知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

内分泌・糖尿病

★クエン酸回路関連で神経障害、血管拡張により心不全をきたす。

◎この理解には、生化学の理解が必要。


■生化学
①クエン酸回路
kuensan

・ビタミンB1(サイアミン、チアミン)はピルビン酸⇒クエン酸回路での代謝に必要
⇒B1欠乏
⇒乳酸,ピルビン酸の蓄積
代謝性アシドーシス
ref: 


②解糖系

・グルコース⇒(好気的解糖)⇒ピルビン酸である.
⇒神経系はグルコースをほぼ唯一の燃料としている
⇒B1がないとエネルギー源がない
末梢神経障害
※神経以外の多くの組織は,脂肪もクエン酸回路の燃料として利用できる.


③心血管系
・B1欠乏
血管運動作用を低下
⇒血管抵抗↓
⇒静脈還流↑
高拍出性心不全
※心筋肥大も起きるが,直接的なメカニズムは不明.


■アルコールとビタミンB1の関連

<アルコール依存⇒ビタミンB1欠乏>
・栄養不足⇒B1欠乏
・慢性下痢+尿からMg排泄↑⇒低Mg血症
⇒MgはB1の補因子(サイアミン⇒サイアミンピロリン酸に必要)
⇒B1が使えない

※なぜWernicke脳症となるかは明らかでない.
アルコール依存者によるB1欠乏の,一部の患者にしか見られない
⇒遺伝的要因が考えられている;トランスケトラーゼの活性低下(ペントースリン酸回路で必要)



参照 UpToDate、GUYTON生理学(最高の生理学の教科書)

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)

★推奨される.

◎ルーチンで出しがちな指示についての考察です。

■解熱の適応
・基本的に熱を下げるのに問題はありません
 ⇒熱自体が感染からの回復・免疫力向上に効果がある,という研究はないのです!
 +末梢のPGE2産生は免疫低下作用有り(NSAIDsはこれを抑制できるため、よい)

・熱を下げると,他の症状も改善します
 …倦怠感,関節痛,頭痛など
⇒高熱による神経障害も軽減できます
⇒よって、基本的に解熱はすべきです。

・ただし,熱型が診断に有用な場合を除く
⇒実際に臨床で有用なのは
 …熱の日内変動が小さい→チフス,粟状結核
   比較的除脈→チフス,ブルセラ,レプトスピラ症,薬剤熱,結核
   ○日ごと→マラリア,周期性好中球減少症
など。
(入院中にこれらを手がかりとすることは、あまりありませんが)


■発熱のメカニズム
・細胞膜からアラキドン酸放出
⇒アラキドン酸カスケード↑
COXによるPGE2産生
⇒視床下部のセットポイント上昇
⇒発熱


■解熱薬のメカニズム
●NSAIDs:
 ⇒COXを阻害する

●アセトアミノフェン:
 ⇒脳内のp450シトクローム系により酸化される
 ⇒その酸化物がCOXを抑制
 …だから末梢での抗炎症作用はありません

●ステロイド:
 ①ホスホリパーゼA2を抑制
  ⇒アラキドン酸の細胞膜からの放出を抑制
 ②発熱に関わるサイトカインのmRNA転写を抑制


■基本的な解熱の考え方

①まずセットポイントを下げる=アセトアミノフェンを用いる
②次に熱の損失を促す=クーリング

クーリングの特徴(特に熱中症の場合)
・熱の放散により,体温を下げる事が出来る
・クーリングブランケットが有用
⇒しかし,過剰な血管収縮を促し,逆に熱の放散を妨げるおそれ
体表面の温度が30℃以下になるとシバリングを誘発
熱を上げてしまう!


参照 UpToDate,ICU book 

★コルチゾール作用,アルドステロン作用の力価が違う.

◎臨床用のメモです。

■ステロイドの種類・特徴

一般名

商品名

コルチゾール作用

アルドステロン作用

半減期

ヒドロコルチゾン類
(コルチゾール) 

ソル・コーテフ

1

1

1.2h

プレドニゾロン類

プレドニン

4

0.8

2.5h

メチルプレドニゾロン類

ソル・メドロール

5

ほぼ0

3h

デキサメタゾン類

デカドロン

30

0

6h

ベタメタゾン類

リンデロン


※ヒドロコルチゾン=コルチゾールの力価を1としています。


■内服ステロイドの使い方
プレドニゾロン換算で,投与量を決定します。
 ・大量=40mg/day以上
 ・中等量=20-39mg/day
 ・少量=19mg/day以下

※生理的なコルチゾール分泌
…正常時は,プレドニゾロン換算で3-5mg/dayです。
…ストレス下では,プレドニゾロン換算で80mg程度となります。
 ⇒手術時などの投与量の参考になります。

●投与法
分けた方が効きますが,副作用が多くなります
 …副腎抑制する時間が長くなるためです。
⇒よって、以下の用に使い分けます
 抗炎症効果狙い:分3-4(血管炎など)
 自己免疫是正狙い:分1(重症筋無力症など)


■注射ステロイドの使い方
半減期の短い,ソルコーテフが使いやすいです

●ステロイドは水に溶けないので,コハク酸エステルとしています。
 …ソルコーテフ,水溶性プレドニン
アスピリン喘息の患者は,コハク酸塩で悪化することがあります!!!
⇒リンデロン4-8mg静注で対応

パルス療法
・メチルプレドニンが生成され,アルドステロン作用がほぼないことから,実施できるようになりました
 …1000mg/dayを3日間
⇒大量ステロイド療法と比べ優れているというエビデンスに乏しいですが、よく使われます。


参照 ステロイドの使い方のコツ

改訂第3版ステロイドの選び方・使い方ハンドブック

★基礎インスリンを付加するのが前提。

◎スライディングは楽なので指示してしまいますが、benefitは証明されていません。そのかわりにするべきインスリン指示です。

■食事摂取安定⇒インスリン強化療法
各食前に超速効型インスリン(ノボラピッドかヒューマログ)
 +眠前か朝に持効型インスリン(ランタス);朝打ちが推奨されます

・これが一番基本的なインスリン治療です
⇒非常に特殊な糖尿病でなければ、これで必ず血糖コントロールできます
…食事摂取がある程度安定している患者が対象
 ⇒ICU管理で定期的な経管栄養施行しているときもOK

・最初に導入する時は、4-4-4-4単位か3-3-3-3単位程度がよいと言われます
⇒それぞれの直後の血糖を参考に、インスリン量を調整します
(例えば、眠前のランタスは、翌日の朝食前血糖を参考に)
+時々ターゲス(7検:各食前/2時間後、午前3時)で食後2時間と深夜の血糖を確認します

食事時間が長い時注意します
…経管栄養などで、投与に2時間かけている場合など
⇒食前、食後2時間血糖が高くみえますが、、
 =この時超速効型をそれほど増やす必要ありません。


■食事摂取不安定⇒食後打ち

摂取した主食量に応じて、投与する超速効型インスリン量を変える
 +眠前か朝に持効型インスリン(ランタス)

・食事摂取が始まったばかり/ 安定しない患者に有用です
 …例えば、「2/3以上で4U、1/3以上で2U、それ以下で0U」など
 ⇒血糖をみて、大まかに調整します
 (必ずランタスも併用)

食事摂取が安定したらインスリン強化療法へ移行します
※ちなみに、Gluの量は、食事量というよりは主食量に依存します。


■食事摂取なし⇒持効型のみか持続静注

●持効型のみ:ランタスのみ
●持続静注 
…①メインに混注:ブドウ糖5gに1Uが目安
 ②シリンジポンプで持続静注:生食49.5ml+ヒューマリンR 50単位
 ⇒0.5ml/h(12U/day)くらいから始めます
 ⇒これはスライディングしない方が良い;やってみると上手く調節できません
 =血糖の経過を見て、1日毎に調整します
※ヒューマリンRは速効型(皮下注で効くまで30分程度)だが、静注すれば一瞬で効果発現します

・これにスライディングを併用する事は許容されます!
⇒投与した単位数を参考にインスリン量を調整できるためです。
 …スライディングで投与した単位数をそのまま付加しても問題ありません。


参照 病棟血糖管理マニュアル

★そもそもやるメリットが確認されていない。

◎大事です。知っておきましょう。

■インスリンスライディングスケール(SSI)

測った時の血糖に応じて、超速効型インスリンを投与
 …1934年に提唱され、簡便のため世界中に広まりました
 (この頃は、尿糖の量でインスリン量を調整していた)

SSIに利益があるとする研究は、実はMedline上に1つもないのです
 +悪影響がある、とする研究が複数あります
 +インスリン強化療法の方が優れる、という研究は沢山あります
・世界的に、スライディングスケールを止めるよう勧告されてます!!
 …JAMA: Time to stop sliding など


■SSIを止めるべき理由

●例えば食前3回+眠前測定(4検)の場合 
食後の血糖上昇を抑えられない(食前の血糖分だけ下げようとしているだけ)
 ⇒高血糖のリスクが高いです

②就寝時は食事を食べない
 ⇒低血糖リスクが非常に高い
 ⇒反跳性高血糖となりえます

③血糖を上げてから下げるので、振れ幅が大きい
 ⇒振れ幅は心血管リスクです

④基礎分泌が無い場合、超速効型の効いている時間しか効果がない
 ⇒それ以外の時間の高血糖を全く是正できません

⑤個人によりインスリン感受性が全く異なる
 ⇒統一した方法で適応できるはずがないです

※血糖管理で絶対に避けるべきなのは、低血糖と、超高血糖によるケトアシドーシスなど
⇒SSIはどちらのリスクも上げる
⇒そもそも利益が確認されておらず、やらない方がましかも
⇒しかも、必ず他の方法を用いて血糖コントロールすることができる


参照 UpToDate,  JAMA. 2009;301(2):213-214

★酸性薬物での溶血はG6PD欠損に特徴的!

◎生化学的に説明可能な内容です。

■G6PD活性低下
NADPH(還元剤)産生低下
⇒①細胞内フリーラジカル・過酸化物を解毒する機能低下
 ②蛋白のSH基を還元状態に保てない
  ⇒SH基酸化により蛋白変性
  ⇒不溶性の塊(ハインツ小体)となる
  ⇒細胞膜に付着し,細胞膜が変形できなくなる
  ⇒肝腎マクロファージにより貪食される
細胞障害,アポトーシス

この影響は赤血球が受けやすいです。なぜなら、
…①NADPH産生の回路が1つしかない;ペントースリン酸回路
  ⇒他の細胞は他の回路(下記参照)を持ちます。
  ②赤血球は核・リボソームを持たず,酵素を新たに産生できない
  ⇒不安定な変異酵素があると障害受けやすいです。
⇒よって、「G6PD欠損⇒酸性薬物で溶血」となります。


■ペントースリン酸回路
・グルコース-6-リン酸(G6P)
⇒G6Pデヒドロゲナーゼ(G6PD)により不可逆的酸化される
⇒6-ホスホグルコン酸となり,これも不可逆的に酸化される
 ※それぞれの反応で,NADP+がNADPHに還元される
⇒リブロース-5-リン酸となる
⇒可逆的な反応により,解糖系へ

■他の回路:細胞質でのNADPH産生

・クエン酸回路
⇒リンゴ酸
⇒NADP+依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(リンゴ酸酵素)
⇒ピルビン酸
 ※この際 NADP+がNADPHに還元されます


参照 リッピンコット生化学

★TGは,LDLなどのリポ蛋白の構成成分.

◎マーカーとして知らない人はいませんが、生理的な役割について知っている人は少ないです。

イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)


ここまで突き詰めて勉強できるのは、若い時だけです。


■用語 
トリグリセリド(TG)=トリアシルグリセロール(TAG)
リポ蛋白:キロミクロン,VLDL,LDL,HDL
      ⇒脂質の輸送に関与します。


■コレステロールの流れ

※TGとは関係ありません。
1) 食事コレステロール⇒キロミクロンレムナント⇒肝臓で貯蔵
2) 肝細胞以外で合成されたコレステロール⇒HDL⇒肝臓で貯蔵
3) 肝細胞で合成されたコレステロール⇒肝臓で貯蔵
4) 肝臓⇒VLDLの分泌,胆汁中へ排泄(遊離コレステロール),胆汁酸への変換
 (コレステロールの使い道)


■食事からの脂質吸収
キロミクロン:腸管粘液細胞で構成(食事からのTG,コレステロールを内部に含みます
⇒血中へ移行します
 ※この時は機能的に未熟なので未熟キロミクロンといいます
⇒未熟キロミクロンに,HDL由来のApoE, ApoCが結合
 ※成熟キロミクロンとなります
⇒末梢組織において,ApoC認識によりリポタンパク質リパーゼが活性化
TGを加水分解:脂肪酸(筋肉でエネルギーとして消費,脂肪では貯蔵)、グリセロール(肝臓へ)
⇒TG分解に伴い小さくなる+ApoCがHDLへ戻される
 ※この残りカスキロミクロンレムナントといいます
ApoEが受容体により認識され,肝細胞にエンドサイトーシスされます
⇒リソソームが結合し分解:アミノ酸,遊離コレステロール,脂肪酸となります。


■VLDLの代謝
・肝臓からVLDLが産生されます:TGを末梢へ運搬する機能
 ※この時点では未熟VLDL
HDL由来のApoE,ApoCが結合します
⇒上と同様に,リポタンパク質リパーゼが活性化
残りカスIDL
 ⇒ApoE受容体により感知,細胞内にエンドサイトーシスされます
ApoEとApoCが戻されてLDL
 ⇒LDL受容体が認識,エンドサイトーシスされます
※IDLとLDLは,TG消費のためコレステロールが濃いです
 ⇒組織へのコレステロール供給の役割をもつのです。


■疾患

・Ⅰ型高脂血症:リポタンパク質リパーゼもしくはApoC欠損
       ⇒血中キロミクロン高値,この結果血中TG高値 (コレステロールは正常)
・Ⅱ型高脂血症:機能的LDL受容体の欠損
       ⇒血中LDL高値,この結果血中コレステロール高値
・Ⅲ型高脂血症:ApoE2という,ApoEの中で,受容体への結合性の悪いものをホモにもちます
       ⇒血中LDL,キロミクロンレムナント高値
 

参照 リッピンコット生化学 

★分泌液による閉塞!

◎マニアックですが、USMLEで出ます。これでいろいろな事が説明されます。目からうろこ。

First Aid for the USMLE Step 1 2019, Twenty-ninth edition



■嚢胞性線維症

CFTR:cAMP調節性Clチャネルの一部として,Cl・Na輸送に関与
 嚢胞性線維症ではCFTR機能不全が認められます.

ほぼ全ての外分泌腺において,イオン・水輸送が障害されます
⇒管腔内分泌液が粘調
管腔閉塞がメインの病態
 以下に帰結します。
 ・気道⇒痰による気道閉塞,易感染性
 ・腸管⇒イレウス
 ・膵管⇒膵外分泌不全による消化不良
     (CFTRは膵管のHCO3分泌を制御)
 ・胆管⇒肝内胆管閉塞,それによる肝硬変
 ・汗管⇒汗が塩辛くなる
     (CFTRはCl再吸収に関与→Na・Clが過剰に分泌される)
      ⇒過度の発汗で低調性脱水となります
 ・輸精管⇒閉塞による輸精管形成不全,それによる不妊

 
参照 メルクマニュアル,UpToDate

★リンの欠乏が主体.

◎リンの重要性を感じましょう。

■Refeeding syndromeの病態
・絶食状態は、体内のリン(P)が欠乏しています
・食事開始=グルコース摂取
インスリン分泌
⇒①細胞内へP,K,Mgが移動
  ⇒これにより電解質異常
 ②細胞で足りていないATPなどを産生(Pを消費)
  ⇒更にP欠乏
  ⇒リン酸○○が不足
  ⇒組織低酸素,エネルギー不足
 ③腎でNa再吸収↑
  ⇒体液量↑ 


■Refeeding syndromeの合併症
・②による心筋収縮力↓+③による前負荷↑ 
心不全
※ビタミンB1欠乏も合併し,これを増悪しえます。
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/22664970.html

・カロリー,脂肪の急な摂取
⇒肝臓に蓄積(脂肪肝的変化
⇒肝,胆道系逸脱酵素が上昇!
※但し,絶食時の栄養不全による肝細胞アポトーシスによっても肝,胆道系逸脱酵素↑
 ⇒この場合,適切な栄養摂取により改善します
 ⇒この鑑別が重要です。

・他
下痢:腸粘膜萎縮,膵臓の障害によります
腹痛:消化管の収縮不良⇒便秘によります


参照 UpToDate

★意外に知らない.

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)


 Guytonが答えてくれました。


・発熱
洞結節の代謝↑
⇒興奮性↑
⇒心拍数↑

※発熱⇒脱水⇒心拍数↑
の影響もありうるが,メインではないです.

※また、このメカニズムのため、洞不全症候群では頻脈となりません。


参照 Guyton生理学

★コラーゲンは産生されるが,架橋できない=もろくなる!

◎機序まで理解している臨床家は尊敬されます。

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■ビタミンCの作用

プロリン水酸化,リシン水酸化の補酵素
・これらはコラーゲン合成で必要なステップ
=無いとコラーゲン線維が架橋できません
⇒欠乏すると壊血病
 (血管脆弱性→易出血性、ということです)

②カルニチン産生の補酵素
・カルニチンは脂肪酸β酸化に関与
 (カルニチンシャトル:脂肪酸のミトコンドリアへの輸送)

③ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼの補酵素
・「ドーパミン→ノルアドレナリン」の反応に必要です.

④プロスタグランジンの代謝に関与
⇨抗炎症作用に関連していると考えられます
⇨なので、「ビタミンCが癌に効く」類の研究が行われた経緯があります。

※ビタミンCが欠乏しても、②,③,④は臨床的に問題となりません。



参照 UpToDate,リッピンコット生化学

★栄養状態が悪く,代謝障害が起きている状態.

※もともとは栄養不良により衰弱した状態を指していました
⇒しかし複雑で,管理による修飾を受けるため,統一見解が出来なかったのです
⇒2007年,2011年に定義付けられた
 が、悪液質とは〇〇だ、と言える定義はありません。

終末期医療のエビデンス


▶︎終末期医療は、突き詰めると奥が深い。


●定義
1.基礎疾患に関連して生じる複合的代謝異常の症候群.

2.筋肉量の減少を特徴とする.
 ※脂肪組織の減少の有無には関わらない

3.臨床症状として,成人では体重減少,小児では成長障害がみられる.

4.飢餓,加齢による筋肉減少,うつ,吸収障害,甲状腺機能亢進とは異なる病態.
 (除外診断)

5.食欲不振,炎症反応,インスリン抵抗性,蛋白異化亢進などの代謝異常がみられる状態.

6.病態生理的には,経口摂取の減少,代謝異常による負の蛋白・エネルギーバランスを特徴とする.


●機序
・根底は、種々のサイトカインを介する炎症反応です。
⇒骨格筋分解↑,インスリン抵抗性,易化亢進(脂肪分解など)

進行することが特徴。
⇒「前悪液質→悪液質→不可逆的悪液質」


※臨床をやっていると何となくありますが、この定義に臨床的意義はあまりありません。


参照 終末期癌患者の輸液療法に関するガイドライン 

★造影CTの時は相対禁忌.

◎緊急の場合、特に急性心筋梗塞の場合はリスクベネフィットを勘案して造影剤を使いますが、何か起きることはほとんどありません。機序は生化学です。

超実践知っておきたい造影剤の副作用ハンドブック改訂版 [ 桑鶴良平 ]




■ピグアナイド系降血糖薬、造影剤との関連

ビグアナイド系メトホルミン:メトグルコ,メルビン)
⇒肝臓の糖新生を阻害することで血糖↓
「ピルビン酸→グルコース」の阻害
「ピルビン酸⇔乳酸」より乳酸↑

◎ビグアナイドは腎から排泄される
ヨードは一過性に腎機能を低下させる
(だから腎不全に造影は禁忌)
⇒ビグアナイド濃度↑
⇒乳酸濃度上昇
乳酸アシドーシス


■乳酸アシドーシスを起こしやすい状態

①循環不全、低酸素血症
 ⇒嫌気性代謝↑
 ⇒乳酸産生↑
アルコール摂取多い
 ⇒NAD+消費
 ⇒「ピルビン酸→乳酸」↑
肝機能障害
 ⇒乳酸代謝↓
腎機能障害
 ⇒メトホルミン排泄遅延(上述)

※これら危険因子を持つ患者にメトホルミンを処方すること自体注意する;造影剤使用とも限らない

●但し乳酸アシドーシス発症は、リスク因子+急性危険因子が必要
⇒しかも非常にまれで、因果関係も証明されていない
⇒ただ症例報告として有名で、機序も想像しやすいので、禁忌となっているというのが現状。

 
参照 メトグルコの適正使用のために

★違う経路でアデニル酸シクラーゼ系の不活性化に拮抗するため。

◎救急では稀ですが重要な事項です。しかし、その機序の理解は少々複雑。グルカゴンもベータ遮断薬もcyclic AMPに作用する事が共通しています

イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)



 ↑このまとめは秀逸ですが、臨床しながら勉強することは難しい。


■cyclic AMP系で主に作用される細胞まとめ

  グルカゴン⇒肝,脂肪,膵ランゲルハンス
  β刺激⇒心筋,気管支平滑筋
  アデノシン(虚血で発現します)⇒血管平滑筋
  PGE2, PGI2⇒肥満細胞,血管内皮
  バソプレシン⇒尿細管細胞
⇒これらの膜受容体に結合します

※主な作用対象である事が重要。cAMPは共通しているので、他の細胞にも作用します。


・これらは結果的に,以下の変化に繋がります。
  グルカゴン⇒血糖↑(糖新生),脂肪分解↑,インスリン分泌↑
  β刺激⇒心筋収縮頻度↑,気管支拡張

  アデノシン⇒平滑筋弛緩⇒血管拡張(⇒腎血流↑⇒RAAS系↑⇒血圧↑)
  PGE2, PGI2⇒ヒスタミン遊離↓,血小板凝集↓
  バソプレシン⇒細胞増殖


■全て,以下の機序によります。
・細胞の膜受容体に結合
⇒隣にあるGsタンパク(α, β, γからなる)と相互作用
 ※GsタンパクはGDPを放出しGTPと結合
⇒Gsタンパクのαサブユニットが解離(活性化
⇒隣にある「不活性のアデニル酸シクラーゼ」を活性化する
⇒活性型アデニル酸シクラーゼはATPをcyclic AMP(cAMP)とする
⇒cAMPは,cAMP依存性プロテインキナーゼプロテインキナーゼA)を活性化
 ※詳しくは,プロテインキナーゼAのサブユニット(2つの内1つ)を解離させる


プロテインキナーゼAは,
あるタンパク質をリン酸化(=活性化)
 ※この蛋白質を,cAMP応答配列結合タンパク質CREB)という
⇒CREBは,cAMP応答配列CRE)に結合
⇒プロモーター内にCREを持った遺伝子の転写が亢進する
⇒肝:糖新生↑
   脂肪:脂肪分解↑


Na/Kポンプを活性化
⇒細胞内Na濃度↑,K濃度↓
⇒電位依存性Caチャネル開口
⇒Ca流出,細胞内Ca濃度↓
⇒膵:インスリン分泌
   血管平滑筋:弛緩=血管拡張
   心筋:収縮頻度↑


段階が進むごとにシグナルが増幅される
-数分子のホルモンが受容体に結合すると,多くのプロテインキナーゼ分子が活性化されます


β遮断薬中毒
 さて、本題です。
β受容体を介し,上の経路を遮断,プロテインキナーゼAを不活性化します。
⇒除脈,低血圧,時には低血糖
・膜安定化作用(Naチャネルを遮断する作用)ももつ
⇒心収縮力↓

これが効きすぎて,中毒になった場合
⇒グルカゴン投与します
⇒グルカゴンは,グルカゴン受容体を介して上の経路を亢進,プロテインキナーゼAを活性化
⇒心筋はグルカゴンのメインの標的ではないですが,ある程度筋にも作用します
⇒β遮断薬の影響を緩和することができます。


■多発性嚢胞腎
・線毛機能低下が病態の主軸です
...これはの機序は以下の組み合わせです。

細胞内Ca濃度低下
⇒negative feedback解除
cAMP↑

バソプレシンV2受容体の発現増加
⇒アデニル酸シクラーゼ活性↑
cAMP↑       

・よって,バソプレシン受容体拮抗薬が著効する
.....cAMPを介すという意味ではβ刺激薬でも良いことになりますが、イコールカテコラミンということです。よってカテコラミンの長期投与は、当たり前ですが寿命を短くします。


参照:UpToDate,リッピンコット生化学

★HHSでDKAが生じない機序は定かでない。

◎臨床的にはどちらも輸液+インスリン。DKAでは尿ケトン体+代謝性アシドーシスが認められ、血糖はHHSの方が高めです。

■糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
●病態
インスリン欠乏+インスリン拮抗ホルモン(カウンターホルモン)過剰
⇒糖をエネルギー源として使えない
脂肪細胞から遊離脂肪酸放出(エネルギー確保)
⇒肝で脂肪酸からTGかVHDL(コレステロールの1種)+ケトン体生成
(脂肪細胞が関わる)

DKAは主に1型DMの患者にみられるが,2型DMにもみられる(人種差あり)
※1型DMのpresentationとしてのDKAはcommonです。
●DKAは24時間以内の急性発症です。


■高血糖性高浸透圧状態
(HHS)
●病態
インスリン欠乏+水分摂取不足
⇒浸透圧利尿
⇒血管内脱水
※一定のインスリン分泌は保たれている
 ⇒肝臓・骨格筋などインスリン感受性組織のグルコース利用を維持できない状態
(脂肪細胞は関わらない)

HHSは主に2型DMの高齢者です。
●HHSは比較的ゆっくり発症します(数日とか)


※どちらも、誘発イベントが同定できる事が多いです:急性疾患(感染、心筋梗塞など)。

HHSでDKAが起こらない理由は,完全には解明されていません
・HHSのインスリン欠乏は相対的なもので,DKAに比べそれほど著明でない可能性があり、
⇒HHSの場合、脂肪で代償するに至らない、という説があります。

しかし、それは臨床上あまりどうでもいいことです。


参照 UpToDate

★代償機構により、体内での水の分布の異常となる。

◎SIADHは医学生にはなかなか理解しづらい疾患です(自分はそうでした)。ADHの異常産生という病態で、体内の他の代償機構は正常であることを理解すると当然です。

SIADHの病態
●下垂体からADH(抗利尿ホルモン、バソプレシン)がですぎる
⇒腎臓の集合管で水再吸収が亢進
(⇒それなら尿量は低下しそうに思えてしまう)
⇒血管内の血液が希釈され、低ナトリウム血症となる
⇒低Naによる意識障害,脳細胞浮腫による頭蓋内圧亢進が問題となる


■なぜ尿量は低下しないか?

循環血漿量が調整されることを理解する事が大事です。
再吸収された水は血管内ですが...
⇒浸透圧勾配により吸収した水の一部は細胞内へいきます
⇒この点で、循環血漿量(血管外血液量)の増加は抑えられます

ある程度循環血漿量は増加しますが...
RAS系(レニンアルドステロン系)が抑制されます
 ※RAS系は循環血漿量が減少すると亢進し、アルドステロンにより尿細管でのナトリウム再吸収がおこなわれ、血管外血液量を増加させます(代償機構)
=尿量を保とうとされます
⇒代償機構が働き、循環血漿量の増加が抑えられるということです
(⇒これは、SIADHで尿中ナトリウム濃度が高くなる理由にもなります)

③また、心房利尿ペプチド(ANP)にも血漿量代償作用があります
⇒循環血漿量の増加を感知し、ANPが産生されます
⇒ANPの作用により、腎臓からのナトリウム+水排泄が促進されます
=尿量を保とうとされます

★心筋収縮力低下、神経の易刺激性が原因。

◎テタニーはよくみますが、Ca低値により血圧低下を来す事は臨床上あまり経験ありません。

■低血圧
★心筋収縮力の低下によります。

●一般的な心筋収縮の活動
①脱分極=収縮
・(細胞内に)Na流入(電位依存性Naチャネル
②プラトー
・Ca流入(電位依存性Caチャネル)+K流出遅延(ちょっと流出,内向き整流性Kチャネル)
③再分極
・K流出(遅延整流性Kチャネル
⇒膜電位が下がる
⇒静止膜電位の形成(内向き整流性Kチャネル)

●カルシウムが低いと...
・心筋興奮のプラトー相でのCa流入の所
Ca流入量↓
⇒心筋収縮力↓
⇒低血圧

※ただし刺激に対する感受性は保たれるので、収縮頻度は変わりません。

理解できますね。でもあまり経験しません。


②テタニー
★神経の易刺激性によります。
※テタニーとは、意識消失を伴う事無く、四肢の筋群に疼痛を伴う強直性の痙攣をきたすこと。

ナトリウムチャネルに作用することによるのです。
・低Ca血症
⇒Naチャネルの開口率↑
⇒Naチャネルの透過性↑
⇒神経細胞の脱分極の閾値が低下
⇒テタニー

これは大事です。

★低カリウム血症、GH高値、TSH高値を理解する。

◎基本的にはどんな項目・検査値も低下する疾患ですが、フィードバックによりGHとTSHは高値となります。USMLEに頻出。

■摂取不足
●ものを食べない=塩もとらない
⇒NaCl摂取↓
脱水(水分摂取が少ない事も寄与)
レニンーアンギオテンシンーアルドステロン系亢進
⇒ナトリウム再吸収、カリウム排泄
⇒低K血症


■低栄養
①成長ホルモン

IGF-1(insulin-like growth factor-1)が低下
⇒negative feedbackにより
⇒GH(growth hormone)↑
※GH抵抗性となっておりGH系が機能しない
⇒骨形成に重要であり、骨粗鬆症が進行する

②甲状腺ホルモン

・T4からT3への経路が阻害
T3低下
⇒negative feedbackにより
⇒TSH↑
※食べ始めると正常に戻る

③副腎ホルモン

・コルチゾール過剰状態
⇒うつ、不安

★紛らわしいですが、アンドロゲンは3種あり,その内の1つがテストステロンです。

なぜ一流の男は精力が強いのか? 男性ホルモン力を上げれば人生が変わる



アンドロゲン男性ホルモン の種類
デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)
副腎皮質網状層で産生。
⇒血中では主にDHEA-S(塩酸塩)として存在。
・20歳ごろがピークで、加齢とともに直線的に低下していきます。
・「若返りホルモン」とよばれ、免疫活性化,循環改善に寄与します。
・ストレス、睡眠や食事も影響します。良い生活習慣により、DHEAの減少を防ぐ事ができます。
※特に、健康的な運動(1日30分程度の有酸素運動)がDHEA増加に効果がある可能性があります。

DHEA欠乏によりsexual dysfunctionが生じ、問題となるケースがあります(特に女性)。この場合、DHEA補充療法の適応となりえます。ルーチンに補充療法を行う事はガイドライン上推奨されていませんが、一部の患者に効果が認められます。


テストステロン
・95%が精巣で作られます。
 …LH刺激⇒Leydig細胞が、DHEAをテストステロンに変化させます
男らしくする作用があります。
 …筋骨格系↑,生殖器↑,体毛↑
・年齢とともに減少していきます。

アンドロゲン欠乏症に対するテストステロン補充は、ガイドラインで推奨されています。
※高齢男性はアンドロゲンが欠乏しています。テストステロン欠乏により疲労等の症状が出現しますが、この場合のテストステロン補充療法は推奨されていません(リスクがより高いと判断されるため)。

▶︎運動が良いです。補充に頼らずにやってきましょう。

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ジヒドロテストステロン
毛乳頭や皮脂腺にて
5αリダクターゼでテストステロンが還元⇒ジヒドロテストステロン産生

●「脱毛ホルモン」で、AGA(進行性男性型脱毛症)の原因です。
…髪に作用し、ヘアサイクルの成長期を休止期や退行期に変え、抜け毛を生じさせます。

AGAの治療でガイドライン上推奨されているのは、5αリダクターゼ阻害薬(フィナステリド)の内服+血管拡張薬の1種(ミノキシジル)外用です。
 …Grade 2Bです。これはそれほど推奨されていません。
 ⇒なぜなら、脱毛は医療介入しなくても問題ない事がほとんどだからです。
 ⇒ただし、社会的に治療を求める声が多いため、医療ガイドラインがあります。

・フィナステリドは抗アンドロゲン薬の一種ですが、これは紛らわしい分類です。なぜなら、テストステロン⇒ジヒドロテストステロンの変化を抑制する薬のため、テストステロンの減少を抑え得るからです。
・内服が嫌な人は、ミノキシジル外用のみで対応することもあります。
ミノキシジルは、リアップなど、市販されています

【第1類医薬品】リアップX5 60mL

・あまり副作用は多くないですが、
 ⇒フィナステリドにより性障害が生じる可能性があります 
 ⇒ミノキシジルにより皮膚炎が生じ得ます(稀です):稀でなければ市販されません

・重要なことは、これらの治療は中断してはいけない、ということです。中断すると、間違えなく脱毛が進行します。副作用はあまり心配しなくてよいと思います。なぜなら、副作用が強ければガイドライン上Grade C以下になるからです。


参照 UpToDate

★基本はCVリスクの管理。

■中等度の高TG血症(150~1000mg/dl)

まずは生活指導
 …減量、有酸素運動、砂糖避ける、血糖コントロール、節酒、他の冠疾患リスクコントロール
⇒持続するようなら、心血管リスクを減じるため、スタチンを開始
スタチンはTG低下に最も良い薬剤ではないが、心血管リスクを最も低下させる薬のため
 …高TG+LDL低くない人に対するスタチンの効果は立証されている

TG高値と心血管リスクの相関は証明されている
⇒しかし、TG値を下げることを目標とする治療が、心血管リスクを下げるかは定かでない
 (一部にはフィブラートの効果を立証する研究もある)
それでも以下の様なアプローチが推奨される
 ・500程度までならスタチン単剤⇒継続出来ない場合フィブラートへの変更
 ・500~1000であればフィブラートから⇒TG下がったらスタチン追加


■高度の高TG血症(1000mg/dl~) 
・まずは生活指導
 …中等度の指導に加え、低脂肪食、禁酒
膵炎予防としてフィブラート+エイコサペンタエン酸の開始を検討してよい
(但し、2000以上だとしても頻度は非常に稀である)


※TGを下げるにはフィブラートが第一選択だが、エイコサペンタエン酸やニコチン酸もオプションにはなる(特に前者は副作用ほとんどないため)


参照 UpToDate 

★カテコラミン受容体の発現が低下するため。

■徐脈の機序

●free T3, T4は蛋白と結合し細胞膜を通過
⇒ thyroid receptorは核にある(T4にはなく、拡散して核内へ移行する)
⇒T4はT3となり活性化状態となる
⇒T3は核へ結合し、遺伝子を変化
⇒mRNAを介して新たな蛋白を合成

GTP/adenyl cyclase/cyclic AMP unit(交感神経系の受容体分子)
 …これが保たれるため、thyroxineは必須
thyroxine低下状態では、この受容体がdown-regulateされる
カテコラミンの作用が低下する
⇒これが心筋のペースメーカー細胞で起こると徐脈となる

※他の多くの症候もカテコラミン作用低下により説明される


■高コレステロールの機序

・T3↓
細胞表面のLDL受容体の発現↓
LDLの代謝、クリアランスが低下
⇒血中にLDLが溜まり、高LDL血症となる
※HDLは正常〜やや低下する

 
参照 UpToDate, https://drsvenkatesan.com/tag/how-hypothyroid-cause-bradycardia/ 

★実際よく使うものだけ。

■持効型
;ほぼ24時間
●種類
ランタス(インスリングラルギン):ほぼ1日で安定
トレシーバ(インスリンデグルデク)):効果が安定するまで長くかかる(2-3日)
レベミル(インスリンデテミル):半減期がやや短いが、妊婦に使う(昔FDAの推奨)

●使用法
・2型糖尿病患者で降血糖薬にて血糖コントロール不良の場合、導入を検討
⇒まず4-6単位から開始、3日以上おいて2-4単位ずつ増やしていく
⇒血糖が良くなってきたら、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬の中止を検討
経口からインスリン単独療法に切り替えることも可能
⇒切り替え時に体重増加や低血糖の頻度が高いとされる。
 長期的に内服を残すかどうかは、決まりはない


■速効型
ヒューマリンR
・スライディングに用いる;バイアル製剤で汎用性が高いため
・点滴に用いる:認可とか添加物とかの問題で、これが唯一使える
 …点滴時は投与直後に効果発現する
 ※持効/中間/速効/超速効は、皮下投与における違い;皮下からの吸収スピードが律速


■超速効型;15分未満で効果発現
●種類
ヒューマログ(インスリンリスプロ)
ノボラピッド(インスリンアスパルト)
アピドラ(インスリングルリジン)
・3剤の間でほとんど変わりなし

※超速効型のみ、持効型のみを比較した試験では、血糖値や心血管イベントに差がなかった
⇒2型DMでは持効型追加のみ(BOT)で十分なことが多い
⇒しかし、特に食後血糖が高い患者は超速効型が必要となり得る;強化療法=4回打ち

※ミックス製剤(25, 30, 50, 70)
 …持効型+超速効型で、数字は超速効型の割合(%)
・強化療法の変わりに用いられる;打つ回数が少なくて済むため
⇒但し強化療法より血糖コントロールはやや悪くなるとされる


参照 UpToDate

★アセチルCoAが余るため。

■高血糖への生理的反応

・グルコース(Glu)が血中へ取り込まれる
⇒Gluが膵臓β細胞へ取り込まれる
⇒様々な経路を介して、インスリンが分泌される
⇒血糖低下
●インスリンの役割
①肝臓のGlu合成を阻害
②グリコーゲン分解、糖新生を阻害
③骨格筋と脂肪でのGlu取り込みを促進
④グルカゴン分泌を阻害;直接的阻害+膵α細胞を阻害


■インスリン抵抗性/分泌不全の場合
●血糖上昇機序

・末梢組織のインスリン抵抗性↑
⇒食後血糖上昇
肝臓での糖新生↑
…①脂肪からグリセロール、筋からアラニンなどの前駆体が肝臓へ移動
 ②糖新生経路の酵素活性↑
 ③グルカゴン分泌↑
 ④脂肪分解↑⇒脂肪酸↑⇒脂肪酸のβ酸化により糖新生のエネルギー↑
⇒空腹時血糖も上昇

●ケトン体産生機序
カテコラミンにより上記機序亢進(きっかけ)
⇒ホルモン感受性リパーゼ活性↑、末梢の脂肪組織で脂肪分解
⇒脂肪酸、グリセリン↑
⇒脂肪酸はアルブミンと結合し、肝臓へ取り込まれる
⇒脂肪酸とコエンザイムAが結合、アシルCoAとして活性化
⇒インスリン少なくグルカゴン多い条件→アシルCoAがミトコンドリア内に取り込まれる
⇒β酸化にてアセチルCoAとなる
⇒①クエン酸回路に取り込まれ、ATPとなる
 ②細胞質で脂肪酸合成に使われる
 ③ケトン体合成回路にてアセトアセチル酸(ケトン体)が合成される
  ⇒一部はβヒドロキシ-ブチル酸(ケトン体)となる
①に入れない余ったアセチルCoAが、③へ入る仕組み


■高血糖高浸透圧症候群(HHS)とケトアシドーシス
●なぜHHSでケトアシドーシスとならないか(仮説)

・HHSではインスリンの欠乏性は弱い
少ないながらも、残ったインスリンで脂肪分解をブロックできる
(血糖を低くするにはインスリン量は十分でなく、高血糖となる)
 …この2つの用途に閾値の違いがあるということ
⇒ケトン体生成に至らない


参照 UpToDate

★SU薬はベースが足りないとき、速効型は食後高血糖を是正したい時。

■SU薬(スルホニル尿素)
●種類

グリメピリド;アマリール
 …第3世代。インスリン抵抗性改善作用もあり、基本これ。
グリクラジド;グリミクロン、グリミクロンHA
 …第2世代。アマリールと比較し効果が弱く、それを期待して使われうる。
  (アマリール使う前段階など)
・グリベンクラミド;ダオニール、オイグルコン
 …第2世代。最も強力なSU薬で、低血糖を来しやすい+心臓に悪いという報告あり

●機序

膵β細胞のATP依存性Kチャネルを阻害
 …糖取り込みでATP↑、チャネル活性化し細胞内Kを細胞外へ輸送している
⇒Kが細胞内に溜まり、静止膜電位↑
⇒ある程度電位が上がると、電位依存性Caチャネル開口
⇒Caが細胞内に流入
⇒インスリン分泌
肝臓での糖新生も阻害
⇒夜間低血糖となりうる

●特徴、使い方

・2型DMで、インスリン抵抗性<分泌低下 だが、インスリン依存で無い時に使用
・ほぼ24時間作用するため、1日1回の服用で良い
・速効型インスリン分泌促進薬と併用はしない
○指標
・インスリン依存(インスリン必要)
…血中CPR:空腹時 0.5ng/mL未満/食後2時間 1.0ng/mL未満、蓄尿中CPR:20μg/日未満
・インスリン分泌能残存(=SU薬有効)
…血中CPR:空腹時 1.0ng/mL以上/食後2時間 2.0ng/mL以上、蓄尿中CPR:30μg/日以上
※CPR:Cペプチド
・非肥満:インスリン分泌能低下であることが多い

●効果
HbA1cを1-2%低下させる
・心臓病患者の予後を悪化させるという報告もあるが、controversial
実際は、心臓病患者でもアマリールが使える内は使う
 …皆インスリンになってしまうから

●注意/副作用

緩徐進行1型DMの場合、早期のインスリン導入が望ましい
 …抗GAD抗体持続陽性でスクリーニングする
・長期の血糖高値を是正する場合、網膜症の治療を行いながら徐々に治療する
 …急激な血糖降下は網膜症悪化や網膜出血を来しうるため
遷延する低血糖に注意
⇒リスク↑:運動後、食事スキップ、用量が多い、腎/心機能障害、消化器疾患、栄養状態が悪い、アルコール多飲、サリチル酸/スルホン酸/フィブラート系/ワーファリン併用時
・他の稀な副作用:嘔気、日光過敏、肝機能障害
 

■速効型インスリン分泌促進薬
●種類

・ミチグリニド;グルファスト
・レパグリニド;シュアポスト
 …基本的にどちらか。グルファストの方が血糖下がる印象。
・ナテグリニド;スターシス、ファスティック
 …あまり出番が無く、使われない
 
●機序
・SU薬とは違う受容体に作用するが、ほぼ同じ機序
 …基本的には、膵β細胞のATP依存性Kチャネルに作用、インスリン分泌↑

●特徴、使い方
食直前に飲み、すぐ吸収/効果発現/消失する
⇒食後高血糖に効果的
単剤でもいける
インスリンと併用したりする(SUは併用しない)
 …アマリール+グルファストや、30mix 2回打ちで昼食後を下げたい時など
・SU薬とは併用しない


●副作用

・低血糖
・腎障害で効果遷延する
…ナテグリニドは肝代謝だが、腎臓から排泄される代謝産物が血糖下げる

 
参照 UpToDate, 糖尿病専門医研修ガイド 

★心血管イベントをかなり抑制する可能性あるが、なかなかコンプライアンスが良くない。

■機序

・アルファグルコシダーゼ(αGI)
 …炭水化物の二糖を単糖へ分解する、小腸の消化管酵素
  マルターゼ、スクラーゼ、αデキストリナーゼなどが含まれる
⇒これを用量依存的に阻害
⇒糖の吸収を遅くする
インスリンが効果的に効くようになり、食後血糖の上昇を防ぐ
※このため、必ず毎食直前に服用する
 ⇒コンプライアンスが悪い

■特徴
●種類

・アカルボース;グルコバイ
・ボグリボース;ベイスン
・ミグリトール;セイブル
セイブルのみ、小腸上部で血中に吸収され、腎臓で代謝される

●適応

・食後高血糖の患者
境界型糖尿病糖尿病への進展抑制という意味
 …ベイスン0.2mgのみ

●禁忌、慎重投与

・開腹手術後、イレウスの既往;下記副作用により増悪のおそれ
・腎機能障害;セイブルのみ
・全身状態が悪い患者

●副作用

鼓腸、放屁
 …上部小腸で吸収されなかった糖が大腸へ行く
 ⇒腸内細菌により発酵され、腸内ガス貯留することによる
※少量から漸増することで、発生を抑える事ができる
・下痢
・肝機能障害


■効果

・食後血糖を63、HbA1cを0.4-0.9%下げる、という研究あり
・脂質異常を改善するという報告もあるが、controversial
・心血管イベントの発生をかなり抑える、とした大規模研究(STOP-NIDDM
 …アカルボースの1429名の研究。心筋梗塞のHR 0.09
 ⇒予想外の良い結果だったため、更に検証が必要とのこと


参照 UpToDate, http://www.igaku.co.jp/pdf/1502_tonyobyo-02.pdf

★ソルビトールデヒドロゲナーゼが欠如していることが一つの原因。

■グルコースの代謝→臓器障害

・糖質が細胞内に入る
⇒すぐにリン酸化され、細胞質内にトラップされる
 ※インスリンに依存しないグルコース取り込みの場合(以下の場合)
 ⇒大量のグルコースが細胞内にトラップされる
⇒①解糖系へ(ほとんど)
 ②ソルビトール合成へ(Glu多量かつNADPHが十分ある場合)

●ソルビトール合成

・グルコースは、アルドースレダクターゼを介してソルビトールに還元される
…この酵素は、水晶体、網膜、シュワン細胞、肝臓、腎臓、卵巣、精嚢線に存在
①肝臓、卵巣、精嚢線
・ソルビトール
ソルビトールデヒドロゲナーゼによりフルクトースに酸化される
⇒精子細胞のエネルギー源、肝臓では糖新生や解糖系へ移行

②水晶体、網膜、シュワン細胞、腎臓

・ソルビトール
ソルビトールデヒドロゲナーゼが欠如しており、ソルビトール蓄積する
ソルビトールは細胞膜を通過できず、細胞内にトラップされる
⇒大きな浸透圧効果をもたらし、水分貯留=細胞浮腫となる
⇒これら臓器特異的な障害をもたらす

※これは一部で、他にAGE産生、細胞内蛋白質とGluに縮合反応など様々いわれている


参照 Guyton,  リッピンコット生化学

★血糖降下作用も副作用もマイルド、長期的な効果はまだ不明なので、基本的に単剤では用いず多剤に併用するもの。

■種類と売り

リナグリプチン(トラゼンタ);代謝を何も考えなくて良い
テネリグリプチン(テネリア)
サキサグリプチン(オングリザ)
アログリプチン(ネシーナ)
シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)
ビルダグリプチン(エクア)
アナグリプチン(スイニー);安い

●それぞれの違い

 

用量

投与法;注意、禁忌

トラゼンタ

5mg 1

なし

テネリア

20-40mg 1

重度肝不全/心不全/ope/QT延長で慎重投与

オングリザ

2.5-5mg 1

重度腎障害で1/2用量、ope後、cP450阻害で慎重投与

ネシーナ

25mg 1

重度腎障害で1/4、腎障害で1/2用量、心不全で慎重投与

ジャヌビア/
グラクティブ

50-100mg 1

重度腎障害で禁忌、腎障害で1/2用量、
ope/高齢者で慎重投与

エクア

100mg 2

重度肝障害で禁忌、腎・肝障害/心不全/ope後で慎重投与

スイニー

200-400mg 2

重度腎障害で1/2用量

種類間で作用の差はないので、投与法で使い分ける

※肝排泄はトラゼンタとテネリア、トラゼンタは代謝をほぼ受けずに排泄されるため、慎重投与がないという。


■機序

GLP-1栄養に反応し小腸から分泌される
…膵島からのグルコース依存性インスリン分泌を促進する
 胃からの排泄を遅延させる
 食後の不適切なグルカゴン分泌を阻害
 食事量↓
GLP-1はDPP-4により不活性化される
 …DPP-4はほとんどの細胞表面で発現されている酵素
⇒DPP-4阻害薬はGLP-1活性化を介して血糖降下


■効果

●血糖降下
HbA1cを0.7-0.8%程度下げる;DPP-4阻害薬の種類、用量で差は無い
●心血管系への影響
心血管疾患予防効果があるか、現時点では不明
・一部の薬剤に心不全入院率が上がる、というデータもあるが、真偽は不明
 ⇒心不全で慎重投与となっている


■副作用

・よくあるもの;頭痛、鼻咽頭炎、上気道炎
・関連する可能性あり;免疫機能低下、膵炎
 ⇒データは不十分
・肝酵素上昇、皮疹を起こす可能性あり
 

参照 各社HP、UpToDate 

★メトホルミンは、基本的に2型糖尿病患者の第一選択。

●種類
・メトホルミン

 …商品名:メトグルコ、メルビン、メデット、グリコラン
・ブホルミン
 …商品名:ジベトス、ジベトンS
※ブホルミンはほとんど使われない

●機序
①肝臓での糖新生を抑制
 …mitochondrial GDPという酵素を阻害
②筋肉での糖取り込みを促進
 …AMPキナーゼ活性化
 ⇒GLUT4が細胞膜へ移動;骨格筋、心筋、脂肪細胞
 ⇒細胞内へ糖取り込み
③食事量、体重がやや↓

●特徴

安い
・膵臓を叩かずにインスリン抵抗性を改善させる、良い薬
太っている2型糖尿病患者に使いたい
 ⇒やせていても使える
※1型DMはどの糖尿病薬も保険適応ない

●効果

・単剤でHbA1c 1.5%程度下げる+心臓病予防効果あり
TG, LDLも下げる(脂質異常も改善しうる)
 …AMPキナーゼ活性化の効用
・癌のリスクを減らすかもしれない

●使い方

250mg 2T2xか3T3xから始める
⇒外来毎に、250-500mgずつくらい増量する
最大2250mgだが、ふつう単剤で1500mgくらいまで増量したら多剤併用を考える

●副作用

・用量依存的に副作用が出現する印象
・頻度が多いのは下痢、嘔気など消化器症状
・内服時の造影剤使用で乳酸アシドーシスの報告あり
 ⇒造影剤使用の前後48時間以上、内服中止する必要あり
 ⇒造影剤使用の多い科では、使用を避けられがち
※乳酸アシドーシスとなる機序
⇒参照:造影剤使用+メトホルミンで乳酸アシドーシスとなる機序、背景

●禁忌、使うべきでない患者

・腎障害:男性Cre≧1.3, 女性Cre≧1.2, 透析
  …eGFR>60なら安全、それ以下は投与控えることを検討するべき
・肝障害:AST, ALTが正常の2.5倍以上
・多量飲酒者
・心不全
・急性期疾患:感染、手術前後、ショック、脱水、外傷
・高齢者(75歳以上)、寝たきり、全身状態悪い患者
 …上記疾患になりやすいため
乳酸アシドーシスになりそうな病態、という基準


参照 メトグルコ添付文書、UpToDate

★エストロゲン/アンドロゲン比上昇で、乳腺組織に直接作用する。

■病態生理

エストロゲン 
・乳腺に直接作用
⇒乳腺管の肥大/ 伸展/ 分枝の促進
 管周囲の繊維芽細胞増殖、血管増成
アンドロゲン
・エストロゲンの作用に拮抗

エストロゲンとアンドロゲンのバランスが崩れ、女性化乳房となる
バランスの決定要素
①胎盤、副腎、精巣でのホルモン生成
②脂肪組織で、アロマターゼによる「アンドロゲン→エストロゲン」
③性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の存在
 ⇒エストロゲンとの親和性が高い
④ホルモンが作用する細胞


■原因

●新生児の一過性女性化乳房
胎盤:デヒドロエピアンドロステロン→エストロン、エストラジオール
⇒胎児循環に入る

●肥満
脂肪組織のアロマターゼ:アンドロゲン→エストロゲン
⇒乳腺へパラクリン作用

●肝硬変
・有意に増えているかは微妙
⇒ほとんど内服しているスピロノラクトンの影響かもしれない

●飢餓、refeeding
・飢餓:テストステロン、ゴナドトロピン↓だが、エストロゲンは正常に保たれるため
・refeeding:ゴナドトロピン高値となるため

●薬剤
・スピロノラクトン:様々な機序
・HAART:だいたいは脂肪再分布による(女性化乳房ではない)
・アンドロゲン阻害薬:前立腺癌の治療
・他、降圧薬など

●男性の性腺機能低下症
・Klinefelter症候群、テストステロン産生酵素の欠損
・精巣へのダメージ:外傷、腫瘍、感染症

●他
甲状腺機能亢進、慢性腎不全など


参照 UpToDate

★褐色細胞腫を否定すれば、交感神経抑制と精神科的管理が効果的。

■鑑別診断
褐色細胞腫
 …必ず1回はスクリーニングすべき;血中カテコラミンか蓄尿カテコラミン
動揺性高血圧症
 …ストレスを原因とするもの;但し自覚していない患者が多い
パニック障害
 …抗不安薬が著効する。発作性高血圧をpresentationとすることもある
※後2者を偽褐色細胞腫という


■偽褐色細胞腫の管理、治療
①薬物

●急性期管理(有症候性の場合)
・降圧薬が必要;ラベタロールiv、クロニジンpo
 +抗不安薬(アルプラゾラムなど) も効果的

●慢性期管理
β遮断薬が効果的;基本的に交感神経↑が原因だから
 +α遮断薬(ドキサゾシン)もかなり良い
・精神安定剤を加えると、非常にコントロール良好となる
 …SSRI(パロキセチン、シタロプラム):抗不安薬(クラナゼパム)を加えてもよい

②他
●薬物療法でコントロール不良の場合、精神科的介入が非常に効果的
⇒ただし、患者の協力が得られている場合のみ有効
 …拒否しているときは、無理に勧めてはいけない
・発作性高血圧でかなりADL低下している場合、最終的に受け入れることは多い


参照 UpToDate

★骨密度の低下で診断する。

■診断基準

①日本
続発性を除外した上で、
・脆弱性骨折なし→骨密度がYAMの70%未満
・脆弱性骨折あり→骨密度がYAMの80%未満
脆弱性骨折:軽微な外力による骨折
 YAM:若年成人平均値

②WHO
・骨密度が、成人女性平均の2.5SD以下(Tスコアが-2.5SD以下)

●続発性骨粗鬆症(鑑別診断)

・多発性骨髄腫、Cushing症候群、ステロイド内服中、糖尿病、原発性副甲状腺機能亢進症、原発性甲状腺機能亢進症、ビタミンD欠乏症、骨軟化症、骨Paget病、低栄養、慢性炎症、重篤な肝疾患


■骨量定量法
①DXA; dual-energy X-ray absorptiometry

2種類のエネルギーのX線を照射、骨成分を他の組織と区別し骨密度を定量する
対象(骨粗鬆症の診断候補)
・65歳以上の女性、70歳以上の男性
・危険因子をもつ、閉経後女性、50歳以上男性
 …アルコール摂取(エタノール24g/day以上)、現在の喫煙、大腿骨近位部骨折の家族歴
・骨粗鬆症の原因となる疾患に罹患、薬物投与されている者
●部位
腰椎(L2-L4の平均):日本での標準
・大腿骨近位部(total hipか頸部で低い方):世界での標準
⇒これらの測定が困難な場合、橈骨や第2中手骨で撮影
●評価
・腰椎:1SD以下で同部位骨折リスク2.3倍
・大腿骨:1D以下で同部位骨折リスク2.6倍、あらゆる部位での骨折リスク1.6倍

②MD; microdensitometry

第2中手骨のX線画像の濃淡、皮質骨の幅から骨密度を評価する
⇒末梢の皮質骨を中心とした骨密度がわかる
・日本発なので、日本でよく用いられる方法
・1SD低下より、全身の骨折が1.6倍になる
 ⇒但しエビデンスレベルは低い+反映されるのが遅くモニタリング困難


参照 UpToDate、骨粗鬆症ガイドライン 

★骨芽細胞↓、破骨細胞↑。

■骨粗鬆症の機序

骨密度の低下、骨質の劣化による
①骨密度
・思春期に高まる(→骨量頂値);破骨細胞(骨吸収)<骨芽細胞(骨形成)
⇒成人以降減っていく;骨吸収>骨形成
②骨質
骨リモデリング(新陳代謝機構)、酸化/糖化の程度、ビタミンD/K、コラーゲン含有量、石灰化度で規定される
骨リモデリング亢進
 ⇒骨基質のライフスパン↓
 ⇒十分に石灰化されない
酸化ストレス(活性酸素)↑
⇒骨芽細胞のアポトーシス↑
⇒骨形成↓

●以上より、
皮質骨:骨の菲薄化、骨髄側の海綿骨化
 …加齢による骨粗鬆症の主体;ゆっくり起きる
海綿骨:骨梁幅/数の減少
 …エストロゲン低下による骨粗鬆症の主体;急激に起きる


■原因と機序
①加齢

骨芽細胞機能↓
骨細胞数↓:骨リモデリング↑、微小障害の修復機構↓
 ⇒骨中の血管、水分↓
 ⇒骨結晶化度↓、脆弱性↑
カルシウム吸収能↓ ⇒骨密度↓
・壮年期以降コラーゲン含有量↓、コラーゲン分子間に老化型架橋↑
 …架橋は終末糖化産物(AGE)による
酸化ストレス(活性酸素)↑

②閉経

エストロゲンの機能
破骨細胞の分化と成熟を直接抑制、破骨細胞の活性をRANKL↓を介し抑制
 骨細胞、破骨細胞のアポトーシスを抑制
⇒閉経でこの作用が急になくなる

③ステロイド

・骨芽細胞産生↓
・骨芽細胞、骨細胞アポトーシス↑
・VEGF↓:骨芽細胞、骨細胞が産生
⇒骨の水分量↓
⇒壊れやすくなる
・破骨細胞の寿命↑
・IGF↑、Wntシグナル活性化も関わっているかも

④ビタミンD, K不足

・オステオカルシン量↓
 ⇒基質石灰化↓、コラーゲン繊維/架橋形成変化;骨質の異常


■男性が骨粗鬆症になりにくい理由

①思春期によく運動する
⇒骨量頂値が高い
②閉経によるエストロゲンの急速な低下がない

よって、男性の場合高齢こそが骨粗鬆症のリスク
80歳以上では注意


参照 UpToDate、骨粗鬆症ガイドライン 

★視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の抑制が疑われる状況。

■ストレスへの生理的応答

・通常時はコルチゾール5-20μg/dl程度 
⇒ストレス下で産生増加、50μg/dl程度で維持される
 …侵襲が強い手術だと75-100μg/dl、多発外傷だと200μg/dl程度まで上昇
⇒術後で24時間程度、敗血症や多発外傷だと数日間高値となる

・長期間ステロイド内服している患者
⇒服用したステロイドがCRHを抑制
⇒ACTHも抑制される(HPA軸の抑制
⇒ストレスへ適切に応答できない
⇒ステロイド投与が必要となる;ステロイドカバー


■患者選択
●ステロイドカバー必要なし

3週間以内のステロイド服用患者
・プレドニゾロン5mg以内を朝服用している患者(期間は問わない)
・プレドニゾロン10mg以内の隔日服用

●ステロイドカバー必要あり

・プレドニゾロン20mg以上を3週間以上服用している患者
Cushing徴候を有する患者

●微妙

・過去にステロイド使っており、HPA抑制が疑われる場合
(強いHPA軸抑制は、回復に1年かかる)
・局所のステロイド投与
 …フルチカゾン750μg/day吸入を3週間以上、2g以上のClass Ⅰ-Ⅲステロイド塗布
⇒これらの場合、早朝コルチゾール測定をすべき
 …5μg/dl以下でステロイドカバー必要。
 …5-10μg/dlの場合、ACTH刺激試験。10以上ならカバー必要なし。


■具体的なステロイド投与量

手術

ステロイドカバー

小手術

ステロイド服用中の場合、そのまま内服するのみ

⇒局所麻酔下、体表面、内視鏡

ステロイド終了している場合、入室時にヒドロコルチゾン10mg div

中等度手術

入室時にヒドロコルチゾン25mg div

⇒腹部、整形外科、脳外科手術

その後24-36時間は、ヒドロコルチゾン12.5-25mg6-8時間毎にdiv

 

その後2-3日かけて、服用量までtapering

大手術

入室時にヒドロコルチゾン50mg div

⇒心臓、大血管手術

その後24-36時間は、ヒドロコルチゾン50mg6-8時間毎にdiv

 

その後2-3日かけて、服用量までtapering


 
参照  医学書院;もう膠原病は怖くない! UpToDate

★どんなに高用量でも、3週間以内の使用は漸減必要なし。

■ステロイド急速中断による副作用;副腎不全

●機序
・ステロイド長期投与→negative feedback→視床下部-下垂体-副腎系が抑制される
 =下垂体からのACTH分泌↓副腎へのACTH作用↓
副腎不全徴候を呈する場合
…ステロイド急速中断
 下痢で薬剤吸収↓
 肝のCYP3A4誘導作用ある薬剤併用;リファンピシン、フェニトインなど


●ステロイド急速中断による副腎不全のリスク
①リスク高い

⇒プレドニゾロン20mg/day以上 × 3週間以上
 眠前投与の場合、5mg/day以上 × 数週間以上
 Cushing徴候あり
②リスク中等度

⇒プレドニゾロン10-20mg/day × 3週間以上
 プレドニゾロン10mg/day以下の投与(眠前投与でない場合)
③リスク低い
⇒ステロイド3週間以内の使用
 プレドニゾロン10mg/day以下の隔日投与

中等度以上、もしくはリスク不明の場合にステロイドtaperingの適応となる
・ステロイドtaperingが必要か、判断したい場合
…手術前など(tapering必要なければ、すぐ手術したい)
⇒ACTH 1mg刺激試験行う


参照 UpToDate、医学書院;もう膠原病は怖くない!

★ほとんど暁現象。

■暁現象 dawn phenomenon

夜間高血糖から早朝高血糖となること
GHコルチゾール、グルカゴン(counter-regulatory hormone)分泌による
 …研究はいくつかあるが、はっきりした根拠はまだ不明とされる
・健常人でもみられる


■ソモジー効果 Somogyi phenomenon

夜間低血糖により反動的に早朝高血糖となること
・但し、非常にまれである
・これを否定する論文もいくつかある
 …実際に夜間低血糖にさせてみたものも

午前3時に血糖測定することで鑑別できる
⇒但し臨床的には、夜間低血糖を見つけてインスリン量を調整する事こそ重要
(夜間低血糖は死亡率を上げるため)


参照 Peter J.  N Engl J Med 1985; 312:1473-1479     Mayo Clinic HP
   Karen M.  N Engl J Med 1987; 317:1552-1559
   
Choudhary P, Davies C, Emery CJ, Heller SR.
    Diabet Med. 2013 Aug;30(8):914-7. 

★持続時間がSU薬>速効性インスリン分泌促進薬、2つの作用機序は似ている。

■SU薬
●種類

・グリメピリド(アマリール)
・グリクラジド(グリミクロン)
・グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)

●機序

・スルフォニル尿素受容体:膵β細胞のATP依存性Kチャネルの一部
⇒SU薬結合すると、このチャネルが不活性化
⇒静止膜電位が変化
Ca流入、インスリン分泌
 +血糖上昇に対するβ細胞反応性↑

●特徴

・単剤でもいける
⇒血糖を20、HbA1cを1〜2%下げる
・作用時間は12〜24時間
 …いつ服用しても良い
・インスリン↑による効果なので、高度肥満(インスリン抵抗性大)には向かない
⇒1型DMにも使えないので、正常〜やや肥満くらいに良い
・速効型インスリン分泌促進薬とは併用しない

●副作用

・低血糖:しかも遷延しやすい
・体重増加をきたしうる


■速効型インスリン分泌促進薬
●種類

・ミチグリニド(グルファスト)
・ナテグリニド(スターシス、ファスティック)
・レポグリニド(シュアポスト)

●機序

・SU薬とは違う受容体に作用する
⇒基本的には、膵β細胞のATP依存性Kチャネルに作用、インスリン分泌↑
 …SU薬とほぼ同じ

●特徴
食直前に飲み、すぐ吸収/効果発現/消失する
⇒食後高血糖に効果的
単剤でもいける
・SU薬とは併用しない

●副作用

・低血糖
・腎障害で効果遷延する
…ナテグリニドは肝代謝だが、腎臓から排泄される代謝産物が血糖下げる


■αグルコシダーゼ阻害薬
●種類

・アカルボース(グルコバイ)
・ボグリボース(ベイスン)
・ミグリトール(セイブル)

●機序

・αグルコシダーゼ:上部消化管酵素
 …多糖を単糖へ分解する酵素
⇒これを阻害する事で、糖の吸収を遅らせる
食後高血糖を是正する

●特徴

・食後血糖を63、HbA1cを0.4〜0.9%下げる
 …必ず食直前に服用する
・脂質異常も改善する、ともいわれる
・日本とヨーロッパでよく使われる

●副作用

腸内ガス(おなら)、下痢が多い
・イレウスも来しうる
・アカルボースでは重篤な肝障害が報告されており、チェックが必要


参照 UpToDate、糖尿病治療ガイド2014-2015 

★ピグアナイドは糖新生抑制、チアゾリジンはPPARアゴニスト。

■ピグアナイド

●種類
メトホルミン(メトグルコ、グリコラン、メデット)
・ブホルミン(ジベトス)

●機序
グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ(mGPD)の特定の型
 …グリセロールリン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸
  乳酸→ピルビン酸
 ⇒これらは糖新生の利用される
⇒これを阻害することで、糖新生を抑制
⇒余ったグリセロールと乳酸は血中へ
LKB1(癌抑制遺伝子)を活性化
⇒AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化
⇒アセチルCoAカルボキシラーゼのリン酸化を阻害
⇒脂肪新生↓、遊離脂肪酸↓
末梢組織(肝や筋)でインスリン感受性↑;特に食後

●特徴

2型糖尿病で最初に使う内服薬
 …非肥満例にも有効
・低血糖を起こしにくい
・血糖を20%、HbA1cを1.5%下げると言われる
・体重減少作用あり
・癌の発生を抑えると言われる;LKB1活性化による細胞成長抑制

●副作用

消化器症状、金属の味がすることが多い
・再生不良性貧血(稀)
 …ビタミンB12吸収が低下することによる
乳酸アシドーシス(0.009%程度)
 …循環血漿量低下、低酸素の背景がある時に起こるといわれる
⇒禁忌など、参照:


■チアゾリジン
●種類

ピオグリタゾン(アクトス)
●機序
peroxisome proliferator-activated receptors (PPARs)に結合
骨格筋のインスリントランスポーター活動↑:感受性↑
 脂肪で炎症関連遺伝子の発現↓
 CNSに作用しインスリン感受性↑、接触中枢刺激し体重↑
 膵臓のβ細胞の機能を保つ:インスリン分泌、血糖値↓
 尿細管でNa再吸収↑:体液貯留

●特徴

・メトホルミンと同様、第1選択になりうる
⇒しかし副作用とコストの面から、メトホルミンが優先される事が多い
 …肥満例(インスリン抵抗性あり)に有効
・血糖を39〜65、HbA1cを1〜1.6%下げる
・低血糖を起こしにくい

●副作用

体重増加:脂肪細胞増殖、TG蓄積
体液貯留:心不全増悪、浮腫
骨密度↓、骨折:そこまで寄与しないが、骨密度低い女性にはなるべく避ける
・膀胱癌:増えるという説もある
・他、肝障害、黄斑浮腫、湿疹


参照 UpToDate

★DPP-4阻害薬はadd-on drug、GLP-1アゴニストはDPP-4阻害薬より効く。

■DPP-4阻害薬

●種類
・シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)
・ビルダグリプチン(エクア)
・リナグリプチン(トラゼンタ)
・テネグリプチン(テネリア)
・アログリプチン(ネシーナ)
・アナグリプチン(スイニー)
・サキサグリプチン(オングリザ)
eGFR<30の場合トラゼンタかテネリアが推奨される
肝障害がある場合、エクアはやめておく。

●機序
食事摂取すると小腸のL細胞からGLP-1放出
…膵頭からの、血糖上昇に伴うインスリン放出↑
 +胃内容排泄を抑制血糖上昇に伴うグルカゴン放出↓、食事量↓
DPP-4は多くの細胞表面に発現しており、GLP-1を含むペプチドを不活性化
⇒DPP-4阻害薬はGLP-1の不活性化を抑制
※GLP-1アゴニストと比較し、GLP-1への影響はマイルド

●特徴

単剤でいくことは少なく、普通メトホルミンか何かに追加する薬(add-on drug)
・インスリン依存の患者には使う;必要インスリン量が減る
・低血糖をほぼ起こさない
・腎機能悪くても使える
⇒慢性腎不全の高齢者(低血糖恐い)には第1選択として良いかも

●副作用

・ほとんどなし
…因果関係不明だが、膵炎、肝酵素上昇、皮膚障害


■GLP-1アゴニスト
●種類

・リラグルチド(ビクトーザ):1日1回
・エキセナチド(バイエッタ):1日2回
・エキセナチドの持続性注射剤(ビデュリオン):週1回
・リキシセナチド(リキスミア)
※eGFR<30の場合、エキセナチドは使えない

●機序

・GLP-1受容体作動薬(上記参照)

●特徴

経口でうまくいかない時、DPP-4阻害薬の変わりに使える
・HbA1cを1程度低下させる
DPP-4阻害薬より効果が強い
 ※膵炎、1型DM、重度胃腸障害には使わない
皮下注射の薬
保険で血糖測定可能。患者教育という意味でも良い
 ※血糖降下薬内服だけの人は保険で自宅で血糖測定できない
・体重減少作用あり:30週で1.5〜2kg程度減少する

●副作用

・嘔気、嘔吐、下痢:10-50%程度にみられる
 ⇒用量漸増させてリスクを回避する
・急性膵炎
 ⇒胃腸障害との鑑別を要する。一度おきたら投与禁忌
・注射部位の皮膚反応


参照 UpToDate、糖尿病治療ガイド2014-2015

★遺伝子異常の頻度は意外と多い。

■遺伝子異常

若年発症成人型糖尿病MODY:maturity onset diabetes of the young)
・常染色体優性遺伝、25歳未満発症で自己抗体陰性の糖尿病
 …糖尿病の2-5%
⇒基本的に膵臓β細胞の異常
⇒ヘテロな概念で、原因となる遺伝子異常により臨床像が異なる
管理が異なるため、遺伝子検査で1,2型糖尿病と区別した方が良い
 …若年発症の1型っぽいが、各自己抗体が陰性の場合など
①Hepatocyte nuclear factor-4α:HNF4A
・肝細胞と膵β細胞に発現
⇒変異により、高血糖に対するインスリン分泌能が低下する
 =MODY1
・最初はSU薬によく反応するが、進行してインスリン療法が必要となることあり

②Glucokinase遺伝子
・解糖系で「グルコース→グルコース-6リン酸」に必要
⇒変異で高血糖+インスリン分泌の閾値が上がる
 =MODY2
・安定した血糖高値で、心血管合併症は少ない
⇒食事療法のみでコントロールできることが多い

③Hepatocyte nuclear factor-1α:HNF1A
・MODY3
…尿糖が初期にでやすく、スクリーニングに使える
…臨床像がMODY1に似ているが、こちらはSU薬のみでよく反応する

④その他遺伝子異常
・IPF1, HNF1B, NEUROD1, CEL, INS, ABCC8などの変異はMODYの一型といわれる

●他のβ細胞遺伝子変異
・sulfonylurea 1 receptor subunit (SUR1)変異、ミトコンドリアDNAの点変異など
⇒MODYとは別型と考えられる

ミトコンドリア糖尿病MIDDMaternally inherited diabetes and deafness) 
・tRNAの点変異
母系遺伝の糖尿病
・30-40歳発症の糖尿病+感音性難聴+心臓の伝導障害
・メトホルミンは乳酸アシドーシスのリスク高く、避けるべき:インスリン使う
・CoQ10の補充が効果的かも

インスリン関連
・インスリンの構造、インスリン受容体の異常が、様々な臨床像を呈する
多嚢胞性卵胞症候群脂肪異栄養症(リポジストロフィー)、黒色表皮症など

Wolfram症候群
・WSF1:膵β細胞と神経の小胞体膜に発現している蛋白を制御
⇒この変異
⇒β細胞、バソプレシン分泌に関わる神経に異常をきたす
・臨床的にDIDMOAD
…diabetes inspidus, diabetes mellitus, optic atrophy, deafness


■膵外分泌腺の異常

●嚢胞性繊維症
●遺伝性ヘモクロマトーシス
●慢性膵炎
●繊維性石性膵性糖尿病
 …熱帯性膵炎の合併症
 …乳児期からの熱量、蛋白質、亜鉛、銅の摂取不足、シアン産生物質の摂取が原因


■内分泌疾患

●Cushing症候群
●先端巨大症
●褐色細胞腫
●グルカゴン産生腫瘍
●ソマトスタチン産生腫瘍
●甲状腺機能亢進症


■その他

●薬剤性糖尿病
●ウイルス感染
 …コクサッキーウイルス感染がGAD抗体出現と関連ある、との話
 ⇒人間での因果関係は不明瞭
●妊娠糖尿病
全身硬直症候群stiff-person syndrome
 …抗GAD抗体による疾患
 ⇒1型DMと比較し力価が100倍くらい高く、エピトープも違う
●抗インスリン受容体抗体
 …アゴニストとして作用して低血糖+インスリンの結合を阻害して糖尿病 


参照 UpToDate 

★自己抗体陽性なら1型、陰性だと分からないが、必死に区別する必要なし。

■1型糖尿病

膵臓β細胞が破壊され、インスリンが分泌できなくなること
●原因は自己免疫が多い
抗GAD、インスリン、チロシンホスファターゼ、IA-2、ZnT8抗体など
⇒これらが陽性なら1型として良い
⇒陰性でも、β細胞破壊、インスリン分泌不全を認める事あり
 …これは特発性1型DMとする(1B型DMということもある)


■2型糖尿病
●高血糖と、様々な段階のインスリン抵抗性/分泌不全を呈する疾患
…遺伝、環境要因どちらも強く、それぞれの患者の原因を特定することは難しい


■1型と2型の区別

インスリン必要性で区別できない
・1型はインスリンが絶対的に必要
⇒2型もβ細胞機能不全に陥り、インスリンが必要となる事が多い

糖尿病性ケトアシドーシスで区別できない
・DKAはインスリン絶対欠乏下、1型DMで起こるとされる
⇒2型でも、感染や他の病気を期に発症しうる

臨床像で区別できない
・以前、1型は不良な血糖コントロールにより肥満を呈する事は少なかった
⇒現在はインスリン療法により、1型DMの20-30%が肥満
肥満だとインスリン抵抗性(2型の特徴)を呈する
 …特に2型糖尿病の家族歴がある場合

自己抗体が陽性なら1型と考えられる
・誰に検査するか
…発症が50歳未満、急性の症状出現、BMI<25、自己免疫の既往/家族歴
 ⇒この内2つ以上:感度90%、特異度71%で抗GAD抗体陽性
※但し内服薬に反応しない場合など、経過に応じて検査する

・自己抗体の検査は、臨床医により考え方が違う
⇒抗GAD抗体は必須だが、他の抗体をどれくらい検査するか
 …コストパフォーマンスを考える
抗体陽性なら、1型として対応:すぐにインスリン療法開始すべき
 …食事/内服療法に反応しにくいし、早期治療でβ細胞破壊を遅らせることができる

迷ったらインスリンを開始する
ケトン体産生↑の所見、「高血糖+脱水 or やせ」がある場合
⇒どちらの型だとしても、インスリンを開始すべき
 …DKAを予防するため

※現基準はβ細胞機能不全で分けようとしており、無理がある
⇒1型か2型かというより、インスリンの必要性を判断する事大事
⇒抗体陰性だが1型っぽければ1型として対応すべき


参照 UpToDate

★血糖コントロール指標3つの中の、血糖値平均にHbA1cが最も良く相関する。

■血糖コントロールの指標

①血糖値平均
血糖6検の平均で求められる
 …朝飯前、午前半ば、昼飯前、昼半ば、夕食前、寝る前
糖尿病合併症の頻度と相関

②血糖値の日内変動
mean amplitude of glycemic excursionsで求められる
 …10×{log(血糖/120)}の平均 
・日内変動が大きいと低血糖のリスクになる
⇒但し、同じ血糖値平均の患者と比較し、心血管リスクは増えない

③血糖値の日間変動

mean of daily differencesで求められる
 …式不明
・これが大きい事は、ふつう食事/運動習慣の変動が激しい事を示す
⇒生活習慣是正を行う

※それぞれを簡易的に予想できる指標が考案された


■血糖値平均の指標
●HbA1c

・赤血球中のヘモグロビンは、産生されたては糖化されていないが、グルコースは自由に付加される
⇒血糖に依存して、糖化ヘモグロビンの量が変わる
⇒これを測ったのがHbA1c
 …赤血球の寿命は120日だが、HbA1cは最近8-12週の血糖とよく相関する
・各国のアッセイ方法がかなり異なっていた
アメリカで99%使われていたアッセイ方法に統一された;HbA1c (NGSP)
・当てにならない場合
 …参照

●フルクトサミン

・非酵素反応で糖化される、Hb以外の蛋白質の一つ
…HbA1cよりアッセイが安く、HbA1cの値とよく相関する
・ターンオーバーが早い
最近1-2週間の血糖値と相関する
個人差が大きい
アルブミンが低値だと、フルクトサミンも低値になる

※検査間隔や個人差など、HbA1cの方が優秀なので、HbA1cを基本的に参照する


■血糖値の日内変動の指標
●1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)

・食事から摂取される多価アルコール
⇒普通は尿細管で完全に再吸収される
⇒この再吸収が、血糖により競合阻害される
 +血糖値>180mg/dlが24時間以上続くと、尿中排泄により、1,5-AG血中濃度↓
最近24時間の血糖値と相関する
 =血糖値日内変動の指標

※但し、1,5-AG測定する事で患者のアウトカムが変わる、というエビデンスなし
⇒食前血糖は良いがHbA1c高い患者は、食後血糖を測って対応を変える


■血糖値の日間変動の指標

●同じ時間での血糖値比較
・変動の激しい生活習慣による
 …インスリン量を増やす前に確認が必要、という程度

持続血糖モニタリング(CGM)が、血糖値日内/日間変動の評価に最も有用
 

参照 UpToDate 

★糖化された古いヘモグロビンがどれくらいいるか、アッセイは正確か。

■HbA1cとは

●Hbには3種類ある
HbA(成人の97%),HbA2,HbF

・Hbは、産生されたては糖化されていない
⇒その後、血中の糖類(特定のヘキソース)から,自由に糖鎖が付加される
 ※これは非酵素的な反応で,非常にゆっくり進行する
糖鎖付加Hbの中で最も多量にあるのがHbA1c
HbA1cは,Hbの寿命(通常約120日)と血糖値に依存する
 

■HbA1cが血糖コントロールの指標として当てにならない場合

Hbの寿命↑
鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏
…Hbの入れ替わりが遅い
Hbが長生きするようになる
 =古いHbが残る
⇒糖化されたHbが多く残る
⇒HbA1cが高くなる

②Hbの寿命↓

溶血、エリスロポエチン投与下、貧血治療中
…新しいHbがどんどん産生される
糖化されていないHbが多い
⇒HbA1cが低くなる

③慢性腎臓病

・偽性高値:尿素高値により産生されたカルバミル化Hbのため
     …電気泳動などに影響
・偽性低値:透析、EPO投与、輸血、代謝性アシドーシス
     …Hbターンオーバー亢進

※現在のアッセイ法では、異常ヘモグロビン(HbF, HbS)に影響されない

 
参照 UpToDate 

★限定された感染症にかかりやすくなり、その機序は大分わかっている。

■本当に易感染か

実は議論が分かれる所
・以下の特定の感染症は明らかに罹患しやすい
…足感染、尿路感染、浅部真菌感染(口腔カンジダ、白癬)、ムコール症、悪性外耳炎、気腫性胆嚢炎、化膿性筋炎、壊死性筋膜炎、歯周病


■易感染性の機序:宿主因子
①免疫機能低下

好中球の遊走と内皮細胞接着、貪食能、細胞内殺菌、オプソニン化、細胞性免疫が低下する
…マクロファージのTNFαとIL-1β産生↓、アポトーシス関連遺伝子発現↑など色々

②血管障害

末梢の虚血
⇒白血球の酸素を用いた殺菌↓、抗菌薬届きにくい

③感覚障害

傷に気づかず、細菌の入り口となる

④自律神経障害
尿閉、尿停滞からUTIの原因となる
・汗がでず、乾燥しやすい=皮膚が傷つきやすくなる

⑤他

皮膚と粘膜に細菌定着しやすい(原因は不明)
 …鼻腔と皮膚にS.aureus、粘膜にCandidaがつきやすい
手術部位感染が増える
 …昔から言われている。


■易感染性の機序:菌の因子
●明らかに証明されているものがある
①カンジダ
・グルコース誘発性蛋白により、頬や膣に定着しやすくなる
⇒貪食されにくくなり、感染引き起こしうる

②Rhizopus(ムコール症)
・ケトンリダクターゼをもち、高血糖+酸性下で繁殖できる;ケトアシドーシス

③Burkholderia pseudomallei(類鼻疽)
・マクロファージのこの菌に対する殺菌力が低下する

 
参照 UpToDate 

★血管、神経病変がなくとも、高血糖だけで足病変のリスクである。

■糖尿病による足病変の原因

①神経障害
温痛覚が鈍くなる
⇒下肢の障害に気づかない
自律神経障害
⇒汗をかきづらくなる
⇒皮膚乾燥、ひび割れ
⇒皮膚深層への感染が助長される
運動神経障害
⇒足の変形
⇒加重による軟部組織障害

②末梢血管障害
・ 潰瘍、感染治癒に必要な血流が保てなくなる

③高血糖
・好中球機能↓
・易感染性

①〜③の内1つ以上で、難治性損傷、二次感染のリスクとなる

 
■糖尿病による足病変の重症度分類
・Wagner分類

Grade

 

0

潰瘍なし

1

皮膚のみの潰瘍

2

靭帯/筋まで及ぶ潰瘍で、膿瘍形成と骨病変なし

3

蜂窩織炎か膿瘍形成を伴う(骨髄炎伴いうる)

4

限局性の壊疽

5

足全体を巻き込む壊疽


・grade4以上で入院加療と迅速な外科対応が必須、アンプタの可能性が出てくる


■糖尿病による足感染症の重症度分類
・IDSA分類

感染

 

なし

化膿、炎症所見なし

mild

2つ以上の炎症所見:化膿、発赤、疼痛、硬結、熱感

皮膚〜皮下組織表面までの感染

蜂窩織炎、発赤が潰瘍の周囲2cm以内

moderate

全身状態良好だが、以下の1つ以上の所見あり

︎2cm以上の蜂窩織炎、リンパ節炎、浅層筋膜以上の伸展、
膿瘍、壊疽、筋//関節/骨の巻き込み

severe

全身症状あり;発熱、嘔吐、白血球上昇など

※虚血がある場合、感染増悪する

・抗菌薬投与は必須で、重症度に応じて菌のカバー範囲と投与期間が異なる
・moderate以上で外科的デブリドマンが必須
・severeは入院と迅速な加療が必須


参照 UpToDate 

★脂質吸収の流れに沿って、原因が分類される。

■脂肪肝とは

中性脂肪が肝臓に蓄積すること
・アルコール性/ 非アルコール性脂肪肝(NAFLD: non-alcoholic fatty liver disease)に分類される
・単純性脂肪肝と脂肪性肝炎とも分類される
⇒非アルコール性脂肪性肝炎(NASH: non-alcoholic steatohepatitis)
 …20%が肝硬変となる。原因不明肝硬変の多くの原因とされる。


■脂肪肝の原因
①肝臓へ遊離脂肪酸がたくさん運ばれる

 =脂肪組織からの放出↑、肝臓への輸送↑
肥満、飢餓の初期(急激な体重減少)
⇒遊離脂肪酸の肝臓への輸送↑
完全静脈栄養、食べ過ぎ
⇒炭水化物が主なエネルギーとして使われる
 +炭水化物、蛋白質から脂肪(TG)が合成される
⇒肝臓へ運ばれる

②肝臓から脂肪酸が出て行かない

 =VLDL産生 or 放出↓
無βリポプロテイン血症、蛋白質が足りない、コリン欠損

③遊離脂肪酸の使用↓

 =β酸化の減少
ビタミンB5欠損、アルコール大量消費、コエンザイムA欠損(バルプロ酸、アスピリン慢性使用)

●糖尿病、インスリン抵抗性

・脂肪分解↑、TG合成↑、肝臓の脂肪酸取り込み↑
⇒脂肪肝
※詳細不明、仮説。


参照 Guyton, UpToDate

★溜まる脂質は中性脂肪。

■脂質の種類

脂肪酸を含む
トリグリセリド(TG):中性脂肪
 …脂肪酸3つ+グリセロール
・リン脂質
脂肪酸を含まない
コレステロール
 …脂肪酸を含まないが、脂肪酸から合成される

※役割
TGは炭水化物や蛋白と並ぶエネルギー源
・リン脂質とコレステロールは細胞機能に関わる
コレステロール(VLDL, IDL, LDL, HDL)は、TGを末梢組織へ運ぶ事が大事な機能


■脂肪吸収の流れ

●経口摂取〜血中
TG摂取
⇒グリセロールと脂肪酸に分解
⇒再合成され、キロミクロンとなる
⇒血中へ
リン脂質、コレステロール摂取
キロミクロンに合流、血中へ

●キロミクロン〜組織
キロミクロンの血中濃度↑
 …キロミクロンは高分子なので、血液が黄色っぽくなる
脂肪組織、骨格筋、心臓などで分解される
 …毛細血管内皮細胞で発現しているリポプロテインリパーゼによる
グリセロール+脂肪酸+キロミクロンレムナント(コレステロール豊富)
…脂肪酸:組織へ行き、エネルギー源となるか、TGとして蓄積される
…キロミクロンレムナント:ApoEを介して、すぐに肝臓へ吸収される

●脂肪組織

・脂肪細胞:TGを蓄積した繊維芽細胞
⇒リパーゼによりTG分解、遊離脂肪酸として血中へ放出できる

●肝臓

脂肪酸を取り込み、エネルギーに使えるよう分解する
脂肪酸からコレステロールとリン脂質を合成する
⇒VLDLとして血中へ分泌
・炭水化物、蛋白質からTGを産生する
・IDL, LDLを取り込む
 

参照 Guyton生理学 

★Hb酸素に伴って産生される。

■メトヘモグロビン血症の病態

ヘモグロビン中のFe2+がFe3+へ酸化された状態
⇒そのHbは酸素運搬できず、酸素化↓
※参照:メトヘモグロビン血症でPaO2-SaO2 gapが起こる機序


■どうしてメトヘモグロビンが形成されるか?

●健常人でも、0.5-3%のHbが自己酸化されてMet Hbとなっている
Hb + O2 → 酸化Hb;この際、[Fe3+ - 02- (鉄/活性酸素アニオン複合体)]が形成される
⇒この反応で普通、酸素分子が副産物として産生される(副産物)
少量のみ、O2-(活性酸素)が産生される
O2-によりHbが酸化され、Met Hbとなる


■どうしてメトヘモグロビンが蓄積されないか?

●Met HbがHbに還元されることで、総量が1%に抑えられている
チトクロムb5還元酵素経路
解糖系:FAD→FADH2の反応でNADHが産生
NADHはヘム蛋白であるチトクロムb5還元
⇒還元される=e-負荷であり、e-はメトヘモグロビンへ輸送される
⇒Fe3+をFe2+に還元

NADPH-メトヘモグロビン還元酵素経路
・ヘキソース1リン酸シャントで、G6PDによりNADPHが産生
⇒赤血球の中で、NADPHの電子と反応できる分子はない
メチレンブルーやレボフラビンが電子受容体となり、Met Hbを還元
これら投与下でのMet Hb還元機序(正常時は有意でない)


参照 UpToDate

★レセプターが違う。

■ADH(=AVP)の合成

・主に視床下部の視上核で合成(オキシトシンは傍室核で)
ニューロフィジンというキャリア蛋白とともに下垂体茎を下降
⇒神経終末の集合が下垂体
⇒エキソサイトーシスされ、毛細血管へ


■ADHの制御

・視床下部かその近傍に浸透圧受容体をもつ神経細胞
⇒細胞外液が濃い場合、その細胞内が脱水となる
⇒サイズが小さくなる
⇒視床下部にADH産生を促す
※逆も然り

・血液量減少;15〜25%以上
⇒ADH分泌↑
心房のストレッチが関与している;伸びたら脳でADH産生を促す


■ADHの作用機序

●レセプターが2種類ある。
①抗利尿作用
・腎に分布しているV2レセプターに結合
⇒Gs蛋白、アデニル酸シクラーゼを介す
cAMP産生
⇒cAMP依存性プロテインキナーゼAが活性化
⇒集合管に分布するアクアポリン2により水再吸収が活性化
・低容量:2〜10単位を1日2〜3回(尿崩症)

②昇圧作用

・全身のV1レセプターに結合(血管平滑筋はV1a)
⇒Gq蛋白
ホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼCが活性化
⇒細胞膜のイノシトールリン脂質が加水分解
⇒イノシトール3リン酸、ジアシルグリセロール
⇒小胞体からCa遊離促進(直接的)
⇒血管収縮
・高容量:ACLSでは40単位iv を繰り返す


参照 UpToDate, Guyton生理学、[蘇生] vol.[22] no.[1] p.[1]-[7] 

★詳細な機序は不明。

■ネフローゼ症候群⇒脂質↑
①産生↑
血漿膠質浸透圧↓
肝細胞でアポプロテインB転写↑
 …この機序は不明。単純な代償ではない(膠質浸透圧を上昇させるには分子量が大きすぎるため)
  アルブミンやデキストランで浸透圧を上げると、転写下がる

②代謝↓
・脂肪代謝:VLDL→IDL→LDL
      …ポプロテインリパーゼによる
      ⇒ネフローゼではこの代謝が遅くなる
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/29639547.html
LDL受容体によるLDL、IDLのクリアランスも低下
⇒これらの詳細なメカニズムは不明
腎でのアルブミンクリアランス↑が原因
…正常では尿排泄されない、脂肪代謝のメディエーターの存在が示唆される

●高コレステロール血症は膠質浸透圧↑が重要
●高TG血症はAlbクリアランス↓が重要

※大規模な研究は無いが、ネフローゼによる脂質異常症も冠動脈イベントのリスクが上がるとされている。

 
参照 UpToDate 

★違った腹痛の機序を知る。

●糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)
・糖尿病
⇒①自律神経障害
  ②アシドーシス、電解質異常
胃内容排泄遅延、イレウス
⇒腹痛
※よって、アシドーシスやDKA補正された後も腹痛持続する場合、他の疾患を検索する

●急性間欠性ポルフィリン症(AIP)
・ヘム合成の障害
ヘム合成経路中の物質蓄積
⇒それらやその代謝物が神経障害性あり
 …特にALA
⇒①神経障害による腹痛
  ②イレウスによる腹痛
※よって炎症反応、腹膜刺激徴候がなく、腹部は平坦・軟であることが多い

●血管炎(特にHenoch-Schonlein紫斑病;HSP)

・小型血管炎
⇒血管閉塞
腸管虚血、ネクローシス
消化管の粘膜下出血、浮腫
※潰瘍やスパズムが生じることもあり


参照 UpToDate

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