)とTVI(Ao)はそれぞれCWで測定することで、AVAが算出できる

■僧帽弁狭窄

・正常は弁口5~6㎠
●重症MS定義
 ①平均僧帽弁口圧較差≧10mmHg
 ②僧帽弁口面積≦1.0㎠
 ③pressure half time(PHT)≧220msec
◎PHT
・狭窄部最大血流速度÷1.4
…圧力差÷2と相関する(ベルヌーイの式より)
 ⇒弁口面積1㎠の時220msecである
 ⇒弁口面積=220÷PHT
PWでE波のピーク▶︎その0.71倍の速度まで低下するまでの時間
…ピークは、最初のスパイクを無視して延長する


参照 新・心臓病診療プラクティスなど
更新 2014/11/ 8

★同じ抗原を見ている検査が多い。

■SLEと抗リン脂質抗体症候群(APS)

・APSの50%が続発性
⇒そのうち80%の原因がSLE


■検査
①STS法(梅毒に対する血清検査)

・歴史的には補体結合を用いたワッセルマン反応、ガラス板を用いたVDRLテストなど
⇒現在はラテックス粒子を用いて光学的に測定する自動分析法(FTA-ABS法)
・T.pallidum感染による組織破壊
ミトコンドリアに局在するリン脂質(カルジオリピン)が自己抗原として認識される
⇒自己抗体産生
⇒これを抗原抗体反応で検出する
・梅毒でない患者で陽性となった場合、生物学的偽陽性という

②抗カルジオリピン抗体検査
・カルジオリピン検出感度を高めるため開発されたELISA法

※APSでの抗リン脂質抗体は、カルジオリピン以外の多くのリン脂質と反応する

③抗カルジオリピン・β2GPI複合体抗体

リン脂質抗体は、様々なコファクターを介してリン脂質に結合する
 …コファクター:プロトロンビンβ2GPIが主
⇒抗カルジオリピン抗体のコファクター依存性をみる検査

④ループスアンチコアグラント(LA)活性

・SLE患者の一部で凝固延長認められ、その原因として名付けられた
⇒APSの血栓症の原因ともなることが後で示された
⇒実物は、ビタミンK依存性凝固因子のリン脂質に競合的に結合する、一部のリン脂質のこと
・検査法:患者血清にリン脂質を加える or 加えない
    ⇒凝固の延長を比較する


■検査のカバー範囲
◎オーバーラップしている
・抗カルジオリピン抗体抗体陽性には、抗カルジオリピン・β2GPI複合体抗体陽性、生物学的擬陽性が含まれる
抗カルジオリピン抗体の感度は高い
※ただし一過性陽性の場合があり、陽性持続(12週間以上)を確かめる必要あり
LA活性陽性の感度も高い
⇒しかし、APSの治療である抗凝固薬の影響を受けるため、検査できる時期が限られる

 
参照 週刊医学会新聞 

★免疫法ではならない。

■化学法
・大腸癌に対する感度は30~40%程度
・赤血球のヘムがもつペルオキシダーゼ様作用を検出
⇒試験紙を用いて判定

オルトトリジン法
 ・以前使われていた、感度の高い検査
 ⇒肉、魚、緑黄色野菜、ミオグロビンでも陽性となる
グイヤック法
 ・特異度の高い検査
 ⇒オルトトリジン法の1/50~1/100程度
 ⇒微量の血液は検出できない 
※通常①と②を組み合わせて使う


■免疫法
ヒトグロブリンに対する免疫にて血液を検出
上部消化管出血由来のグロブリンは消化液で変性し、陽性とならない

●潜血に対する、各検査の陽性率

 

化学法

免疫法

上部消化管出血

95%

16.70%

下部消化管出血

93%

66.70%




参照 UpToDate、週刊医学会新聞

★基本は血液培地。

①血液培地
大抵の病原菌が発育できる
 …Hemophilus influenzaeは発育しない
溶血を評価できる

・α溶血(一部溶血):Streptococcus pneumoniae, viridans
    …過酸化水素産生による
・β溶血(完全溶血):Streptococcus pyogenes, Listeria
・γ溶血(溶血なし):Enterococcus facalis

②チョコレート培地
●チョコレート色。
溶血した赤血球と、それにより放出された成長因子(hemin, NAD)を含む。
H. influenzaeが生育できる

③MacConkey培地

胆汁塩が含まれており、それがグラム陽性菌の発育を阻害
グラム陰性桿菌を選択的に評価できる
※発育阻害されるGPC
 … Bordetella, Brucella, Campylobacter, Haemophilus, Legionella, Pasteurella, Acinetobacter, Eikenella
ラクトース発酵する菌は、ピンクのコロニー形成してわかる
 …早く発酵:E.coli, Enterobacter, Klebsiella
  遅く発酵:Citrobacter, Serratia
⇒ラクトース発酵しない菌には、オキシダーゼテスト
 …オキシダーゼ陽性:Pseudomonas. aeruginosa
⇒オキシダーゼ陰性の菌には、TSI培地
 …HS産生あり:Salmonella, Proteus
  HS産生なし:Shigella

④その他、選択的培地
●大抵抗菌薬が入っている
Bordetella pertussis: Bordet-Gengou血液寒天培地
・Salmonella sp.: SS寒天培地(SS=Slamonella-Shigella)
         クロモアガー寒天培地
・Shigella sp.:SS寒天培地
        XLD培地(キシロール、リジン、デオキシコール酸)
・Neisseria gonorrhoeae: Thayer-Martin VCN培地(VCN=vancomycin, colistin, nystatin)
              NYC培地(NYC=New York City)
・Legionella pneumophila: B-CYE寒天培地(B-CYE=
buffercd charcoal yeast extract
・Corynebacteria diphtheriae: cysteine-tellurite培地


参照 UpToDate

★基本的に陽性の場合胸部Xp.

■機序
ツベルクリン:ヒト結核菌から分離精製した数種類の蛋白質
●陽性 
・結核菌への暴露歴あり:Tリンパ球による遅発性過敏反応をみているため

●陰性
①活動性結核の患者と接触している場合
 ⇒TB感染の初期で,Ⅳ型アレルギーが確立していない可能性
 ⇒患者接触後8週間後再検(反対の腕で)
  …3~7週でツベルクリンコンバージョンが起き,新規感染引き起こす
常に感染リスクのある状況の場合
 …北アメリカの医療従事者など
 ⇒血清学的検査(クオンティフェロン)施行すべき
③remote exposureが疑われる場合
 …BCGによる感染,TB以外のMAC暴露
 ⇒最初のツベルクリン反応は陰性となりうる
 ⇒しかしこれが免疫を呼び覚ます
 ⇒2回目のツベルクリン反応で陽性となる(ブースター効果


■解釈

・感度:5mmで98%,10mmで90%
陰性⇒偽陰性を除外する
陽性⇒活動性結核の精査のため,医療機関受診 

●偽陰性
免疫力低下,テクニカルミス
●偽陽性
・MAC感染
・BCGワクチン:小学校入学前に2回目の接種⇒10年以上陽性となる
         ⇒クオンティフェロンで鑑別可能 
※BCG
…ウシ型結核菌の弱毒化ワクチン
※クオンティフェロン
…結核菌に特異的な蛋白と血液を反応
 ⇒Tリンパ球からインターフェロンγが放出
 ⇒これを定量測定


参照 UpToDate 

★診断基準は研究用.
臨床研究で感度,特異度を出すために作られたもの.
⇒実際に臨床でも用いられるが,clear cutでない症例も多い
「○○っぽい」で診断とし,治療を開始する
⇒治療(投与量など)は異なるが,反応性を見て適宜変化させる

ex) 高安病と側頭動脈炎の鑑別が難しい例
⇒患者の年齢と性別で診断してしまうこともある

※この記事はANCA関連血管炎についてのみ


■定義
・ANCA関連血管炎は,pauch-immune(免疫沈着を認めない)のが原則.
①多発血管炎性肉芽腫症(GPA:Wegener肉芽腫とはいわれない)
 通常,上部と下部の気道を障害する壊死性肉芽腫性炎症で,
主に小型血管から中型血管を障害する壊死性血管炎.
 壊死性糸球体腎炎は非常によくみられる.

②好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA:Churg-Strauss症候群とはいわれない)
 好酸球に富む壊死性肉芽腫性炎症で,
しばしば気道,主に小型血管から中型血管を傷害し,
喘息と好酸球増多症を伴う.
 ANCAは糸球体腎炎がある時に高頻度である.

③顕微鏡的多発血管炎(MPA)
 小型動脈や中型動脈を侵す壊死性血管炎.
 壊死性糸球体腎炎は非常によくみられる.
 肺毛細血管炎みしばしば生じる.
 肉芽腫性炎症は生じない.


■ANCAの意義
①多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
感度90%以上
⇒病変が限局したGPAでは,感度60%程度となる
・ANCA陽性の内
PR3-ANCA(+)が80-90%
⇒残りがMPO-ANCA

②好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
感度50%
(MPO-ANCAの特異度は73%)
ANCA陽性・陰性例でPhenotypeが違う可能性
 …陽性:糸球体腎炎,肺胞出血,神経障害が多い
   陰性:心臓,肺障害(肺胞出血以外)が多い

③顕微鏡的多発血管炎(MPA)
感度70%
MPO-ANCAが優位
⇒PR3-ANCA陽性もある

GPA,MPAの鑑別は重要
⇒寛解後,GPAの方が再発しやすいため
⇒両者の鑑別に,ANCAの種類のみで決められない
 (定義が重要

結節性多発動脈炎(PAN):中型血管炎 との鑑別
⇒ANCAは有用
PANはANCA陰性のため

④その他の疾患
・抗GBM抗体病:10-40%でANCA(+)
 …MPO-ANCAが多い
・薬剤誘発性ANCA関連血管炎
 …特に,プロピルチオウラシル,ヒドララジン,ミノサイクリン
・血管炎以外
 ⇒膠原病,炎症性腸疾患,嚢胞性線維症,コカインなど


参照 日内誌,UpToDate

★急性尿細管壊死(ATN)によるが,その原因は立証されていない.

■ATN
・病理上尿細管壊死がおきた状態
虚血or 腎毒性により,腎臓に壊死性変化を来した状態
・虚血性の場合
⇒臨床では,必ずしも「腎前性腎不全(PRA)」との鑑別が明瞭でない
 …①実際,補液により数日で回復すればPRA,しなければATNとされる
   ②ATNとされた症例の20%程度にしか,病理で壊死を認めない
・結局,腎血流量が低いことによるAKIは,PRA~ATNの中間のどこかに位置づけられる
補液に反応するかどうかを,FENa,尿比重など尿検査で複合的に判断する

・結局,
…糸球体腎炎,血管炎,間質性腎炎でなく,PRAらしくない腎性AKIがATNとされる


■造影剤腎症の機序

組織低酸素
・造影剤
⇒投与後数秒は腎血流↑
⇒その後腎血管攣縮が長時間持続
⇒髄質を中心とした虚血
 ※髄質は皮質に比べ,もともと低酸素状態(PO2…40:10)
⇒尿細管障害

直接毒性
・造影剤の排泄
…糸球体で濾過
一部がエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれる
⇒酸素フリーラジカル↑,カスパーゼ活性化など
⇒腎を直接障害


■造影剤腎症の対処

・造影剤
 …少ない量で,投与期間が長いほど良い
   種類による違いは,現在検討中
・補液
 …造影剤投与前後に生理食塩水投与をすることで,腎症を改善しうる
  ⇒マンニトール,フロセミド等は悪化させる危険あり
・血液浄化療法
 …造影剤が除去されるのは確実だが,腎障害の予防効果は実証されていない
  ⇒HDは特によくなく,悪化したという報告もあり
  ⇒HFやCHDFは有効とする報告も多い


参照 Intensivist, UpToDate


①胸骨下正中に縦:左葉を全体的にみる
②横にして肋弓下から:右葉を全体的にみる
 ※この2つでスクリーニング,massを見つける
 ⇒見えにくい場合は肋間から行う
③肝臓の全体像を撮る
 ⇒ウンビリカルで1枚,門脈移行部(本幹からウンビリカルへ)で1枚
  右肝静脈と中肝静脈が見える所で1枚,左肝静脈で1枚
  胆嚢が見えるviewで1枚,門脈本幹部で1枚
④腎臓と肝臓が同じ深さで映る場所を見つけ,1枚撮る
 ※肝腎コントラストの評価を行う
⑤肝臓のedgeを出し,それぞれ撮る
 ⇒下のedgeは,横隔膜がきちんと見えるように出す
 ※これで肝硬変(ぼこぼこ)の評価を行う

胆嚢
①肋間と肋弓下から胆嚢を全体的にみる
②長軸像と短軸像を撮る
 ⇒壁肥厚(3mm以上),胆石・胆泥の有無・腫瘤の有無などを確認する

胆管
①門脈移行部を描出する
②その門脈の上に,通常伴走している
 ⇒肝動脈が伴走することもあり,拍動していれば注意
 ※見つからない場合,膵頭部から追う
③みつけたら,胆管を中心に90°プローベを回転させる
④膵へ向かう胆管を描出し,1枚撮る

膵臓

①みぞおちでプローベを横にし,大動脈上にある膵臓を確認する
②膵頭部~膵体部で1枚,膵尾部で1枚撮る
③膵管を描出,1枚撮る
④プローベを縦にし,大動脈から腹腔動脈が分岐する所を描出,1枚
⑤横に振り,SMVを描出,1枚

脾臓

①左のかなり背中側の肋間から,脾臓を描出する
②脾門部が含まれる,脾臓の全体像を1枚撮る

腎臓
①肋弓下,脇腹,背中から,全体的に腎臓を見る
②長軸像,短軸像を撮る

 
参照 技師さんのレクチャー

★腹部の検査は必要,造影検査はまちまち.

■エコー
腹部エコー:胆嚢を見るため必要.通常午前中に行うため,朝のみ抜きとする.
他:必要なし

■造影CT

腹部:必要
他:絶食とするところが多いが,意見が分かれる.
 理由⇒嘔吐したときの誤嚥の危険,ショックの際の挿管困難
     絶飲食とすることもあるのは,水分可というと牛乳を飲むかもしれないから
    ※但し,臨床で問題になった報告は少ない
 ・4時間絶食⇒胃内容物は約4時間でなくなるため,合理的
 ・3-4時間前に食事をとる方が嘔吐起きにくい,という報告もある
 ⇒結局一定の見解はないが,多くの施設では絶食とする

■MRI

CTと同様
※他造影剤を使う検査は,造影CTと同様.

■内視鏡

上部:検査前日の夜9時以降絶食
下部:検査前日の夜9時以降絶食+下剤⇒当日午後検査
など,バリエーションあり.


参照 http://www.ne.jp/asahi/akira/imakura/CT_Examination.htm

★菌いないことも重要な情報.

■生体由来のもの
白血球(ほとんど好中球):炎症を反映
                                        ⇒古くなるにつれて核が分葉する
                                        ⇒戦い終わると空泡化、ぐしゃぐしゃ
※25以上で有意
扁平上皮:唾液の混入を示唆
※10以下でないと信頼できない
マクロファージ:炎症終わりのゴミ処理
フィブリン:現在アクティブな炎症を反映


■菌の形態
グラム陽性球菌⇒双球状orクラスターor連鎖状
グラム陽性桿菌⇒八の字
  ※ほとんどはコリネバクテリウム(常在菌)を反映
グラム陰性桿菌⇒ゴミっぽいor太いor細長い
  ※代表例はそれぞれインフルエンザ桿菌、大腸菌、緑膿菌
グラム陰性球菌⇒グリーンピース状
  ※これもゴミみたいにみえる:モラクセラ

■同定方法
①好中球,MΦ付近に細菌(+)
 ⇒起炎菌と予想
②細菌の貪食像
 ⇒起炎菌と確定:但しほとんどは白血球の上に細菌がのっているだけ
          ⇒検査する人も,貪食像を探そうとはしない
③好中球・MΦ多数だが細菌少数
 ⇒結核,マイコプラズマ,ウイルス,真菌感染疑う
④好中球少数,細菌少数だが臨床症状あり
 ⇒CMV,ニューモシスチス疑う

※扁平上皮細胞⇒上気道分泌物の混入:誤嚥を考える所見でもある
 線毛上皮細胞⇒下気道の炎症を反映:特にウイルス感染


参照 感染症レジデントノートなど

★決められたやり方がある!

ラミネート






























◆視野がぼやける、欠けてる
光軸調節
1.⑥を回す⇒コンデンサを上限位置に
2.③と⑤⇒全開、対物レンズ⇒10×
3.普通にピントを合わせる
4.⑤を絞る⇒光の範囲が、視野よりも小さくなる
                ⇒光を適当な大きさに
5.⑥でコンデンサ調節⇒光にピントを合わせる
               ⇒きれいな多角形の像
6.④を両手で回す⇒光を視野の中心に
7.⑤を開く:光がはみ出るくらいまで
◆ピントは合ってるけど見えづらい
開口絞り調節
1.接眼レンズを外す⇒明るく輝く円(瞳)が見える
2.瞳を見ながら③を回す
  ⇒瞳の中:多角形の光の像(開口絞り像)のサイズが変化
      ⇒「開口絞り像の直径=瞳の直径の75%」に調整
3.接眼レンズ戻す
※接眼レンズを外した時、絶対にゴミを入れない!
◆目が疲れる
視度調整
1.右目だけで見て、⑦でピントを合わせる
2.次に左目だけで見て、①でピントを合わせる
3.
◆ゴミが見える
ゴミをふく
1.③をしぼる;ゴミが見やすくなる
2.①②④⑤動かす
 ⇒ゴミが動いた場所のレンズをふく


参照 OLYMPUS 

★様々な要因があり,特に異型輸血後ではそうなる.

■オモテ試験
・検査する人の血球と,抗A,B抗体を反応させる

●血球の中に抗原がないのに(+)
①自己抗体により感作されている
②汎血球凝集反応
③異型輸血後
 ⇒もとの血球と輸血した血球の型をもつ

●血球の中に抗原がないのに(-)
①白血病,他の癌
 ⇒抗原が弱くなる
②血球の膜異常


■ウラ試験
・検査する人の血清と,A,B抗原を反応させる

●血清の中に抗体がないのに(+)
不規則抗体
 ⇒抗E抗体など.
※抗A,抗B抗体は「規則抗体(自然抗体)」と呼ばれる
A,B抗原以外の赤血球抗原に対する抗体を「不規則抗体」という
②新生児
 ⇒母親由来の抗体が残存

●血清の中に抗体がないのに(-)
①高齢者
②低,無ガンマグロブリン血症


■不適合輸血

ABO不適合は重篤である
…A,B抗原は100万個の分子が関与している
⇒不適合
血管内で抗原抗体反応,補体活性化
⇒血管内溶血を起こすため

不規則抗体による不適合
⇒赤血球に同種抗体,補体が結合
脾臓,肝臓の網内系へ
⇒蛋白を特異的に認識するFc,補体レセプターをもつ貪食細胞により破壊
 =血管外溶血

不規則抗体である抗JKa抗体は補体結合性のため,血管内溶血となる


参照 日内誌
2013/11/9更新 

★それぞれ理由がある。

①赤沈
クエン酸Naを用いる.
…クエン酸Naは液状で使いやすい.

②凝固
クエン酸Naを用いる▶︎測定開始時にCaを添加する
クエン酸NaはCaと塩を形成する
⇒Caは凝固に必要である;「プロトロンビン⇒トロンビン」
※EDTAもCaをキレートするが,用いない
⇒凝固のポイントが分かりづらい+十分に検討されていない

③血算
EDTA・2Kを用いる
⇒EDTAは赤血球,血小板の膜を保護する
クエン酸は血球容積が変化するため用いない
※ヘパリンは血小板の非特異的凝集を起こす可能性があるため,用いない

④動脈血ガス
ヘパリンを用いる
※EDTAやクエン酸はpHを変化させるため用いない.

⑤血糖
NaF入りEDTAを用いる
⇒NaFに解糖防止作用があるため
⇒NaF単独では溶血が起こりやすいため,EDTAを付加する

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