知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

○スコア

★Killip分類は古典的だが今も有用、TIMIスコアは優秀。

■Killip分類

 

 

1967年時点での死亡率

class

心不全兆候なし

5%

class

軽度〜中等度心不全

17%

class

心不全+肺水腫(肺野の50%以上にラ音聴取)

38%

class

心原性ショック

81%


・現在でもリスク層別化の手段として有効(勿論死亡率はかなり異なる)
 

■TIMIスコア

年齢

75歳以上

3

6574

2

DMHTか狭心症の既往

1

sBP100

3

HR100

2

Killip classⅡ以上

2

体重<67kg

1

後壁のST上昇、左脚ブロック

1

再還流まで4時間以上

1

●結果

TIMIスコア

1年間の死亡率

0

1%

1

1%

2

1.80%

3

3%

4

4.20%

5

6.70%

6

7.70%

7

12.10%

8

16.30%

8点以上

17.20%

※死亡率は2000年時点
血栓溶解療法のあるSTEMI患者に対し作られたスコア
・入院中の死亡率とも相関する
⇒現在最も汎用性高い


■TIMI risk index(TRI)

●TRI{HR×(年齢÷10)2}÷sBP

TRI

入院中の死亡率

30日間の死亡率

12.5

0.6

0.8

12.517.5

1.5

1.9

17.522.5

3.1

3.3

22.530

6.5

7.3

30

15.8

17.4


・簡易化したリスク層別化
・TRI<30は低リスクと考えられる


参照
Killip分類:Am J Cardiol1967 Oct;20(4):457-64.
TIMI risk score:Circulation. 2000;102(17):2031.
TRI:Lancet. 2001 Nov 10;358(9293):1571-5.

★抗凝固療法に伴う出血リスクのスコア。

■HAS-BLED score

・3点以上だと、厳格な経過観察と抗凝固療法の見直しが推奨される。

HAS-BLED acronym

Score

Hypertension (sBP>160)

1

Abnormal function

renal (Cre>2.26)

1

liver (Bil:正常上限2
AST/ALT/ALP:上限3)

1

Stroke

1

Bleeding(出血素因、貧血)

1

Labile INRs(不安定/高値)

1

Elderly>65)

1

Drugs

抗血小板薬かNSAIDs

1

アルコール依存

1

最大値

9


◎結果

スコア

N

出血

1年以内の出血(%)

0

798

9

1.13

1

1,286

13

1.02

2

744

14

1.88

3

187

7

3.74

4

46

4

8.7

5

8

1

12.5

6

2

0

0

7

0

8

0

9

0




参照 Chest. 2010 Nov;138(5):1093-100.

★Afの患者に抗凝固療法開始する目安とする。

■CHADS2 score
・心房細動患者の脳卒中リスクを示したスコア。

CHADS2 acronym

Score

Congestive HF

1

Hypertension

1

Age (≥75歳)

1

Diabetes mellitus

1

Stroke/TIA/TE

2

最大値

6

◎結果

スコア

N

発症

1年以内の発症(%)

1年以内の発症

(アスピリン有無で補正)

0

120

2

1.2

1.9

1

463

17

2.8

2.8

2

523

23

3.6

4.0

3

337

25

6.4

5.9

4

220

19

8.0

8.5

5

65

6

7.7

12.5

6

5

2

44.0

18.2







■CHA2DS2-VASc score

・CHADS2スコアより、脳卒中リスクの感度を上げたスコア。

CHA2DS2-VASc acronym

Score

Congestive HF

1

Hypertension

1

Age (≥75歳)

2

Diabetes mellitus

1

Stroke/TIA/TE

2

Vascular disease

(MI, ASO, 大動脈プラーク)

1

Age (65〜74歳)

1

Sex category (女性)

1

最大値

9

◎結果

スコア

N

発症

1年以内の発症(%)

1年以内の発症

(ワーファリン有無で補正)

0

1

0/2

0.00

0.0

1

422

3/653

0.46 

1.3

2

1230

15/1913

0.78 

2.2

3

1730

31/2673

1.16 

3.2

4

1718

38/2665

1.43

4.0

5

1159

42/1732

2.42  

6.7

6

679

36/1016

3.54 

9.8

7

294

15/436

3.44 

9.6

8

82

3/125

2.41

6.7

9

14

1/18

5.47 

15.2

Total

7329

184/11233

※ワーファリン有無の補正:内服により64%発症減らせるとの報告を採用
 ・陰性的中率(スコア0で脳卒中を発症しない確率)=99.5%

●スコアの解釈

CHADS2
2以上:抗凝固開始
1:抗凝固した方がよいかも
0:しなくて良い or CHA2DS2-VAScのvascular disease, age65-74に当てはまる場合した方がよい
CHA2DS2-VASc
2以上:抗凝固開始
1:人によって異なる
0:しない方がよい


参照 JAMA. 2001 Jun 13;285(22):2864-70.  Lip GY et al.: Stroke 2010; 41: 2731-2738  
更新 2014/10/20 

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