知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

肝胆膵

★それぞれの検査項目に意味がある.

◎これは忘れがちですが、USMLEなどのテストには頻出。

■抗原,抗体の経時的変化
http://www.kanen.ncgm.go.jp/forpatient_hbv.html


■検査の意義(抗原⇨抗体)
●HBc抗原:
core…コア粒子
⇒なかなか血中にでてくるレベルにまでなりません
よって現在,診断に用いられません。


HBs抗原:surface…HBVの外殻
⇒coreに比べ,めっちゃいっぱい産生されます
感染の指標となります。

▶︎HBs抗原なくなってからHBs抗体が産生されます
⇒HBs抗体=中和抗体
=感染防御の指標です。


HBe抗原:envelope…コア粒子を覆う外殻
⇒coreに比べ,めっちゃいっぱい産生されます
⇒粒子を形成せず,可溶性のものも産生されます
⇨これが血中へ移行,測定されるのです。
 =HBe抗原が高値の場合,肝臓でのHBV量が多い事を意味します。
 =感染性高い

・HBV遺伝子の一部が変異すると可溶性HBe抗原なくなり,HBe抗体産生されます
⇒肝炎おちついた指標です。


●セロコンバージョン

HBe抗原=コア蛋白なので,HBe抗体の出現をセロコンバージョンといい,感染しているB肝ウイルスが増殖できない状態を示します.

⇒しかしこの状態(HBe抗原(-),抗体(+))でもB肝発症し得るのです.

⇒これは、変異したため(プレCミュータント)で,HBV-DNAポリメラーゼが陽性となります.
 これがセロコンバージョン。

⇒この場合抗ウイルス療法を行います.
 

de novo B型肝炎

HBc, HBs抗体陽性だがHBVが潜伏感染しているためです。

⇒免疫抑制・化学療法で再燃してしまいます
 ⇨予後不良となります。

HBV-DNAが陽性となるのが診断です。



参照 国立国際医療研究センター,UpToDate

★臍静脈が開く!

MacBook 対応 アートステッカー メデューサ 並行輸入品 貼り付け日本語説明付き



◎肝硬変等で静脈圧が上昇することはわかりますが、なぜ腹壁静脈が怒張するか、解剖学的に答えられる人は少ないです。


■静脈の還流に関する解剖
画像:http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/mezusa.pdf

<浅層>
①腋窩静脈-外側胸静脈-胸腹壁静脈
②大腿静脈-大伏在静脈-浅腹壁静脈

<深層>
③鎖骨下静脈-内胸静脈-上腹壁静脈-毛細血管
 ※内胸静脈から肋間静脈がぽつぽつでます
④外腸骨静脈-下腹壁静脈-毛細血管

 
●肝硬変による機序

・肝の間質線維化,門脈圧亢進
肝円索が開く肝円索は臍静脈の名残りです
⇒臍のまわりに血液が溜まります
臍傍静脈から,胸腹壁静脈・浅腹壁静脈へ流れる
⇒これらの静脈拡張(メデューサの頭
⇒①・②の経路で大循環へ


●下大静脈症候群の場合
・下大静脈の狭窄,閉塞
⇒②と④が拡張

●上大静脈症候群の場合

・奇静脈の閉塞もあり
⇒①と③が拡張

この2つは腹壁側面の静脈拡張が強調されます
 ⇒押さえることでどっちに流れるかで鑑別もできます。


参照 UpToDate,ネッター

★脂質吸収の流れに沿って、原因が分類される。

■脂肪肝とは

中性脂肪が肝臓に蓄積すること
・アルコール性/ 非アルコール性脂肪肝(NAFLD: non-alcoholic fatty liver disease)に分類される
・単純性脂肪肝と脂肪性肝炎とも分類される
⇒非アルコール性脂肪性肝炎(NASH: non-alcoholic steatohepatitis)
 …20%が肝硬変となる。原因不明肝硬変の多くの原因とされる。


■脂肪肝の原因
①肝臓へ遊離脂肪酸がたくさん運ばれる

 =脂肪組織からの放出↑、肝臓への輸送↑
肥満、飢餓の初期(急激な体重減少)
⇒遊離脂肪酸の肝臓への輸送↑
完全静脈栄養、食べ過ぎ
⇒炭水化物が主なエネルギーとして使われる
 +炭水化物、蛋白質から脂肪(TG)が合成される
⇒肝臓へ運ばれる

②肝臓から脂肪酸が出て行かない

 =VLDL産生 or 放出↓
無βリポプロテイン血症、蛋白質が足りない、コリン欠損

③遊離脂肪酸の使用↓

 =β酸化の減少
ビタミンB5欠損、アルコール大量消費、コエンザイムA欠損(バルプロ酸、アスピリン慢性使用)

●糖尿病、インスリン抵抗性

・脂肪分解↑、TG合成↑、肝臓の脂肪酸取り込み↑
⇒脂肪肝
※詳細不明、仮説。


参照 Guyton, UpToDate

★原因不明の敗血症か黄疸で除外診断。

■病態

・内皮障害、胆嚢の虚血、胆泥鬱滞
⇒胆嚢腫大、ネクローシス
十二指腸から二次感染
免疫抑制状態の患者は、感染が引き金となることあり


■患者背景

複数のリスクをもつ患者に多い
…普通は、重症管理中の男性に多い
●リスク
・AML, AIDS, 骨髄移植、免疫抑制状態、複数の輸血後
・熱傷、感染、外傷、人工呼吸器管理中、完全静脈栄養
・CPR後、冠動脈疾患、心不全、血管炎
・分娩
・総胆管嚢胞、経皮的胆管ドレナージチューブ留置中、胆道出血、肝門への癌転移
・コレステロール塞栓
・糖尿病、末期腎不全、薬剤


■診断

重症患者又は外傷の患者で、敗血症か黄疸を認めるが明らかな原因が分からない時、疑う。
①血液培養
腹部超音波
壁厚>3.5mm⇒感度80%、特異度99% 壁厚>3mm⇒感度100%、特異度90%
※他の所見:胆石や胆泥を認めず、5cm以上の胆嚢腫大あり、腹水あり、プローベでMurphyサインあり。CTも同様の所見が得られる。
 
●鑑別診断

胆石性胆嚢炎、消化管潰瘍、急性膵炎、肝/横隔膜下膿瘍、右肺炎、右腎盂腎炎、原因特定される敗血症
⇒これらが除外される場合、無石性胆嚢炎を考える(特に上記のリスクを複数持つ場合)
 

参照 UpToDate 

★肝臓が急性期蛋白を作るのに精一杯でアルブミン合成できない、というのは想像だけど、案外そうかもしれない。

■Alb

<合成>
肝臓で、1日15g程度合成される
⇒Alb低下した場合、2倍程度まで増加する
<血中濃度>
・合成、分解、分布の影響を受ける
①合成:栄養状態、静水圧、サイトカインにより制御される
  ⇒肝細胞のAlb合成mRNAに関わることがわかっている
②分解:どこで分解されるかは不明。半減期は20時間
③分布:有効血漿量が重要
  ⇒うっ血するとすぐ低Albとなる

●透析患者
炎症+蛋白制限食によりAlb合成↓
…窒素摂取↓によりAlb合成↓となるが、低栄養のみで低Albとなるまでには相当の期間を要する
・炎症急性期蛋白(CRP, SAA, フィブリノゲン、セルロプラスミン)とAlb濃度は反比例する
 ⇒炎症により低Albとなることはわかっている


■臨床現場におけるAlb意義

肝障害を疑った時以外、Alb測定の意義なし
⇒449人中13%で異常値がでたが、臨床的意義のあったものは2人だけだったという研究あり
…体液量によりかなり増減する+低Albが栄養状態を反映しない
・透析患者において、低Albも急性期蛋白も悪い予後と相関するが、急性期蛋白の方がマーカーとして優秀


参照 UpToDate, Adv Perit Dial. 2013;29:55-60, Kidney International (2004) 65, 1408–1415

★赤血球多い、酵素未熟、腸内細菌未熟。

■ビリルビン代謝
●ビリルビン産生

赤血球のヘモグロビン破壊か無効造血で80%
・ヘムを含む蛋白(チトクロム、カタラーゼなど)の破壊で20%

●ビリルビン代謝

・Albと結合したビリルビンが肝へ
⇒肝細胞にとりこまれる
肝細胞のUGT1A1により、ビリルビンがグルクロン酸抱合を受ける
⇒抱合されると水溶性となる
 =胆管へ移行しやすい
⇒胆管から腸へ排泄
⇒腸内細菌で分解され、ウロビリン
※非抱合ビリルビンは再吸収、再利用される



■新生児高ビリルビン血症の機序

①新生児は赤血球多い(Htが50~60)
 +寿命が短い(85日)
⇒ビリルビン↑
UGT1A1という酵素が不足している(成人の1%程度);14週かかる
⇒ビリルビンクリアランス↓
腸内細菌が未熟
成人だと細菌の酵素により、抱合ビリルビンがウロビリノーゲンに分解、排泄される
⇒新生児は細菌が少ないため、腸管内に抱合ビリルビンがたまる
⇒新生児の腸管粘膜にあるβグルクロニダーゼにより、抱合ビリルビンが非抱合とされる
非抱合ビリルビンを再吸収(ビリルビンの腸肝循環
⇒ビリルビン↑
 

■新生児黄疸の原因

●産生↑
・血液型不適合、赤血球形態異常、赤血球酵素欠損(G6PD欠損、ピルビン酸キナーゼ欠損、ポルフィリアなど)、敗血症
●排泄↓
・Crigler-Najjar、Gilbert症候群など
●腸肝循環↑
母乳黄疸
母乳に含まれる成分(βグルクロニダーゼなど)により、腸からのビリルビン吸収↑
 UGT1A1欠損と関連があるかも
イレウス
腸内循環↓により、ビリルビン再吸収↑
母乳栄養の失敗
…脱水が生じる;高Na血症にもなる
 ビリルビン代謝↓、腸管循環↑にもなる


参照 UpToDate
更新 2014/9/24 

★腹部手術でなくても、術後に軽度のT-Bil上昇を認めることがある。

①肝前性

●溶血
…輸血、血管内デバイスずり応力により赤血球が壊れる)
●出血
…血液の再吸収による

②肝性

・虚血(shock liver)
・薬剤性;特定されにくい。但し全身麻酔薬では起きにくい。
・他、術中のTPNや術後明らかになったウイルス性肝炎など

③肝後性

・胆汁漏
・胆管狭窄
・無石性胆管炎

但しほとんどの場合、多数の要因からなり特定不能
⇒「良性術後黄疸」という概念ある
良性術後黄疸
・介入可能な原因を除外され、診断される
・病理学的には小葉中心性の胆汁鬱滞を認める
大抵は、1週間から1ヶ月かけてゆっくりとT-Bil正常化する
⇒但しT-Bil 40となった報告もあり、必ずしも経過良好でない
 

参照 UpToDate 

★細菌感染といえば胆管炎で、門脈系から侵入する。

■胆嚢炎
●動物実験において、胆管閉鎖だけでは炎症生じない
  =炎症誘発する物質が必要
⇒実験では、カテーテールにより胆嚢粘膜障害することで炎症が生じる
  or ライソレシチン加えることでも炎症生じる
⇒ライソレシチンが必要と考えられている

レシチン:胆汁の構成要素
⇒胆嚢粘膜にあるホスホリパーゼAにより触媒
ライソレシチンとなる
  ※胆嚢嵌頓による粘膜障害で、これらの反応が惹起される
⇒炎症↑
プロスタグランジン(特にE2)↑
胆嚢収縮・胆嚢内液体貯留↑
⇒胆嚢炎増悪
 
●感染も炎症増悪に関与する
⇒しかし22〜46%が培養陰性であったという報告あり
感染は必須でない


■胆管炎
●胆管閉鎖+感染⇒胆管炎
  …どこから菌が侵入するか?
 ⇒主に門脈で、十二指腸からは少量
防御メカニズム
Oddi括約筋:十二指腸からの逆流を防止している
・胆汁の流れ
・胆管粘膜から産生されるIgA
・クッパー細胞

●病態
①胆管閉鎖
胆道内圧力↑
胆管透過性↑
門脈循環から細菌・トキシンが胆管内へ移行
※また、圧力↑より体循環への移行も促進=菌血症となりやすい

②胆石嵌頓
胆石が感染巣となりうる
⇒Oddi括約筋を乗り越え、十二指腸から胆管へ、少量ながら細菌が侵入する
※エンテロバクターなどは、線毛により胆石へ付着しやすい

 
参照 UpToDate 

★分布、半減期で理論的に鑑別されうるが、実際にはあまり使われない。

■肝逸脱酵素の源
・おそらくは、それぞれが多量に存在する組織から出てくる
ALT:主に肝
  ⇒細胞質内
AST:肝、心筋、骨格筋、腎、脳、膵、肺、血球
  ⇒ミトコンドリア内細胞質内(免疫学的に異なる酵素)
  …血漿中のASTは細胞質内のものだが、肝で活動しているのはミトコンドリア内のものが主。
⇒アイソザイムあるが、臨床的な意義は微妙


■理論的意義
●ASTとALTの比は理論的に鑑別に有用
①半減期
ASTの半減期は11〜15時間、ALTは40〜50時間
⇒肝細胞が急激に障害を受ける急性肝炎では、AST優位
慢性肝炎、肥満による脂肪肝、急性肝炎回復期ではALT優位
②分布
ASTは肝臓内に均一に分布、ALTは門脈域近くに分布
⇒慢性肝炎は門脈域周辺の壊死が強いため、ALT優位
…肝硬変、肝癌では正常肝細胞の減少より、AST優位
アルコール性肝炎は小葉中心部の壊死が強いため、AST優位
 ⇒エタノールによりALT合成が阻害、障害がミトコンドリアに及びAST-mが逸脱することも関与


■臨床的有用性
・AST、ALT比は臨床的に使いにくい
⇒但し、慢性肝炎の内、AST/ALT>2の場合アルコール性肝炎が疑われる
 …C型肝炎、肝硬変、Wilson病でも同様の所見となりうる


参照 UpToDate, レジデントノート

★被膜のある細菌に感染しやすくなる。

■脾臓の機能
・類洞にいる白血球:循環している細菌を貪食
・巨大なリンパ組織:抗体産生するBリンパ球の半数がいる
            オプソニン化も行う

●細菌は脾臓又は肝臓の白血球により除去される
⇒多くは補体or脾臓でのオプソニン化後に感知される
細菌に被膜があるとオプソニン化されにくい
 …①細菌にくっついた補体と白血球の反応↓
   ②補体が結合しにくい
 ⇒脾臓でのみ除去される
  よって、脾臓摘出後は、主に被膜のある細菌に感染しやすくなる

※被膜のある細菌:S.pneumoniae、H.influenzae、Neisseria.meningitis


参照 UpToDate、Lancet. 2011;378(9785):86.


①胸骨下正中に縦:左葉を全体的にみる
②横にして肋弓下から:右葉を全体的にみる
 ※この2つでスクリーニング,massを見つける
 ⇒見えにくい場合は肋間から行う
③肝臓の全体像を撮る
 ⇒ウンビリカルで1枚,門脈移行部(本幹からウンビリカルへ)で1枚
  右肝静脈と中肝静脈が見える所で1枚,左肝静脈で1枚
  胆嚢が見えるviewで1枚,門脈本幹部で1枚
④腎臓と肝臓が同じ深さで映る場所を見つけ,1枚撮る
 ※肝腎コントラストの評価を行う
⑤肝臓のedgeを出し,それぞれ撮る
 ⇒下のedgeは,横隔膜がきちんと見えるように出す
 ※これで肝硬変(ぼこぼこ)の評価を行う

胆嚢
①肋間と肋弓下から胆嚢を全体的にみる
②長軸像と短軸像を撮る
 ⇒壁肥厚(3mm以上),胆石・胆泥の有無・腫瘤の有無などを確認する

胆管
①門脈移行部を描出する
②その門脈の上に,通常伴走している
 ⇒肝動脈が伴走することもあり,拍動していれば注意
 ※見つからない場合,膵頭部から追う
③みつけたら,胆管を中心に90°プローベを回転させる
④膵へ向かう胆管を描出し,1枚撮る

膵臓

①みぞおちでプローベを横にし,大動脈上にある膵臓を確認する
②膵頭部~膵体部で1枚,膵尾部で1枚撮る
③膵管を描出,1枚撮る
④プローベを縦にし,大動脈から腹腔動脈が分岐する所を描出,1枚
⑤横に振り,SMVを描出,1枚

脾臓

①左のかなり背中側の肋間から,脾臓を描出する
②脾門部が含まれる,脾臓の全体像を1枚撮る

腎臓
①肋弓下,脇腹,背中から,全体的に腎臓を見る
②長軸像,短軸像を撮る

 
参照 技師さんのレクチャー

★アミノ酸代謝で使われる.ASTが主役,ALTが例外.

■アミノ酸からαアミノ基(-NH3+)を取る反応
アミノトランスフェラーゼ(トランスアミナーゼ)が用いられる
…アミノ酸によって異なる
ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ
 =GPT:グルタミン酸-ピルビン酸トランスアミナーゼ
⇒「アラニン+αケトグルタル酸↔ピルビン酸+グルタミン酸
αアミノ基:アラニンからグルタミン酸へ
…最も基本的な反応

※リシンとトレオニン以外のアミノ酸は,それぞれのトランスアミナーゼによりアミノ基転移する.

AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
 =GOT:グルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ
⇒「オキサロ酢酸+グルタミン酸↔アスパラギン酸+αケトグルタル酸」
αアミノ基:グルタミン酸からアスパラギン酸へ
⇒アスパラギン酸は尿素回路で,窒素の供給源となる


■酸化的脱アミノ
ほとんどのアミノ基は,上記のようにグルタミン酸に集められる
・グルタミン酸デヒドロゲナーゼ
⇒「グルタミン酸の酸化→αケトグルタル酸+NH3」
 ※酸化には,NAD+かNADP+が用いられる
⇒尿素回路へ


参照 イラストレイテッド生化学

★細胞診は感度が低い.

○見た目
・クリア:漏出性(肝硬変など)で無菌
  濁っている:細胞数が多い
  乳様:TGが多い(乳糜を含む場合)
  ピンク:赤血球が多い

○細胞診
・臨床では陽性に出ることが少ない
⇒癌性腹膜炎の感度は58~75%
※50ml取る必要がある.

○一般検査
・白血球(≧500)⇒癌性腹膜炎の75%,肝硬変・多発肝転移の66%でみられる.
・蛋白(≧2.5)⇒癌性腹膜炎の95%.肝硬変の場合,ほぼ2.5未満となる.
・糖⇒あまり参考にならない.癌性腹膜炎の70%で100未満となる.
・LDH⇒グルコースより巨大なので,なかなか腹腔内へ移行しない
    ⇒癌性腹膜炎では,74%が血清標準LDHの上限以上となる

○CT
癌性腹膜炎⇒腸管が一塊になって見える


※原発癌が不明の場合,腹膜癌を考えるべき
 ⇒治療可能なため.
 
参照 UpToDate 

★ビタミンK!

・閉塞性黄疸 
⇒胆汁が消化管内へ行かない
⇒脂質とミセルを作れない
⇒脂溶性ビタミンが吸収できない
⇒①ビタミンK吸収↓
 
肝細胞障害

ビタミンK吸収↓
⇒ビタミンK依存性蛋白(Ⅱ, Ⅸ, Ⅶ, Ⅹ, protein C, protein S)の活性化障害
  ・ビタミンK:上記蛋白のカルボキシル化(CO2付加)に必要な補酵素
PT延長
※腸内細菌でもビタミンK合成が活発に行われている
⇒抗菌薬投与でビタミンK欠乏来しうる

肝細胞障害
⇒①の反応は肝で行われる
⇒PT延長


参照 リッピンコット生化学
 

★それぞれ由来があり,意義を知るべき.

検査

臨床的意義,メカニズム

CEA

上皮組織に広く分布し,癌・異型性により血中に入りうる.
再発や増大により上昇するため,治療後のモニタリングに有用.
特に大腸癌術後の再発に対し,最も鋭敏なマーカー.
良性疾患・喫煙・糖尿病・便秘でも軽度高値となる.

CA19-9

上皮細胞,特に膵管・胆管・胆嚢に多く発現する.
E-
セレクチンリガンドの1つ⇒転移との関係が示唆
血液型Lea陰性者(日本人の5-10%)では陰性となる
 
⇒膵癌についてはDUPANⅡを使用

CA50

CA19-9に交差反応性をもち,Lea陰性者でも検出できる.

DU-PAN-2

ヒト膵癌培養細胞より得られた抗原.
膵癌・胆道癌・肝細胞癌の治療効果,再発のモニターに有効.
最初に悪性を疑う目安は1000U/ml

PIVKA-

第Ⅱ因子の前駆物質であり,ビタミンK欠乏状態で出現する.
N-MTT
基をもつセフェム系抗菌薬投与時にも出現する.
肝細胞癌において,感度50%以上,特異度90%以上(機序不明).

AFP

胎児期に肝臓・卵黄嚢で産生される蛋白.

肝細胞癌で産生されうる.
卵黄嚢腫,肝芽腫,妊婦(胎児から移行)で陽性となりうる.
劇症肝炎において肝再生の指標としても使用される.

AFP-L3(%)

AFP陽性肝疾患において,肝細胞癌の鑑別に有用.
感度:肝細胞癌(55%),肝硬変+慢性肝炎(6.1%)

CYFRA21-1

中間径フィラメントであるサイトケラチンの亜分画の1つ.
肺扁平上皮癌の早期診断に有用:陽性的中率60%以上
各種消化器癌,婦人科癌でも陽性となりうる.

SLX

肺腺癌・卵巣癌・膵癌などで,あるムチン型糖鎖が修飾された物.
E-
セレクチンのリガンド⇒転移,炎症
唾液中,白血球中に存在するため,混入に注意する.

SCC

子宮頸部扁平上皮癌から精製されたもの.
扁平上皮癌,扁平上皮の存在部位での重症疾患で上昇する.
皮膚表面,唾液中に多量に存在する.

NSE

神経細胞と軸索突起に特異的に存在する,解糖系酵素のアイソザイム.
神経芽腫,網膜芽腫,神経内分泌腫瘍の診断・治療のマーカーとなる.
各種消化器癌,非小細胞肺癌でも陽性となりうる.

ProGRP

神経内分泌細胞で作られるペプチドの一部分.
陽性例の増減幅が大きく,フォローに適する.
感度:肺小細胞癌(72.5%),腎障害(18%),良性呼吸器疾患(5%)

CA15-3

癌への感度が高い抗体と,乳癌への特異度が高い抗体の組み合わせ.
乳癌,卵巣癌のマーカーとして用いられる.
経過のモニタリングに非常に有用だが,早期発見には不適.

CA125

ヒト卵巣漿液性嚢胞腺腫の培養系より得られた抗原.
卵巣癌のマーカーであり,寛解時にはほぼ基準値以下となる.
子宮内膜症の補助診断にも用いられる.

PSA

前立腺上皮細胞内の粗面小胞体で賛成され,精液融解に関与.
前立腺癌の診断・フォローに非常に有用.
前立腺肥大症,前立腺炎でも上昇し,治療により正常化する.
アンドロゲンによりPSA発現が大きく変動する.


 

★アンモニア・芳香アミノ酸の上昇を抑える!

①アミノ酸製剤(アミノレバンなど)
・エネルギーの原料
⇒肝は芳香アミノ酸
  筋は分枝鎖アミノ酸

・肝硬変
⇒類洞が線維化
⇒アミノ酸が肝細胞内に取り込まれる機会↓
  肝でのアミノ酸を原料にしたエネルギー産生↓
代わりに筋ががんばる
⇒分枝鎖↓,芳香↑

・蛋白摂取
⇒分解過程でアンモニアを生じる
蛋白制限,アミノ酸製剤(分枝鎖アミノ酸=BCAA)を補給
⇒脳症改善
※↓:BCAAのNH3基は,代謝過程でグルタミン酸となる(αケトグルタル酸→グルタミン酸)

★BCAA補給
⇒筋細胞に取り込まれ,TCA回路を経てグルタミン酸となる
⇒グルタミン酸はアンモニアと結合,グルタミンとなる
⇒アンモニア濃度↓

②BRTO
・肝硬変
⇒門脈圧亢進
⇒肝ではなく,側副血行路を介して食道や胃へ静脈血が行く
⇒静脈瘤

BRTO:静脈瘤の出口を塞ぎ,硬化剤を入れ,静脈瘤をつぶす
⇒側副血行路でなく,肝に静脈血(門脈)がいく
肝細胞の機能は落ちているものの,より多くの血流が肝を通ることになる
⇒アンモニアがより多く代謝される
⇒脳症改善


参照 リッピンコット生化学

↑このページのトップヘ