知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

薬剤

★2つの説があり,実際に寄与する程度は不明.

◎これも実臨床ではあまり実感しません。臨床ではナトリウム利尿により低ナトリウムとなること、BUNやCreが上昇しやすいとよく感じます。
・関係ないですが、プライマリケアで降圧薬としてサイアザイドは高塩分摂取患者に特に効果があります。一方、心不全のvolume controlとしてサイアザイドは中々使いづらいです。


◆サイアザイドの作用機転
遠位尿細管のNa/Clチャネル(管腔側)を阻害
ナトリウム利尿
⇒集合管でのNa再吸収↑,つられてK・H分泌↑
⇒低K,アルカローシス

◆高Ca血症の機序(仮説)
①遠位尿細管でNaCl再吸収抑制
循環血漿量↓
⇒近位尿細管でのNa吸収↑
つられてCa再吸収↑
※いまいちな説明です。

②NaCl再吸収抑制
⇒尿管腔Na濃度↑
⇒遠位尿細管において,
 ・CaチャネルによりCa再吸収↑(陽性イオンの勾配による)
 ・Na/Ca逆輸送チャネル(血管側)により,Naを細胞内に,Caを細胞外(血管)に
⇒Ca濃度↑


参照 UpToDateなど

★キニン類が蓄積するため。

◎基本的な事ですが、意外に知られていないのでまとめました。

ミニUSB加湿器カー空気清浄機空気加湿器かわいい加湿器300ml

 ・ACE阻害薬の空咳は、加湿器は効きません。
 ▶︎体内のブラジキニンによる気管支刺激だからです。


■作用機序
①ACE阻害薬
・「Ang(アンジオテンシン)Ⅰ⇒AngⅡ」を阻害
⇒AngⅡ↓
AT1,AT2受容体の両方との結合↓

・「キニン→不活性物質」を阻害(ACEはキニナーゼとも呼ばれます)
キニン↑
⇒「キニン→ブラジキニン」(側副路)
ブラジキニン↑

②ARB
・AngⅡ受容体のうち,AT1受容体を阻害
⇒AngⅡ↑

AT2受容体は刺激されます!
⇒AngⅡ受容体
AT1受容体血管収縮、アルドステロン分泌→ 血圧上昇
間質細胞増殖、心筋細胞肥大→ 心肥大
AT2受容体血管拡張→ 血圧低下
間質細胞増殖抑制、心筋細胞肥大抑制→ 心肥大抑制


■ACE阻害薬の作用

1:低血圧
 RAS系の阻害によります。

2:腎機能低下
 腎動脈狭窄,高血圧性腎症,心不全,慢性腎不全,多嚢胞腎の場合
 ⇒流入血流量が少ないです
 ⇒AngⅡによる輸出細動脈収縮で濾過量維持しています
 ⇒AngⅡの反応↓で濾過量↓
 ⇒腎機能障害

※ACEが減ることで、でAngⅡは急に低下します
しかし、Creは2.3日で上昇です
⇒ACE阻害薬開始後3.5日で腎機能チェックすべき、ということです
⇒また、6~8週以内でCre・Kの上昇抑えられない場合,中止すべきです。
  
※ただ、両側腎動脈狭窄,血管内脱水がなければ,中止になることは稀です.
(そうでないとここまで広まっていません)


3:カリウム上昇
 RAAS系↓によるアルドステロン↓,又は腎機能障害によります。

4:空咳
 ブラジキニンが気管支のC繊維受容体を刺激、空咳を生じます

※ただ特定の患者にしか生じないため、遺伝要因の関与が考えられています。

5:血管性浮腫
 ブラジキニン↑,サブスタンスP↑,Des-Arg9-BK(ブラジキニンの代謝物)↑
 ⇒血管拡張,血管透過性↑による
 ⇒血管拡張
 

■ARBの副作用
1~3は同じ
4:空咳は生じにくいとされる(ブラジキニン増えないため)
 ⇒ただしゼロではないらしいです
 (経験したことはあまりないですが)
5:血管性浮腫
 機序は不明.キニン以外の物質が関与しているとされます。



・歴史的に、海外はACE阻害薬から使われてきてエビデンスがあるため、よく使われています。

・心筋梗塞後のリモデリング予防の際などではACE阻害薬のARBに対する優位性はありません。


参照 J Am Coll Cardiol. 2015 Mar 17;65(10):1029-41.

★詳細は不明だが、利尿作用↑にGFR↑が必要だと考えられている。

◎ANPに関しては新薬開発が進んでいます。ただ現状、ハンプが効果的なのは特にCS1の場合で、CS1はハンプなしでも管理可能なことが多いです。


■ANPの作用
①血管拡張⇒血圧↓

②Na利尿作用

●基本的にNa、水を排泄する方向へ作用する
・髄質の集合管においてNa再吸収を阻害
近位尿細管でのNa再吸収を阻害
 …尿細管の静水圧↑、局所でのドパミン放出による
⇒まず集合管に作用;ここでのNa排泄は軽度
血管内水分量↑によりGFR↑が進むと、近位尿細管にも作用
ANPによるNa排泄は、GFR↑が必要
…心不全への対応ということ。この点において、利尿が生理的といえる。

ANPの血管拡張作用によりGFR↑となるが、腎血流量はほぼ変わらない
…輸入細動脈拡張+輸出細動脈収縮となっているかも

・その他、レニン放出↓、アルドステロン分泌↓、アンギオテンシンⅡによるNa再吸収とアルドステロン分泌↓、集合管のADHへの反応↓など
volume↑によるRAAS系↓は、一部ANPによっている


■生理的意義

腎動脈圧↓によりANPによる利尿作用がかなり悪くなる
ラシックスはほとんど影響を受けない
・心不全や肝硬変だとANP高いが、腎動脈圧が低いとNa利尿作用は低い
ANPは血圧を下げるが、腎動脈圧が下がるとNa排泄作用は悪くなる
⇒生理的意義はよくわかっていない
※但し、これにより利尿が生理的となっている

・しかし、ANPの作用は全体からすれば小さい
…血圧変動の方が作用が大きい 



参照 UpToDate, Guyton生理学(最高の生理学教科書)

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)

★効く薬は決まっていて、それを少量からゆっくり漸増する。

◎当たり前ですが、急に始めると心不全になります。


■β blockerの効果 
・特にACE阻害薬と併用すると、左室リモデリング改善、症状改善、入院率低下、予後改善
・メトプロロール(セロケン):死亡率を34%下げる(MERIT-HF study)
・ビソプロロール(メインテート):死亡率を32%, 入院率を30%下げる(CIBIS Ⅱ study)
・カルベジロール(アーチスト):死亡率/入院率を下げる(様々なstudy)
他のβ遮断薬(プロプラノロールなど)は、予後を悪くするか変えない


■β blockerの使い方

利尿薬の量を調整する
⇒少量から始め、漸増する
ゆっくり(2週間以上かけて)増量する
 …交感神経サポートがなくなるため、体液貯留して心不全増悪する危険性あるため

増悪する場合、開始/増量して3-5日でわかってくる
⇒この場合、利尿薬増量して対応する
※普通ACE阻害薬と併用し、この場合ACE阻害薬は少量で良いとされる
(β遮断薬は多い方が良いかは不明)

 

参照 Brawnwald(一度は読みましょう)

Braunwald's Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 2-Volume Set, 11e

★交感神経↑が悪く、それを抑制するため。

◎これも基本。交感神経と心不全の悪循環。


■心不全⇒交感神経亢進
動脈/心肺の圧受容体反射の抑制が低下
 …通常は、内頸動脈/大動脈弓の圧上昇、心肺の機械受容体の圧低下によって交感神経が抑制され、
  末梢の化学受容体と筋の代謝受容体(末梢循環が悪いと)交感神経が興奮する
交感神経↑、副交感神経↓


■交感神経活性化は悪

・交感神経↑
⇒交感神経終末からのノルアドレナリン(NE)放出上昇により血中へNE漏れ出る
 +NE再取り込み低下
血中NE濃度↑
⇒心臓のNE取り込み量↑
β1刺激:心拍数↑、心収縮力↑
 α1刺激:末梢血管収縮、心収縮力↑
⇒①心筋酸素需要↑、虚血増悪、肥大
 ②催不整脈
 ③RAAS系亢進

・副交感神経不活性化
⇒NO↓、炎症↑、リモデリング↑



参照 Brawnwald

Braunwald's Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 2-Volume Set, 11e

★皆に、少量から使う。

◎使わないのは悪。咳の場合はARBに。


■ACEiの効果
・無症候性心不全が、症候性となる/入院となる のを予防する (SOLVD, SAVE, TRACE study)
・症候性/MI後心不全の死亡率を減らす (CONSENSUS Ⅰ study)
基本的に全員に使った方が良い
 …副作用で使えない場合を除く


■ACEiの使い方

・利尿薬の量を調整
低容量から導入
3-5日に2倍程度で増量
多ければ多い程、再入院率を減らす(普通β遮断薬と併用し、その場合低容量でも大丈夫
⇒1-2週間後、血圧、腎機能、Kをチェック
 …低血圧、高BUNは許容。めまい、Cre上昇ある場合は漸減を検討。咳がつらい時も。
 ※参照:ACE阻害薬とARBは違うの? ★副作用の機序も
⇒中止するときは徐々に減らす


※ただし、どのくらい効いているのか、手応えみたいなものはわかりにくい薬剤です。



参照 Brawnwald(これさえ読めばOK)

Braunwald's Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 2-Volume Set, 11e

★RAAS系亢進が悪だから。

◎基本事項。心不全とRASS系亢進の悪循環の機序を理解しましょう。


■心不全⇒RAAS系亢進
・心不全
交感神経↑腎血流↓遠位尿細管の緻密斑へ届くNa↓
JG細胞からレニンが放出
⇒肝で合成されたアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠへ変換
⇒ACEによりアンギオテンシンⅡへ変換
アンギオテンシンⅡが2種類のAT受容体へ結合
…AT1:血管収縮、細胞成長促進、アルドステロン/カテコラミン分泌
 AT2:血管拡張、細胞成長抑制、Na利尿、ブラジキニン分泌
※血管にはAT1受容体がほとんど、心筋にはAT2が2:1で多く分布


■RAAS系亢進⇒心不全増悪

アンギオテンシンⅡが持続的に発現
心筋/腎臓の繊維化、交感神経からノルアドレナリン放出、副腎からアルドステロン分泌

アルドステロンが持続的に発現
血管と心筋の肥大/繊維化内皮機能障害、化学受容体機能障害、NE取り込み阻害
⇒これら全てが心不全に悪影響を与える


※アンギオテンシンⅡ、アルドステロンの生理的意義
一時的に発現することで、体液量を保って循環サポートすること
持続的発現が悪いため、ACE阻害薬で抑えると良い




参照 Brawnwald(循環器の教科書、これさえ読めばOK)

Braunwald's Heart Disease: A Textbook of Cardiovascular Medicine, 2-Volume Set, 11e


★推奨される.

◎ルーチンで出しがちな指示についての考察です。

■解熱の適応
・基本的に熱を下げるのに問題はありません
 ⇒熱自体が感染からの回復・免疫力向上に効果がある,という研究はないのです!
 +末梢のPGE2産生は免疫低下作用有り(NSAIDsはこれを抑制できるため、よい)

・熱を下げると,他の症状も改善します
 …倦怠感,関節痛,頭痛など
⇒高熱による神経障害も軽減できます
⇒よって、基本的に解熱はすべきです。

・ただし,熱型が診断に有用な場合を除く
⇒実際に臨床で有用なのは
 …熱の日内変動が小さい→チフス,粟状結核
   比較的除脈→チフス,ブルセラ,レプトスピラ症,薬剤熱,結核
   ○日ごと→マラリア,周期性好中球減少症
など。
(入院中にこれらを手がかりとすることは、あまりありませんが)


■発熱のメカニズム
・細胞膜からアラキドン酸放出
⇒アラキドン酸カスケード↑
COXによるPGE2産生
⇒視床下部のセットポイント上昇
⇒発熱


■解熱薬のメカニズム
●NSAIDs:
 ⇒COXを阻害する

●アセトアミノフェン:
 ⇒脳内のp450シトクローム系により酸化される
 ⇒その酸化物がCOXを抑制
 …だから末梢での抗炎症作用はありません

●ステロイド:
 ①ホスホリパーゼA2を抑制
  ⇒アラキドン酸の細胞膜からの放出を抑制
 ②発熱に関わるサイトカインのmRNA転写を抑制


■基本的な解熱の考え方

①まずセットポイントを下げる=アセトアミノフェンを用いる
②次に熱の損失を促す=クーリング

クーリングの特徴(特に熱中症の場合)
・熱の放散により,体温を下げる事が出来る
・クーリングブランケットが有用
⇒しかし,過剰な血管収縮を促し,逆に熱の放散を妨げるおそれ
体表面の温度が30℃以下になるとシバリングを誘発
熱を上げてしまう!


参照 UpToDate,ICU book 

★マグネシウム→アミティーザ→刺激性下剤頓用。食物繊維と運動とプロバイオティクス。

◎刺激性下剤の頻用は、ハウストラの消失をまねき、刺激性下剤への耐性が進みます。すでに定期的に飲んでいる人は、回数を減らしていきましょう。

寿命の9割は「便」で決まる (SB新書) [ 中島 淳 ]


横浜市立の教授の本。臨床医は一読をおすすめします。


■便秘の分類
1) 弛緩性
・腸が動かない
治療:機械性下剤⇒上皮機能変容薬⇒大腸刺激性下剤

2) 痙攣性

・副交感神経過緊張⇒大腸壁の緊張増加,蠕動運動亢進
IBSでみられ,便が兎糞状になります。
治療:機械製下剤 or 上皮機能変容薬⇒過敏性腸症候群治療薬 or 副交感神経遮断薬
※大腸刺激性下剤は禁忌です。

3) 直腸性
直腸肛門反射の低下
治療:バイオフィードバック療法
※便意があっても排便しない,という生活習慣が原因です。


■便秘薬詳細
<機械性下剤>

酸化Mg、マグミット
・日本ではマグネシウム製剤一択でしょう。海外では薬価の違いから、他の選択肢が出てくるそうです。
 便秘の第一選択薬です。

機序:
・胃内酸性下で塩化マグネシウムとなり、腸管内で炭酸水素マグネシウムとなる
⇒腸管内の浸透圧を上げ、水を引き寄せる
⇒腸内容量増大による腸運動↑ + 腸内容物の軟化
⇒排便促す

※内服なので,効果がでるのに時間かかります。また、多めの水で服用するのが大事です。
PPI内服していると、胃内酸性が緩和されるため、効果がでません


※PPI以外にも、併用に注意する!
他の薬物を吸着,キレート形成して難溶性となります
=小腸から吸収されにくくなる
⇒テトラサイクリン,ニューキノロン,ビスホスホネート,ジギタリス,鉄剤,アレジオンなど

陽イオン交換樹脂に吸着される
⇒ケイキサレート,アーガメートのK吸着作用が低下

制酸作用により胃内pHが上昇する
⇒カルシウム製剤からCaが離脱しにくくなります


<腸管上皮機能変容薬>
アミティーザ、リンゼス(IBSのみ)

機序:
・小腸のクロライドチャネルを局所活性化
⇒腸管内への腸液分泌を促進
⇒腸内容量増大による腸運動↑ + 腸内容物の軟化

※これが出てきたため、治療の選択肢が増えました。安全に使えるので、酸化マグネシウムの次に使える薬です。
・分2の内服で、容量も12μgと24μgの2種類があるので、調整の幅があります。

腸管上皮機能改善作用があると言われています
⇒腸管上皮機能は加齢とともに低下していきます。これも、アミティーザ使用する根拠となります。


<大腸刺激性下剤>
・非常に有効ですが、耐性が付きます。必ず頓用で使い、量は減らしていくべきです。

センナ関連薬:プルゼニド、アローゼン
機序:
・腸内細菌によりレインアンスロンとなる
⇒これが腸管運動を刺激
※8~12時間で効くので,翌朝の効果を期待して就寝前に服用させます。


ラキソベロン
機序:
・大腸細菌叢で加水分解
⇒ジフェノール体(一部が吸収され,グルクロン酸抱合)
⇒これが腸管刺激します
※習慣性が少なく,安全性が高いと言われていますが、これも耐性化し、どんどん必要量が増えます。


<坐薬,浣腸>
グリセリン浣腸
・直腸刺激し,すぐ排便
⇒直腸に便が近い時,より有用
 1回10~150mLを注入
 ・左側臥位で,1回に30-120mlで10秒で30mlの速さで注入します

※グリセリンが損傷部位から血液中に吸収されると腎不全を起こし得ます。
⇒直腸診で確認+チューブ先端が直腸前壁に当たらないよう注意


<漢方>
大建中湯
虚証(虚弱)、寒証(冷え)に適応
※イレウスの再発予防に,特に効果的
 15g 分2~3回 食前又は食間 経口


参照 頻用薬の使い分け、講演会等

★コルチゾール作用,アルドステロン作用の力価が違う.

◎臨床用のメモです。

■ステロイドの種類・特徴

一般名

商品名

コルチゾール作用

アルドステロン作用

半減期

ヒドロコルチゾン類
(コルチゾール) 

ソル・コーテフ

1

1

1.2h

プレドニゾロン類

プレドニン

4

0.8

2.5h

メチルプレドニゾロン類

ソル・メドロール

5

ほぼ0

3h

デキサメタゾン類

デカドロン

30

0

6h

ベタメタゾン類

リンデロン


※ヒドロコルチゾン=コルチゾールの力価を1としています。


■内服ステロイドの使い方
プレドニゾロン換算で,投与量を決定します。
 ・大量=40mg/day以上
 ・中等量=20-39mg/day
 ・少量=19mg/day以下

※生理的なコルチゾール分泌
…正常時は,プレドニゾロン換算で3-5mg/dayです。
…ストレス下では,プレドニゾロン換算で80mg程度となります。
 ⇒手術時などの投与量の参考になります。

●投与法
分けた方が効きますが,副作用が多くなります
 …副腎抑制する時間が長くなるためです。
⇒よって、以下の用に使い分けます
 抗炎症効果狙い:分3-4(血管炎など)
 自己免疫是正狙い:分1(重症筋無力症など)


■注射ステロイドの使い方
半減期の短い,ソルコーテフが使いやすいです

●ステロイドは水に溶けないので,コハク酸エステルとしています。
 …ソルコーテフ,水溶性プレドニン
アスピリン喘息の患者は,コハク酸塩で悪化することがあります!!!
⇒リンデロン4-8mg静注で対応

パルス療法
・メチルプレドニンが生成され,アルドステロン作用がほぼないことから,実施できるようになりました
 …1000mg/dayを3日間
⇒大量ステロイド療法と比べ優れているというエビデンスに乏しいですが、よく使われます。


参照 ステロイドの使い方のコツ

改訂第3版ステロイドの選び方・使い方ハンドブック

★Kチャネルの不活性化による.

◎これも知っている人は、循環器内科医でも少ないです。

循環器治療薬ファイル -薬物治療のセンスを身につける- 第2版


 最高の本です。


ATP(アデノシン3リン酸)
・脱リン酸化され,アデノシンとして作用
⇒A1受容体に結合
Gi蛋白と結合
⇒アデニル酸シクラーゼを抑制
⇒cAMP産生↓
 ※参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/26318056.html
Ach感受性Kチャネル開口(外向き)
細胞内からK+出て行き,過分極となります
 ※このKチャネルは刺激伝導系には分布するが,心室筋細胞には分布しません
  ⇒ATPもAchも,心室筋細胞の電気活動には影響しません
⇒脱分極しにくくなり,房室結節の伝導が抑えられる

半減期が10秒と短いため,PSVTの治療に用いられます(アデホスL)
⇒投与する速さが重要です(急速静注する) 


参照 
 循環器治療薬ファイル
 G蛋白による心筋細胞Kチャンネルの調節機構 : アセチルコリンとアデノシンによるカリウムコンダクタンス増加の基礎と臨床 : 心筋細胞膜電流系の細胞内調節機転の異常 : 第56回日本循環器学会学術集会 

★プリン体摂取はそれほど重要でない!

◎ビールが有名ですが、なぜ尿酸があがるかを理解している人は少ないです。

キリン 淡麗プラチナダブル [ 350ml×24本 ]


■ビール
・最も大きな影響をもつ機序
⇒「エタノール→アセトアルデヒド→アセテート→乳酸
乳酸は尿酸排泄抑制
 ※細胞内乳酸↑
  ⇒乳酸排泄したい
  ⇒URAT1(urate/organic anion exchanger: 尿酸/有機酸交換輸送体)の活性↑
  ⇒尿酸の再吸収↑
⇒尿酸↑

・しかし、プリン体含有量はビール3本で100mg程度
⇒1日のプリン体産生量は700mg程度で,400mg以上摂取しなければ良いとされます
⇒ビールに含まれるプリン体の量はそれほど気にしなくて良いのです


■利尿薬
①直接作用
・サイアザイド
⇒血管から近位尿細管の細胞に入る(OAT1:有機酸輸送体を介す)
⇒尿管腔へ排泄される(OAT4:尿酸/有機酸交換輸送体を介す)
⇒交換されて尿酸吸収↑
⇒尿酸↑

サイアザイドは尿管腔側のNa/Hチャネルの発現↑
⇒Na吸収,H排泄
OAT4はpH依存性
⇒OAT4活性↑


②間接作用
・利尿薬,Na制限
血管内脱水
⇒尿酸再吸収↑
⇒尿酸↑

※このメカニズムは詳細不明です
・仮説1:近位尿細管Na/Hチャネル↑⇒尿酸/H交換↑
・仮説2:Na再吸収により尿酸/H交換↑,尿酸/有機酸交換↑


参照 UpToDate,日本内科学会100周年記念講演 

★はっきりと区別できない。

◎定義を知っておきましょう。

自信がもてる! せん妄診療はじめの一歩~誰も教えてくれなかった対応と処方のコツ

 よくまとまっています。



■せん妄と不穏
●せん妄(delirium)

・以下4つの特徴を呈する状態です。
意識障害、集中できなくなる
②認知症で説明のつかない認知機能障害
数時間〜数日しか持続しない、日内変動する
何らかの原因がある
活動性低下や亢進、交感神経↑、感情の障害(うつ、恐れなど)を伴う(必須ではない)

●不穏(confusional states)

…思考のスピード,鮮明さ,一貫性が障害された状態です。

せん妄は、特別なタイプの不穏と考えられる
普通せん妄は、不眠、自律神経活動↑、精神活動↑を伴うからです
 …具体的には、興奮、振戦、幻覚など
※但し、この2つをはっきり区別する定義はありません。


■病態
●複雑で,はっきりと解明されていません。(ベースの疾患の影響を除外できないため)
 以下は関与するであろう病態の一部です。
①神経系
上行性網様体賦活系(ARAS)の障害;覚醒,注意に関わる
非優位頭頂葉,前頭葉の障害;思考の統合の障害
・皮質の障害

②神経伝達物質,ホルモン

アセチルコリン
CNSでの濃度が下がると、せん妄が悪化、発症します
…低酸素、低血糖、チアミン欠損、アルツハイマー患者での研究によります
⇒抗コリン薬はリスクとなります
※但し、ChE阻害薬は治療に使われない⇒死亡率が上昇したためです。

・他:エンドルフィン,セロトニン,ノルアドレナリン,GABAなど関与
・炎症性サイトカインも関与しています:敗血症など


参照 今日の治療薬,UpToDate, DSM-Ⅳ

★ステロイドによる白血球の遊走障害が重要.

改訂第3版ステロイドの選び方・使い方ハンドブック



◎AIDSの反対なので一見矛盾してそうですが、違う機序です。

■ステロイドの細胞内への作用
・白血球,血管内皮細胞の接着因子(インテグリンなど)の発現を抑制します
白血球が血管外へ行けない!
感染,損傷の現場へ行けない遊走の抑制
⇒炎症が起きない,易感染性

・より詳細は、
核内のglucocorticoid responsive elements (GRE) へ結合
⇒炎症性サイトカインの転写を抑制
 =産生抑制
炎症性サイトカインは接着因子の発現をup regulate
⇒接着↓


■免疫系への作用
好中球を骨髄から動員する+アポトーシスを抑制
⇒好中球増多
※好中球の機能にはあまり影響しないのです
=易感染性は,遊走抑制の要素が大きいです。

他、
・樹状細胞のアポトーシスを誘導
・T細胞のアポトーシスを誘導+分化を障害(IL-2シグナリングを抑制)
⇒獲得免疫抑制
※B細胞への影響は少ない


●ステロイドの易感染性の効果はdose-dependentです。
●ステロイド長期投与により,リスクは上昇します。
●原疾患や個人(年齢など)の影響が大きいです。
●ステロイドを隔日投与とすることで,リスクを減らせます。

 
参照 UpToDate 

★基本リンゲル.

◎生理食塩水は多量投与すると代謝性アシドーシスを起こします。それを回避するため、開発されたのがリンゲル液です。


■生理食塩水
●0.9%NaClのことです。これは以下の特徴があります。

血漿より高張です(浸透圧:290 vs. 308) 
1000ml投与で1100ml分となります
…これが血管内:間質=1:3で分布
⇒つまり1000ml投与で、血管内に275ml分布します。

間質にナトリウムが貯留します
浮腫の原因となります
…これはリンゲル液より著明です

大量投与でアシドーシス起こします
この説明は以下の通りです。

SID(strong ion defference):細胞外液中の,強酸・強塩基の差です
 …血漿[Na]-血漿[Cl] と等しい(他に強いイオンがないため)

・水からH+とOH-が電離する
SID+[H+]-[OH-]=0
 [OH-]≒0より
   SID+[H+]=0
血漿SID=140-103≒40

・以上が前提です
⇒これに0.9%生食(SID=0)を大量に入れます
⇒血漿SID↓
⇒血漿[H+]↑ 
⇒アシドーシス
ということです。


■○○リンゲル液
アシドーシスに対応するため,生食に変わり,乳酸リンゲル(ハルトマン液)が開発されました.
乳酸は肝で代謝されます
⇒肝不全では、やはり大量投与でアシドーシスとなってしまいます。

肝不全でも使えるよう,酢酸リンゲルが開発されました.
⇒さらに体液に近い組成としたものが重炭酸リンゲル液です。

・○○リンゲル液:Na130,Cl109,K4,Ca3,有機酸28を含みます(Caはイオン化Ca[mEq/l])
有機酸はHCO3-に代謝されます
 (肝で,クエン酸回路による)
⇒一方、血漿:Na140,Cl103,K4,Ca4,HCO3 25です
⇒よって、生食より生理的で,アシドーシスきたしません。


※乳酸リンゲルで,乳酸アシドーシスは来さないのか?
これは当然の疑問ですが、健康人はおこしません.
理由は、
・乳酸クリアランスが0の患者(ありえませんが)に,1リットルの乳酸リンゲルを静注したとします。
⇒乳酸が4.6mM/l上昇します。
⇒この程度なので,実際に乳酸アシドーシスで困るほど乳酸値は上昇しません。

・リンゲル液はイオン化Ca含みます
⇒輸血中のクエン酸に反応し,凝固起こしえます
⇒なので、「輸血中にメインをどうするのか」問題が病棟で発生するのです。
※ただし投与時間によります(参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/31289235.html


■細胞外液の使い分け(例)
①何もなければ,○○リンゲル液
減っているものを補うという意味で
 嘔吐=HCl喪失:生理食塩水
   下痢=HCO3喪失:○○リンゲル液
③乳酸アシドーシス
 ⇒酢酸リンゲルか,重炭酸リンゲル
④高Ca血症による脱水
 ⇒生理食塩水(Ca入っていないため)
⑤腎不全時
 ⇒生理食塩水(K入っていないため)


参照 ICU Book

ICUブック 第4版


名著。

★だめ.

◎これも勘違いしている看護師さん、多いです。

【第2類医薬品】ボルタレンEXテープ 14枚×2個パック(セルフメディケーション税制対象)


 市販のボルタレンは外用薬のみ。


■NSAIDsで胃粘膜障害が生じる機序
直接障害の機序
 ほとんどのNSAIDsは酸性
⇒胃の中ではイオン化しません
胃粘膜を通過できます
⇒粘膜内は中性なのでイオン化し,そこでトラップ
⇒上皮細胞を傷害しえます。

◎但し,実際の胃潰瘍発生というエンドポイントで考えると,この影響は少ないのです!
COX-1阻害によるPG産生阻害が大きいです。
⇒薬剤は血中より胃粘膜に移行するため,坐薬でも潰瘍になるのです。

※COX1阻害によりPG阻害されることによる影響は以下の通りです。
胃粘膜保護(PGE2,PGI2),血小板凝集抑制(PGI2),腎血流増加(PGE2)


■エビデンス(胃潰瘍出現率)
・ボルタレン発売会社の調査⇒ボルタレン錠6.63%,ボルタレンサポ0.83%
 (バイアスです)
・日本リウマチ財団⇒経口NSAIDs13.7%,坐薬NSAIDs18.8%
⇒実際は,坐薬と経口でほとんど差がないです。

※ちなみに,COX-2選択阻害薬でもCOX-1阻害作用が少ないながら存在します
⇒セレコックスでも、潰瘍形成リスクはあります。


参照 UpToDate,ボルタレン®HP

★造影CTの時は相対禁忌.

◎緊急の場合、特に急性心筋梗塞の場合はリスクベネフィットを勘案して造影剤を使いますが、何か起きることはほとんどありません。機序は生化学です。

超実践知っておきたい造影剤の副作用ハンドブック改訂版 [ 桑鶴良平 ]




■ピグアナイド系降血糖薬、造影剤との関連

ビグアナイド系メトホルミン:メトグルコ,メルビン)
⇒肝臓の糖新生を阻害することで血糖↓
「ピルビン酸→グルコース」の阻害
「ピルビン酸⇔乳酸」より乳酸↑

◎ビグアナイドは腎から排泄される
ヨードは一過性に腎機能を低下させる
(だから腎不全に造影は禁忌)
⇒ビグアナイド濃度↑
⇒乳酸濃度上昇
乳酸アシドーシス


■乳酸アシドーシスを起こしやすい状態

①循環不全、低酸素血症
 ⇒嫌気性代謝↑
 ⇒乳酸産生↑
アルコール摂取多い
 ⇒NAD+消費
 ⇒「ピルビン酸→乳酸」↑
肝機能障害
 ⇒乳酸代謝↓
腎機能障害
 ⇒メトホルミン排泄遅延(上述)

※これら危険因子を持つ患者にメトホルミンを処方すること自体注意する;造影剤使用とも限らない

●但し乳酸アシドーシス発症は、リスク因子+急性危険因子が必要
⇒しかも非常にまれで、因果関係も証明されていない
⇒ただ症例報告として有名で、機序も想像しやすいので、禁忌となっているというのが現状。

 
参照 メトグルコの適正使用のために

★抗血小板薬の血小板への作用機序の違い。

巨大微生物 - 血小板(血小板)教育用ぬいぐるみ【楽天海外直送】 - Giant Microbes - Platelet (Thrombocyte) Educational Plush Toy


 またでました。


■血小板凝集の機序

<一次凝集>
血小板が血管にくっつくことです。

内皮障害が生じた時
⇒血管のコラーゲン露出
コラーゲンに血漿中のvWFが結合
このvWFに,GPⅠbを介し,血小板が結合


<二次凝集>
一次凝集に引き続き,凝集が拡大していくことです。

血管にくっついた血小板
GPⅡb/Ⅲa活性化
↓  
①血小板細胞内の血小板凝集惹起物質(ADPなど)放出
 ⇒ADPが,他の多くの血小板のADP受容体P2Y12に結合
 ⇒PI3Kカスケード活性化アデニル酸シクラーゼ抑制を介し,血小板凝集
 ⇒血小板たくさん凝集
   
②血小板膜リン脂質よりアラキドン酸が切り出される
 ⇒COX1によりTXA2産生
   
③血小板表面にGPⅡb/Ⅲa発現
 


■抗血小板薬

①アスピリン(バイアスピリン®)
機序
・参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/25863954.html
特徴
・昔ながらの抗血小板薬.安く,脳梗塞再発予防のエビデンスあり.
効果がなくなるまで
・10-14日間:作用した血小板の寿命が尽きるまで、ということ.


②クロピドグレル(プラビックス®)
機序
肝臓のCYP2C19で代謝され活性化

①血小板膜上のADP受容体P2Y12に結合,不活性化
 ⇒GPⅡb/Ⅲa活性化を阻害
アデニル酸シクラーゼ活性阻害を抑制
 ⇒血小板内へのCa流入を抑制,Ca濃度↓
⇒血小板凝集抑制 
特徴
チクロピジン(バナルジン®)の改良版
・薬価が高かったですが、ジェネリックが出ました。
・CYP2C19の活性が弱い=プラビックス効きにくい人が割といる(日本で20%)
 ⇒これを改良したのがエフィエント。
・10-14日間:作用した血小板の寿命が尽きるまでです.


③シロスタゾール(プレタール®)

機序
ホスホジエステラーゼ3(PDE3)の活性化阻害

①cyclic AMP濃度↑
 ⇒血小板内Ca濃度↓
 ⇒凝集抑制 
②cyclic GMP濃度↑ 
 ⇒血管拡張
特徴
血管拡張作用を併せ持ちます
 ⇒ラクナ梗塞に有用です(他の抗血小板薬はエビデンスなし)
・高率に,頭重感・動悸の副作用が発現する
効果がなくなるまで
・2-3日間です


④塩酸サルボグレラート(アンプラーグ®)

機序
セロトニン5-HT2受容体の拮抗薬
 ※セロトニンはこの受容体を介しIP3産生⇒Ca濃度↑⇒血小板凝集
効果がなくなるまで
・1日間
 ...これは、作用時間が12時間と短いからです.


参照 UpToDate,クロピドグレル販売会社

★心不全あるときは、β遮断薬でrate controlはじめるとよい。 

◎クリニカルに問題となるのは、頻脈性心房細動でlow EF、心不全をきたした場合です。low EFの心不全に関しては、利尿薬に反応しない場合DOBやNOAを用いるのがオーソドックスですが、カテコラミンを用いれば、もちろん頻脈は増悪します。答えはβ遮断薬で、以下の機序によりこの場合はcardiac outputが増えるためです。

発作ゼロ・再発ゼロをめざす「心房細動」治療 [ 桑原大志 ]


 最新の治療では、再発率はかなり低くなりました。手技も簡単になりました。


■Afの心拍出量への影響
①Afに対する心室の反応が速い
 (⇒持続すると頻脈性心筋症となります)
心室が十分に収縮できない
⇒よってcardiac outputが減少

心房キックがなくなる
拡張期に心室が十分に満たされない
⇒cardiac output減少

※atrial kickは、拍出量の20%近くに影響すると言われます
.....ただし、これはもちろんrate controlでは戻りません
 ⇒最近、心不全患者にカテーテルアブレーションによるrhythm controlをすることで予後が改善したという論文発表があります。これは、この修飾によるatrial kickが、特にlow EFの場合は重要であることを示唆しています。
➡️N Engl J Med. 2018 Feb 1;378(5):417-427



■Afにrate controlかrhythm controlか

・結論は出ていません。
 ...上で紹介した論文が、初めて生命予後に有意差がでた大規模臨床研究です。

・最近は、クライオアブレーションによるAFの治癒率が上昇したことから、積極的にリズムコントロールをすることが検討されます。
⇒元気な患者ならもちろん、心不全患者は特に適応となるでしょう。

・循環器内科医の感触は、やはりリズムコントロールに勝ることはないというものです。
⇒AFをほっておくと、心房がリモデリングし、心房機能の低下のみならず、弁輪拡大による僧帽弁逆流(MR)となります
⇒こうなってしまっては、リズムコントロールはほぼ不可能
⇒かつ、MRに対する手術が必要となってしまいます。

・ただ一方、やはりアブレーション後に心房頻拍を繰り返してしまう方はいます。
⇒こういう方は、心房細動という表現型の心房心筋症だ、という考え方があります。
⇒これに関しては、今後の研究が待たれます
(一方、心室心筋症にはβ遮断薬がリモデリング予防に繋がることから、β遮断薬を飲んだ方がよいのかもしれません)



■実際のrate control治療

第一選択はβ遮断薬
…特にメインテート(ビソプロロール)
…陰性変力作用あるので、low EFの場合は少量から始めます
 ⇒ただし、心不全急性期にも、上記機序から使います(最近はオノアクト)
これなしにrate controlはありえません。

・Ca拮抗薬(特にワソラン)
⇒有名ですが、陰性変力作用あり、low EFには使いにくいです。
⇒AFのみの健康な方で、リズムコントロールしていない方、もしくは発作性心房細動の発作時に使います。

・ジゴキシン
生命予後を短縮するため、長期の使用はだめです。
⇒しかし、入院中rapid AFの短期的使用は問題ありません(ivで使えます)。

・アミオダロン
⇒リズムコントロール用の薬剤ですが、rate controlにも使えます。
⇒アミオダロンは、EF低下時に唯一使える抗不整脈(βをのぞいて)と言って良いです。
⇒甲状腺機能、間質性肺炎に注意して使っていきます。

★循環血漿量減少による。

◎ボルタレンを処方すると血圧低下を気にする看護師さんがよくいますが、機序を理解すれば全然怖くない。

■NSAIDsによる解熱の作用機序
●まず、発熱の機序は以下の通り。
サイトカインや細菌・ウイルス自体が原因となり、
⇒視床下部の体温調節中枢でPG(プロスタグランジン)合成
サーモスタットの接点↑
 (防御機構です)
⇨よって自分の体内が高い熱の状態を維持しようとするのです。

●一方、NSAIDsの機序は以下の通り。
①NSAIDsはPG合成を阻害
サーモスタットの接点↓
これだけでは,体温が下がりません:36度が適切な体温だ、と体が認識しなおすだけ。

血管拡張作用があり、
熱放散により、体温が下がります。


■血圧低下の機序
・短時間作用型NSAIDs(特にボルタレン坐薬)

①解熱時に発汗
循環血漿量↓(★)
⇒血圧↓

血管拡張
⇒血圧↓

※なので、この機序による血圧低下に対しては、輸液をすれば是正されます
+かつ、時間たてば戻ります(熱も戻りますが)


③肛門に挿入の際,迷走神経反射
⇒低血圧

※これは全然ちがいますが、稀です。この時はアトロピン。


■NSAIDsにより腎障害に至る機序
・★により腎血流量↓
.....NSAIDsによる輸出/輸入細動脈拡張 
⇒腎血流量↓
⇒腎障害
となるのです。

特に、この合併症は脱水の患者に注意します。
 

参照 ボルタレンHP

★違う経路でアデニル酸シクラーゼ系の不活性化に拮抗するため。

◎救急では稀ですが重要な事項です。しかし、その機序の理解は少々複雑。グルカゴンもベータ遮断薬もcyclic AMPに作用する事が共通しています

イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)



 ↑このまとめは秀逸ですが、臨床しながら勉強することは難しい。


■cyclic AMP系で主に作用される細胞まとめ

  グルカゴン⇒肝,脂肪,膵ランゲルハンス
  β刺激⇒心筋,気管支平滑筋
  アデノシン(虚血で発現します)⇒血管平滑筋
  PGE2, PGI2⇒肥満細胞,血管内皮
  バソプレシン⇒尿細管細胞
⇒これらの膜受容体に結合します

※主な作用対象である事が重要。cAMPは共通しているので、他の細胞にも作用します。


・これらは結果的に,以下の変化に繋がります。
  グルカゴン⇒血糖↑(糖新生),脂肪分解↑,インスリン分泌↑
  β刺激⇒心筋収縮頻度↑,気管支拡張

  アデノシン⇒平滑筋弛緩⇒血管拡張(⇒腎血流↑⇒RAAS系↑⇒血圧↑)
  PGE2, PGI2⇒ヒスタミン遊離↓,血小板凝集↓
  バソプレシン⇒細胞増殖


■全て,以下の機序によります。
・細胞の膜受容体に結合
⇒隣にあるGsタンパク(α, β, γからなる)と相互作用
 ※GsタンパクはGDPを放出しGTPと結合
⇒Gsタンパクのαサブユニットが解離(活性化
⇒隣にある「不活性のアデニル酸シクラーゼ」を活性化する
⇒活性型アデニル酸シクラーゼはATPをcyclic AMP(cAMP)とする
⇒cAMPは,cAMP依存性プロテインキナーゼプロテインキナーゼA)を活性化
 ※詳しくは,プロテインキナーゼAのサブユニット(2つの内1つ)を解離させる


プロテインキナーゼAは,
あるタンパク質をリン酸化(=活性化)
 ※この蛋白質を,cAMP応答配列結合タンパク質CREB)という
⇒CREBは,cAMP応答配列CRE)に結合
⇒プロモーター内にCREを持った遺伝子の転写が亢進する
⇒肝:糖新生↑
   脂肪:脂肪分解↑


Na/Kポンプを活性化
⇒細胞内Na濃度↑,K濃度↓
⇒電位依存性Caチャネル開口
⇒Ca流出,細胞内Ca濃度↓
⇒膵:インスリン分泌
   血管平滑筋:弛緩=血管拡張
   心筋:収縮頻度↑


段階が進むごとにシグナルが増幅される
-数分子のホルモンが受容体に結合すると,多くのプロテインキナーゼ分子が活性化されます


β遮断薬中毒
 さて、本題です。
β受容体を介し,上の経路を遮断,プロテインキナーゼAを不活性化します。
⇒除脈,低血圧,時には低血糖
・膜安定化作用(Naチャネルを遮断する作用)ももつ
⇒心収縮力↓

これが効きすぎて,中毒になった場合
⇒グルカゴン投与します
⇒グルカゴンは,グルカゴン受容体を介して上の経路を亢進,プロテインキナーゼAを活性化
⇒心筋はグルカゴンのメインの標的ではないですが,ある程度筋にも作用します
⇒β遮断薬の影響を緩和することができます。


■多発性嚢胞腎
・線毛機能低下が病態の主軸です
...これはの機序は以下の組み合わせです。

細胞内Ca濃度低下
⇒negative feedback解除
cAMP↑

バソプレシンV2受容体の発現増加
⇒アデニル酸シクラーゼ活性↑
cAMP↑       

・よって,バソプレシン受容体拮抗薬が著効する
.....cAMPを介すという意味ではβ刺激薬でも良いことになりますが、イコールカテコラミンということです。よってカテコラミンの長期投与は、当たり前ですが寿命を短くします。


参照:UpToDate,リッピンコット生化学

◎意外に知られていない、酔い止め薬の作用機序。

★トラベルミンは、ジフェンヒドラミンとジプロフィリンの合剤。

【第2類医薬品】トラベルミン(6粒)【トラベルミン】

★アネロンは、マレイン酸フェニラミン、スコポラミン、ビタミンB6、無水カフェイン、アミノ安息香酸エチルの合剤。

【第(2)類医薬品】アネロン 「ニスキャップ」(9カプセル)【アネロン】



乗り物酔いのメカニズム
●揺れにより内耳のリンパ液が振動します
⇒視覚情報と内耳からの情報に矛盾
⇒自律神経が混乱、副交感神経が刺激
⇨ムスカリンM1ヒスタミンH1経路が刺激されます!
⇒胃酸・唾液分泌↑,平滑筋痙攣
 +嘔吐中枢も刺激を受ける
⇨乗り物酔い


■酔い止め薬の構成物質
●ジフェンヒドラミン・マレイン酸フェニラミン

ヒスタミンH1拮抗薬です
⇒脳の嘔吐中枢、内耳前庭での自律神経反射を抑制する

・ヒスタミン拮抗薬は眠気の副作用をもちますが、以下のジプロフィリンで拮抗されます

●ジプロフィリン
キサンチン誘導体(喘息治療薬)です
⇒①内耳の血管を拡張させます
  ⇒内耳のバランス保持機能を改善
  ②中枢神経興奮させます
  ⇒異常感覚入力の抑制
  ⇒ジフェンヒドラミンの眠気の副作用も抑制する

●スコポラミン
・抗ムスカリン薬です
=副交感神経の興奮を抑制します
⇨制吐作用があります

●無水カフェイン
・交感神経を刺激します


▶︎個人的にはアネロンが好きです。事前に飲んでいきましょう。

▶︎薬がなければ、カフェインが入った飲み物を飲んで交感神経を活性化させるのも手です。また、ジェットコースターで酔った時は、目を瞑ることで視覚情報を遮断し、自律神経を混乱させないようにさせてあげましょう。

★炎症性サイトカインによる悪循環.

◎鉄関連の検査は日常診療でよく使います。その解釈は臨床医として基本知識ですが、病態までわかると治療につながります。

ヘム鉄粒(約3ヶ月分) 送料無料 鉄 鉄分 サプリ ミネラル サプリメント 非ヘム鉄 鉄分補給 女性特有 ダイエット 健康 鉄分不足 ヘルスケア フラフラ感のお悩みに 健康に欠かせない成分「鉄分」を配合 【M】 _JB_JH_A10


貧血には、やはり鉄剤です。


■慢性炎症⇨貧血の機序
複数機序があります。

●ヘプシジン産生↑
 ....IL-6(炎症性サイトカイン)によるJAK/STAT3経路の活性化が原因
⇒①消化管からのFe吸収↓
⇒②マクロファージ内にFeトラッピング
 ⇒血漿Fe濃度↓
⇒③Feとトランスフェリンの結合阻害

よって、ヘモグロビン合成↓
⇒赤血球合成↓

※この機序の為,鉄不足時は鉄補給が有効です。
トランスフェリン飽和度(TSAT)≧20%,フェリチン≧100を目標とします(後述)
⇒まず経口投与です.経静脈は議論が有ります。
 …アレルギー,鉄過剰(実際にはまれ),手間とコストに対し,利益が微妙との話です


●炎症性サイトカイン(IL-1,IL-6,TNFα)↑
⇒①腎細胞のエリスロポエチン(EPO)発現↓
  ⇒EPO産生↓
⇒②赤血球前駆細胞のEPOレセプター発現↓
  ⇒赤血球前駆細胞アポトーシス
  ⇒EPOに対する反応性↓

よって赤血球産生↓

※この機序の為,慢性炎症による貧血にEPO投与が有用です。
 (当然,原疾患の治療が最重要ですが)


●炎症によるマクロファージ活性化
⇒①赤血球貪食↑
  ⇒赤血球↓
⇒②freeなトランスフェリンを貪食
  ⇒トランスフェリン↓

これらが複合して貧血となります。


■TIBC,UIBC,TSATの検査についてまとめ

この計算式をよく使います。
TIBC(総鉄結合能)=血清鉄+UIBC
トランスフェリン飽和度(TSAT)=血清鉄÷TIBC

この前提は以下の通りです。
・鉄(Fe)の0.1%が血中にあります。
・血清鉄とは、トランスフェリンと結合したFeのことです。
鉄と結合していないトランスフェリンがあります
 ⇨これが、UIBC(不飽和鉄結合能)です。


参照 UpToDateなど

★機序は遺伝子多形が最も重要、ただスクリーニングは推奨されない。

■定義

・クロピドグレル(プラビックス)耐性、無効
⇒ADPによる血液凝集が、非治療時と比較して10%以下しかない事

抗血小板薬内服時の血小板反応性亢進HPR;heightened platelet reactivity)
⇒治療時にも、ADPに対してP2Y12受容体の反応があること
 (P2Y12受容体はクロピドグレルのターゲット)
⇒アッセイがいくつか開発されている
…治療を受けている患者の16-50%が該当する;但しアッセイのカットオフ値による

・クロピドグレル治療失敗
⇒HPRの患者に、クロピドグレルによる治療中に血栓性/虚血イベントが起こること


■クロピドグレル治療失敗の原因、機序
クロピドグレル代謝の多様性poor metabolizer
・クロピドグレルはプロドラッグ;代謝されて活性体となる
⇒15%:シトクロムP450(CYP)により活性代謝物(R-130964)
 …CYP2C19が最も重要な酵素
 85%:ヒト-カルボキシルエラスターゼ-1により不活性化カルボン酸代謝物
・よって、CYP2C19遺伝子多形(loss of function)が、薬剤耐性にクリティカル
⇒CYP2C19*2:エキソン5のG681A変異により、機能消失した蛋白となる
 CYP2C19*3:エキソン4のG636A変異により、停止コドンが早くなる
※特にアジア人にpoor metabolizerが多い(20%)
 ⇒ただし、poor metabolizarでも薬が効く人もいる

他の薬剤との相互作用
・CYP活性を阻害する薬剤により影響される(理論的には)
但し、クロピドグレルを選択しないほうが良い、とはっきり示された薬剤はない
 (中では、PPIがcontroversial)
※今の所、抗血小板薬2剤内服の場合PPIの併用が推奨されているが、これもcontroversial

③糖尿病
DM患者はHPRである
⇒増量もしくは薬剤併用して対応する必要があるかも(一定した見解はでていない)

④服薬コンプライアンスが悪い

喫煙していない
・禁煙患者はクロピドグレルの効果が少ない
+喫煙患者が禁煙しても、効果が少なくなる
(MI後死亡率:喫煙では25%減 vs 禁煙では8%減)


■対応
・ルーチンでクロピドグレル耐性をスクリーニングすることは推奨されない
・血栓によるMIを繰り返す人にスクリーニングすることの是非は不明
どんな状況でも、クロピドグレルが良くなさそうなら、他の薬剤へ変えるべき
そもそもプラスグレル(エフィエント)の方が良い:値段は高いけど


参照 UpToDate

★持続時間がSU薬>速効性インスリン分泌促進薬、2つの作用機序は似ている。

■SU薬
●種類

・グリメピリド(アマリール)
・グリクラジド(グリミクロン)
・グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)

●機序

・スルフォニル尿素受容体:膵β細胞のATP依存性Kチャネルの一部
⇒SU薬結合すると、このチャネルが不活性化
⇒静止膜電位が変化
Ca流入、インスリン分泌
 +血糖上昇に対するβ細胞反応性↑

●特徴

・単剤でもいける
⇒血糖を20、HbA1cを1〜2%下げる
・作用時間は12〜24時間
 …いつ服用しても良い
・インスリン↑による効果なので、高度肥満(インスリン抵抗性大)には向かない
⇒1型DMにも使えないので、正常〜やや肥満くらいに良い
・速効型インスリン分泌促進薬とは併用しない

●副作用

・低血糖:しかも遷延しやすい
・体重増加をきたしうる


■速効型インスリン分泌促進薬
●種類

・ミチグリニド(グルファスト)
・ナテグリニド(スターシス、ファスティック)
・レポグリニド(シュアポスト)

●機序

・SU薬とは違う受容体に作用する
⇒基本的には、膵β細胞のATP依存性Kチャネルに作用、インスリン分泌↑
 …SU薬とほぼ同じ

●特徴
食直前に飲み、すぐ吸収/効果発現/消失する
⇒食後高血糖に効果的
単剤でもいける
・SU薬とは併用しない

●副作用

・低血糖
・腎障害で効果遷延する
…ナテグリニドは肝代謝だが、腎臓から排泄される代謝産物が血糖下げる


■αグルコシダーゼ阻害薬
●種類

・アカルボース(グルコバイ)
・ボグリボース(ベイスン)
・ミグリトール(セイブル)

●機序

・αグルコシダーゼ:上部消化管酵素
 …多糖を単糖へ分解する酵素
⇒これを阻害する事で、糖の吸収を遅らせる
食後高血糖を是正する

●特徴

・食後血糖を63、HbA1cを0.4〜0.9%下げる
 …必ず食直前に服用する
・脂質異常も改善する、ともいわれる
・日本とヨーロッパでよく使われる

●副作用

腸内ガス(おなら)、下痢が多い
・イレウスも来しうる
・アカルボースでは重篤な肝障害が報告されており、チェックが必要


参照 UpToDate、糖尿病治療ガイド2014-2015 

★ピグアナイドは糖新生抑制、チアゾリジンはPPARアゴニスト。

■ピグアナイド

●種類
メトホルミン(メトグルコ、グリコラン、メデット)
・ブホルミン(ジベトス)

●機序
グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ(mGPD)の特定の型
 …グリセロールリン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸
  乳酸→ピルビン酸
 ⇒これらは糖新生の利用される
⇒これを阻害することで、糖新生を抑制
⇒余ったグリセロールと乳酸は血中へ
LKB1(癌抑制遺伝子)を活性化
⇒AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化
⇒アセチルCoAカルボキシラーゼのリン酸化を阻害
⇒脂肪新生↓、遊離脂肪酸↓
末梢組織(肝や筋)でインスリン感受性↑;特に食後

●特徴

2型糖尿病で最初に使う内服薬
 …非肥満例にも有効
・低血糖を起こしにくい
・血糖を20%、HbA1cを1.5%下げると言われる
・体重減少作用あり
・癌の発生を抑えると言われる;LKB1活性化による細胞成長抑制

●副作用

消化器症状、金属の味がすることが多い
・再生不良性貧血(稀)
 …ビタミンB12吸収が低下することによる
乳酸アシドーシス(0.009%程度)
 …循環血漿量低下、低酸素の背景がある時に起こるといわれる
⇒禁忌など、参照:


■チアゾリジン
●種類

ピオグリタゾン(アクトス)
●機序
peroxisome proliferator-activated receptors (PPARs)に結合
骨格筋のインスリントランスポーター活動↑:感受性↑
 脂肪で炎症関連遺伝子の発現↓
 CNSに作用しインスリン感受性↑、接触中枢刺激し体重↑
 膵臓のβ細胞の機能を保つ:インスリン分泌、血糖値↓
 尿細管でNa再吸収↑:体液貯留

●特徴

・メトホルミンと同様、第1選択になりうる
⇒しかし副作用とコストの面から、メトホルミンが優先される事が多い
 …肥満例(インスリン抵抗性あり)に有効
・血糖を39〜65、HbA1cを1〜1.6%下げる
・低血糖を起こしにくい

●副作用

体重増加:脂肪細胞増殖、TG蓄積
体液貯留:心不全増悪、浮腫
骨密度↓、骨折:そこまで寄与しないが、骨密度低い女性にはなるべく避ける
・膀胱癌:増えるという説もある
・他、肝障害、黄斑浮腫、湿疹


参照 UpToDate

★DPP-4阻害薬はadd-on drug、GLP-1アゴニストはDPP-4阻害薬より効く。

■DPP-4阻害薬

●種類
・シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ)
・ビルダグリプチン(エクア)
・リナグリプチン(トラゼンタ)
・テネグリプチン(テネリア)
・アログリプチン(ネシーナ)
・アナグリプチン(スイニー)
・サキサグリプチン(オングリザ)
eGFR<30の場合トラゼンタかテネリアが推奨される
肝障害がある場合、エクアはやめておく。

●機序
食事摂取すると小腸のL細胞からGLP-1放出
…膵頭からの、血糖上昇に伴うインスリン放出↑
 +胃内容排泄を抑制血糖上昇に伴うグルカゴン放出↓、食事量↓
DPP-4は多くの細胞表面に発現しており、GLP-1を含むペプチドを不活性化
⇒DPP-4阻害薬はGLP-1の不活性化を抑制
※GLP-1アゴニストと比較し、GLP-1への影響はマイルド

●特徴

単剤でいくことは少なく、普通メトホルミンか何かに追加する薬(add-on drug)
・インスリン依存の患者には使う;必要インスリン量が減る
・低血糖をほぼ起こさない
・腎機能悪くても使える
⇒慢性腎不全の高齢者(低血糖恐い)には第1選択として良いかも

●副作用

・ほとんどなし
…因果関係不明だが、膵炎、肝酵素上昇、皮膚障害


■GLP-1アゴニスト
●種類

・リラグルチド(ビクトーザ):1日1回
・エキセナチド(バイエッタ):1日2回
・エキセナチドの持続性注射剤(ビデュリオン):週1回
・リキシセナチド(リキスミア)
※eGFR<30の場合、エキセナチドは使えない

●機序

・GLP-1受容体作動薬(上記参照)

●特徴

経口でうまくいかない時、DPP-4阻害薬の変わりに使える
・HbA1cを1程度低下させる
DPP-4阻害薬より効果が強い
 ※膵炎、1型DM、重度胃腸障害には使わない
皮下注射の薬
保険で血糖測定可能。患者教育という意味でも良い
 ※血糖降下薬内服だけの人は保険で自宅で血糖測定できない
・体重減少作用あり:30週で1.5〜2kg程度減少する

●副作用

・嘔気、嘔吐、下痢:10-50%程度にみられる
 ⇒用量漸増させてリスクを回避する
・急性膵炎
 ⇒胃腸障害との鑑別を要する。一度おきたら投与禁忌
・注射部位の皮膚反応


参照 UpToDate、糖尿病治療ガイド2014-2015

★コレステロールが標準範囲内でも基本的に使う。

■機序

動脈硬化改善
・1年〜4年後に冠動脈径が広くなったという報告あり
・6ヶ月だと変わらない
プラークを安定化する
・心筋梗塞の患者は、不安定プラークを多数持っている
・マクロファージ増殖、MMP↓によりfibrous capを安定化させる
⇒プラーク破綻しにくくなる
炎症↓
・炎症は動脈硬化、プラーク破綻のトリガー
・実際にCRPの基礎値が減る
・機序は不明
内皮機能不全の改善
・冠動脈を広げる;6週間以内に効果でる
・NO働き↑による
血栓形成↓
⑥心室不整脈↓


■使い方

・目標は緒論ある
…LDL<70を目指す、リスクにより目標値をわけるなど
⇒但し必ず使う
・スタチン以外の薬で良い効果は証明されていない


参照 UpToDate

★Enterococcus faeciumの話。

■ベータラクタム系

・内在性耐性
ペニシリンに耐性のある細胞壁合成酵素
=PBP(ペニシリン結合蛋白)のペニシリンに対する親和性↓
・ほとんど効かない

■アミノグリコシド系

・中等量まで内在性耐性
 ①アミノグリコシド修正酵素
 ⇒AAC(6')-Ii:トブラマイシン、カナマイシンなどと細胞壁の反応を阻害
 ②aph(3')-IIIa遺伝子
 ⇒カナマイシン、アミカシンへの耐性
・ゲンタマイシン、ストレプトマイシンのみ、シナジー効果を狙って使える
※参照http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/33693050.html

■バンコマイシン

・通常の、D-alanineで終わるペプチドグリカンが少ない;VCMの作用部位
セリンで終わるペプチドグリカンをコードする遺伝子に
・VRE:Vancomycin Resistant Enterococcusという

■リネゾリド

23SリボソームRNA(rRNA)に作用し蛋白合成を阻害
⇒アデニンのメチル化により変異
⇒最近は23SrRNAのコピーをいくつか持っており、変異した数によりどの程度耐性か決まる
 ・LREという

など、色々耐性が増えてきている。 


参照 UpToDate 

★NSIADsでFFは変化しない。

■定義
●GRR(glomerular filtration rate, 糸球体濾過量)

糸球体細動脈(G)からボウマン嚢(B)へ濾過された量
GFR = 定数 × {(Gの静水圧 − Bの静水圧) − (Gの浸透圧 − Bの浸透圧)}
 ※濾過されるため、Bの浸透圧はほぼ0
 ※定数(Kf)は腎機能に直結する(単位:ml/min/mmHg)
 ⇒機能する動脈の減少、動脈の内膜肥厚などで減少:糖尿病、遷延する高血圧など 

●RPF(renal plasma flow, 腎血漿流量)

RBF(腎血流量)= RPF / (1 − Ht)
 ∵Htは赤血球が占める体積の割合のため

●FF(filtration fraction, 濾過率)

FF = GFR / RPF
・平均 20% 


■薬剤の影響

①NSAIDs
・プロスタグランジンは輸入細動脈を拡張
⇒それを阻害
Gの静水圧減るためGFR↓、RPF↓
FFは変化なし

②ACE阻害薬、ARB
・アンギオテンシンⅡは輸出細動脈を収縮
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/38468991.html
⇒それを阻害
Gの静水圧減るためGFR↓、RPF↑
FF↓
 

参照 Guyton生理学 

★冠動脈拡張でない。

■メインの薬理作用

全身血管拡張
⇒心臓の前負荷↓
⇒心臓運動量、酸素需要量↓

※カテーテル中に、冠動脈直接注入しても改善得られなかったものが、舌下投与で改善したとの報告ある。

●血管拡張作用の機序

ニトロプルシド、ニトログリセリン
⇒平滑筋細胞内で、ミトコンドリアALDHという酵素にて、亜硝酸塩に変換
NO、S-ニトロソチオールへ変換
⇒グアニル酸シクラーゼ↑
cGMP↑
⇒平滑筋弛緩


■血管拡張による副作用

顔面血管拡張⇒顔面紅潮
硬膜動脈拡張⇒頭痛
・静脈系の拡張⇒低血圧⇒反射性頻脈おこるが、時々迷走神経反射から徐脈となる


■冠動脈盗血症候群 coronary steal

・心筋虚血の際、虚血部位の冠動脈末梢(心内膜側)は、自己調節能にて最大限拡張している
①ジピリダモール、イソフルレン、ニトロプルシド
 ⇒細い動脈を一様に拡張
 ⇒正常血管拡張、虚血部位への血流↓
  =coronary steal
ニトログリセリン
 ⇒太い血管(心外膜側)を拡張
 ⇒虚血部位にも血流保たれる
 ⇒coronary steal生じない


参照 UpToDate、http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/book/35/8.pdf?1369010084
   Dr. 讃井の集中治療のススメ

★ベンゾジアゼピンか否か、半減期はどれくらいか。

■睡眠薬の種類

 

一般名

商品名

用量(mg)

半減期

超短時間作用型

ゾルピデム*

マイスリー

510

2

ゾピクロン*

アモバン

7.510

4

トリアゾラム

ハルシオン

0.1250.5

24

短時間作用型

エスゾピクロン*

ルネスタ

13

6

エチゾラム

デパス

13

6

ブロチゾラム

レンドルミン

0.250.5

7

リルマザホン

リスミー

12

10

ロルメタゼパム

ロラメット,エバミール

12

10

ロラゼパム

ワイパックス

13

12

中間時間作用型

ニメタゼパム

エリミン

35

21

フルニトラゼパム

サイレース,ロヒプノール

0.52

24

エスタゾラム

ユーロジン

14

24

ニトラゼパム

ベンザリン,ネルボン

510

28

長時間作用型

クアゼパム

ドラール

1530

36

フルラゼパム

ダルメート,ベノジール

1030

65

ハロキサゾラム

ソメリン

510

85

メラトニンagonist

ラルメテオン

ロゼレム

8

12


・*はベンゾジアゼピン系
・半減期に応じて作用時間が違い、分類される


■ベンゾジアゼピン系
様々なGABA typeA受容体に結合
⇒抗けいれん、抗精神病効果あり
ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)
…半減期20〜100時間
 +代謝物のデスメチルジアゼパムにも活性があり、その半減期が2〜5日
作用時間が長過ぎて、睡眠薬としては使えない


■非ベンゾジアゼピン系

・1つのGABA typeA受容体に特異的に結合
⇒睡眠薬としてのみ使える

 
参照 UpToDate、睡眠薬の適正な使用と休薬のためのガイドライン 

★危険因子を踏まえた患者選択が推奨される。

■危険因子

・65歳以上:1点
・NSAIDs高用量:1点
・胃潰瘍の既往(重症:2点、軽症:1点)
・アスピリン、ステロイド、抗血小板薬内服中:1点
⇒重度:2点以上、中等度:1点、軽度:0点

○ガイドライン上、中等度リスク以上に予防的PPI内服が勧められる
※しかし、SSRI服用もリスク上昇するなど考慮されていない
⇒不完全ではある


■潰瘍予防

・PPI:最も良い
・ミソプロストール(サイトテック):1日4回内服必要であり、コンプライアンス悪い
・H2拮抗薬:十二指腸潰瘍は予防するが、胃潰瘍は予防しない

※PPI服用による副作用

肺炎
・胃内での殺菌能力が減弱することが原因といわれる
⇒リスクとなるのは特に短期服用の場合
PPIの胃酸分泌抑制効果は長期投与しても減弱しないため、矛盾する
⇒確実なエビデンスはないが、リスクとなりうる、というのが現状
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/35639365.html

骨折
・胃酸分泌抑制に伴うCa吸収低下によると考えられる
不用意な長期投与は避けるべきとされる


■COX-2選択阻害薬

・non-selective NSAIDsより潰瘍のリスクは低くなるが、リスクであることは変わりない
⇒PPI内服で有効に予防される 
・長期服用で心血管リスクとなる
…機序:PGI2阻害するがトロンボキサンA2は阻害しないことで内皮障害が起こる
⇒本当に心血管リスクあるか、ややcontroversialなところも。
・PPI内服する場合、COX-2 selectiveが良いかはcontroversial
(より減ったという大規模studyはある)
心血管リスクあることと高いコストから、non-selective + PPIが勧められるかも


参照 UpToDate、パリエットHP 

★エビデンスのある予防のみ推奨される。

■CD4+細胞数と感染症

CD4

感染症

<400

足白癬、VZV・結核菌再活性化、細菌感染(H.influ, S.pneumo, Salmonellaなど)

<200

HSV再活性化、クリプトスポリジウム、コクシジオイデス、ニューモシスチス、イソスポラ

<100

カンジダ食道炎、トキソプラズマ、ヒストプラズマ

<50

CMVMAC、クリプトコッカス



■予防的抗菌薬投与の概略

①CD4<200
ニューモシスチスに対しST合剤

②CD4<100
・ニューモシスチス、トキソプラズマに対しST合剤
・ヒストプラズマに対しイトラコナゾール

③CD4<50
・ニューモシスチス、トキソプラズマに対しST合剤
・ヒストプラズマに対しイトラコナゾール
・MACに対しアジスロマイシン


■菌ごと

①ニューモシスチス
・ST合剤だめならダプソン
②トキソプラズマ
抗原陽性の場合に予防投与適応
③ヒストプラズマ
暴露の危険のある場合に予防投与適応
④MAC
・アジスロマイシン(週1回)だめならクラリスロマイシン(1日1回)
コクシジオイデス
CD4<250かつIgG, IgM抗体陽性かつ暴露の危険がある場合、予防投与適応
 (日本ではほぼない)
⇒フルコナゾールかイトラコナゾール

※他の菌、ウイルスに対する予防的抗菌薬投与は、生存率を上げるエビデンスが無いなどより推奨されない。


参照 UpToDate

★Naチャネルとの結合速度が違う。

■分類

●Ⅰ群をNaチャネル遮断薬と分類
活動電位持続時間(APD)を延長させるものをⅠa、短縮させるものをⅠbとした
⇒その後でてきた、APDに影響を与えないものをⅠcとした
(大雑把だが、臨床的に使いやすい分類)

Naチャネルとの結合、分離の速さで分けられる
 速い:Ⅰb > Ⅰa > Ⅰc:遅い


■Naチャネル遮断の意義(1群共通の機序)

①薬はプラスに帯電している
⇒Naチャネルのアミノ酸残基と相互作用する
⇒Naチャネル遮断
心筋活動電位0相の脱分極の立ち上がりを抑制
伝導速度を低下
⇒異常な伝導、異常興奮している細胞を抑制
⇒不整脈を止める

※use-dependance
・速い心拍数
薬が分離する時間が少ない
⇒ブロックされるチャネルが増える
刺激伝導速度↓
Ⅰc > Ⅰa > Ⅰb の順にみられる

洞房結節細胞の閾値電位を上昇させる
 +自動能を抑制


■Ⅰc群

・Naチャネルとの分離がかなり遅い
⇒活動電位の立ち上がり速度(0相脱分極)を顕著に抑制(=伝導速度↓)
活動電位の持続時間にはほとんど影響しない

①ピルジカイニド(サンリズム
・使いやすく、心房細動によく使われる
・半減期4時間と短い
②フレカイニド(タンボコール
・CAST study(抗不整脈薬で生存率低下)で使われた
・陰性変力作用が強い
器質的心疾患あると使えない。ないAfとPSVTに
③プロパフェノン(プロノン)
・β遮断作用あり


■Ⅰa群

Kチャネル遮断の性質ももつ。一部抗コリン作用も。
・活動電位の立ち上がり速度を抑制
+活動電位の持続時間を延長(=QRS wide):Kチャネル遮断による
 ⇒心室不応期を延長

①プロカインアミド(アミサリン
静注でつかいやすい:上室性だけでなく、VTにも効果あり
②ジソピラミド(リスモダン
抗コリン作用が強い。陰性変力作用もある
③シベンゾリン(シベノール
・リスモダンに似ている


■Ⅰb群

・再分極の時間を短くする;脱分極した組織において、特に効果を発揮するため
活動電位の持続時間を減少
・基本的に心室不整脈に適応

①リドカイン(キシロカイン
・半減期1〜2時間と短い
・安全域が広い
②メキシレチン(メキシチール)
・リドカインと似ている
③アプリンジン(アスペノン)
・心房不整脈にも有効
 

参照 UpToDate、循環器治療薬ファイル、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/32/3/32_428/_pdf 

★持続投与時の血中濃度のグラフは、「半減期のグラフ」を時計回りに90°回転したもの。

■計算
時間
t だけ持続投与する場合を考える。
aを半減期とする。 

ある時間x に投与した薬物の濃度は、t – x秒だけ代謝されているので、

(1/2)(t-x)/a (①)

時間tまで薬物は累積するが、それは上式の積分x: 0t)として考えて良く、

(1/2)(t-x)/a dx

= b×{1-(1/2)t/a} bは定数

 

よって、t=4aの時、薬物濃度は最大値の15/16となる

 
※bは最大血中濃度を表すが、これは持続投与速度に比例する。
 

 

一次の薬物除去定数keを用いると、

持続投与中止後の濃度Ct = C0×e-ket …(①)と同じ意味

より、積分して、

定常状態の任意の割合に達するまでの時間は

f = 1 – e-ket



参照 リッピンコット薬理学

★アラキドン酸カスケードを介さない。

■機序
重合していないチュブリンのヘテロダイマーに結合
⇒安定させ、微小管のダイナミクスを阻害
微小管脱重合
細胞骨格の変化を必要とする変化を阻害
 =有糸分裂、エキソサイトーシス、好中球運動性

・内皮細胞のE-selectin、好中球のL-selectin発現↓
好中球の内皮細胞への接着を阻害
・白血球AMP↑、好中球IL-1↓、マクロファージと内皮細胞のTNFα↓

結晶によるNLRP3 inflammasome蛋白複合体の活性↓
⇒カスパーゼ-1↑、IL-1β, IL-18↓
※微小管とNLRP3 inflammasomeが関わるとも言われる 


■使い方
○痛風
・発作後12〜24時間以内に使える
・NSAIDsの次に使う
心膜炎
・急性、慢性ともに使える
○注意
・肝不全、腎不全では禁忌
代謝に細胞膜P-gp、チトクロムP450; CYP3A4が必要
・副作用は腹部症状、可逆性の神経障害が多い
 …汎血球減少、肝不全、横紋筋融解症など致死的なものも


参照 JACC Volume 62, Issue 20, 12 Nov 2013, 1817–1825    UpToDate

★アンギオテンシンⅡ作用の拮抗。

■アンギオテンシンⅡの作用
○輸入細動脈も輸出細動脈も収縮させるが、輸出細動脈収縮の作用が大きい
…①輸出細動脈の方が径が小さい
  ⇒収縮による血管抵抗↑作用が大きい
  ②輸入細動脈からNO放出される
  ⇒輸入細動脈の収縮が緩和される
  ③輸入細動脈でAT-Ⅱ受容体が刺激
  ⇒チトクロムP-450依存経路にて血管拡張
⇒以上より糸球体内圧↑
GFR↑


■自己調節能
○血圧↓
輸入細動脈の拡張:尿細管糸球体フィードバック、直接の筋収縮による
⇒さらに腎血流↓
 ⇒レニン↑
 ⇒アンギオテンシン↑:上記機序にてGFR↑ 


■ACEi、ARB
○アンギオテンシンⅡの作用を拮抗
 =血管拡張;輸入細動脈<輸出細動脈
自己調節能にて血圧維持されている状態の場合、薬剤によりGFR↓
 =腎血流↓の状態
 =腎動脈狭窄、利尿薬によるhypovolemia
  (つまり、本態性高血圧症の場合、これら薬剤による腎機能低下は生じづらい)
アンジオテンシンⅡの半減期は短い
⇒治療開始してすぐ腎機能悪化する
⇒開始3-5日で腎機能チェックすると良い

○ほとんど問題となる腎機能障害はおきない
 +腎機能障害生じた例でも、治療中断とともにすみやかに改善する
⇒まれに不可逆的な腎障害生じることがあるが、原因不明。

※ACE阻害薬、ARBの違い…参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/26237567.html


参照 UpToDate

★抗てんかん薬のバルプロ酸投与により、高アンモニア血症・けいれん生じうる。

■バルプロ酸⇒てんかん抑制
GABAトランスアミナーゼ阻害
 ⇒GABA代謝を阻害
 ⇒シナプス前GABA濃度↑
グルタミン酸デカルボキシラーゼ活性化
 ⇒GABA合成↑

●以上よりGABA作用↑
⇒電位依存性Naチャネルを抑制
神経の連続的な興奮を抑える


■バルプロ酸⇒高アンモニア血症⇒てんかん
 …バルプロ酸関連高アンモニア性脳症(VHE)という
●VPA濃度はアンモニア濃度と比例、カルニチン濃度と反比例する
①バルプロ酸(VPA)
⇒代謝されてプロピオン酸
⇒ミトコンドリアにおいてカルバモイルリン酸シンセターゼⅠを阻害
 …尿素回路においてアンモニア代謝に必要
 (CO2+NH3+2ATP→カルバモイルリン酸、という最初の反応)
⇒十分に阻害されるとアンモニア蓄積

②VPAとカルニチンが相互作用
カルニチン濃度↓
⇒ミトコンドリアでの脂肪酸β酸化における、カルニチンシャトルを阻害
 =アシルCoAの、ミトコンドリア細胞質(外)からマトリクス(中)への輸送
⇒アシルCoAをエネルギー(アセチルCoA)に変換できず、アシルCoAが蓄積
N−アセチルグルタミン酸産生↓
 …「グルタミン酸+アセチルCoA→N−アセチルグルタミン酸+CoA」で、アセチルCoA↓のため
N−アセチルグルタミン酸はカルバモイルリン酸シンセターゼⅠの必須の活性化因子
カルバモイルリン酸シンセターゼⅠ活性↓
⇒アンモニア蓄積


■てんかん発作⇒高アンモニア血症
急激な筋収縮
プリンヌクレオチド回路にて
 「アデノシン一リン酸→脱アミノ化→イノシン一リン酸
⇒アンモニア発生
(参照:Internal medicine. 47: 21-23,2008 詳細な経路は不明)
 …この場合、3時間程度でアンモニアは正常値に戻る
※よって、痙攣のないてんかん発作では高アンモニアとならない



参照 UpToDate、リッピンコット生化学

★ほぼ必要ない。

■アルコールの代謝
・胃から70%、十二指腸から25%吸収する
⇒胃が空の場合、摂取から30分~90分でピークとなる
・肝細胞のサイトゾルでエタノール→アセトアルデヒド
※代謝速度は、
  ・普通の人=0.15~0.2mg/mL/h
  ・慢性アルコール中毒者:0.25~0.35mg/mL/h

■アルコール血中濃度
血中濃度(mg/mL)分類症状
0.3~0.5爽快期酒気帯び運転の適用
0.5~1.5弱度・軽度酩酊抑制とれる
1.5~2.5中等度酩酊麻痺症状加わる=千鳥足
2.5~3.5強度酩酊悪心嘔吐、誤嚥
3.5~泥酔・昏睡意識消失、呼吸抑制


■治療
●基本的には経過観察
⇒脱水、低血圧、低栄養→補液
補液して薄める効果はほとんどない
 …代謝を待つ
・意識障害の他の原因を常に念頭に置く

●重症の場合
・アルコール中毒+昏睡の場合、必ずチアミン(vit B1)投与
活性炭、胃洗浄は効果なし
…エタノールはすぐ吸収されるため
・呼吸状態を頻回に確認し、必要なら挿管


参照 UpToDate

★不明だが、仮説がいくつかある。

■メカニズム
仮説①
・スタチン投与
コエンザイムQ10(CoQ10)合成阻害
 …筋細胞のエネルギー合成(=ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化)に必要
長期投与では横紋筋中のCoQ10濃度を下げるが、下げないとの研究もある
 …通常この副作用は、投与後2か月以降に起きる

仮説②
・スタチン投与
⇒シトステロール濃度↑
 …βシトステロールはAMP-activatedプロテインキナーゼを活性化
   +アセチルCoAカルボキシラーゼを抑制
⇒脂質合成↓、ベータ酸化↑
⇒?

仮説③
・スタチン投与
アトロギン-1発現↑
 …筋特異的なユビキチンプロテインキナーゼであり、筋障害に関与する


■頻度
●ランダム化研究では、有意差を持ってプラセボ群よりほんの少し頻度が多いだけ
 ⇒実臨床ではもっと多い印象。

投与量と発生頻度が比例する
0.02% :20 mg/day, 0.07%:40 mg/day, 0.3%:80 mg/day
・プラバスタチン、フルバスタチンは発生頻度低い

運動制限の必要性はなし
適度な運動はミトコンドリア発生、抗酸化物質産生を促す
 ※筋疾患ある人の運動、慣れてない激しい運動は、横紋筋融解症のリスクとなりうる

・遺伝子が関係するともされる


参照 UpToDate

★ARB,ACE阻害薬,利尿薬.

■高血圧患者の麻酔
・麻酔中,血圧が変動しやすい(上昇も下降も)
 ⇒心筋梗塞につながりうる
 ※MI発生率↑のエビデンスがあり,この予防が重要となる
麻酔終了時,血圧がかなり上がりうる
拡張期血圧が110以上だと,明らかに合併症の頻度が増える
 …収縮期血圧との関連は明らかでない(合併症増えるという報告はいくつかある)

■降圧薬を継続すべきか
①β遮断薬
MI,不整脈予防効果あり
・急に中止すると死亡率上がる
⇒継続すべき
 ※心不全・高血圧に対し,可能なら術前に投与開始すべき(急性心不全・緊急手術でない時)

②Ca拮抗薬
・急に中止すると冠攣縮起こす危険
・継続した方が死亡率下がる(小さな試験だが)
・継続にて出血のリスクがあるという報告もあるが,微妙
⇒継続すべき

③ARB,ACE阻害薬
継続にて低血圧のリスクが増えるが,術後高血圧を抑える
 …RAAS系抑制による降圧作用は強い
死亡率,MI発症は変わらない
…議論が分かれる所だが
⇒高血圧の治療として服薬している場合,中止とする
  心不全の治療として服薬している場合,継続とする
 考えが主流.

④利尿薬
・手術当日服薬すると,低血圧の危険
・利尿少ない時,静注にて対応可能
⇒中止とする
 ※心不全の治療として必要な場合,注意して継続する

⑤α遮断薬
・中断すると高血圧となる
挿管,手術のストレスを抑える
鎮静,シバリング抑制する
⇒継続する


参照 UpToDate

★利尿作用が全然違う.

1.ループ利尿薬
ヘンレのループの太い上行脚に作用
 …Na/K/2Cl共輸送体をブロック
電解質の濃い尿が集合管へ
⇒①浸透圧高い
  ⇒アクアポリンによるfree waterの再吸収↓
  ②対向流増幅系を阻害
  =集合管とヘンレのループ下行脚(両者とも髄質)でのfree water吸収↓
  ⇒尿の濃縮が阻害

※対向流増幅系
…ヘンレのループ(髄質)で電解質を吸収
 ⇒髄質の間質の浸透圧↑
 ⇒尿は遠位尿細管(皮質)を通った後,集合管(髄質)へ
 ⇒集合管でのfree water吸収↑
  =尿の濃縮


2.サイアザイド利尿薬
遠位尿細管のNa/Cl共輸送体をブロック
⇒Na排泄促進するが、利尿作用はほとんどない
低Na(ループは来さない)
・ループと同様,副作用に低Kがある
…アルドステロン依存性のNa/K交換が亢進することによる

ループはCa排泄,サイアザイドはCa再吸収の方向へ働く
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/23004690.html
     http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/23183279.html

 
参照 Guyton生理学,UpToDate 
更新 2014/8/24 

★アミオダロンの半減期は100日なので,副作用も遷延する.

■甲状腺機能異常
亢進も低下も起こる.
①アミオダロンはヨウ素を含む
⇒アミオダロン200mg/dayにつき,6mgのヨウ素が吸収される
 …成人1日の摂取量は0.3mg
⇒正常ならヨウ素を多量に摂取しても,甲状腺ホルモンの合成は亢進しない
 (Wolff-Chaikoff effect)
結節性甲状腺腫,自己免疫性甲状腺疾患などもつ人は,Wolff-Chaikoff effectがうまく働かない
甲状腺機能亢進

②アミオダロンは甲状腺ホルモンを阻害する
 ・「T4→T3」の5'-脱ヨードを阻害する
 ⇒T3産生↓,revearse T3産生↑
 ・T3受容体の核受容体への結合を阻害する
甲状腺機能低下

③甲状腺濾胞細胞を直性攻撃する
壊性甲状腺炎を起こす
⇒甲状腺機能亢進(→低下)


■肺毒性
●間質性肺炎,ARDS,肺胞出血など多彩.
肺を直接傷害する
 ・肺に親和性が高い
 ・アミオダロン-リン脂質複合体が細胞内に蓄積
  ⇒代謝経路を阻害
  ⇒アポトーシス,ネクローシス
 ・活性酸素を生成
 ・慢性炎症を惹起
アレルギー
 ・リンパ球浸潤(CD8優位)
 ・免疫染色で,肺にIgG陽性となる


■心毒性
①洞除脈.房室ブロック
 ・その部位のCaチャネル阻害による

②QT延長
 ・Kチャネル阻害による
 ⇒しかしTorsade de pointesは起こらない
 …早期後脱分極によるtriggared activityが起きづらいため


■肝毒性

●機序
リン脂質とアミオダロンが複合体形成
 ⇒リン脂質の分解できない
代謝の過程で毒物を産生しやすい体質がある
 ⇒特に肝細胞
⇒肝障害
※組織的にはアルコール性肝硬変と似る
●症状
一過性AST,ALT上昇は25-50%に認める
肝内胆管胆汁うっ滞も認める⇒Bil上昇


参照 UpToDate

★ビタミンB6阻害によるナイアシン生成阻害.

●ピリドキシン(ビタミンB6)
ピリドキサールリン酸(活性型)となる
⇒色々な反応の補酵素となる
 …アミノ転移作用,脱アミノ作用,脱カルボキシル作用など

●イソニアジド(INH)
ピリドキシンと化学性が似ている
⇒ピリドキシンと結合,尿中に排泄↑
 +ピリドキサールキナーゼ阻害,活性型への反応↓
ピリドキサールリン酸↓
⇒多くのアミノ酸生成↓
 ①セロトニン,GABAなど神経伝達物質↓
  ⇒神経障害
  ※副作用として最も有名.だがまれ(0.2%).
 ②トリプトファン↓
  =ナイアシン(ビタミンB3)の前駆体
  ⇒ナイアシン欠乏=ペラグラ
 ※INHを長期使用した場合のみ考えられるが,頻度は低い
  …ナイアシン自体を摂取できるため,
  …INH使用時にビタミンB6投与が行われるため 


参照 UpToDate,呼吸器内科医 
更新 2014/8/17 

★T3がアクティビティ高く,T4を供給した方が安定する.

■甲状腺ホルモンの動態
・甲状腺にて,ヨウ素を原料にT3,T4を生産
 ※この過程でチロシンが使われる
末梢で「T4→T3」
 …脱ヨード酵素による.でこの酵素の活性高い
T3のうち80%が末梢で産生される

・末梢で「T4→revearse T3(rT3)」という反応もあり
 …この酵素は全身に分布している
※rT3はヨードの位置がT3と違うもの.生理的活性ない.


■代謝
・1日に10%のT4が代謝される
⇒この内,40%がT3,40%がrT3,20%が原料に
T3は1日に75%が代謝される
T3の半減期が短い
・rT3の代謝はT3よりも早い


■free T3/T4とは
蛋白に結合していないホルモン
 =これに生理的活性がある
・甲状腺ホルモンの95%以上は,血漿中でタンパクと結合している
…サイロキシン結合グロブリン,トランスサイレチン,Alb,リポ蛋白
⇒T3の低下,上昇時の急激な変化を緩和する役割


■TSH
・TSH刺激
⇒アデニル酸シクラーゼ↑,cAMP↑
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/26318056.html
 ⇒色々なプロテインキナーゼ活性↑
これがT3,T4産生にどう関与するか,具体的にはわかっていない

TSHは甲状腺機能変化の感度が高い
⇒T3,T4の微減or微増に反応し,大きく動くため
⇒甲状腺機能異常のスクリーニングに適する
 (治療の経過モニタリングにも有用)
●具体的には,
①TSH正常➤追加検査なし
②TSH低い➤fT3, fT4追加し,甲状腺機能亢進の判断
③TSH高い➤fT4追加し,甲状腺機能低下の判断
 

■チラーヂン
・T4製剤
⇒T3製剤は昔使われていたが,T4製剤の方が安定して甲状腺ホルモンを保てるため,置き換えられた
⇒理由
 …①T3が生理的活性強い
   ②T3は半減期が短い
   ⇒T3製剤だと日中の変動が激しい
   ③「T4→T3」は末梢で起きる(実際は甲状腺内でも起きている)
     ⇒甲状腺機能異常と関係ない
   ⇒生体がうまく調整してくれる

※低T3症候群
fT4正常だがfT3低値の症候群
⇒甲状腺の問題ではなく,全身状態が悪いことが原因
 …全身状態悪いため,代謝を抑えるという生理的防御,とも考えられる
⇒治療は甲状腺ホルモン補充ではなく,全身管理


参照 UpToDate

★ドーパミン受容体遮断による色々効果.

■スルピリド(ドグマチール)の用量
・150mg⇒消化性潰瘍,便秘
・300mg⇒うつ病
・600mg⇒統合失調症

■スルピリドの作用機序
D2受容体遮断薬である
①消化管への作用
・末梢でD2受容体遮断
アセチルコリン(Ach)遊離↑
⇒腸管でのAch濃度↑
腸管運動↑,腸管血流↑

②中枢神経への作用
仮説1:ノルアドレナリン↑
   …前頭葉ではドーパミン少なく,ノルアドレナリンがノルアドレナリン受容体・ドーパミン受容体に作用
    ⇒ドーパミン受容体遮断
    ⇒ノルアドレナリン神経伝達↑
    ⇒うつ改善
仮説2:ドーパミンのパーシャルアゴニスト
   …低用量では,優先的にシナプス前ドーパミン受容体を遮断
    ⇒ドーパミン放出を促進
    ⇒うつ改善
   …高用量ではシナプス後ドーパミン受容体遮断
    ⇒ドーパミンの作用↓
    ⇒統合失調症(陽性症状)改善


※スルピリドは日本でよく使われるが,アメリカでは認可されていない
 ⇒大規模の臨床研究なく,UpToDateにもあまり情報なし

 
参照 標準精神科学,役に立つ薬の情報,きょうクリいんちょうブログ

★チャネルの働きを亢進させ,カリウムの細胞内取り込みを増やす.

●β2刺激薬
⇒アデニル酸シクラーゼ↑
cAMP↑
⇒Na-K-ATPase,Na-K-2Cl共輸送体↑
 (インスリン放出↑も関与しているかも)
⇒細胞内K取り込み
低K血症
※β1特異的刺激薬・阻害薬は,カリウムにあまり影響を与えない

生理的意義は,運動時の高K血症抑制と考えられる
・激しい運動
⇒①脱分極による細胞からのK放出に,Na-K-ATPaseによるK再取り込みが追い付かなくなる
  ②細胞膜上のKチャネルはATPにより抑制されるが,運動によりATP消費する
⇒細胞内からK放出
高K血症

※採血時にグーパーを繰り返すと,Kが1meq/L程度上昇する


参照 UpToDate

★鑑別困難な場合,鎮咳薬処方してよい.

■鑑別,診断基準

感冒後咳嗽(感染後咳嗽)
診断基準は無い

咳喘息
・咳嗽のみが8週間(3週間)以上持続,wheezeを認めない
・気管支拡張薬が有効
どちらも満たすこと.

アトピー咳嗽
・乾性咳嗽が3週間以上持続
・気管支拡張薬が無効
・アトピー素因を示唆する所見,又は誘発喀痰中好中球増加
・ヒスタミンH1受容体拮抗薬又はステロイド薬にて咳嗽発作が消失

非喘息性好酸球性気管支炎
・アトピー咳嗽と類似するが,喘息へ移行しうる点など異なる
⇒アトピー咳嗽の症例の一部+軽症咳喘息の症例の一部,と考えられる

④他,後鼻漏,GERD,ACE阻害薬,喫煙,上気道炎


■診断に有用な特徴

感冒後咳嗽
・1~2ヵ月続く咳の,最も多い原因
3ヶ月以内には軽快する
鎮咳薬に反応する
・咳喘息とは違う病気
⇒風邪,というきっかけが同じであるだけ.移行はしない.

咳喘息
・喘鳴が生じるほどでない,軽度の気管支収縮が原因とされる
・夜間~明け方に悪化する
気管支拡張薬で咳が改善する
…本当は気道過敏性の亢進(喘息の特徴)の証明が必要だが,実用的でない
プレドニン内服(20~30mg)が著効する
 
アトピー喘息
アトピーとはアレルギー素因のことをさす
⇒診断にアトピー性皮膚炎は全く必要でない
のどのイガイガ感が特徴的
・気道の収縮は見られない
気管支拡張薬は無効
・咳喘息ほど頻度は高くない
ヒスタミンH2ブロッカーが有効

②,③は増悪因子があることが特徴
⇒温度差,天候など


■実用的な対応
①ACE阻害薬,喫煙を除外する
②鑑別に迷った時,中枢性鎮咳薬を処方する
 =感冒後咳嗽として対応
 ※積極的に疑われる疾患があれば,それに準じた治療を行う
③効かない場合,β刺激薬吸入
 ⇒効けば,吸入ステロイド+抗ロイコトリエン薬を処方
  =咳喘息として対応
 ⇒効かなければ,H2ブロッカー処方
  =アトピー喘息として対応
④効かない場合は,使っていない薬を使用
⑤効かない場合,他の疾患を考える
 ⇒特にGERD,結核など
 ⇒まず胸部X線
 

■鎮咳薬について
・メジコン(デキストロメトルファン)は有効
⇒3錠分3で効果ない場合,6錠分3~8錠分4で効くかもしれない
ハチミツ(特に小児,就寝前)が鎮咳効果にエビデンスあり
・慢性咳嗽(=8週以上)にガバペン(ガバペンチン)が有効
・オピオイドも有効

 
参照 日内誌,寄り道呼吸器診療,UpToDate,薬の処方トレーニング 

★利尿薬は理論上有効だが,エビデンスに乏しい.

■初期治療

①緊急透析の必要性判定
超音波で水腎症の有無=腎後性AKIの除外
 ⇒水腎症あれば泌尿器科へ
・重症の尿毒症,治療抵抗性高K血症,体液過剰,アシドーシスなど
⇒腎臓内科にコンサルト
※透析絶対適応以外の症例
いつ,どんな方法で始めればよいかは,議論が分かれる

②体液量管理
体液量,腎潅流圧の維持は重要
⇒体液量推定が必要
⇒困難な場合,体液量↓の場合,生食500mlボーラス投与
⇒尿量増加,臨床症状改善の場合は,血管内脱水を補正
 ※心不全の患者には,右心カテーテル挿入し,厳密に水分管理を行う

■利尿薬の意義

①尿量を維持する=体液管理を容易にする
・AKI
壊死尿細管上皮などのデブリにより,尿細管が詰まる
⇒尿細管腔内圧↑
⇒糸球体濾過液が腎間質へ漏出
 …尿が流れると,デブリを流してこれを予防できる
・乏尿性AKI
…尿が少なく(500ml/day以下),尿中に老廃物を排泄しきれない
⇒尿毒性物質が体内に貯留
非乏尿性AKIより予後が悪い
●利尿薬により,乏尿性を非乏尿性にしようとする

②尿細管上皮の代謝需要を抑える
・腎髄質は生理的に低酸素である
+ここに存在する近位尿細管直部とヘンレループ
  …物質輸送を積極的に行っているため,酸素需要が大きい
⇒虚血により障害を受けやすい
・ループ利尿薬
⇒Na-K-Clチャネルをブロック
⇒代謝需要を減らす
⇒腎保護的に作用
※ループ利尿薬は,腎血管抵抗を下げる,とも言われる


■利尿薬の実際

・上記機序により,利尿薬はAKIにおける腎保護に有用,と考えられた
⇒しかし,腎機能への利益を示す質の高い研究はない
 +有害とする報告もある
⇒なぜ結果が出なかったか
⇒①利尿薬により循環血漿量が減った可能性
  ②ループ利尿薬によりTamm-Horsfall蛋白の凝集おき,尿細管が閉塞した可能性
  ③ループ利尿薬が尿細管にうまく運ばれなかった
  …有機酸と競合したため,低Albにより間質液中に漏出したため,蛋白尿のため尿細管で遊離できないため

●AKIに対する利尿薬の使用
利尿薬は,腎性AKIかつvolume overloadを合併した場合のみ有用である
⇒septic AKIについても,利尿薬のエビデンスはない
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/33919808.html


参照 Intensivist 

↑このページのトップヘ