知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

電解質異常

★不整脈抑制+カリウム排泄。

緊急治療を要する高K血症の対応方法まとめです。医師は必須知識です。


■具体的な治療の流れ

●心電図モニタリングをしつつ、以下の治療開始、1-2時間後にカリウム値再検
①10%グルコン酸カルシウム(カルチコール、Ca 13.6meq)
10mlを2-3分かけてiv、効果は30-60分持続
⇒ECG変化続く or 再発したら、5分後に再度投与(繰り返す)

ジギタリス中毒の場合
 …高Ca血症でジギタリスによる心毒性が助長されますが、不整脈予防を優先する!
 ⇒カルチコール1Aを5%Glu100mlに溶き、20-30分で投与
  +抗ジゴキシン抗体投与があれば投与


②インスリン+グルコース

いくつか方法あります。
1) ヒューマリンR10単位+10%Glu500mlを60分で投与
2) ヒューマリンR10単位iv、すぐ50%Glu50ml iv、続いて10%Glu 50-75ml/h
1時間後血糖再検

※ivの方がK下がりますが、低血糖が起きやすい(ためGlu持続投与します)
※Glu>250mg/dlの場合、インスリンのみ投与してもよいです
・効果は30-60分でピーク、4-6時間持続します


③ループ/ サイアザイド系利尿薬、透析

・尿中カリウム排泄を増加させます
急性期に有効というエビデンスは乏しいですが、簡便で副作用ないため行います
・慢性腎不全のカリウム管理には有用です

※尿でない場合は、もちろん透析です。


④経口カリウム吸着剤
●陽イオン交換樹脂(ケイキサレート)

…大腸にてNaとKを交換し吸着します
30gを20%ソルビトール50mlに溶いて内服
・50gを20%ソルビトール200mlに溶いて注腸
 …水に溶くと腸管閉塞のリスクがあります
 ⇒高濃度ソルビトールにより腸管壊死を来し得ます
 ⇒だから20%ソルビトールに溶くのです。

・ゆるやかに効き、6時間でピーク
必要あれば、4-6時間毎に繰り返し投与します

腸管壊死のリスクがあるため、適応は以下を満たす場合のみ!
 ・早急に治療すべき高K血症で、すぐに透析を施行できない場合
 ・カリウムを除去する他の方法が有効でない場合
 ・術後/ 腸管閉塞あり/ オピオイド内服中(壊死リスク高い)で無い場合
  ⇒これらの場合、GI療法継続して透析できるまで待ちます。

●新しい薬剤/治療法

ジコニウム環状ケイ酸塩(ZS-9)
…吸収されない結晶で、小腸でNa, HとKを交換し吸着します
⇒4時間で効果出現するので、急性期にも有用な可能性があります。

パチロマー
…吸収されないポリマーで、大腸でCaとKを交換し吸着します


⑤原因を取り除く
・腎機能低下の原因;NSAIDs、循環血漿量↓、尿路閉塞、RAAS阻害薬


※あまり推奨されない他の治療法
・β2アゴニスト
 …副作用が大きい
・炭酸水素ナトリウム(メイロン)
 …効果が少ない(アシデミア+高Kの慢性管理には良いかも)


■治療法それぞれの機序

●グルコン酸カルシウム(カルチコール)
・カルシウムは、高Kによる膜の不安定化を直接的に是正します。

※詳細は以下の通り
1)電位依存性カルシウムチャネルを介し、細胞内へカルシウムの流入が起きます。これにより、細胞内がプラスに傾き、細胞内膜(静止膜電位)はマイナス、つまり過分極の方向に行くことで、静止膜電位の上昇を抑制します。
2)膜に存在するカルシウム依存性カリウムチャネルを介し、細胞内外カリウム濃度を調整します。
参照:http://chishiegg.com/archives/22866675.html


●GI療法
・骨格筋のNa-K-ATPaseポンプを活性化
Kの細胞内取り込みを促進します

●β2アゴニスト
・GI療法と同様、骨格筋のNa-K-ATPaseポンプを活性化します

●炭酸水素ナトリウム
・pH上がる
⇒元に戻そうと、細胞内からH+がでる
⇒代わりにK+をとりこむ

※利尿薬、カリウム吸着剤は上記参照
 

参照 Braunwald, UpToDate, ICU book, PMID: 21832880

★リンの欠乏が主体.

◎リンの重要性を感じましょう。

■Refeeding syndromeの病態
・絶食状態は、体内のリン(P)が欠乏しています
・食事開始=グルコース摂取
インスリン分泌
⇒①細胞内へP,K,Mgが移動
  ⇒これにより電解質異常
 ②細胞で足りていないATPなどを産生(Pを消費)
  ⇒更にP欠乏
  ⇒リン酸○○が不足
  ⇒組織低酸素,エネルギー不足
 ③腎でNa再吸収↑
  ⇒体液量↑ 


■Refeeding syndromeの合併症
・②による心筋収縮力↓+③による前負荷↑ 
心不全
※ビタミンB1欠乏も合併し,これを増悪しえます。
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/22664970.html

・カロリー,脂肪の急な摂取
⇒肝臓に蓄積(脂肪肝的変化
⇒肝,胆道系逸脱酵素が上昇!
※但し,絶食時の栄養不全による肝細胞アポトーシスによっても肝,胆道系逸脱酵素↑
 ⇒この場合,適切な栄養摂取により改善します
 ⇒この鑑別が重要です。

・他
下痢:腸粘膜萎縮,膵臓の障害によります
腹痛:消化管の収縮不良⇒便秘によります


参照 UpToDate

★低K血症による.

◎臨床では気にすることはほとんどないですが、肝性脳症をみたら思い出したいです。

体液異常と腎臓の病態生理 第3版


 参考図書、名著です。


■ループ利尿薬の機序
・Na/K/Cl再吸収阻害
低K血症
⇒H+が細胞内へ移動,K+が細胞外へ移動
細胞内アシドーシス(血管内はアルカローシス)
⇒尿細管細胞からH+を尿管腔へ排泄したくなります
⇒この機序は以下の2つです。

 ①NH4+を排泄
 ・近位尿細管:Na+/NH4+交換輸送体
       ⇒NH4+が直接出ていきます
 ・集合管:尿管腔のH+は吸収される
     ⇒脂溶性のNH3が細胞から尿管腔へ排泄される
     ⇒NH3とH+が結合
     ⇒NH4+となり,脂溶性じゃなくなる
     ⇒細胞に吸収されません。

 ②滴定酸を排泄
 ・集合管:管腔内のH2PO4(2-)に,細胞から分泌されたH+が結合
     ⇒H2PO4(-)として排泄
     ⇒これによってもH+排泄されるが,その量は尿中に排泄されるリン酸量に依存する
     ⇒一定以上増えません。
 

■アンモニアが上がるまで
●上記の2つの内、①が寄与します
....尿細管細胞が,主にグルタミンからアンモニア産生しています
⇒アンモニアは間腔にも血中にも移行
これは「アシドーシス⇒細胞内もアシドーシス」の時に都合が良い!
⇒今は「低K⇒細胞内アシドーシス」なので,細胞外については都合が悪い
血中アンモニア↑


参照 体液異常と腎臓の病態生理,UpToDate 

★高カリウムにより遅延整流性カリウムチャネルが開くことが重要。

◎電位の話は難しいですが、高K血症の変化を理解する事は、心電図変化や治療につながるので重要です。

◎2018/10/28 重要な更新:
■なぜ細胞外Kが高いと静止膜電位が上昇するか を追加。


■一般的な心筋の活動
①脱分極=収縮
・(細胞内に)Na流入(電位依存性Naチャネル
②プラトー
・Ca流入(電位依存性Caチャネル)+K流出遅延(ちょっと流出,内向き整流性Kチャネル)
③再分極
・K流出(遅延整流性Kチャネル
⇒膜電位が下がる
⇒静止膜電位の形成(内向き整流性Kチャネル)


■カリウムとQT、T波
・高K血症
⇒NaKポンプの機能↑
⇒細胞内Kが高くなる

遅延整流性Kチャネルが開きやすくなるK流出しやすくなる
再分極の時間が減る
⇒T波の幅が狭くなる(QT短縮
その分T波が高くなるテント状T)

※T波増高とは、QT短縮の結果なのです!


■高Kの他の心電図変化

・細胞外Kが高い
静止膜電位が上昇する(元は-70くらいだが,0に近づく=電位差が少なくなる):★詳細後述
(⇒脱分極しやすくなる、と思うが、違う)
⇒静止膜電位上昇により、電位依存性Naチャネルが開きにくくなる
 (電位依存性なので)
脱分極しにくくなる、鈍化する
⇒Rの幅が広くなる(wide QRS)
 伝導障害(房室ブロック
⇒更に進行、Naが流入しなくなる
⇒細胞内に残っているCaのみで脱分極する
P波消失持続的な収縮(心室細動、VF)


■なぜ細胞外Kが高いと静止膜電位が上昇するか
・細胞内と細胞外に、それぞれの境界に膜があります
静止膜電位とは、イオンの動きが平衡の時の、細胞内側の膜の電位です
 (イオンは絶え間なく動いています)
⇒例えば、細胞内がプラスに偏ると、膜の電位はその逆のマイナスに偏ります
⇒逆に、細胞外がプラスに偏ると、細胞外側の膜の電位がマイナスに偏るため、細胞内側の膜の電位=静止膜電位はプラスに偏ります。

●これを定量化したのがネルンストの式です。
⇒それぞれのイオン(K, Na, Cl等)の膜電位を計算できます
⇒ただし、実際の静止膜電位はすべてのイオンを総合して計算されます
⇒これを可能にしたのが、ゴールドマン・ボジキン・カッツの式です
※ただし、イオンの透過性はKが高く、静止膜電位はKによりほぼ決定されます。

●高カリウムの場合、
細胞外側のKイオン濃度が高い=プラス
▶細胞外側の膜の電位はマイナス
▶細胞内側の膜の電位はプラス
▶静止膜電位は上昇、となります。

NaKポンプで細胞内Kも上昇しますが、これは二次的なもので、細胞外Kが上昇したほど細胞内Kは上昇しないので、相対的に細胞外Kのイオン濃度が高い、ということになります。


参照 Braunwald, UpToDate

★代償機構により、体内での水の分布の異常となる。

◎SIADHは医学生にはなかなか理解しづらい疾患です(自分はそうでした)。ADHの異常産生という病態で、体内の他の代償機構は正常であることを理解すると当然です。

SIADHの病態
●下垂体からADH(抗利尿ホルモン、バソプレシン)がですぎる
⇒腎臓の集合管で水再吸収が亢進
(⇒それなら尿量は低下しそうに思えてしまう)
⇒血管内の血液が希釈され、低ナトリウム血症となる
⇒低Naによる意識障害,脳細胞浮腫による頭蓋内圧亢進が問題となる


■なぜ尿量は低下しないか?

循環血漿量が調整されることを理解する事が大事です。
再吸収された水は血管内ですが...
⇒浸透圧勾配により吸収した水の一部は細胞内へいきます
⇒この点で、循環血漿量(血管外血液量)の増加は抑えられます

ある程度循環血漿量は増加しますが...
RAS系(レニンアルドステロン系)が抑制されます
 ※RAS系は循環血漿量が減少すると亢進し、アルドステロンにより尿細管でのナトリウム再吸収がおこなわれ、血管外血液量を増加させます(代償機構)
=尿量を保とうとされます
⇒代償機構が働き、循環血漿量の増加が抑えられるということです
(⇒これは、SIADHで尿中ナトリウム濃度が高くなる理由にもなります)

③また、心房利尿ペプチド(ANP)にも血漿量代償作用があります
⇒循環血漿量の増加を感知し、ANPが産生されます
⇒ANPの作用により、腎臓からのナトリウム+水排泄が促進されます
=尿量を保とうとされます

★心筋収縮力低下、神経の易刺激性が原因。

◎テタニーはよくみますが、Ca低値により血圧低下を来す事は臨床上あまり経験ありません。

■低血圧
★心筋収縮力の低下によります。

●一般的な心筋収縮の活動
①脱分極=収縮
・(細胞内に)Na流入(電位依存性Naチャネル
②プラトー
・Ca流入(電位依存性Caチャネル)+K流出遅延(ちょっと流出,内向き整流性Kチャネル)
③再分極
・K流出(遅延整流性Kチャネル
⇒膜電位が下がる
⇒静止膜電位の形成(内向き整流性Kチャネル)

●カルシウムが低いと...
・心筋興奮のプラトー相でのCa流入の所
Ca流入量↓
⇒心筋収縮力↓
⇒低血圧

※ただし刺激に対する感受性は保たれるので、収縮頻度は変わりません。

理解できますね。でもあまり経験しません。


②テタニー
★神経の易刺激性によります。
※テタニーとは、意識消失を伴う事無く、四肢の筋群に疼痛を伴う強直性の痙攣をきたすこと。

ナトリウムチャネルに作用することによるのです。
・低Ca血症
⇒Naチャネルの開口率↑
⇒Naチャネルの透過性↑
⇒神経細胞の脱分極の閾値が低下
⇒テタニー

これは大事です。

★ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用し、以降の尿細管作用を阻害する。

◎あまり臨床で実感することは少ないですが、理論的にはこうなります。


ヘンレ上行脚の電解質輸送メカニズム
●解剖(尿管輪切り)
・尿細管内腔
-膜(Na/K/2Clチャネル,Kチャネル)
-細胞内
-膜(3Na/2K ATPase,Clチャネル)
-毛細血管

●電解質輸送
3Na/2K ATPaseでNaが細胞外,Kが細胞内に
 ⇒細胞内Na↓
Na/K/2ClチャネルNa,K,Clを細胞内に
Kチャネル(ROMK)で、細胞内から尿細管内腔へK漏出
 -これは遠位尿細管でNaClの再吸収を継続するため
Clチャネルで、細胞内から毛細血管へCl漏出
 ⇒尿細管腔がプラス,毛細血管がマイナスに傾く
 ⇒尿細管腔にあるプラスイオンが毛細血管へ流れる力となる
Ca,Mgが細胞間隙より再吸収される


■ループ利尿薬の機序

●ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用
Na/K/2Clチャネルを抑える

⇒以降が働かなくなる(下記の②〜⑤)
Ca再吸収↓
⇒低Ca血症


参照 UpToDate

★低カリウム血症、GH高値、TSH高値を理解する。

◎基本的にはどんな項目・検査値も低下する疾患ですが、フィードバックによりGHとTSHは高値となります。USMLEに頻出。

■摂取不足
●ものを食べない=塩もとらない
⇒NaCl摂取↓
脱水(水分摂取が少ない事も寄与)
レニンーアンギオテンシンーアルドステロン系亢進
⇒ナトリウム再吸収、カリウム排泄
⇒低K血症


■低栄養
①成長ホルモン

IGF-1(insulin-like growth factor-1)が低下
⇒negative feedbackにより
⇒GH(growth hormone)↑
※GH抵抗性となっておりGH系が機能しない
⇒骨形成に重要であり、骨粗鬆症が進行する

②甲状腺ホルモン

・T4からT3への経路が阻害
T3低下
⇒negative feedbackにより
⇒TSH↑
※食べ始めると正常に戻る

③副腎ホルモン

・コルチゾール過剰状態
⇒うつ、不安

★K排泄増加、PTH作用↓のため。

■低Mg⇒低K
・細胞内Mg↓
ATP活動性↓
⇒①Kチャネル(ROMK)が増える;ROMKはATPにより抑制されるため
 ⇒K排泄↑
 ②アルドステロン↑
 ⇒Na再吸収により管腔側がマイナス
 ⇒K排泄↑


■低Mg⇒低Ca
・低Mg
⇒①PTH分泌↓
 ②骨,腎へのPTH作用↓(cAMP産生↓による,詳細機序は不明)


参照 UpToDate
➤低カリウム血症,低マグネシウム血症,低カルシウム血症

★副甲状腺、腎、腸が未熟なため。

■正常

・妊娠3期(妊娠27〜40週)より
 …カルシウム、リンが経胎盤的に、胎児に移行する
出生時,胎盤からのCa供給が途絶える
⇒Ca摂取量↓となるが、副甲状腺の機能(PTH分泌)で補完する


■未熟児⇒低Ca血症

①早産、light for dates児
 ⇒副甲状腺の発達が未熟
 ⇒Ca摂取量↓を補完できない
カルシトニン↑
 ※但しこの影響は少ない;参照
③組織異化↑,腎の成熟未熟
 ⇒活性化ビタミンD↓+Na排泄↑
 ⇒高P、低Ca
妊娠3期のCa,P移行がない or 少ない
⑤腸管未熟、ミルクが飲めない
 =Ca,Pの吸収↓


参照 UpToDte

★「リンが低いとカルシウムは高い」云々の話は、両者の調節機構が似ていることに起因する。

■カルシウム

・分布:99%が骨、1%が細胞内、0.1%が細胞外
⇒細胞外の内;50%がイオン、41%が蛋白と結合、9%が陰イオン(アニオン)と結合
●動き
①小腸から吸収(350mg/day)、小腸へ排泄(250mg/day)
②骨から再吸収(500mg/day)、骨へ沈着(500mg/day)
 …ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)から吸収/沈着
③腎臓で濾過、再吸収(合わせて-100mg/day)


■リン

・分布:85%が骨、14%が細胞内、1%が細胞外
 ⇒細胞外;H2PO4- か HPO42-で存在(pHのbufferとして機能)
●動き
・Caと同様だが、近位尿細管での再吸収が、血漿P量に最も影響大きい
 …P摂取少ない、血漿P量少ないときに、トランスポーター発現↑


■調節
●活性化ビタミンD(1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール)

小腸からのCa吸収↑;腸上皮細胞のCa結合蛋白(calbindin)発現↑による
・小腸からのP吸収↑:吸収されたCaがPの輸送媒体となるからか
・骨へのヒドロキシアパタイト沈着↑(=Ca, Pの量↓):メカニズム不明
結果的にはCa↑

●PTH
・イオン化Ca低下により分泌される
・骨からのCa, P再吸収↑
活性化ビタミンD生成↑(25-ビタミンDに1基をつける反応の触媒)
⇒小腸からのCa, P吸収↑
・腎臓からのCa再吸収↑P再吸収↓(P制御に最も影響する)
結果的にはCa↑、P↓

●カルシトニン

・骨への沈着↑:破骨細胞活性↓、新たな破骨細胞産生↓による
⇒(Ca↓)
※但し、そもそも影響が小さい事、反応性PTH↑より影響が相殺され、Ca↓とならない


参照 UpToDate, Guyton

★電位依存性Caチャネルが開きにくく、ST部分が延長するため。

■CaとQT
・Caは細胞内濃度<細胞外濃度(約1万分の1)
細胞内外の電解質濃度(mM)

 

細胞内

間質液

Na

5~15

145

K

140

5

Ca

10-4

1~2

Mg

0.5

1~2

H

7×10-5

4×10-5

Cl

5~30

110

HCO3

10

30 

P 

35

1


細胞外液低Ca
電位に影響する(低くなる)
電位依存性Caチャネルが開きづらくなる

●心筋の興奮
…Na流入:脱分極=QRS部分
⇒Ca流入(電位依存性Caチャネル):プラトー相=ST部分
⇒K流出(遅延整流性Kチャネル)=S〜次のpまで

⇒低Ca血症ではプラトー相が延長
ST部分が延長
⇒つまりQT延長


参照 UpToDate
更新 2015/1/10 

★低CaイオンとなりNaチャネルが敏感になるため。

■体内のカルシウム分布

●Caは血清中で
50%がイオン
40%が蛋白と結合(主にAlb)
③10%が塩
として存在する。
⇒この内,生理的に働いているのはイオン

過換気で低Caイオン血症となる
・過換気
⇒呼吸性アルカローシス
⇒代償性に代謝性アシドーシスとしたい
蛋白がHを離す
蛋白が陰性となり,Ca2+と結合
 =Caのイオン型が減り,蛋白結合型が増える
低Ca2+血症

■低Ca2+血症でテタニーとなる

・低Ca2+血症
神経細胞Naチャネルへ影響
 ①ちょっとでも脱分極に近づくと、開口するNaチャネルの数が増える
 ②Naチャネルの透過性が亢進する
(なぜこうなるかは不明)
神経細胞へNaが流入しやすくなる
神経の興奮性↑
 =テタニー

※筋収縮の際のCaイオンは細胞内であり、低Ca2+血症とは関係ないことに注意。

参照 Guyton, UpToDate

★細胞内リンが細胞外へいくため。

■細胞内外の電解質濃度(mM)

 

細胞内

間質液

Na

515

145

K

140

5

Ca

10-4

12

Mg

0.5

12

H

7×10-5

4×10-5

Cl

530

110

HCO3

10

30 

P 

35

1


①Caは細胞外にほとんど分布する
⇒腫瘍崩壊してもCa濃度は増えない
②Pは細胞内にほとんど分布する
⇒腫瘍崩壊に伴い細胞外へ移動
⇒カルシウム排泄を促進
⇒低Ca血症
※勿論高K血症ともなる

参照 UpToDate

★結局5%グルコース。

■ナトリウム濃度の決定
[Na]=(Nae+Ke)÷体内総水分量
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/37084374.html


■治療
・自由水の補給
 ⇒経口水分摂取,5%グルコースで補正する
・原疾患(高血糖,尿崩症,感染など)の治療

水分喪失量
・[Na]=(Nae+Ke)÷体内総水分量
 高Naが,水分喪失のみによるとした場合,
⇒[Na]÷体内総水分量=一定
 正常[Na]=140とすると,
⇒140÷正常総水分量=[Na]÷現体内総水分量

よって,水分喪失量
    =正常総水分量-現体内総水分量
    =正常総水分量×([Na]÷140-1)

予想される補正Na
・(★)より、Adrogue-mediasの式
 補正Na={(現在Na×体重×係数)+(入れるNa+入れるK)}÷{(体重×係数)+入れる水}
⇒これに尿からの排泄を考慮すると、
 補正Na={(現在Na×体重×係数)+(入れるNa+入れるK)-(尿中Na+尿中K)} 
       ÷{(体重×係数)+入れる水-尿量}


参照  体液異常と腎臓の病態生理、研修医.com

★NaかKの喪失による。

■血清ナトリウム濃度はどう決まるか
・まず,血漿浸透圧≒2×[Na] である
 ※2倍してあるのは、Na+と同じmol数だけ陰イオンがあり、陽・陰イオンの総数で浸透圧が決まるため
・また,血漿浸透圧=体内の全溶質÷体内総水分量 である

体内の全溶質=細胞外溶質(細胞外Na塩)+細胞内溶質(細胞内K塩)
          =2×細胞外Na+(Nae)+2×細胞内K+(Ke)
 ※e=exchangable
 
・よって,[Na]=(Nae+Ke)÷体内総水分量
⇒喪失するNae+Keが血漿に比べて小さいと,高Na血症となる(★)
 =NaでもKでも喪失すると、血中Na濃度は下がる!
 …通常は150mEq/L程度


■機序
1.水分補充ができない+以下の水分喪失
皮膚から
 …不感蒸泄,発汗の増加
 ・普通,口渇感→水分補給で是正される
 ⇒高齢者,sedation使用時などはこの機序がなくなる
 ⇒高Na

尿から
 …尿崩症,浸透圧利尿(高血糖による)
 ・高血糖
 ⇒近位尿細管で糖を再吸収しきれない
 ⇒尿管腔の糖が,水を大量に引っ張る浸透圧利尿
 ⇒尿のNae+Keが低下する
 ⇒(★)
 ※ただし,高血糖により細胞内から外へ,浸透圧による水の移動がある
 ⇒高Naとなっていないことがある
 ⇒インスリンで血糖を是正すると,高Na血症が顕在化する

消化器から
 …下痢
 ・Nae+Ke
 …感染性下痢症では40~100mEq/L程度(尿素,有機酸が残りの溶質を占める)
 ⇒(★)

2.口渇中枢の障害
・視床下部病変(非常にまれ)

3.高濃度ナトリウム負荷

4.尿崩症
・ADHに反応できない
尿浸透圧<300mOsm/kgの時に疑う
…>500の場合,ADHが比較的作用し,尿濃縮が起きていると考える
 (健常者では1000~1200程度まで上昇する)


参照 体液異常と腎臓の病態生理
更新 2014/4/4 

★リン貯留が最も重要.

1.リンの貯留
・GFR低下
リンの再吸収↑
⇒リン貯留
・血清P濃度↑より,
 ①低Ca血症
 ②活性化ビタミンDの産生・活動性↓
 ③PTH遺伝子発現↑
⇒PTH↑

2.フリーのCaイオン濃度↓

・P濃度↑,活性化ビタミンD↓,PTHの骨への作用↓よりCa濃度↓
・副甲状腺の主細胞:膜受容体のCaSRにより感知される
PTH mRNA濃度↑
⇒PTH産生↑

3.活性化ビタミンD(カルシトリオール)濃度↓
①副甲状腺のVDRへの作用
 =PTH転写を抑制,が抑制される
⇒VDRの量↑
⇒PTH産生↑
②Ca吸収,骨からのCa放出↓
⇒低Ca血症
⇒PTH産生↑

4.FGF-23濃度↑
・腎障害により,骨細胞より迅速にFGF-23濃度↑
・FGF-23は1-αヒドロキシダーゼ活性↓
活性化ビタミンD産生↓
⇒3.へ

5.ビタミンD受容体,Ca感受性受容体,FGF受容体発現↓
・骨格筋のPTHへの抵抗性↑

※PTHの作用
・近位尿細管でP再吸収を抑制する:血清P↓
・骨吸収を促進:血清Ca↑
・活性化ビタミンD産生の反応を仲介:活性化ビタミンD↑


参照 UpToDate

★厳密には評価できないので,おおざっぱに.

■K欠乏量
①KはpHに影響される
pH=7.4+/−0.1a ⇒ K正常値=4.0−/+0.5a
…pH 7.5の時,K正常値 3.5

K欠乏量
正常値-0.5⇒100mEq欠乏
正常値-1.0⇒200mEq欠乏
正常値-1.5⇒400mEq欠乏

③重要な点
・K喪失量=K欠乏量でない
⇒Kの貯留槽の容積が減少するため
血清K濃度と,体内K保有量は,ほとんど相関しない
⇒このことを分かった上で,ラフにK補正法を考える


■K補正法

K維持量=40mEq/day(KCl 3g)
⇒これを1単位とし,2~3単位で投与していく
 (糖尿病性ケトアシドーシスなど,緊急でも6単位を上限とする)

◎K補充は経口が原則
・食品
バナナ1本:10mEq
  オレンジジュース1l:40mEq
経口薬1錠
…グルコン酸K:5mEq
  アスパラギン酸K:1.75mEq
  スローケー:8mEq
  KCl腸溶錠:3.4mEq
◎K静注はゆっくりと
 ⇒20~30mEq/hを上限とする


参照 ドクター和田の輸液の基礎知識

★チャネルの働きを亢進させ,カリウムの細胞内取り込みを増やす.

●β2刺激薬
⇒アデニル酸シクラーゼ↑
cAMP↑
⇒Na-K-ATPase,Na-K-2Cl共輸送体↑
 (インスリン放出↑も関与しているかも)
⇒細胞内K取り込み
低K血症
※β1特異的刺激薬・阻害薬は,カリウムにあまり影響を与えない

生理的意義は,運動時の高K血症抑制と考えられる
・激しい運動
⇒①脱分極による細胞からのK放出に,Na-K-ATPaseによるK再取り込みが追い付かなくなる
  ②細胞膜上のKチャネルはATPにより抑制されるが,運動によりATP消費する
⇒細胞内からK放出
高K血症

※採血時にグーパーを繰り返すと,Kが1meq/L程度上昇する


参照 UpToDate

★発生⇒維持が必要.
※代謝性アルカローシス:HCO3-の増加

発生
1.H+の喪失
・CO2 + H2O ↔ H+ + HCO3- より,緩衝される
失ったH+と等モル数のHCO3-が産生される
 ①嘔吐,経鼻胃管
 ・「胃酸→十二指腸に到達→膵からHCO3-分泌され中和される」
 ⇒これが阻害
 ⇒適切なHCO3-分泌なしにH+が喪失される
 ②ループ,サイアザイド利尿薬
 ・近位尿細管でのNa再吸収阻害
 ⇒尿管腔にNa過剰
 ⇒アルドステロン↑により集合管でNa再吸収
 ⇒尿管腔が陰性
 ⇒主にH+ATPase(尿管腔側にある)により細胞から尿管腔へH+放出
 ③低K血症
 ⇒細胞内へH+移行する

2.直接的なHCO3-の増加
 ①重炭酸の投与
 ②有機陰イオンの投与:クエン酸など
  ⇒代謝されてHCO3-となる
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/28748661.html

3.体液減少
・HCO3-をあまり含まない液の喪失
HCO3-が濃縮される
 ①浮腫患者への利尿薬:1.②に追加して助長される
 ②嚢胞性線維症での発汗喪失など


維持
・過剰なHCO3-は量に応じて尿中へ排泄される
⇒HCO3-排泄を阻害する要因が必要
循環血漿量低下が最も重要
1.更にNaが喪失しないようにしたい⇒高アルドステロン
2.Cl-枯渇:胃酸喪失や利尿薬による
 ⇒尿管腔Cl-↓
 ⇒①尿の電気的中性を維持する為,集合管H+ATPase促進
   ②尿管腔側にあるCl-/HCO3-交換輸送体働かない


★臨床的には以下のように考える

Cl反応性=Cl喪失:生食負荷に反応,尿中[Cl] <20 mEq/L

嘔吐,胃ドレナージ

Cl喪失性下痢:大腸の絨毛腺腫,先天性

HCO3喪失による代謝性アシドーシスもきたしうる

ループ,サイアザイド系利尿薬(過去の使用)

・高CO2血症後の状態:代償的なHCO3高値

Cl抵抗性:生食負荷に反応,尿中[Cl] >20 mEq/L

[高血圧性]

高アルドステロンNa再吸収に伴うH+の排泄↑

 →原発性;Conn症候群,続発性;循環血漿量↓,腎血管狭窄,レニン分泌性腫瘍など

・アルドステロン正常:アルドステロン以外の原因によるNa再吸収↑

Cushing症候群Liddle症候群,甘草

[血圧正常]

K血症:細胞内へのH+移行

アルカリ負荷:重炭酸塩,輸血中のクエン酸など

ループ・サイアザイド系利尿薬使用中

Bartter症候群(ループ利尿薬様),Gitelman症候群(サイアザイド系利尿薬様)


※なぜ尿中[Cl] で鑑別するか
⇒20以下の時,循環血漿量低下が考えられるから
尿細管でNaと同じような動きをする
 =循環血漿量が少ない場合には再吸収される
⇒Naは,代謝性アルカローシスの時では,電気的中性を保つために尿細管で排出されてしまう
尿中Clは,尿中Naより正確に循環動態を反映する


参照 体液異常と腎臓の病態生理,UpToDateなど
更新 2013/11/30
➤低カリウム血症,尿中クロライド濃度,尿中ナトリウム濃度,重炭酸イオン 

★効きすぎによる.

■透析のシステム

①拡散=浸透圧差
・ダイアライザーの中で血液と透析液が,半透膜を通じて接する
半透膜にある小さな無数の孔を通して,物質のやり取りをする
孔通る:尿毒素(尿素,Cre,尿酸)、電解質、細菌毒素
 孔通らない:赤血球,白血球、蛋白質、細菌,ウイルス

②限外濾過=機械的圧力
透析液に陰圧をかける
⇒水を血液から透析液へ引く
浸透圧差でも原理的には水を引けるが,浸透圧を変えると溶血してしまう
⇒血液・透析液は同浸透圧で,②により水を引く


■透析液成分⇒電解質変化

●K
・高K血症是正するため,透析液のK低い
2mEq/l:低K起こさないため少しある.しかしこれでも低K起こしうる
※低K予防のため,透析中はアルダクトン止めとする
●Na
・水と一緒に移動する
⇒この要素をなくしたい
⇒血液と同濃度;140mEq/l
●Ca
・補給したい
血中イオン化Ca濃度より高く設定
3mEq/l
※血中Caの約半分はAlbと結合している
●HCO3
・アシドーシス是正したい
25~30mEq/l
●BUN,Cre,P,UA
・取り除きたい
⇒入っていない
●Glu
・糖新生予防したい
⇒100mg/dl


参考 色んなWebサイト

★出血性ショック⇒アシドーシス,凝固異常,低体温
 互いに助長する!


■出血性ショックにより,

1. 嫌気性解糖:乳酸↑
 ⇒代謝性アシドーシス
2. 酸素供給↓+輸液,脱衣,手術
 ⇒低体温
3. 出血
 ⇒DIC;凝固異常


■アシドーシス⇔凝固異常
代謝性アシドーシス
⇒心拍出量↓,低血圧,不整脈,カテコールアミン効果↓
 +凝固因子の活性↓
⇒凝固異常
凝固異常
DIC, 臓器への血流↓
⇒嫌気性解糖
⇒アシドーシス

■低体温⇔凝固異常

低体温
酵素の活性↓+血小板活性↓,血小板接着↓(vWFとGPⅠb-Ⅸ-Ⅴの相互作用阻害)
⇒凝固異常
 ※大量輸液,輸血により更に悪化する:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/22790927.html
凝固異常
⇒輸血,輸液
⇒低体温

■アシドーシス⇔低体温

アシドーシス
心拍出量↓,低血圧,不整脈
⇒血液循環↓
⇒低体温
低体温
酸素解離曲線が左方偏位
⇒Hbが酸素を離しにくくなる
組織への酸素供給↓
⇒嫌気性解糖
⇒アシドーシス


参照 UpToDate,標準救急医学,Blood
死の三徴、triad 

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