知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

血液、輸血

★そんなに証拠はないが、鉄を補い、Hb7-8以下で輸血を考える。

◎よく経験するシチュエーションです。


■原因
①炎症
・心不全には炎症が関与しているとされる:TNFα、IL-6などの上昇を認める
②希釈
・あり得る。この場合予後悪い;但し希釈と解釈するのは、臨床的に難しい場合が多い
鉄欠乏
実は高頻度で、フェリチンは当てにならない;心不全と貧血の患者に骨髄穿刺を行った研究による
④ACE阻害薬
・Ac-SDKP(赤血球新生を阻害)がACEで分解される
⇒ACEi使用でAc-SDKPが蓄積
・使用後1年で比較した研究で、有意に貧血進行あった
⑤他
・心腎連関、右心不全による栄養失調、骨髄への血流低下など


■治療

●明らかな原因(鉄/葉酸/ビタミンB12欠乏、出血)があれば、それを治療する。但し大抵はそうでなく、以下はそういった場合。
輸血
・あまりエビデンスないが、よく使われる。Hb<7-8に限って使うのと、Hb<10で使うので予後に変わりなかった
鉄剤
・静注(フェジン)で症状改善の効果がみられた
 …エビデンスレベルは低い:基本的には鉄欠乏の証拠がある場合のみ
 ※しかし上述のように、フェリチンは以外と当てにならないかもしれない。
③エリスロポエチン↑
・やらない方が良い;静脈血栓症のリスクが上がるため

※一般には、心不全で、なんとかしたい場合、介入する要因の一つ、という解釈です。


参照 UpToDate

★酸性薬物での溶血はG6PD欠損に特徴的!

◎生化学的に説明可能な内容です。

■G6PD活性低下
NADPH(還元剤)産生低下
⇒①細胞内フリーラジカル・過酸化物を解毒する機能低下
 ②蛋白のSH基を還元状態に保てない
  ⇒SH基酸化により蛋白変性
  ⇒不溶性の塊(ハインツ小体)となる
  ⇒細胞膜に付着し,細胞膜が変形できなくなる
  ⇒肝腎マクロファージにより貪食される
細胞障害,アポトーシス

この影響は赤血球が受けやすいです。なぜなら、
…①NADPH産生の回路が1つしかない;ペントースリン酸回路
  ⇒他の細胞は他の回路(下記参照)を持ちます。
  ②赤血球は核・リボソームを持たず,酵素を新たに産生できない
  ⇒不安定な変異酵素があると障害受けやすいです。
⇒よって、「G6PD欠損⇒酸性薬物で溶血」となります。


■ペントースリン酸回路
・グルコース-6-リン酸(G6P)
⇒G6Pデヒドロゲナーゼ(G6PD)により不可逆的酸化される
⇒6-ホスホグルコン酸となり,これも不可逆的に酸化される
 ※それぞれの反応で,NADP+がNADPHに還元される
⇒リブロース-5-リン酸となる
⇒可逆的な反応により,解糖系へ

■他の回路:細胞質でのNADPH産生

・クエン酸回路
⇒リンゴ酸
⇒NADP+依存性リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(リンゴ酸酵素)
⇒ピルビン酸
 ※この際 NADP+がNADPHに還元されます


参照 リッピンコット生化学

★高拍出性心不全による!

◎この関連性はあまり自覚していない方が多い印象です。慢性貧血に限ります。

■慢性貧血
・血液中の酸素濃度低い
⇒組織が必要とする血流量が増えます
⇒心拍出量が相対的に足りません
高拍出となるが,それでも足りない=心不全

参照(高拍出性心不全の詳細)http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/35756879.html


●臓器血流量足りない
交感神経↑,RAAS系↑
⇒Na,水の貯留
浮腫


参照 UpToDate

★悪循環を理解する.

◎意外に複雑な生理を臨床医が理解するには、ICU bookが最もおすすめです。

ICUブック 第4版



■流体力学
Q=⊿P×(πr4/ 8μL)

 R8μL/πr4

…固い管において成り立ちます
Q:流速,r:半径 ,μ:粘調度,L:長さ,R:血管抵抗

●血液の粘調度
赤血球と,血漿中のフィブリノゲンの相互作用で決まります
 ⇒赤血球の濃度が最も重要、つまり
 ⇒Ht(ヘマトクリット)        
※Htと粘調度はほぼ相関します。


■貧血による高拍出の原理

・貧血
⇒Ht低い=μ低下
⇒R低下
⇒Q(流速)上昇
血漿の速さの方が,血球の速さよりも増幅しやすい!
⇒末梢で血漿成分が相対的に増えます
⇒血液薄くなります
 =Ht低下
 (悪循環)
⇒心拍出量↑
 

参照 ICU book 

★1時間以内ならよい.

◎輸血中にメインをどうするのか問題です。


・輸血製剤
クエン酸により凝固が抑えられています。

・リンゲル液
⇒ 生理食塩水にK, Caを加え、より生理的にしたものです。
=イオン化カルシウムが含まれます。

⇨混注すると、
     Caがクエン酸によりキレートされ、坑凝固活性がなくなるため、
    理論的には凝固します.

※しかし、 実際に実験した論文によると、
   60分以内の急速輸液中なら問題ない、とされています.


よって、
メインが生理食塩水ならそのまま
メインがリンゲル液なら輸液は別ラインから
が推奨されます。


参照   ICU/CCUの薬の考え方、使い方

ICU/CCUの薬の考え方、使い方 ver.2


日本の教科書としてはかなり良い。

★弱酸だから.

◎これは直感的には理解しにくい話ですが、「代謝性アルカローシス=HCO3-の増加」であって「代謝性アルカローシス=pHの上昇」でない、という事を理解せねばなりません。それはアルカレミアです。
これは用語の定義なので仕方ありません。
その前提で、以下のような平衡が原因でそういうことになります。


●体内での平衡

CO2H2OH2CO3HCO3H+

・このうち,H2CO3がほぼないため,

CO2H2OHCO3H+ (※)

が成り立ちます.

・このうち,
 代謝性アシドーシス/アルカローシス⇒
HCO3が低いか高いか
 呼吸性アシドーシス/アルカローシス⇒
CO2が高いか低いか

という定義です。

 

有機酸(クエン酸,酢酸など)の投与
代謝されて
CO2H2Oとなる

⇒(※)の左の項が増える

平衡が右に移動

HCO3増える(代謝性アルカローシス)

 

無機酸HClなど)
純粋に電離するだけ

H+が増える

⇒(※)の右の項が増える

平衡が左に移動

HCO3減る(代謝性アシドーシス)



※よって,大量輸血
⇒クエン酸により,AG開大性代謝性アシドーシス
⇒時間がたつとクエン酸代謝される
⇒代謝性アルカローシス
 

▶︎ただし、臨床的にこれを実感することはほとんどありません。それは、大量輸血が必要な状況はほとんど、循環不全による代謝性アシドーシスだからです。循環が改善して代謝性アシドーシスが改善する影響が大きく、クエン酸投与によるアシドーシス補正はほとんど誤差です。

★抗血小板薬の血小板への作用機序の違い。

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 またでました。


■血小板凝集の機序

<一次凝集>
血小板が血管にくっつくことです。

内皮障害が生じた時
⇒血管のコラーゲン露出
コラーゲンに血漿中のvWFが結合
このvWFに,GPⅠbを介し,血小板が結合


<二次凝集>
一次凝集に引き続き,凝集が拡大していくことです。

血管にくっついた血小板
GPⅡb/Ⅲa活性化
↓  
①血小板細胞内の血小板凝集惹起物質(ADPなど)放出
 ⇒ADPが,他の多くの血小板のADP受容体P2Y12に結合
 ⇒PI3Kカスケード活性化アデニル酸シクラーゼ抑制を介し,血小板凝集
 ⇒血小板たくさん凝集
   
②血小板膜リン脂質よりアラキドン酸が切り出される
 ⇒COX1によりTXA2産生
   
③血小板表面にGPⅡb/Ⅲa発現
 


■抗血小板薬

①アスピリン(バイアスピリン®)
機序
・参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/25863954.html
特徴
・昔ながらの抗血小板薬.安く,脳梗塞再発予防のエビデンスあり.
効果がなくなるまで
・10-14日間:作用した血小板の寿命が尽きるまで、ということ.


②クロピドグレル(プラビックス®)
機序
肝臓のCYP2C19で代謝され活性化

①血小板膜上のADP受容体P2Y12に結合,不活性化
 ⇒GPⅡb/Ⅲa活性化を阻害
アデニル酸シクラーゼ活性阻害を抑制
 ⇒血小板内へのCa流入を抑制,Ca濃度↓
⇒血小板凝集抑制 
特徴
チクロピジン(バナルジン®)の改良版
・薬価が高かったですが、ジェネリックが出ました。
・CYP2C19の活性が弱い=プラビックス効きにくい人が割といる(日本で20%)
 ⇒これを改良したのがエフィエント。
・10-14日間:作用した血小板の寿命が尽きるまでです.


③シロスタゾール(プレタール®)

機序
ホスホジエステラーゼ3(PDE3)の活性化阻害

①cyclic AMP濃度↑
 ⇒血小板内Ca濃度↓
 ⇒凝集抑制 
②cyclic GMP濃度↑ 
 ⇒血管拡張
特徴
血管拡張作用を併せ持ちます
 ⇒ラクナ梗塞に有用です(他の抗血小板薬はエビデンスなし)
・高率に,頭重感・動悸の副作用が発現する
効果がなくなるまで
・2-3日間です


④塩酸サルボグレラート(アンプラーグ®)

機序
セロトニン5-HT2受容体の拮抗薬
 ※セロトニンはこの受容体を介しIP3産生⇒Ca濃度↑⇒血小板凝集
効果がなくなるまで
・1日間
 ...これは、作用時間が12時間と短いからです.


参照 UpToDate,クロピドグレル販売会社

★反応性血小板血症。

◎臨床で気になりますが、血液疾患でなければあまり問題ないはなりません(血液疾患でも問題となるケースはあまりありません)。

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 これを可愛いと思うか、あなた次第。


■貧血⇒血小板数増加
①鉄欠乏性貧血
トロンボポエチン,IL-6↑
⇒これらの作用により、反応性に血小板増加

※Fe代謝とトロンボポエチンの関係は研究段階です.

②出血
⇒体内が止血作用を亢進する
⇒血小板↑


■血小板増加の鑑別
反応性 Reactive Thrombocytosis(70%)
・原因:感染>ope後>癌=脾摘後=鉄欠乏性貧血,出血

自発性 Autonomous Thrombocytosis(22%)
・原因:骨髄増殖性疾患
   .....本態性血小板血症,真性赤血球増多症,骨髄線維症,慢性骨髄性白血病


参照 UpToDate,Pubmed

★脾臓には血液がストックされる。

◎脾臓にトラップされる、という漠然とした認識はありますが、組織学をベースとした詳細な機序を知っている人は、臨床医にはあまりいません。

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology E-Book (Guyton Physiology)

 生理学はGuyton and Hall一択。臨床に繋がります。


■脾臓の機能
・血液が脾動脈から脾臓に入ります
⇒毛細血管がものすごく透過性があります
⇒血液が血管外へ移動します赤色髄索
⇒静脈洞・脾洞に移行します。

●血漿
  ⇒静脈洞へ回収されます
  ⇒体循環へ

●血球
  ⇒脾洞に溜まります
  ⇒脾洞にはマクロファージが並んでいますスリット状に
  ⇒いらない血球を貪食します
  ⇒スリット通過したものが、体循環へ戻ります


■脾機能亢進=脾腫の時

・それぞれの血球の動き方を説明します。

①血小板
・脾臓が大きい=脾臓の血管外スペースが大きい
⇒脾臓でstopします(機能的異常がなければ,貪食されるわけではないです)
stopする量が多いので,データ的に血小板数は減ります
⇒体内トータル量は変わらず,PLTの生存期間も変わりません
 ※血小板機能の異常ではないのです
⇒臨床的に問題となることは少ないです。

②白血球

・機序は血小板と同じです
⇒重篤な感染症の原因になることは少ないです。

③赤血球
・赤血球は、脾臓マクロファージにより破壊されます
  また,赤血球の応形機能でスリットを通過できなければ,体循環に戻れないです。
⇒脾腫の状態では,マクロファージが活性化+スリットが小さくなる
⇒赤血球が破壊され、かつ体循環へ戻れる割合が減ります
⇒貧血
   ※この際,核の食べ残しが生じます=Howell-Jolly小体


参照 UpToDate,GUYTON生理学

★ビタミンB12は補酵素として働く!

◎葉酸欠乏は神経症状がでません。これを理解するのは生化学。

ネイチャーメイド ビタミンB12(80粒入)【ネイチャーメイド(Nature Made)】



■悪性貧血
・胃の壁細胞か,内因子に対する抗体が原因です。
⇒ビタミンB12は内因子と結合して吸収されます
ビタミンB12欠乏
N5-メチル型テトラヒドロ葉酸が効率よく使われない
⇒貧血

 N5-メチル型テトラヒドロ葉酸の意義
赤血球生成組織,腸の粘膜組織の際
⇒細胞分裂が盛んです。
⇒DNA合成にテトラヒドロ葉酸を用いるのです。
⇨よって、欠乏すると赤血球のDNA合成されず、貧血となります。


■ビタミンB12=コバラミン の他の作用
続いて、ビタミンB12の他の意義について説明。これが神経症状に繋がります。

メチオニンの代謝
ホモシステイン⇒メチオニン
・この補酵素がメチルコバラミン

脂肪酸の代謝
脂肪酸(奇数炭素)⇒メチルマロニルCoA⇒スクシニルCoA
・この後半の補酵素がデオキシアデノシルコバラミン

▶︎よって,B12欠乏により ホモシステイン・メチルマロニル酸↑
②より,悪性貧血では異常な脂肪酸が蓄積
⇒細胞膜に取り込まれる
⇒神経の脱随、変性
⇒これが神経症状の原因となるのです。

※メチオニン代謝とは関係ない葉酸が欠乏しても、脂肪酸蓄積には繋がらず、神経症状はでません。


参照 リッピンコット生化学 

★SLEは赤沈のみ亢進。

◎見落としがちな、大事なことです。

■赤沈 (ESR)
●赤血球の凝集により亢進します!

炎症⇒グロブリンやフィブリノゲンなどの陽性蛋白が産生れます
   ⇒赤血球は陰性です
   ⇒それらが凝集して、
   ⇒赤沈↑

貧血⇒赤血球同士の反発が低下します(少ないから)
    ⇒赤沈↑


■C Reactive Protein
●主に肝で合成される急性期蛋白です。
…炎症性サイトカインの刺激により、肝細胞で産生されます。
 (IL-6, IL-1beta, TNF-alpha, IFN-gamma)

※急性期蛋白とは、炎症の急性期に血中に増加する蛋白の総称です。
CRPはSerum Amiloid Aとともに最も鋭敏に反応するもので、12時間以内に血中濃度が上昇します。


■使い分け
臨床でdiscordanceが有用な状況は、SLEのみといっても過言ではないと思っています。
すなわち、SLEは 赤沈亢進+CRP陰性です。

SLEは重症化すると胸腹水が多量となり、血管内脱水が著明となります。集中管理をしても、ステロイド投与しなくては救命困難ともなりえます。

敗血症のような様相ですが、そんな時にもCRPは陰性であることを経験します。


⬇︎CRPと赤沈の関係を表にまとめました

CRP陽性

CRP陰性

赤沈亢進

その他

炎症回復期,貧血,ネフローゼ,
高γグロブリン,妊娠,ウイルス・真菌感染, SLE, RAの一部

赤沈遅延

炎症初期,炎症+多血症,炎症+フィブリノゲン↓

無フィブリノゲン,無γグロブリン,多血症

 

★テスト用。

◎HbとMCVで一般内科医はどうにかなります。サラセミアは経験することもありますが、血液像を見て技師さんから連絡くれます。

病気がみえる vol.5 血液 [ 医療情報科学研究所 ]


■赤血球検査項目の定義

①RBC(red blood cell)
●1μLあたりの赤血球の個数

②ヘモグロビン(Hb)
●血液中のヘモグロビン濃度

③ヘマトクリット(Hct)
●血液中における血球の体積の割合

④Mean corpuscular volume(MCV)
●RBCの平均サイズ(平均赤血球容積)
MCV (femtoliters [fL]) = 10 x HCT (%) ÷ RBC (millions/microL)

⑤Mean corpuscular hemoglobin (MCH)
●1つのRBCの中のヘモグロビンの重量(平均赤血球ヘモグロビン量)
MCH (pg/red cell) = Hb (g/dL) x 10 ÷ RBC (millions/microL)

Mean corpuscular hemoglobin concentration (MCHC)
●1つのRBCの中のヘモグロビンの濃度(平均赤血球ヘモグロビン濃度)
MCHC (g/dL) = Hb (g/dL) X 100 ÷ Hct (percent)

Red cell distribution width (RDW)
●RBCのサイズの分布(大きいか小さいか;大きさのバラバラ度合い)


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■各検査結果の解釈
●RBC, Hb, Hct
貧血のマーカー

●MCV
小球、正球、大球性貧血の鑑別(詳細は省略):これは実際重要です。

●MCH
鉄欠乏性貧血やサラセミアで低値となる:MCVとほぼ同じ

●MCHC
・低値はMCV, MCHと同様
高値は赤血球の形成異常をほぼ意味する 
 ⇒球状赤血球、鎌状赤血球、有口赤血球、ヘモグロビンC

●RDW
・非常に高値:鉄欠乏性貧血、輸血後、骨髄異形成症候群

★好中球1つ1つの機能=好中球の需要の評価,と考える.

◎これは医師国家試験の勉強をしていた頃、あまり良い説明がなく理解に苦しんでいた事です。非常に優秀な同級生が解釈の方法を教えてくれました。

好中球―機能低下と機能亢進


 ↑これを買う人は本物です。


■好中球ALPスコア(NAPスコア)
好中球ALP(NAP)
・主に成熟好中球の二次顆粒に存在し、様々なリン酸モノエステルを水解する酵素です。

NAPスコア(陽性指数)
・100個の好中球について、各型(Ⅰ-Ⅴ型)の数と点数の積の総和です。
⇒好中球の機能の評価です。


●臨床での使い方
基本的に、CMLとCML以外の骨髄増殖性疾患との鑑別に用いられます。
NAPスコア低下CML(慢性骨髄性白血病), PNH(夜間発作性ヘモグロビン尿症)
NAPスコア上昇⇒CML以外の骨髄増殖性疾患



■NAPスコアの解釈

●NAPスコアは好中球の機能評価ですが、これを好中球の需要の評価と考える事ができます
 …需要が高い状況では,好中球1つ1つの機能も亢進するため
 ⇒NAP scoreは高値となる
 ということです。

すると,以下のように考えられます。

骨髄線維症など,CML以外の骨髄増殖性疾患
骨髄による造血能が低下している状態です
脾臓における髄外造血で、好中球をまかなおうとします
⇒好中球の需要が高いので、
⇒NAP score↑

CML
好中球が腫瘍性の増殖をしている状態です
⇒好中球の需要はありません
⇒NAP score↓

CML急性転化
腫瘍細胞はリンパ芽球として増加してしまいます
骨髄で残された、わずかまともな造血幹細胞から好中球産生されます
⇒好中球の需要が大きいです
⇒NAP score↑

類白血病反応
炎症が病態です。
⇒好中球の需要は高いです
⇒NAP score↑

発作性夜間ヘモグロビン尿症
・赤血球膜の酵素活性の異常です
白血球膜の酵素活性の異常も伴います
=白血球の活性が低下します
⇒NAP score↓



非常にクリアに分けられます。是非参考に。

★炎症性サイトカインによる悪循環.

◎鉄関連の検査は日常診療でよく使います。その解釈は臨床医として基本知識ですが、病態までわかると治療につながります。

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貧血には、やはり鉄剤です。


■慢性炎症⇨貧血の機序
複数機序があります。

●ヘプシジン産生↑
 ....IL-6(炎症性サイトカイン)によるJAK/STAT3経路の活性化が原因
⇒①消化管からのFe吸収↓
⇒②マクロファージ内にFeトラッピング
 ⇒血漿Fe濃度↓
⇒③Feとトランスフェリンの結合阻害

よって、ヘモグロビン合成↓
⇒赤血球合成↓

※この機序の為,鉄不足時は鉄補給が有効です。
トランスフェリン飽和度(TSAT)≧20%,フェリチン≧100を目標とします(後述)
⇒まず経口投与です.経静脈は議論が有ります。
 …アレルギー,鉄過剰(実際にはまれ),手間とコストに対し,利益が微妙との話です


●炎症性サイトカイン(IL-1,IL-6,TNFα)↑
⇒①腎細胞のエリスロポエチン(EPO)発現↓
  ⇒EPO産生↓
⇒②赤血球前駆細胞のEPOレセプター発現↓
  ⇒赤血球前駆細胞アポトーシス
  ⇒EPOに対する反応性↓

よって赤血球産生↓

※この機序の為,慢性炎症による貧血にEPO投与が有用です。
 (当然,原疾患の治療が最重要ですが)


●炎症によるマクロファージ活性化
⇒①赤血球貪食↑
  ⇒赤血球↓
⇒②freeなトランスフェリンを貪食
  ⇒トランスフェリン↓

これらが複合して貧血となります。


■TIBC,UIBC,TSATの検査についてまとめ

この計算式をよく使います。
TIBC(総鉄結合能)=血清鉄+UIBC
トランスフェリン飽和度(TSAT)=血清鉄÷TIBC

この前提は以下の通りです。
・鉄(Fe)の0.1%が血中にあります。
・血清鉄とは、トランスフェリンと結合したFeのことです。
鉄と結合していないトランスフェリンがあります
 ⇨これが、UIBC(不飽和鉄結合能)です。


参照 UpToDateなど

★ヘモグロビンによる腎障害を防ぐため。

食道静脈瘤に用いられる硬化剤5%EO;オレイン酸エタノールアミン)は溶血作用があります
⇒以下に説明するように、多量溶血は腎障害につながります
⇒ハプトグロビンを投与する事で、腎障害を防止することができます。

※ハプトグロビンの語源
ハプト+グロビン
 …ハプト=ハプテン
  =単独では抗原にならないが,適当な蛋白と結合することで抗原となるもの
  =グロビンにくっつく、ということ
ハプトグロビンはヘモグロビンにくっつき、肝臓に運び正常に処理する


●溶血すると
赤血球からヘモグロビンが流出します。


●大量に溶血すると
ヘモグロビンに結合するハプトグロビンが不足します。
遊離ヘモグロビンが血中に残ります

遊離ヘモグロビン:分子量34000
⇒これは腎臓の糸球体を通過します
⇒尿細管上皮細胞に取り込まれ,ヘムとグロビンに分解されます
⇒このうちヘムが腎毒性を発揮


ということで、多量の溶血が生じる場合は、ハプトグロビンの投与が必要となります。

適応:この他,熱傷,輸血,体外循環下開心術など


参照 UpToDate, 日本血液製剤協会

★パルボ感染で造血産生停止するため。

◎パルボウイルスの感染症(伝染性紅斑)で貧血となる病態は機序から推定可能です。鎌状赤血球はUSMLEに頻出。

■パルボウイルスB19感染

赤血球前駆細胞破壊
1週間程度の造血停止
 これは誰でもおこります。

・しかし、健常人の赤血球の寿命は120日
⇒軽度貧血にとどまります


■貧血となる病態

球状赤血球症,鎌状赤血球症
 =赤血球のターンオーバーが早い 
⇒産生が追い付かない
⇒重度貧血

鉄欠乏性貧血
 =赤血球産生が低下している
⇒産生が追いつかない
⇒重度貧血

免疫不全,免疫抑制状態
 =感染が長引く
⇒造血が始まらない
⇒重度貧血

★炎症があると生じる。

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●赤血球膜は陰性なので
・炎症(下記)
⇒陽性電荷をもつ蛋白が多いと、磁石みたいにくっつく
⇒連鎖形成

〇陽性電荷の蛋白

ガンマグロブリンの増加:多発性骨髄腫,肝硬変
フィブリノゲンの増加:炎症,感染症,膠原病

★輸血は濃くて、様々な抗原が含まれている。

◎輸血の副作用をまとめています。

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 ↑こんなものまで売っています。

①Volume overload
・濃厚赤血球(RCC, MAP)輸血
Hb高い+Na多く含むため、高張である
⇒輸血により水を血管内に引き寄せる
⇒血管内volume↑
⇒①心不全悪化(TACO),  ②希釈による血小板減少

●Transfusion associated circulatory overload (TACO)

overvolumeによる心不全
・0.9ml/minでも生じうる
⇒但し、TACO予防に輸血速度の制限が有用!
 …具体的には2-2.5ml/kg/h(1パック1.5-2時間の速度)、また1日2単位以内の輸血
※心不全患者に輸血速度の制限を行う理由。


②Transfusion related acute lung injury (TRALI)
・輸血による急速な肺障害(ARDS
・リスク:肝臓移植、慢性アルコール中毒、ショック、呼吸器管理、喫煙、高IL-8、水分貯留状態
・血液製剤中の白血球抗体(HLA抗体,HNA抗体)によるものと考えられている
…好中球のsequestration and priming▶︎活性化 という病態

●診断基準(下記全て満たす)
・輸血開始6時間以内の急速発症、低酸素、バタフライシャドウ、volume overloadの所見なし、輸血前にALI/ARDSの所見無し
⇒これに加え、ARDSの危険因子がなければTRALI, あればpossible TRALI
…誤嚥、中毒、肺炎、溺水、ショック、敗血症、多発外傷、熱傷、膵炎、CABG後、overdose


③凝固系阻害

・輸血中にクエン酸⇒アシドーシス助長
・輸液(冷たい)⇒低体温
 ※凝固↓,低体温,アシドーシスは互いに助長し合う;参照 外傷死の3徴
凝固因子の希釈


④アレルギー

・輸液製剤中の何らかの抗原による
 ⇒ほとんど原因不明

●Urticarial transfusion reaction
・蕁麻疹、痒みが出現するが、その他のアレルギー症状はでない状態
・最も高頻度。抗ヒスタミン薬にて対応。
●アナフィラキシー
・特にIgA欠損症の患者で抗IgA抗体を持つ人では起き得ることに注意
●Acute hemolytic transfusion reaction (AHTR)
・血液型の不一致による
・急速補液、利尿により治療する


■実際の対応
・呼吸困難が生じた場合,TRALI/ TACOとの鑑別が必要
胸部Xp;アレルギーは変化なし,TRALI/ TACOは両側肺野浸潤影(+)
・TRALIはsupportive careが主体。TACOは心不全管理
⇒volumeを評価しつつ全身管理を行うという点で治療方針は同じ。
 
※TACOとTRALIとの鑑別

・TACOは心不全の症状
⇒心不全患者の場合,鑑別が難しい
 a. 血圧:上昇:TACO,低下:TRALI
 b. TACOは利尿剤が有効
 c. TACOはEFが著明低下しうる

・輸血後発熱することはよく経験される。ほとんどはFebrile non-hemolytic transfusion reaction (FNHTR)であるが、感染症やTRALI、アレルギーをrule outすることが重要。FNHTRの場合は対症療法のみでよい。

●頻度
Urticarial transfusion reaction: 1-3%
FNHTR: 0.1-1%
TACO: <1%
TRALI: <0.01%
Anaphylaxis: 1/20000 - 1/50000
AHTR: 1/76000


参考 輸液副作用対応ガイド, UpToDate

★血液粘性↑+shear stressによる血小板活性化。

■掻痒感

・主訴であることが多い。痒すぎて耐えられない場合も。
●機序
①マスト細胞の脱顆粒⇒ヒスタミン、線溶系要素、プロスタグランジン、IL-31
②赤血球からのアデノシン二リン酸、交感神経からのカテコラミン
⇒皮膚が冷やされると、皮膚の血管にて血小板凝集が促される
局所でプロスタグランジン産生
※アスピリン投与により痒みが弱くなる説明ともなる(PG阻害)


■血栓症
・静脈系、動脈系いずれにも血栓症を起こしうる
●機序
静脈系
・血液循環の速度が遅い
 =ずり応力が弱い
⇒ヘマトクリット高値により血液の粘性が増す
⇒血液の乱流を促す
動脈系
 =ずり応力が強い
赤血球径が大きいため、血小板成分が血管壁へ押しやられる
ずり応力による血小板活性化

※一過性の視力低下(良くある症状)
 …脈絡膜、網膜血流が低下することによる
※消化器症状
 …胃粘膜の血流低下、ヒスタミン放出による


■出血
血小板>100万/μLの場合
⇒von Willebrand factorが多量体となり、血小板に結合し大きくなる
⇒ADAMTS-13は通常のvon Willebrand factorしか除去できない
⇒von Willebrand factorが正常に機能せず、出血を引き起こす
 (後天性von Willebrand factor病


参照 UpToDate, Leukemia. 2008;22(11):2020.

★基本的に心筋症で、治療や予後はそれほどはっきり研究されていない。

■薬剤の種類

○アントラサイクリン系
ドキソルビシンアドリアマイシン(アドリアシン)
ダウノルビシン(ダウノマイシン)
・エピルビシン(ファモルビシン)
・イダルビシン(イダマイシン)
・ミトキサントロン(ノバントロン)

機序:トポイソメラーゼ2とDNAに結合、アポトーシスを促す。
   また、活性酸素産生する。
※トポイソメラーゼ2にはαとβが存在;癌細胞は主にαが過剰発現している


■副作用(心毒性)の機序

心筋はトポイソメラーゼ2βを発現している
⇒薬剤の作用機序から、アポトーシス誘導される
⇒心筋障害
コードする遺伝子をノックアウトすると、薬剤性心筋障害が起きにくい、という研究あり

 ・活性酸素↑
⇒細胞膜の脂質過酸化
⇒空胞形成、不可逆性障害
⇒線維組織への置換 
※但し、free radical scavenger用いても予防/治療できないことから、否定的


■臨床的特徴
●発症時期

・基本は、最後の薬剤使用から1年以内(平均3か月)
⇒但し、5年以上経ってから発症する例もある
※急性の心筋障害はあるが、まれ
 臨床的に問題となりやすいのは、遅い発症のもの;etiologyとして鑑別に挙げる必要あり

●心筋障害の特徴

収縮能(EF)、拡張能の低下
⇒致死的となりうる

●危険因子
総投与量が多い
…550mg/m2で26%が心不全となった
⇒一般的に投与量を450-500mg/m2としている
⇒ただ影響は個人差があり、300mg/m2以下でも発症しうる
・小児
・放射線治療
・同時期の化学療法:パクリタキセル、ドセタキセル、トラスズマブ
・造血幹細胞移植

●治療、経過、予後

ACE阻害薬が第一選択薬
…基本的に一般的な心不全加療をすべき;+β遮断薬
⇒予防的投与のはっきりとしたエビデンスはない

・心不全症状あると予後が悪いことは分かっている
⇒しかし、具体的な予後は不明

※現在は心機能により投与中止としたり、投与プロトコルも定めている
⇒重症な心不全をきたす症例は少ない


参照 UpToDate 

★正常ヘモグロビンはHbA/ F/ A2、他たくさんの異常ヘモグロビン。

■正常ヘモグロビン
HbA
 …α鎖2本+β鎖2本:97%
HbF
 …α鎖2本+γ鎖2本:1%(胎児ヘモグロビン)
HbA2
 …α鎖2本+δ鎖2本:2-3%
 ⇒βサラセミア(β鎖を作れない)で増加、酸素運搬の主役となる

※サブユニットの組み合わせの問題。


■異常ヘモグロビン
HbS(鎌型赤血球):α2βS2
 …β鎖の変異
 ⇒脱酸素化されると固く形が変化し、塞栓など起こす
HbE:α2βE2
 …β鎖遺伝子エクソン1の変異
 ⇒東南アジアで頻繁にみられる種類で、やや酸化ストレスに弱い
 ⇒基本的に問題とならないが、サラセミアを合併すると重症化する
HbC:α2βC2
 …β鎖の変異
 ⇒六角形の水晶体を形成する+赤血球に脱水をおこし、MHCHが大きくなる
 ⇒溶血が起こるが、それほど貧血にならない
HbD:α2βD2
 …β鎖遺伝子コドン121でグルタミン酸がグルタミンへの変異
 ⇒pHアルカリ性の下で、HbSと同じ特徴
HbH:β4
 …β鎖4本;α鎖が産生されない
 ⇒酸素結合能が強いため、組織低酸素になる
 (β鎖が機能し始めてから症状発現するため、胎児水腫とならない)
 ・背景の疾患のサイン
 …先天的にはαサラセミア、後天的にはMDS、血液腫瘍
Hb Barts:γ4
 …γ鎖4本;HbHと病的意義は似ている
 ⇒が、胎児期に組織低酸素が起きるため、胎児水腫となる
HbM(メトヘモグロビン)
 …ヘムのチロシンがヒスチジンへ置換
 ⇒鉄-フェノール複合体となり、Fe3+で維持される
 ⇒先天性のメトヘモグロビン血症であり、有効な治療法はない

不安定ヘモグロビン
・Hb Zurich, Hb Koln
…不安定であり、血管内溶血する
⇒正色素性貧血+Heinz体が認められる

酸素親和性の強いヘモグロビン
・Hb Chesapeake, Hb Creteなど
…赤血球造血↑
⇒瀉血してよいが、しなくて問題ない

酸素親和性の弱いヘモグロビン
・Hb Kansas, Hb Beth Israelなど
…チアノーゼを呈するが、組織への酸素運搬は適切
⇒治療の必要なし

※ヘテロかホモかの組み合わせで、HbSC、HbCC等となる


参照 UpToDate

★糖化された古いヘモグロビンがどれくらいいるか、アッセイは正確か。

■HbA1cとは

●Hbには3種類ある
HbA(成人の97%),HbA2,HbF

・Hbは、産生されたては糖化されていない
⇒その後、血中の糖類(特定のヘキソース)から,自由に糖鎖が付加される
 ※これは非酵素的な反応で,非常にゆっくり進行する
糖鎖付加Hbの中で最も多量にあるのがHbA1c
HbA1cは,Hbの寿命(通常約120日)と血糖値に依存する
 

■HbA1cが血糖コントロールの指標として当てにならない場合

Hbの寿命↑
鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、葉酸欠乏
…Hbの入れ替わりが遅い
Hbが長生きするようになる
 =古いHbが残る
⇒糖化されたHbが多く残る
⇒HbA1cが高くなる

②Hbの寿命↓

溶血、エリスロポエチン投与下、貧血治療中
…新しいHbがどんどん産生される
糖化されていないHbが多い
⇒HbA1cが低くなる

③慢性腎臓病

・偽性高値:尿素高値により産生されたカルバミル化Hbのため
     …電気泳動などに影響
・偽性低値:透析、EPO投与、輸血、代謝性アシドーシス
     …Hbターンオーバー亢進

※現在のアッセイ法では、異常ヘモグロビン(HbF, HbS)に影響されない

 
参照 UpToDate 

★感度は高くないが、負担を考えると腸骨1ヶ所で十分。

■骨髄穿刺/生検ができる骨

●放射性同位元素でトランスフェリンにマーキング、注射して分布をみた
脊椎骨と骨盤で造血活性高い肋骨でやや高い。他は活性なし
⇒採取可能なのは胸骨、腸骨(、肋骨)からだけ

①後腸骨稜

 …最も患者の苦痛が少ない。基本的にここでやる。
②前腸骨稜
 …①が選択できない時に;うつ伏せできない、高度肥満、皮膚疾患
③胸骨、肋骨、大転子
 …①②ができない時。CTガイド下手術下の検査が望まれる
 ⇒今では、従来のように盲目的に胸骨穿刺をするのは禁忌
 ※放射線治療の既往がある箇所は選択しない;細胞がスカスカかもしれない

 
■骨髄採取は1ヶ所でよいのか

●骨髄はそれぞれの骨で非連続的なのに、1ヶ所の骨髄を全身の診断として信頼してよいのか
特に悪性疾患の診断の際

腸骨からの骨髄採取が、片側か両側かで結果が変わるか、という研究
1864例を両側から骨髄採取した
⇒22%(410例)が悪性疾患、2.6%(48例)が片方にしか所見なし
…48例の内訳:Hodgkin(19), 肉腫(14), 固形癌(11), non-Hodgkin(4)
 ⇒白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群はなし

●結論

・造血している場所は脊椎骨か腸骨
採取可能なのは腸骨のみ
 …この時点で、脊椎に限局した腫瘍細胞を見逃す可能性あり
腸骨の片側採取は、両側と比較し悪性腫瘍の10%を見逃す
⇒よって、骨髄採取は骨髄腫瘍細胞を見つける感度が高い検査とは言えない
⇒患者負担とパフォーマンスを考えると、腸骨1ヶ所の採取で十分
 …リスクから胸骨/肋骨/脊椎骨穿刺するという選択肢はない


参照 UpToDate

★核外に鉄が蓄積しているため。

■鉄芽球性貧血の原因、病態

・先天性 or 後天性(アルコール、鉛、ビタミンB6欠乏)
δ-ALA活性↓
赤芽球のミトコンドリア内で、ヘムと鉄が結合する過程を阻害
⇒赤芽球のミトコンドリアに鉄が多量に蓄積
⇒崩壊(無効造血)
⇒貧血
※鉄の利用が低下する
⇒血液検査で、Fe、フェリチン、トランスフェリン↑

■環状鉄芽球

・鉄染色(鉄を青に染色)
⇒鉄芽球性貧血の場合、ミトコンドリアに鉄が蓄積している
核内にはないため、核の周りを取り囲むように鉄が染色される
⇒だから環状

参照 UpToDate 

★Hb酸素に伴って産生される。

■メトヘモグロビン血症の病態

ヘモグロビン中のFe2+がFe3+へ酸化された状態
⇒そのHbは酸素運搬できず、酸素化↓
※参照:メトヘモグロビン血症でPaO2-SaO2 gapが起こる機序


■どうしてメトヘモグロビンが形成されるか?

●健常人でも、0.5-3%のHbが自己酸化されてMet Hbとなっている
Hb + O2 → 酸化Hb;この際、[Fe3+ - 02- (鉄/活性酸素アニオン複合体)]が形成される
⇒この反応で普通、酸素分子が副産物として産生される(副産物)
少量のみ、O2-(活性酸素)が産生される
O2-によりHbが酸化され、Met Hbとなる


■どうしてメトヘモグロビンが蓄積されないか?

●Met HbがHbに還元されることで、総量が1%に抑えられている
チトクロムb5還元酵素経路
解糖系:FAD→FADH2の反応でNADHが産生
NADHはヘム蛋白であるチトクロムb5還元
⇒還元される=e-負荷であり、e-はメトヘモグロビンへ輸送される
⇒Fe3+をFe2+に還元

NADPH-メトヘモグロビン還元酵素経路
・ヘキソース1リン酸シャントで、G6PDによりNADPHが産生
⇒赤血球の中で、NADPHの電子と反応できる分子はない
メチレンブルーやレボフラビンが電子受容体となり、Met Hbを還元
これら投与下でのMet Hb還元機序(正常時は有意でない)


参照 UpToDate

★肝臓が急性期蛋白を作るのに精一杯でアルブミン合成できない、というのは想像だけど、案外そうかもしれない。

■Alb

<合成>
肝臓で、1日15g程度合成される
⇒Alb低下した場合、2倍程度まで増加する
<血中濃度>
・合成、分解、分布の影響を受ける
①合成:栄養状態、静水圧、サイトカインにより制御される
  ⇒肝細胞のAlb合成mRNAに関わることがわかっている
②分解:どこで分解されるかは不明。半減期は20時間
③分布:有効血漿量が重要
  ⇒うっ血するとすぐ低Albとなる

●透析患者
炎症+蛋白制限食によりAlb合成↓
…窒素摂取↓によりAlb合成↓となるが、低栄養のみで低Albとなるまでには相当の期間を要する
・炎症急性期蛋白(CRP, SAA, フィブリノゲン、セルロプラスミン)とAlb濃度は反比例する
 ⇒炎症により低Albとなることはわかっている


■臨床現場におけるAlb意義

肝障害を疑った時以外、Alb測定の意義なし
⇒449人中13%で異常値がでたが、臨床的意義のあったものは2人だけだったという研究あり
…体液量によりかなり増減する+低Albが栄養状態を反映しない
・透析患者において、低Albも急性期蛋白も悪い予後と相関するが、急性期蛋白の方がマーカーとして優秀


参照 UpToDate, Adv Perit Dial. 2013;29:55-60, Kidney International (2004) 65, 1408–1415

★ビタミンKは、凝固因子やプロテインC,S活性のための補酵素。

■ワーファリン

①ビタミンK依存性のγカルボキシル化(下述)を阻害;Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ
⇒活性していないこれらの蛋白ができる
⇒抗凝固

②ビタミンK依存性のγカルボキシル化を阻害;プロテインC, S
 …これらは活性化Ⅷ, Ⅴを抑制する(下述)
 =抗凝固活性をもつ
⇒凝固↑
※①、②といった相反する作用をもつ

プロテインCが最も早く活性無くなる(半減期が短い)
⇒投与後1日程度、一過性の過凝固状態となる
Ⅱ因子の半減期が最も長く、約3日
⇒ワーファリンの十分な効果発現まで3日程度かかる 
⇒平衡に達するのは7日程度必要。
Ⅶ因子の半減期は4-6時間
⇒投与開始後すぐにPT延長するが、それはⅦ因子の分。


■詳細な反応;γ-カルボキシグルタミン酸(Gla)生成

●ビタミンKを補酵素として必要とする反応
・活性化ビタミンK(ビタミンKアルカロイド
グルタミン酸のγ-炭素基から、水素イオンをもらう
 …これにより、ビタミンKアルカロイド→ビタミンKエポキシド
⇒グルタミン酸のγ-炭素基に、CO2付加
Gla

・ビタミンKエポキシドは、ビタミンKレダクターゼにより、ビタミンKH2(非活性体)
これにO2付加されビタミンKアルカロイドに
ワーファリンは、ビタミンKレダクターゼを阻害
=ビタミンKのリサイクルを阻害

Glaドメイン:ビタミンK依存性凝固因子、プロテインC,Sに10-12個存在
⇒Caイオンと結合することで構造変化
リン脂質結合部分が露出
血小板のリン脂質と結合、それぞれの作用発現


■プロテインC, S

・凝固カスケードにて、Ⅱa(トロンビン)がトロンボモジュリンと結合
⇒トロンビンの構造変化
プロテインC活性化;activated protein C(APC)
リン脂質表面のプロテインSと作用
Ⅴa, Ⅷaを不活性化
⇒抗凝固作用

 ●プロテインS

・2パターンで存在
 ①フリー:上記の抗凝固作用をもつ
 ②補体のC4bと複合体形成して存在:不活性体
  ⇒急性期炎症蛋白で、炎症部位に多く発現
  ⇒炎症部位で①の割合低く、凝固優位となる

 
参照 UpToDate 

★3週間以上取れない場合、一応疑って精査する。

■へその緒
取れるメカニズムは不明
…梗塞、コラーゲン分解酵素活性↑、ネクローシス、白血球流入が関与すると言われる

■へその緒の分離遅延
・そもそも取れる時期が人によりバラバラなので、定義されにくい
 …だいたい1週間以内
抗菌薬で処置すると、とれる時期が延びる!
 …石鹸:4.2日、クロルヘキシジンでよく洗う:7.5日、70%アルコール:16.9日
⇒へその緒に感染症が生じても、とれる時期が延びる

だいたい3週間以上取れない場合、分離遅延とする
原因:免疫不全、感染症、尿膜管異常
 ①免疫不全
 ・特に白血球粘着不全症
 …インテグリン発現の障害
  ⇒感染のフォーカスに白血球が移動できない
  ⇒膿の無いネクローシス:表層の感染が多い(皮膚、粘膜、臍炎
 ②尿膜管異常
 ・通常、胎生4-5ヶ月に閉鎖する
 ⇒閉鎖異常:尿膜管遺残(膀胱と臍が交通)、尿膜管嚢胞が原因

結局は自然に取れる
 ⇒感染によりへその緒の乾燥・分離が促されるため、消毒はすべきでない。乾燥させるべき。
 

 参照 UpToDate、Pediatrics. 2001;108(2):493.

★計算式あり.

●MAP
・2単位=血液400mlから作られる(280mlとなる)
⇒DonorのHb=15g/dLとすれば,Hb 60gが含まれる
・循環血漿量=70ml/kgとすれば,60kgで4200ml=42dL
2単位の輸血でHb1.5程度上昇する

●PC
・5単位=10の11乗個以上
・予想血小板増加数=投与量÷循環血液量×2/3
⇒50kgの人に5単位輸血すると19000/μL以上上昇する

※実際にはこんなに上がらない.


参照 血液製剤の使用にあたって

★ないかもしれない.

★輸血する理由=ヘモグロブリンによる酸素運搬能を補強する

●Hbで輸血の是非を判断してはいけない
⇒①Hbでは組織の酸素化について何もわからない
  ②Hbが低いのは,単に希釈されているからなのかもしれない
⇒ガイドラインではHb値によって輸血判断をすべきでない,とされるが,
 特定の状況下ではHb値によって輸血するよう書いてある(矛盾している)
 …ex. ICUで挿管中・重症外傷・心臓病ある患者で,Hb<7の場合

●酸素需要と供給のバランス評価にて,輸血を判断すべき

「O2 extraction=(SaO2-ScvO2)/ SaO2」(※)
 …運んだ酸素のうち,組織内に取り込まれた酸素の割合
⇒SaO2≒1の場合,(※)≒1-ScvO2
⇒これが0.7以下の場合,輸血の適応と考えられる
(※)=0.5までは組織で代償されている
 …それ以下になると,運ばれる酸素が組織の需要に見合っていない
  =嫌気性代謝となる
0.5を輸血のtriggerとしても良いかも.

敗血症の場合,ミトコンドリアの酸素利用障害が起きる
⇒組織で酸素利用できないため,組織低酸素でもScvO2下がらないことがある(★)
⇒この場合,個別に考える

※但し,Early Goar Directed TherapyではScvO2>75%としている
⇒(★)と矛盾するようだが,EGDTの根拠は「EGDTで生存率が改善したこと」にあるので,こうなっている

しかし,RBC輸血しても,組織の酸素化が改善するというデータはない!
⇒何のために輸血するのか,答えは出ていない
 …確実なのは,Hbではなく血管内volumeが最も重要,ということ.


参照 ICU book

★入れた分だけ.

■コロイドの原則
'Q'は'Pc-COP'に比例する
…Q:液の移動
  Pc:毛細血管の静水圧
  COP:コロイド(膠質液)の血漿浸透圧
⇒Pcは平均20mmHg程度,COPは正常28mmHg程度
⇒通常状態で,液は間質から血管内へ移動している

●晶質液
⇒COP減らす
⇒血管外への水分移動を促す
●膠質液
⇒COPを保つか,増やす
⇒血管内へ水分移動させる


■アルブミン製剤
①5%アルブミナー
・COP=20mmHg
1L⇒700ml血管内,300ml血管外に
…外液の場合,250ml血管内,750ml血管外
3倍の血管内貯留効果あり
⇒研究)出血性ショックの場合,外液の5倍程度の効果あった
・入れた量の70-130%血管内へ行く,とされている
※但し12時間で効果切れる

②25%アルブミナー
・COP=70mmHg
入れた量の3-4倍血管内へ残る,といわれる


■Albへの効果
必要投与量=期待上昇濃度×循環血漿量÷アルブミン回収率
…循環血漿量:0.4×体重(kg)
  アルブミン回収率:0.4
※例えば60kgの人のAlbを1g/dl上げたいとき
⇒必要投与量=1×0.4×60÷0.4=60g
 …5%アルブミナーで1200ml,25%アルブミナーで240ml必要


参照 ICU book,アルブミナーインタビューフォーム

★リスクを考慮し,経口抗菌薬で良い.

■好中球減少症
・正常な炎症反応を起こせない
症状がでにくい
発熱のみがサインの場合がしばしばある
⇒発熱性好中球減少症といわれる

・好中球減少:重要な感染症が起きうる,という意味において
        ⇒「好中球<500」(UpToDate)
        ⇒IDSAは「好中球<100」としている

・リスク
高リスク…①好中球減少が7日以上続く,と予想される場合
         ②はっきりとした肝 or 腎不全を伴う場合
         ③同種骨髄移植施行中,急性白血病に対しケモ施行中
  低リスク…上記全てない場合
  中リスク…自家移植,リンパ腫,CLL,MM,プリンアナログによる治療
        好中球減少が7-10日

■抗菌薬予防投与
高リスク群に推奨される
⇒低リスク群には推奨されない
  中リスク群はcase by case
ニューキノロンの有効性がエビデンス高い
⇒但し,耐性菌がはこびっている地域では,予防の有効性は低くなる

ニューキノロンと他の抗菌薬の併用は,推奨されない
⇒感染による死亡率に影響しない

・抗菌薬を切るタイミングは,あまり研究されていない

■ニューモシスチス肺炎(PCP)

・致死率はほぼ100%
⇒ST合剤(バクタ)による予防が極めて有効
・適応
…薬:プレドニン≧20mg,免疫抑制薬,プリンアナログ
  ALL
  同種骨髄移植,臓器移植
  SCID,特発性CD4 Tリンパ球減少症,高IgM血症

■抗ウイルス
①インフルエンザ
・ワクチン接種すべし
②HSV,VZV
・HSV抗原(+),同種移植施行中,急性白血病の初期治療
⇒アシクロビルかバラシクロビル投与すべき
③CMV
・抗原(+)の場合,ガンシクロビルを使用
④HBV
・HBV抗原(+),HBV DNA量↑,B型肝炎治癒後
⇒抗ウイルス薬を,治療後最低6ヶ月継続すべき


参照 UpToDate

★似た細胞を認識する.

■白血球の分類

白血球

顆粒球

好中球

好酸球

好塩基球

単球

 

リンパ球

B細胞

T細胞

NK細胞


・よく忘れてしまいます.


■血液像

 

細胞質

クロマチン

顆粒,その他

好中球 band

一続き

凝集した塊がいくつも

肌色

 

好中球 segmented

糸で区分される

 

好酸球

 

 

 

イクラみたい

好塩基球 

 

 

 

黒~紫色

単球

立体的(折れ目がある)

繊細,やや薄い

曇りの日の空色

空胞(食べかす)

リンパ球

円形

濃い色がべたっとした感じ

晴れの日の空色

 


・区別が難しいのは,単球とリンパ球
⇒核と細胞質違うが,重視するのは核の違い.
・全ての細胞が顆粒を持つ.
 …好中球アズール顆粒,リンパ球アズール顆粒など


■骨髄像
血液像での登場人物に加え
 ①好中球の幼若細胞,②赤血球の幼若細胞
 が登場する

①好中球系

 

細胞質

 

クロマチン

顆粒

骨髄芽球

でかい円,真ん中

レースっぽく透ける

なし

前骨髄球

でかい円,寄った所

赤いぼつぼつ

骨髄球

凝集した塊がいくつも
(成熟するに従い凝集)

ピンク

好中球性アズール顆粒

後骨髄球

縦:横が13より太い

桿状核球

縦:横が13より細い

分節核球

糸で別れる

 

・核,細胞質で段階が食い違った時,核の成熟度を優先する
・やっぱり各段階の境目が難しい

②赤芽球系

 

細胞質

クロマチン

前赤芽球

でかい円

繊細,モザイク的

塩基性赤芽球

凝集がみられる

多形性赤芽球

青と赤の混じり

正染性赤芽球

ベタッとしている


・90%くらい多染性.
 …塩基性~正染性の間が全て含まれるから
・骨髄芽球と前赤芽球は似ている
⇒核の感じが違う
 

★輸血,生物学的製剤,トランサミン.

①輸血
・濃厚血小板(PC)
・新鮮凍結血漿(FFP):全凝固因子が入っている
             ⇒凝固因子産生↓,希釈血漿の場合有効

②生物学的製剤
・第Ⅷ因子製剤,第Ⅸ因子製剤
 ⇒血友病患者
・遺伝子組み換え活性型第因子製剤(ノボセブン
 ⇒30万円するが,劇的に効くらしい(出血性疾患全般に対して)
 ※今はインヒビターを持つ血友病患者,後天性血友病患者にのみ保険適応

③トランサミン(トラキネム酸)
・リジンと類似した構造もつ(リジン誘導体)
⇒プラスミノゲンのリジン結合部位に反応
プラスミノゲンのフィブリンへの吸着を阻止
全身の線溶系活性化状態に有用
 ※線溶抑制型DIC(敗血症などによる)には禁忌!
有効性はRCTで確かめられている
 
④アドナ(カルバゾクロム)
・アドレナリンが体内で酸化
⇒アドレノクロム
⇒これが従来止血効果ある,と考えられていた
⇒カルバゾクロムは,同様の効果を持ち,安定した物質
止血効果の機序は明らかになっていない
 …「血管壁の強化」と謳われているが,実験で血管抵抗性を上げる,という事実に基づく 
  ⇒あやしい
アドナ単独で止血効果を示した研究はなし 


参照 http://pulmonary.exblog.jp/20437806/,金沢大学血液・呼吸器内科ブログ,
    血栓止血誌 20(3):278~280, 2009
 

★B細胞由来の,多核の細胞
⇒核が2つの時,鏡面像に見える(フクロウの目)


①RS細胞はB細胞由来
・免疫グロブリン(Ig)重鎖のVJD再構成
…B細胞で行われる
⇒再構成された領域が,体細胞変異たくさん生じる
機能しないIgを産生する細胞となる
  =Reed-Sternberg細胞(RS細胞)

②RS細胞は胚中心由来
・Igの体細胞変異
⇒二次リンパ組織の胚中心でのみみられる
⇒RS細胞は,主に胚中心由来

※但し,RS細胞に胚中心B細胞のマーカーは欠如している事が多い
⇒免疫グロブリンのエンハンサー,プロモーターの異常によるか.


参照 UpToDate
 

★ビタミンK!

・閉塞性黄疸 
⇒胆汁が消化管内へ行かない
⇒脂質とミセルを作れない
⇒脂溶性ビタミンが吸収できない
⇒①ビタミンK吸収↓
 
肝細胞障害

ビタミンK吸収↓
⇒ビタミンK依存性蛋白(Ⅱ, Ⅸ, Ⅶ, Ⅹ, protein C, protein S)の活性化障害
  ・ビタミンK:上記蛋白のカルボキシル化(CO2付加)に必要な補酵素
PT延長
※腸内細菌でもビタミンK合成が活発に行われている
⇒抗菌薬投与でビタミンK欠乏来しうる

肝細胞障害
⇒①の反応は肝で行われる
⇒PT延長


参照 リッピンコット生化学
 

■作用機序
アンチトロンビン(ATⅢ)と複合体形成
⇒活性化
⇒トロンビンとⅩa不活性化↑
⇒凝固系↓
少量の場合,Ⅸ,Ⅺ,Ⅻに対して強く作用
APTTでモニタリング
 cf.)ワーファリンはPTでモニタリング
※抗Ⅹa/トロンビン比⇒少ない程,血小板への影響が大きい
            ⇒出血の副作用多い


■ヘパリン類の種類
①未分画ヘパリン(ヘパリン®)
特徴
・安い
・抗Ⅹa:トロンビン=1:1
・プロタミンにより直ちに拮抗される
 ※プロタミン:ヘパリンと結合,安定化する
適応
DIC,血栓予防,体外循環
用法
・半減期0.5h~1h
持続点滴:600単位/hでオッケー
・急ぐとき(DVT→PEや新規のAF)は,3000-5000単位のボーラス投与
※ヘパリン誘発性血小板減少症に注意する

②低分子ヘパリン   LMWヘパリン;low molecular weight
 ダルテバリン(フラグミン®),エノキサパリン(クレキサン®)

特徴
ヘパリンより良い
・抗Ⅹa:トロンビン=2~5:1
適応
・フラグミン:DIC,体外循環
・クレキサン:DVT予防
用法
・半減期2~4時間
⇒フラグミン:75単位/kg/h持続点滴(DIC)
    クレキサン:2000単位皮下注(DVT予防)

③ダナパロイド(オルガラン®)
特徴
・抗Ⅹa:トロンビン=22:1
適応
DIC
用法
・半減期20時間⇒1250単位を2回/dayで静注
           ⇒24時間拘束しなくてよい

④フォンダバリヌクス(アリクストラ®)
特徴
・抗Ⅹa:トロンビン=7400:1
・プロタミンにより拮抗されない
適応
術後静脈血栓塞栓症予防
用法
・半減期17時間⇒1.5~2.5mgを一回皮下注


参照 金沢大学HP,UpToDate

★アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損は,重症複合免疫不全症(SCID)の原因の14%であり,最も多い.

ADA:アデノシン→イノシンの酵素(プリンヌクレオチド分解の回路)
⇒ADA欠損でアデノシン蓄積
⇒細胞のキナーゼにより,リボヌクレオチド型・デオキシリボヌクレオチド型へ変換
⇒dATPが上昇
⇒リボヌクレチドレダクターゼが阻害
⇒DNA合成停止,分裂できない

※ADAは全ての細胞の細胞質に発現しているが,ヒトではリンパ球においてその活性が高い
⇒リンパ球が分裂できない
T・B細胞免疫不全
 

参照:リッピンコット生化学
※間埋めたい 

★ALAシンターゼの合成が促進され,ポルフィリンがたまるので起こる!

●急性間欠性ポルフィリン症(AIP)
・ヒドロキシメチルビランシンターゼ欠損
=ヘム合成の欠損
δ-アミノレブリン酸(ALA)シンターゼ↑
⇒ALAと,ALAからの生成物であるポルホビリノーゲンが蓄積
⇒皮膚症状,腹痛,精神症状

●バルビツール酸,エタノールなど
⇒ミクロソームのシトクロムP450系により代謝される
⇒薬物に反応し,シトクロムP450蛋白の合成↑
⇒シトクロムP450の一成分であるヘムの消費↑
⇒肝でのヘム濃度↓
ALAシンターゼ合成↑
 (※ヘムはALAシンターゼ合成を抑制する)
⇒AIP増悪


参考:リッピンコット生化学

★活性酸素による組織の破壊が病態.


晩発性皮膚ポルフィリン症
・最もよくみられるポルフィリン症
・コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼの欠損
⇒ウロポルフィリノーゲンⅢが蓄積
ポルフィリン依存性酵素が活性化しやすい

➤この患者に太陽光が当たる
⇒ポルフィリン依存性酵素が活性化
活性酸素(フリーラジカル)を大量に産生
⇒①細胞膜を構成する脂肪酸を酸化
  ⇒過酸化脂質を形成
  ⇒細胞膜破壊
  ②リソソームから破壊的な酵素を放出
    ⇒細胞破壊
⇒皮膚光線過敏症 

★様々な要因があり,特に異型輸血後ではそうなる.

■オモテ試験
・検査する人の血球と,抗A,B抗体を反応させる

●血球の中に抗原がないのに(+)
①自己抗体により感作されている
②汎血球凝集反応
③異型輸血後
 ⇒もとの血球と輸血した血球の型をもつ

●血球の中に抗原がないのに(-)
①白血病,他の癌
 ⇒抗原が弱くなる
②血球の膜異常


■ウラ試験
・検査する人の血清と,A,B抗原を反応させる

●血清の中に抗体がないのに(+)
不規則抗体
 ⇒抗E抗体など.
※抗A,抗B抗体は「規則抗体(自然抗体)」と呼ばれる
A,B抗原以外の赤血球抗原に対する抗体を「不規則抗体」という
②新生児
 ⇒母親由来の抗体が残存

●血清の中に抗体がないのに(-)
①高齢者
②低,無ガンマグロブリン血症


■不適合輸血

ABO不適合は重篤である
…A,B抗原は100万個の分子が関与している
⇒不適合
血管内で抗原抗体反応,補体活性化
⇒血管内溶血を起こすため

不規則抗体による不適合
⇒赤血球に同種抗体,補体が結合
脾臓,肝臓の網内系へ
⇒蛋白を特異的に認識するFc,補体レセプターをもつ貪食細胞により破壊
 =血管外溶血

不規則抗体である抗JKa抗体は補体結合性のため,血管内溶血となる


参照 日内誌
2013/11/9更新 

★それぞれ理由がある。

①赤沈
クエン酸Naを用いる.
…クエン酸Naは液状で使いやすい.

②凝固
クエン酸Naを用いる▶︎測定開始時にCaを添加する
クエン酸NaはCaと塩を形成する
⇒Caは凝固に必要である;「プロトロンビン⇒トロンビン」
※EDTAもCaをキレートするが,用いない
⇒凝固のポイントが分かりづらい+十分に検討されていない

③血算
EDTA・2Kを用いる
⇒EDTAは赤血球,血小板の膜を保護する
クエン酸は血球容積が変化するため用いない
※ヘパリンは血小板の非特異的凝集を起こす可能性があるため,用いない

④動脈血ガス
ヘパリンを用いる
※EDTAやクエン酸はpHを変化させるため用いない.

⑤血糖
NaF入りEDTAを用いる
⇒NaFに解糖防止作用があるため
⇒NaF単独では溶血が起こりやすいため,EDTAを付加する

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