知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

腎・泌尿器

★2つの説があり,実際に寄与する程度は不明.

◎これも実臨床ではあまり実感しません。臨床ではナトリウム利尿により低ナトリウムとなること、BUNやCreが上昇しやすいとよく感じます。
・関係ないですが、プライマリケアで降圧薬としてサイアザイドは高塩分摂取患者に特に効果があります。一方、心不全のvolume controlとしてサイアザイドは中々使いづらいです。


◆サイアザイドの作用機転
遠位尿細管のNa/Clチャネル(管腔側)を阻害
ナトリウム利尿
⇒集合管でのNa再吸収↑,つられてK・H分泌↑
⇒低K,アルカローシス

◆高Ca血症の機序(仮説)
①遠位尿細管でNaCl再吸収抑制
循環血漿量↓
⇒近位尿細管でのNa吸収↑
つられてCa再吸収↑
※いまいちな説明です。

②NaCl再吸収抑制
⇒尿管腔Na濃度↑
⇒遠位尿細管において,
 ・CaチャネルによりCa再吸収↑(陽性イオンの勾配による)
 ・Na/Ca逆輸送チャネル(血管側)により,Naを細胞内に,Caを細胞外(血管)に
⇒Ca濃度↑


参照 UpToDateなど

★不整脈抑制+カリウム排泄。

緊急治療を要する高K血症の対応方法まとめです。医師は必須知識です。


■具体的な治療の流れ

●心電図モニタリングをしつつ、以下の治療開始、1-2時間後にカリウム値再検
①10%グルコン酸カルシウム(カルチコール、Ca 13.6meq)
10mlを2-3分かけてiv、効果は30-60分持続
⇒ECG変化続く or 再発したら、5分後に再度投与(繰り返す)

ジギタリス中毒の場合
 …高Ca血症でジギタリスによる心毒性が助長されますが、不整脈予防を優先する!
 ⇒カルチコール1Aを5%Glu100mlに溶き、20-30分で投与
  +抗ジゴキシン抗体投与があれば投与


②インスリン+グルコース

いくつか方法あります。
1) ヒューマリンR10単位+10%Glu500mlを60分で投与
2) ヒューマリンR10単位iv、すぐ50%Glu50ml iv、続いて10%Glu 50-75ml/h
1時間後血糖再検

※ivの方がK下がりますが、低血糖が起きやすい(ためGlu持続投与します)
※Glu>250mg/dlの場合、インスリンのみ投与してもよいです
・効果は30-60分でピーク、4-6時間持続します


③ループ/ サイアザイド系利尿薬、透析

・尿中カリウム排泄を増加させます
急性期に有効というエビデンスは乏しいですが、簡便で副作用ないため行います
・慢性腎不全のカリウム管理には有用です

※尿でない場合は、もちろん透析です。


④経口カリウム吸着剤
●陽イオン交換樹脂(ケイキサレート)

…大腸にてNaとKを交換し吸着します
30gを20%ソルビトール50mlに溶いて内服
・50gを20%ソルビトール200mlに溶いて注腸
 …水に溶くと腸管閉塞のリスクがあります
 ⇒高濃度ソルビトールにより腸管壊死を来し得ます
 ⇒だから20%ソルビトールに溶くのです。

・ゆるやかに効き、6時間でピーク
必要あれば、4-6時間毎に繰り返し投与します

腸管壊死のリスクがあるため、適応は以下を満たす場合のみ!
 ・早急に治療すべき高K血症で、すぐに透析を施行できない場合
 ・カリウムを除去する他の方法が有効でない場合
 ・術後/ 腸管閉塞あり/ オピオイド内服中(壊死リスク高い)で無い場合
  ⇒これらの場合、GI療法継続して透析できるまで待ちます。

●新しい薬剤/治療法

ジコニウム環状ケイ酸塩(ZS-9)
…吸収されない結晶で、小腸でNa, HとKを交換し吸着します
⇒4時間で効果出現するので、急性期にも有用な可能性があります。

パチロマー
…吸収されないポリマーで、大腸でCaとKを交換し吸着します


⑤原因を取り除く
・腎機能低下の原因;NSAIDs、循環血漿量↓、尿路閉塞、RAAS阻害薬


※あまり推奨されない他の治療法
・β2アゴニスト
 …副作用が大きい
・炭酸水素ナトリウム(メイロン)
 …効果が少ない(アシデミア+高Kの慢性管理には良いかも)


■治療法それぞれの機序

●グルコン酸カルシウム(カルチコール)
・カルシウムは、高Kによる膜の不安定化を直接的に是正します。

※詳細は以下の通り
1)電位依存性カルシウムチャネルを介し、細胞内へカルシウムの流入が起きます。これにより、細胞内がプラスに傾き、細胞内膜(静止膜電位)はマイナス、つまり過分極の方向に行くことで、静止膜電位の上昇を抑制します。
2)膜に存在するカルシウム依存性カリウムチャネルを介し、細胞内外カリウム濃度を調整します。
参照:http://chishiegg.com/archives/22866675.html


●GI療法
・骨格筋のNa-K-ATPaseポンプを活性化
Kの細胞内取り込みを促進します

●β2アゴニスト
・GI療法と同様、骨格筋のNa-K-ATPaseポンプを活性化します

●炭酸水素ナトリウム
・pH上がる
⇒元に戻そうと、細胞内からH+がでる
⇒代わりにK+をとりこむ

※利尿薬、カリウム吸着剤は上記参照
 

参照 Braunwald, UpToDate, ICU book, PMID: 21832880

★脱水だけじゃない!

◎脱水か上部消化管出血が多いですが、他の要因にも気づけるようになりましょう。

①上昇(>15)
・消化管出血:血液が消化管から吸収されます
      ⇒血液は蛋白多く含むので、
      ⇒分解産物のBUNが上昇します。
・脱水:腎血流が低下します
   ⇒尿細管血流も低下し、
   ⇒尿素の尿細管での再吸収が増えるのです。
・尿路閉塞:同様の機序で尿素の再吸収が増えます。


②低下(<7)
・蛋白質の低下
嘔吐,下痢:脱水になるともちろんBUN/Cre上昇します
低蛋白食(腎不全時):蛋白質摂取の低下です
重度肝不全:蛋白質産生の低下
妊娠:胎児への供給を含めた妊娠維持のための蛋白消費、循環血漿量増加

・横紋筋融解:血中クレアチン↑
      ⇒血中Cre↑
 

※カットオフ値は参考程度。必ず時系列を確認する。

★色素が水に溶けないため.

◎時々見かけて、初めての方はびっくりします。病態が説明されると目からウロコです。臨床医学が面白いと思う瞬間です。


■紫色採尿バッグ症候群
尿カテーテルを挿入している患者で、以下が両方ある場合に生じることがあります。
便秘を合併
 ⇒排泄されるトリプトファンが,腸内細菌に分解されインドールになります
  ※これは生理的反応.便秘により助長される,という意味です.
 ⇒肝臓で代謝されインジカンとして尿中に排泄されます
 
尿路感染を合併
 ⇒尿中の細菌が産生するスルファターゼにより,インジカンを分解
 ⇒インジゴブルー(青)インディルビン(赤)になります
 ⇒合わせて紫になるのです!!

●但し,これら色素は水に溶けないです
 ⇒つまり、尿の色は変わらないです。
 ⇒プラスチックやポリマーに溶けるため,バッグだけが紫になるのです!!!驚
 
●色は,青から赤の様々な色となります(比率に応じる)
 ⇒脱水があると濃くなります。


参照 救急専門医の独り言,薬剤師ノート

★プリン体摂取はそれほど重要でない!

◎ビールが有名ですが、なぜ尿酸があがるかを理解している人は少ないです。

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■ビール
・最も大きな影響をもつ機序
⇒「エタノール→アセトアルデヒド→アセテート→乳酸
乳酸は尿酸排泄抑制
 ※細胞内乳酸↑
  ⇒乳酸排泄したい
  ⇒URAT1(urate/organic anion exchanger: 尿酸/有機酸交換輸送体)の活性↑
  ⇒尿酸の再吸収↑
⇒尿酸↑

・しかし、プリン体含有量はビール3本で100mg程度
⇒1日のプリン体産生量は700mg程度で,400mg以上摂取しなければ良いとされます
⇒ビールに含まれるプリン体の量はそれほど気にしなくて良いのです


■利尿薬
①直接作用
・サイアザイド
⇒血管から近位尿細管の細胞に入る(OAT1:有機酸輸送体を介す)
⇒尿管腔へ排泄される(OAT4:尿酸/有機酸交換輸送体を介す)
⇒交換されて尿酸吸収↑
⇒尿酸↑

サイアザイドは尿管腔側のNa/Hチャネルの発現↑
⇒Na吸収,H排泄
OAT4はpH依存性
⇒OAT4活性↑


②間接作用
・利尿薬,Na制限
血管内脱水
⇒尿酸再吸収↑
⇒尿酸↑

※このメカニズムは詳細不明です
・仮説1:近位尿細管Na/Hチャネル↑⇒尿酸/H交換↑
・仮説2:Na再吸収により尿酸/H交換↑,尿酸/有機酸交換↑


参照 UpToDate,日本内科学会100周年記念講演 

★低K血症による.

◎臨床では気にすることはほとんどないですが、肝性脳症をみたら思い出したいです。

体液異常と腎臓の病態生理 第3版


 参考図書、名著です。


■ループ利尿薬の機序
・Na/K/Cl再吸収阻害
低K血症
⇒H+が細胞内へ移動,K+が細胞外へ移動
細胞内アシドーシス(血管内はアルカローシス)
⇒尿細管細胞からH+を尿管腔へ排泄したくなります
⇒この機序は以下の2つです。

 ①NH4+を排泄
 ・近位尿細管:Na+/NH4+交換輸送体
       ⇒NH4+が直接出ていきます
 ・集合管:尿管腔のH+は吸収される
     ⇒脂溶性のNH3が細胞から尿管腔へ排泄される
     ⇒NH3とH+が結合
     ⇒NH4+となり,脂溶性じゃなくなる
     ⇒細胞に吸収されません。

 ②滴定酸を排泄
 ・集合管:管腔内のH2PO4(2-)に,細胞から分泌されたH+が結合
     ⇒H2PO4(-)として排泄
     ⇒これによってもH+排泄されるが,その量は尿中に排泄されるリン酸量に依存する
     ⇒一定以上増えません。
 

■アンモニアが上がるまで
●上記の2つの内、①が寄与します
....尿細管細胞が,主にグルタミンからアンモニア産生しています
⇒アンモニアは間腔にも血中にも移行
これは「アシドーシス⇒細胞内もアシドーシス」の時に都合が良い!
⇒今は「低K⇒細胞内アシドーシス」なので,細胞外については都合が悪い
血中アンモニア↑


参照 体液異常と腎臓の病態生理,UpToDate 

★血管異型性(angiodysplasia)による(とされている)!

◎腎臓が悪いと色々な臓器に影響します。消化管出血も多くなります。血管異形成が一つの説明しうる機序と考えられているのですが、果たして因果関係といえるのか?

■血管異型性とは
平滑筋収縮+血管内圧↑
⇒粘膜,粘膜下で静脈血排泄障害
⇒粘膜下の静脈が狭窄+曲がりくねる
うっ滞,動脈と吻合
⇒血管異型性

※原因:末期腎不全,vWD,AS


★慢性腎不全により血管異型性となる病態はわかっていないのです
■possible explanation
・腎不全
⇒血小板機能↓
⇒消化管出血多い
検査する
血管異型性が発見されます
※vWDも同じ原理とされます


◎「腎不全→血小板機能↓」の病態
①血小板の中
・血小板凝集,接着↓:糖蛋白Ⅱb/Ⅲaの機能低下
  ※糖蛋白Ⅱb/Ⅲa:フィブリノゲン,vWFと相互作用し,血小板凝集や接着に関与
・ADP,セロトニン放出異常
・アラキドン酸カスケードの異常⇒TXA2,PG産生↓

②血小板の外
・尿毒症:尿素(BUN)によるわけではない.メチルグアニジンなどが関与
貧血:赤血球多い時には,血管内の中央に赤血球が位置
    ⇒血小板は血管壁に近く位置
    ⇒内皮障害があるとくっつきやすい
    ⇒貧血では血小板がまばら
    ⇒内皮障害があってもくっつきにくい
・NO産生↑:NOは血管拡張作用+血小板凝集阻害


参照 UpToDate

★非常に基本的な内容の確認です。

◎実臨床では細胞内液の補充、という考え方はあまりしません。高ナトリウム血症のときなど「血液を薄くしたい時」、心不全の時など細胞外液量を増やしたくない時(でも他の点滴が必要なので点滴ラインをつまらせないため)にブドウ糖液を使います(自分は)。

●5%ブドウ糖輸液

⇒細胞外液に入る
⇒ブドウ糖が分解され,free waterとなる
⇒細胞外液の張度を下げる
細胞内液の張度の方が高くなるため,細胞内へ移動する
もともとの容積比(細胞内:間質:血管内=8:3:1)に従い分布する

※free waterが最も効率よく細胞内へ分布する為,細胞内液の補充に用いられます。

※真水を用いると,入れた部位の浸透圧が急激に下がり,溶血を起こしてしまうので、
⇒5%ブドウ糖液を用いるのです。

 

★基本リンゲル.

◎生理食塩水は多量投与すると代謝性アシドーシスを起こします。それを回避するため、開発されたのがリンゲル液です。


■生理食塩水
●0.9%NaClのことです。これは以下の特徴があります。

血漿より高張です(浸透圧:290 vs. 308) 
1000ml投与で1100ml分となります
…これが血管内:間質=1:3で分布
⇒つまり1000ml投与で、血管内に275ml分布します。

間質にナトリウムが貯留します
浮腫の原因となります
…これはリンゲル液より著明です

大量投与でアシドーシス起こします
この説明は以下の通りです。

SID(strong ion defference):細胞外液中の,強酸・強塩基の差です
 …血漿[Na]-血漿[Cl] と等しい(他に強いイオンがないため)

・水からH+とOH-が電離する
SID+[H+]-[OH-]=0
 [OH-]≒0より
   SID+[H+]=0
血漿SID=140-103≒40

・以上が前提です
⇒これに0.9%生食(SID=0)を大量に入れます
⇒血漿SID↓
⇒血漿[H+]↑ 
⇒アシドーシス
ということです。


■○○リンゲル液
アシドーシスに対応するため,生食に変わり,乳酸リンゲル(ハルトマン液)が開発されました.
乳酸は肝で代謝されます
⇒肝不全では、やはり大量投与でアシドーシスとなってしまいます。

肝不全でも使えるよう,酢酸リンゲルが開発されました.
⇒さらに体液に近い組成としたものが重炭酸リンゲル液です。

・○○リンゲル液:Na130,Cl109,K4,Ca3,有機酸28を含みます(Caはイオン化Ca[mEq/l])
有機酸はHCO3-に代謝されます
 (肝で,クエン酸回路による)
⇒一方、血漿:Na140,Cl103,K4,Ca4,HCO3 25です
⇒よって、生食より生理的で,アシドーシスきたしません。


※乳酸リンゲルで,乳酸アシドーシスは来さないのか?
これは当然の疑問ですが、健康人はおこしません.
理由は、
・乳酸クリアランスが0の患者(ありえませんが)に,1リットルの乳酸リンゲルを静注したとします。
⇒乳酸が4.6mM/l上昇します。
⇒この程度なので,実際に乳酸アシドーシスで困るほど乳酸値は上昇しません。

・リンゲル液はイオン化Ca含みます
⇒輸血中のクエン酸に反応し,凝固起こしえます
⇒なので、「輸血中にメインをどうするのか」問題が病棟で発生するのです。
※ただし投与時間によります(参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/31289235.html


■細胞外液の使い分け(例)
①何もなければ,○○リンゲル液
減っているものを補うという意味で
 嘔吐=HCl喪失:生理食塩水
   下痢=HCO3喪失:○○リンゲル液
③乳酸アシドーシス
 ⇒酢酸リンゲルか,重炭酸リンゲル
④高Ca血症による脱水
 ⇒生理食塩水(Ca入っていないため)
⑤腎不全時
 ⇒生理食塩水(K入っていないため)


参照 ICU Book

ICUブック 第4版


名著。

★バソプレシンが抑制されるため.

◎アルコールを飲んだら水をのみましょう。心不全の人はアルコールを控えましょう。

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■エタノールの作用

①視床下部に作用,ADH分泌↓
 ...ADH=バソプレシン=抗利尿ホルモン

②ニューロンの活性を低下させる
 =神経が鈍くなる
 ⇒バソプレシンの作用↓

よって利尿が促されて脱水となります。


※ちなみにエタノールは以下の作用もあります
 心筋収縮性を弱める+末梢血管拡張
⇒この結果、腎血流量自体は変わらないと言われています。

※また、②により視床下部の満腹中枢が麻痺します
 =食欲が増進します。
 
・但しアルコール中毒者は,カロリーのアルコールが占める割合が高いです
 +悪心・嘔吐・腹痛などで食欲妨げられます。
 ⇒栄養状態が悪くなっています。

 
参照 UpToDate

★弱酸だから.

◎これは直感的には理解しにくい話ですが、「代謝性アルカローシス=HCO3-の増加」であって「代謝性アルカローシス=pHの上昇」でない、という事を理解せねばなりません。それはアルカレミアです。
これは用語の定義なので仕方ありません。
その前提で、以下のような平衡が原因でそういうことになります。


●体内での平衡

CO2H2OH2CO3HCO3H+

・このうち,H2CO3がほぼないため,

CO2H2OHCO3H+ (※)

が成り立ちます.

・このうち,
 代謝性アシドーシス/アルカローシス⇒
HCO3が低いか高いか
 呼吸性アシドーシス/アルカローシス⇒
CO2が高いか低いか

という定義です。

 

有機酸(クエン酸,酢酸など)の投与
代謝されて
CO2H2Oとなる

⇒(※)の左の項が増える

平衡が右に移動

HCO3増える(代謝性アルカローシス)

 

無機酸HClなど)
純粋に電離するだけ

H+が増える

⇒(※)の右の項が増える

平衡が左に移動

HCO3減る(代謝性アシドーシス)



※よって,大量輸血
⇒クエン酸により,AG開大性代謝性アシドーシス
⇒時間がたつとクエン酸代謝される
⇒代謝性アルカローシス
 

▶︎ただし、臨床的にこれを実感することはほとんどありません。それは、大量輸血が必要な状況はほとんど、循環不全による代謝性アシドーシスだからです。循環が改善して代謝性アシドーシスが改善する影響が大きく、クエン酸投与によるアシドーシス補正はほとんど誤差です。

★感度は低い.

◎意外にも尿路感染症の診断は悩むことがあります。

■亜硝酸塩のできるメカニズム
・細菌感染
尿中の硝酸塩が還元される
⇒亜硝酸塩

還元作用をもつ細菌でないと認められません
グラム陽性菌は還元能力を欠如しているものが多い:肺炎球菌,GBS,腸球菌など
⇒グラム陰性桿菌に対する検査だと認識しておきます。


■臨床的有用性
・尿中細菌の存在=UTIではないです
⇒診断基準は、尿培養で10000CFU/ml以上なのです。

尿培養の結果を予測する他の因子が知りたい
⇒白血球エステラーゼ反応,尿潜血と並び,尿中亜硝酸塩もそのうちの一つです.

・UTI診断基準と比較したとき
感度53.4%,特異度88.6%
偽陽性率は低い
陽性ならUTIが疑われます

※単純性膀胱炎ではより感度が低くなります
…陽性となるためには,還元作用を持つ細菌が,尿路に4時間以上いる必要があります。
 ⇒単純性膀胱炎は尿量が多いため、感度が下がるということです。


参照 泌尿器科紀要 (1997), 43(12): 861-865

★ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用し、以降の尿細管作用を阻害する。

◎あまり臨床で実感することは少ないですが、理論的にはこうなります。


ヘンレ上行脚の電解質輸送メカニズム
●解剖(尿管輪切り)
・尿細管内腔
-膜(Na/K/2Clチャネル,Kチャネル)
-細胞内
-膜(3Na/2K ATPase,Clチャネル)
-毛細血管

●電解質輸送
3Na/2K ATPaseでNaが細胞外,Kが細胞内に
 ⇒細胞内Na↓
Na/K/2ClチャネルNa,K,Clを細胞内に
Kチャネル(ROMK)で、細胞内から尿細管内腔へK漏出
 -これは遠位尿細管でNaClの再吸収を継続するため
Clチャネルで、細胞内から毛細血管へCl漏出
 ⇒尿細管腔がプラス,毛細血管がマイナスに傾く
 ⇒尿細管腔にあるプラスイオンが毛細血管へ流れる力となる
Ca,Mgが細胞間隙より再吸収される


■ループ利尿薬の機序

●ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用
Na/K/2Clチャネルを抑える

⇒以降が働かなくなる(下記の②〜⑤)
Ca再吸収↓
⇒低Ca血症


参照 UpToDate

★腎性全身性線維症。

◎ガドリニウム造影剤は腎機能低下例に使用禁忌ですが、副作用は腎機能障害でなく全身性の疾患です。

■腎性全身性線維症
●概要

ガドリニウム造影剤への暴露後2-4週で発症する(2日〜8年との報告も)、皮膚や筋に線維化をきたす疾患。診断は生検によります。
・28%は進行せず、20%に進行を認め、28%が死亡したとの報告があります。

●疫学
・重症腎不全にガドリニウム造影剤を用いた例2.5-5%に生じます。ちなみに本疾患の原因は95%がガドリニウム造影剤ですが、原因不明の例もあるそうです。

●機序
はっきりとはしていないが、2種類の病態が考えられています。
TGF-β1経路の活性化
・トリガーにより、CD68+/XIIIa因子+の樹状細胞が活性化
⇒同細胞がTGF-β1を産生
⇒TGF-β1により樹状細胞の成熟化、抗原提示が促進され、悪いサイクルが回る
⇒組織の線維化

線維細胞の増殖
・トリガーが骨髄を刺激、CD34+線維細胞が産生される
⇒組織に蓄積
⇒組織障害がなくともコラーゲン産生される

トリガーとなるイベントとは?
・ガドリニウム等の毒性物質が組織に蓄積することが原因
ガドリニウムイオン(Gd3+)は水和性が低く、非常に毒性が強い
⇒通常キレートされるが、腎クリアランスが低い場合、キレートから遊離しうる
⇒毒性を発揮する
 …細胞内酵素や細胞膜との反応/ 神経筋のCaイオン伝達の阻害/ リン酸イオンとの反応など


●どの程度の腎不全がリスクとなるか?
eGFR30以上の患者での報告は基本的にない
(2例あるが、AKIであった可能性がある)
・eGFR30未満でガドリニウムが投与されてしまった場合、血液透析を考慮する。


参照 UpToDate

★基本的に対応は非透析患者と同様。

◎透析患者は、血液透析導入時に心エコーが施行されることが少なくありません。どの程度の異常で異常と判断し、循環器内科へコンサルトすべきでしょうか。ここではASとMRについて見てみます。


■大動脈弁狭窄症 
●石灰化が病態であり、透析により進行します
・透析患者ではcommonであり、透析患者の3-9%がsevere ASを合併しているとの報告もあります。

●基本的な手術適応が検討される基準は、非透析患者と同様です。
 …症候性AS, もしくは無症候性severe AS+他所見の組み合わせ
 (無症候性のmoderate以下のASは手術適応となりません)
⇒透析患者では、AVA<1.0の無症候患者(moderate AS)は1年おきのエコーフォローが推奨されています。

透析低血圧に伴う胸痛は、狭心症もしくはASが原因の可能性があり、精査が必要となります。即ち、これがASの症候である可能性もあるということです。

●手術時、生体弁より機械弁が好まれる傾向にありますが、controversialな所です。

follow upの間隔は以下の通り推奨されます(簡略化しています)。
mild AS (Vmax=2-2.9 m/s): 3-5年おき
moderate AS (Vmax=3-3.9 m/s): 1-2年おき
severe AS (Vmax>4 m/s): 6-12ヶ月おき


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■僧帽弁閉鎖不全症

●基本的に偶発的な合併で、対応は非透析患者と同様です。
・手術適応が検討されるのは、症候性MR, もしくは無症候性MR+他所見の組み合わせです。
 (ASと同様、無症候性のmoderate以下MRは手術適応となりません)

●透析患者では特に、体液量に応じて逆流量が変化することに注意すべきです。
 …当然、透析前のovervolumeでは逆流量は増悪しています。
⇒逆に、しっかりとした体液/血圧管理で良好なコントロールを得ることが可能となります。
 …アグレッシブなDry weight引き下げが検討されます。

follow upの間隔、AHA guideline上以下のようになっています。
mild MR: 3-5年おき(実際はあまり実施されません)
moderate MR: 1-2年おき
severe MR: 6-12ヶ月おき


※あと別件ですが、透析患者では感染性心内膜炎のhigh riskであることを知っておきます。

 
参照 UpToDate 

★無症候性の限り治療しなくてもよい。するなら男性でUA>13, 女性でUA>10の場合。

■高UA血症の合併症
高UAに対する治療=高UAによる合併症の予防
①痛風
  年間発症率;UA>9で4.9%, UA 7-8.9で0.5%, UA<7で0.1%
  5年発症率:UA>9で22%
※尿酸ナトリウムクリスタルの関節や腱への沈着;エコーで発見されるが、頻度は不明

②CKD
男性でUA>13女性でUA>10とならなければUAによる腎毒性は否定的
 …実はそれほど高値でもUAによる腎機能悪化は明確には実証されていない
・一方、腎機能障害によりUAのクリアランスは低下するため、UAのcut offが変わってくる
 Cre<1.5:UA>9
 Cre 1.5-2:UA>10
 Cre>2:UA>12

③尿管結石
UA排泄>1100mg/dayにて50%程度リスクとなる⇒が、そこまで尿酸高値となる例はまれ


■管理、対応
●UA>8の場合、まず精査する;血液疾患や薬剤性など二次性の除外
⇒一次性が疑われても、30歳未満の男性や閉経前の女性はFEUrを確認
 …FEUr>10: 産生増加、FEUr<6: 排泄低下

●一次性、無症候でUA>8が持続する場合
生活習慣指導;食事(プリン体回避)、アルコール回避、減量、定期的な運動
降圧薬などの調整
 …ロサルタンやCa拮抗薬はUA下げる。ACEi, 利尿薬、β遮断薬などはなるべく避ける
⇒それでもUA高値の場合
石がなくてUAがやや高い程度
 ⇒conditionとして経過観察してよい

 …高UAは上記合併症の必要条件に過ぎない
  尿酸排泄薬による重篤な合併症の可能性ある
  尿酸排泄薬を一生飲み続けなければいけない可能性があるため
生活指導後も男性でUA>13, 女性でUA>10と高値の場合
 ⇒不確定な利益を説明した上でアロプリノールなどを開始してもよい

  (しなくても良い)
 …この場合、UA<8を目標とする
※HGPRTase欠損などリスクの高い状況では薬物療法開始すべき
※末期心不全によるUA高値は治療しない(予後に関わらないため)

●尿酸結石ある等、症候性の場合
UA<6を目標とし、薬物治療を開始する


参照 UpToDate

★CKD Stage 4では推奨、透析になると推奨されない。

■機序
●CKD⇒塞栓リスク↑

・透析:血管内血液量が数時間で急に減る
   ⇒粘稠度が増す可能性あり
・内皮障害、動脈硬化↑
・RAAS系↑
・proteinC代謝、Glycoprotein Ⅰb発現、PAI-1発現などの変化
⇒正常なhemostasisが維持されず、塞栓症リスク↑

塞栓症リスクは、腎機能が悪ければ悪いほど上昇する
 +腎機能障害は、塞栓症の独立した因子(CHADS2には入ってないが)

●CKD⇒出血リスク↑

・尿毒症物質蓄積、血小板アラキドン酸代謝の異常、vWFの異常、細胞内ADP・セロトニン減少
⇒血小板機能異常


■対応
●CKD Stage3 (eGFR: 30-59)

・CHADS2 0点でも抗凝固薬の使用を検討する
・NOACはwarfarinに対して非劣等

●CKD Stage4 (eGFR 15-29)

抗凝固薬の使用が推奨される
ワーファリンが良い;NOACのエビデンスが乏しい
※ワーファリンは肝代謝
⇒但し、以下の場合は内服を推奨しない
 …転落リスク高い、大出血の既往、コントロール不良の高血圧、コンプライアンス悪い

●CKD Stage5 (eGFR<15)

・データは少ないが、Stage 4と同様の対応でよい

●維持透析

・抗凝固はcontroversialだが、脳梗塞のリスクを減らさないとの大規模研究あり
 +透析の度穿刺するし、上記より出血のリスク高い
抗凝固を選択しない理由は十分
⇒但し、以下の血栓ハイリスクの場合、ワーファリンによる抗凝固を検討する
 …心房内血栓、機械弁、TIAや脳梗塞の既往


参照 UpToDate  
用語 心房細動(Af) 

★FENa、利尿薬使用していればFEUNかFEUA、ただ最も信頼できるのはボリューム負荷。

※以下の認識の下での話。
・腎前性急性腎障害(腎虚血)は腎実質へダメージ与える
⇒腎性腎障害の要素もある
腎性と腎前性をクリアに分けられない事も多い


■尿中電解質

・尿Na…脱水で低下:20mEq/l以下
・尿Cl…脱水で低下:20mEq/l以下(Naよりも他の影響を受けづらい)
・尿Cre÷血清Cre、尿UN÷血清UN…脱水で高値(濃縮のため
※但し、FENaの方が鑑別に推奨される

●FENa

 =(UNa÷PNa) ÷ (UCr÷PCr) × 100
1%未満が正常:99%再吸収している、という意味
腎前性:Na再吸収↑を反映し、FENa低下
 腎性:低下しない
但し、1%という値自体はあくまで参考(下記)

※以下の場合、腎性でもFENa≦1%となりうる

慢性的に腎虚血の場合
 …心不全、肝硬変、腎梗塞
・腎性疾患でも尿細管の能力が比較的保たれている場合
 …急性糸球体腎炎、血管炎、造影剤腎症
・腎機能が良い場合

※以下の場合、腎前性でもFENa≧1%となりうる

利尿薬使用している場合
 ⇒FEUNやFEUAを代わりに用いる事ができる
 ⇒FEUN:腎前性は35%以下、ATNは50-65%以上
  FEUA:腎前性は12%以下、ATNは20%以上
・腎機能が悪い場合


■その他尿所見
●尿浸透圧

体液量↓⇒抗利尿ホルモン↑⇒尿浸透圧↑
腎前性で高値:500mEq/l以上
・ATN(腎性)の場合
 ⇒尿濃縮能が障害、尿と血漿がほぼ等張となる:300-350mEq/l

●尿沈渣

茶色く濁った顆粒円柱+尿細管上皮円柱:ATNを強く示唆
 …血管炎でも呈しうる
赤血球円柱、変形赤血球:糸球体腎炎か血管炎(腎性)を示唆
大量のアルブミン尿(ネフローゼを満たす):糸球体疾患(腎性)を示唆
正常尿腎前性、腎後性を示唆(高Ca、MM、腫瘍崩壊などでも呈す)


■生理食塩水負荷

・ピュアな腎血流↓による腎障害なら、速やかに腎機能改善
・腎前性でも腎障害の要素がある場合、回復は遅くなる
⇒一般的には、腎前性の場合負荷後24-72時間以内に元まで回復する
戻らなければ、その分ATNの要素ということ
※明らかにvolume overloadでない限り、一度は試すべき


参照 日内誌,体液異常と腎臓の病態生理,UpToDate 

★ATNは腎虚血(+腎毒性)で生じる。

■急性腎障害(AKI)の定義;AKIN分類
48時間以内でCreが0.3mg/dl以上 or 50%以上の上昇,
 若しくは尿量が6時間以上にわたり0.5ml/kg/h以下に低下すること

●重症度
Stage 1:Cre 0.3以上 or 50%以上の上昇/ 尿量 0.5ml/kg/h以下が6時間以上
Stage 2:Cre 100%以上の上昇/ 尿量 0.5ml/kg/h以下が12時間以上
Stage 3:Cre 200%以上の上昇/ 尿量 0.3ml/kg/h以下が12時間以上


■分類、原因

腎性
…糸球体:糸球体腎炎
 動脈:血管炎、 アテローム塞栓
 静脈:心不全(心腎連関)
 尿細管:ATN、間質性腎炎
腎前性
…循環血漿量↓
 心不全(心腎連関)
 肝腎症候群
 両側腎動脈狭窄
 NSAIDs使用(特定の状況下、下記)

※腎に入った後の血管なら腎性,腎動脈まで腎前性
ATNと腎前性腎障害で75%


■重要な疾患と病態
●腎性
ATN(急性尿細管壊死)

…段階的な病態:内皮/上皮細胞損傷、尿細管閉塞、免疫/炎症反応
簡単に言えば、多くは遷延した腎虚血による尿細管障害
原因:著明な循環血漿量低下(手術、敗血症、膵炎)
   循環血漿量低下+腎毒性(アミノグリコシド、ヨード系造影剤)
背景に腎の自己調節能↓がある
 …慢性腎臓病、肝硬変、高血圧、薬剤(ACEi, ARB, NSAIDs)


●腎前性
肝腎症候群

…肝硬変
⇒全身の血管拡張による血圧↓
⇒アンギオテンシンⅡ・ノルアドレナリン↑
⇒腎虚血進行
肝疾患による尿酸産生低下・筋肉量低下によるCre↓
⇒進行がマスクされる
AKIの臨床像をとった時,病態進行の末期である
 
心不全・肝硬変・慢性腎不全・体液量減少時のNSAIDs使用

…アンギオテンシンⅡ,ノルアドレナリン産生して血管収縮 
PG産生することで、過剰な腎血管収縮を防いでいる
⇒NSAIDsでPG阻害すると、著明な腎血管収縮


●腎性、あるいは腎前性
・心腎連関
心不全による拍出量↓
 ⇒腎血流量↓:腎前性の要素
心不全による静脈鬱滞
 ⇒腎臓の静脈鬱滞
 ⇒尿を生成できない(押し出せない):腎性の要素
この場合、利尿薬(尿細管の再吸収阻害)が効きにくい!
⇒鬱滞解除のために静脈系からの直接的な除水が必要

③一方、腎不全により心不全増悪を来す病態
…右心系拡大⇒右室拡大⇒左室容積↓⇒心拍出量↓
 腎血流↓⇒RAAS↑、交感神経↑、ADH↑⇒色んなmediator介し心不全増悪


参照 UpToDate
国立国際医療センターのサイトが非常に参考になります

★Kt/Vが低値なことと、患者ひとりひとりの状況を合わせて判断する。
※症状の改善の具合、BUNの減り具合は信頼できる指標とならない
 (食事で変動するため)


■透析状況の判断法

●1ヶ月毎に、以下の指標をみる
⇒Kt/V(以下参照)、Dry weightを保てているか、透析中の血行動態と合併症、血圧
⇒透析設定を変更する


■Kt/V

尿素窒素が、その分布体積につきどれくらい除去されたか
 =低かったら透析量が足りないかもしれない、ということ
K:UNのクリアランス
t:透析時間(分)
V:体内水分量 - 除水した量(ml)

●簡易計算式

Kt/V = - log (R - 0.03) + [(4 - 3.5R) × UF ÷ W]
R:透析後BUN ÷ 透析前BUN
UF:濾過量 (L)
W:透析後体重 (kg)


●数値の解釈

1.2〜1.4を目標とする;1.2以上だと死亡率↓、1.4以上では変わらない
・低値の場合
①以下が原因でないか、確認する
 ・目指す血液量、透析時間を下回っている(40%)
  …針の位置が良くない、機械のキャリブレーションミス、患者の都合
 ・下記(★)の場合(25%)
②透析効率を高めるよう、機械の設定を変える
③他のvolume overloadの所見をあわせ、Dry Weightを下げる

●低値だが、解釈に注意すべき状況

・透析後BUNを正確に出すには、透析後30分以降に採血する必要ある
 ①UNが血管外から血管内に戻り、平衡となるまでそれくらいかかる
 ②心肺再循環が解除されるのに数分かかる
  …静脈血への送血が、全身循環せずに直接肺を介して動脈側へいくこと
⇒これらの影響で、透析後すぐ採血するとBUNが見かけ上低くなる(★)
⇒しかし現実的に難しいので、普通透析後2分で採血する

・その他
低栄養の患者はVが小さくなるが、筋肉量も減っているのでKt/Vは過大となる
 毎回の透析で再現性があることを前提としている
 他の要素を無視している


■尿素減少率 (UUR; Urea Reduction Ratio)

UUR = 1 - (透析後BUN ÷透析前BUN)
・簡易だが、Kt/Vよりは不正確
UUR=0.62 が Kt/V=1.12に相当する


参照 UpToDate

★低血圧(25-55%), 筋けいれん(5-20%), 嘔気嘔吐(5-15%), 頭痛(5%), 胸痛背部痛(2-5%)。

■低血圧

・最も多い急性合併症
・別記事参照


■筋けいれん

・機序:一部の筋で繊維束性攣縮(神経原性)→高頻度の活動電位へ発展
・病因:有効血漿量↓低Na、組織低酸素、低Mg、カルニチン欠乏、レプチン↑
 …前2つが特に重要:流量↑や透析液の低Naで頻度増える
・治療
 …同時に透析低血圧が生じている場合:透析低血圧の対応
  他の対応;血漿浸透圧↑=高調食塩水 or 50%デキストロース投与
       暖める、マッサージする
・予防:透析間の体重増加を減らす、透析低血圧を予防、透析液Na濃度↑、カルニチン補充、ビタミンE投与、芍薬甘草湯投与


■頭痛、嘔気、嘔吐

・低血圧とは関係なく生じうる
 ⇒他、電解質異常、低血糖、硬膜下出血、薬剤性頭痛を除外する必要あり
・透析が長く大量に除水している患者で起きやすい
 …尿素を除去するスピードが早い事が原因か
 ⇒急に血漿浸透圧が下がり、自由水が脳へ行ってしまう
カフェイン摂取が増悪因子となる


■胸痛

狭心症、ACSをまず疑う
・透析を継続する場合
酸素投与、アスピリン投与、除水速度↓、ニトロ製剤やモルヒネの投与を検討する
・ニトロやβ遮断薬の前投与で予防できる
⇒しかし透析低血圧になりやすくなり、結果的にあまり引けなくなる

溶血
・胸痛や背部痛を呈しうる
・早く気づかないと、高K血症で致死的となりうる
 ⇒静脈血がポートワイン色となることに気づく
基本的には透析方法が原因
⇒加温しすぎ、透析液の調度が低すぎ、水やチューブからのコンタミネーション(ホルムアルデヒド、漂白剤、クロラミン、硝酸塩)、機械の不備(物理的溶血)
・対応:透析中止、高カリウムと貧血への対応

●空気塞栓
・透析装置で空気は除去されるので、不備がなければ基本的には起こらない
・肺塞栓と同じ症状
 +チューブ内の血液が泡沫状となることに気づく
・対応:透析中止、左側臥位、全身管理

●不整脈

・心臓の基礎疾患がある患者に起きやすい
⇒透析による体液量や電解質バランスの変動、低酸素血症が誘因か
(カリウムの影響についてはcontroversial)
・一般的な不整脈の対応と同じ


■呼吸困難

●透析前からあるもの
・基本的にはvolume overload

●透析後に生じたもの
・狭心症、ACS、菌血症、肺炎、透析装置への生理反応
・薬剤アレルギー:静注鉄剤、ヘパリン(HIT→回路内血栓)


参照 UpToDate 

★原因疾患がないことを確認、生食投与で対応する。

■疫学、病態

・透析で収縮期血圧20mmHg以上低下し、症状出現したもの
・非常によくあることで、透析患者の75%が経験するともいわれる

●基本的な原因:透析自体によるもの
除水過多;早すぎ、多すぎ
 =血液減少に対する、間質からの水の移動が少ない、ということ
 …Dry Weightが低すぎる、体重増加が大きいとリスク
自律神経障害
 =交感神経↑という代償機構が弱い、ということ
 …特に糖尿病患者
心臓予備能の低下

増悪因子:透析中か直前の食事摂取、降圧薬内服
 …食事後20-120分後に末梢血管抵抗が下がると言われる

●注意すべき原因疾患
敗血症
心臓病:不整脈、心臓タンポナーデ、弁膜症、心筋梗塞
・溶血、出血
・空気塞栓
・透析膜への生理反応


■対応
限外濾過量を少なくする、又は0にする
輸液
基本は生理食塩水250-500mlボーラス投与。20%グルコースがより効果的との報告もあり
酸素投与
④(下肢拳上)
原因検索
輸液に反応しない、随伴症状あり(発熱、腹痛、胸痛、呼吸困難)の場合、重篤な原因疾患がある可能性高い


■予防
Dry Weightを再確認する
透析液の組成を確認する
 ⇒Ca≧2.25mmol/l, Mg≧1mmol/l, 重炭酸を使っている(酢酸を使っていない)
透析前、中の食事摂取をやめる
透析前の降圧薬内服を中止する
 (もしくは、普段の降圧薬内服を夜にする)
⑤普段のナトリウム摂取量を減らす
 …1-2g/日程度とする
⑥EPO製剤を用いて貧血を是正する

●これでダメな場合、
⇒透析液を低温とする、透析時間を長くする

●それでもダメな場合、
ミドドリン(メトリジン;α刺激薬)内服とする
⇒透析回数を増やす


参照 UpToDate

★治療に必須で、予防にも使われる。

■単純性膀胱炎の治療

抗菌薬が非常に効果的
ST合剤  4T2x  3日間;7日間の治療と成績は同等、とされた
(他の第一選択抗菌薬;ニトロフラントイン、ホスホマイシンは日本であまり使われない)
・フロモックス100mg  3T3x  7日間
・クラビット500mg  1T1x  3日間
など。

・ほぼ原因は大腸菌と考えてよく、地域によって耐性が異なる
βラクタムでも結構効く。何でも良いと言えば何でも良い
⇒耐性の判定のため、培養を取る事は重要
クラビットは効くが、他の治療ため残しておく方が良い
※効けば、48時間以内に症状改善する


■繰り返す膀胱炎

●定義:6ヶ月に2回以上、若しくは1年に3回以上の膀胱炎
●再燃か、新規か
ほぼ新規の感染
 2週間以内の症状再燃の場合は、治療失敗し再燃したと考える
⇒但し、以下のことが多い
 ・再燃の場合は、元の抗菌薬無効な、同じ大腸菌
 ・新規感染の場合は、元の抗菌薬有効な、同じ大腸菌
効く抗菌薬で治療する
⇒様々なリスクが提唱されている。予防が重要

●予防方法

①行動変容
・性交渉の回数を減らす、殺精子剤の使用を控える
排尿回数を増やす
・クランベリージュースを飲む
 …フルクトースにより、病原体が尿路上皮細胞へ付着するのを防ぐ
 (実証された良い研究はない)

予防的抗菌薬投与
・ずっと飲む:非常に効果的。6ヶ月で止めると再発しうる。STなら5年いける。
性交後に飲む:性交が原因の人には一番良い方法。ST1回分内服。
・自分のタイミングで飲む:ほぼ症状から診断できるため。協力的な人に。

③エストロゲンの局所投与
・閉経後の女性に、膣内エストロゲン製剤を用いると効果的。


参照 UpToDate 

★症状が典型的なら、ほぼ必要ない。

■診断

若年女性で下部尿路症状:排尿障害、頻尿、尿意切迫、下腹部痛、血尿
⇒これだけで50%膀胱炎
 …検査の必要あり
生殖器の症状なければ90%膀胱炎
 …検査の必要なし

・65歳以上の場合、下部尿路症状自体は非特異的
⇒発熱、1週間以内発症の排尿障害/頻尿/尿意切迫、多量の血尿、CVA巧打痛、意識障害などで疑う
⇒もちろん検査の必要あり


■診断の補助検査

※当たり前だが、症状から膀胱炎の可能性が微妙にある時に施行する
 …「絶対膀胱炎!」という時にやっても、陰性の場合否定できないから
●尿検査
尿中白血球は非常に感度が高い
⇒なければ、結石の嵌頓か、他の診断を考える
血尿は診断を指示する
尿道炎や膣炎では生じないため

●試験紙

白血球エラスターゼ:陽性なら白血球>10/hpfを示唆する(感度75-96%、特異度95%程度)
亜硝酸塩:陽性なら>10^5CFUの腸内細菌を示唆する
 …但し感度はそこまで高くない 参照:「どちらか陽性になる」はUTIに対して感度75%、特異度82%

●尿培養

・起因菌はほぼ大腸菌(75-95%)であり、ルーチンでとる必要は無い
⇒但し耐性菌が出回っている事を考え、以下の場合施行するとよい
 ・症状が非典型の場合
 ・抗菌薬投与後3ヶ月以内に再発した場合
 ・感染の複雑化が考えられた時

※膀胱炎の起因菌:大腸菌、プロテウス、腸球菌、クレブシエラ、S. saprophyticus


■鑑別診断

・膣炎:トリコモナス、真菌、細菌など様々
・尿道炎:クラミジア、淋菌、トリコモナス、HSVなど
・PID
・腎結石
・膀胱痛症候群:下部尿路症状があるが、他の疾患が除外された場合


参照 UpToDate 

★理想ではCCr=GFR、Creは理想からちょっと遠く、近似式は患者群が違う。

■糸球体濾過率(GFR)とは

機能しているネフロンの濾過率の和
…通常、1日180L程度の血漿が濾過される
 =125ml/min;これを体表面積あたりとしたものがGFR
・GFRは体格で大きく異なるが、正常は120ml/min/1.73m2程度

※但し、GFR低下はネフロン喪失と完全な相関関係には無い
 …生きているネフロンが頑張るから(濾過、再吸収率↑)
⇒GFRが低下しなくても、腎障害が進行している可能性ある
 (尿蛋白、尿沈渣、血圧↑などで評価する)


■GFRの測定

・直接測定する事はできない。間接的に求める。
①物質Aにて、
 Aのクリアランス = (尿中A濃度 ÷ 血漿A濃度) × 尿量 [ml/min]
②Aが理想的な場合
 …完全に濾過され、尿細管で全く再吸収/分泌されず、排泄の間変化しない
 Aのクリアランス = GFR

イヌリンは理想的なAに最も近いが、高価でアッセイも難しい
 +本当にちゃんとやろうとしたら、持続投与+尿カテーテル+頻回採血が必要
⇒現実的でない


■GFRの推定(eGFR)
●クレアチニン

・骨格筋 or 食事から血中へ
⇒一定の割合で放出され、尿細管で再吸収されず、排泄の間変化しない
 …但し、尿中Creの10-40%が近位尿細管からの分泌による(この点理想的でない)
⇒基本的には排泄量は一定と考えて良い

①式より、
Creクリアランス =(尿中Cre濃度 ÷ 血漿Cre濃度) × 尿量
 …蓄尿でCCrを求める時の式
②式より、
Creクリアランス = GFR
CrCl(CCr)がGFRとして代用できる
※実際は、CCrはGFRより10-20%高くでる
また、
GFR × 血漿Cre濃度 = Cre排泄量 = 一定
1/Creが腎障害の進行に比例する

●近似式

・Cockcroft-Gault:肥満があまりいなかった頃の式。10-40%過大評価する。
・MDRD study:非糖尿病の白人の研究から。
⇒どちらも、日本人、健康に近い人は過大評価となる
・CKD-EPI:健康に近い人向けの式。


■eGFRの限界
●Cre

・Cre産生量がばらつく
 …肉摂取や横紋筋融解で血中Cre↑
尿細管からのCre分泌がばらつく
 …初期は腎障害あっても分泌量増える 
  =Cre上昇とならない(Cre>1.5程度で分泌量が最大となる)
 …日内変動がある
 …疾患/薬剤で増減する;ネフローゼ、鎌形赤血球で増え、ST合剤やH2拮抗薬で減る、など
・アッセイが不完全

●近似式

対象となった患者群以外の場合、信頼性は落ちる
 

参照 UpToDate 

★腎障害+腎機能低下の2サイドで分類。

■定義

急性腎不全を除外した上で、原因に関わらず、腎障害や腎機能低下を3ヶ月以上認める状態
腎障害:生検/画像上の判断、沈渣の異常、アルブミン尿
 …尿中アルブミン異常は、Alb/Cre(ACR)>30を基準とする;予後が悪くなる
腎機能低下GFRの低下
 …eGFR<60を基準とする

※ACR

・Creの1日排泄量が約1gである事を利用
⇒Alb/Cre [mg/gCre]とすることで、Albの1日排泄量をスポット尿で近似できる
…蓄尿し、尿中Albを測る方が正確


■CKDのステージング

①G-Stage
・GFRで層別化。

Stage

G1

G2

G3a

G3b

G4

G5

GFR

>90

60-89

45-59

30-44

15-29

<15


②A-Stage 
・アルブミン尿:尿中Alb/Cre (ACR)で層別化。
⇒蓄尿し、アルブミン1日排泄量とした方が正確。

Stage

A1

A2

A3

ACR

<30

30-299

>299

 
●組み合わせ

 

G1

G2

G3a

G3b

G4

G5

A1

 

 

 

 

 

 

A2

 

 

 

 

 

 

A3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リスク

Moderate

以下

moderate

high

very high

very high

以上



 
参照 UpToDate 
慢性腎臓病 

★腎機能としては浸透圧の方が優秀、浸透圧の単位は基本的にmOsm/kg H2O。

■浸透圧の単位

・Osm:溶質分子 or イオンのmol数
⇒mOsm:溶質分子 or イオンのmmol数
mOsm/L溶液1Lあたりの溶質分子 or イオンのmmol数
 mOsm/kg H2O水1kgあたりの溶質分子 or イオンのmmol数
※病院の単位は基本的にmOsm/kg H2O

●血清浸透圧:275〜295mOsm/kg H2O
ほとんどが電解質で、尿素/ブドウ糖/タンパク質は数mOsm/kg H2O程度
尿浸透圧はほぼ変わらない


■比重と密度

・密度:質量÷体積
比重ある物質の密度と、基準となる物質の密度の比
個体と液体の基準は4℃の水、気体の基準は同温度/圧力の空気

●血液の比重:1.05〜1.06程度(Hbが高いほど高い)
⇒血清:1.024〜1.029
蛋白を除く:1.01程度
 …これが尿の比重とほぼ等しい


■尿浸透圧と尿比重の関係
●違い

・いずれも尿中に排泄される溶質の量を反映する
⇒脱水だと上昇、溢水だと低下する。尿崩症だとこの調節が狂う。
・ただし、
①浸透圧:溶質の分子数のみが重要
比重:溶質の分子数だけでなく、高分子物質も影響(造影剤や蛋白など)
⇒よって、浸透圧の方が腎機能をより反映する

●浸透圧の単位は、病院で換算の必要性は無い

・基本的に氷点降下法(凝固点降下)で測定される
式:ΔT=k(モル凝固点降下) × c(質量モル濃度[mol/kg])
     浸透圧 = c[mol/l] × R(気体定数) × T
⇒これから求めるため、単位がmOsm/kg H2Oとなる

・mOsm/Lと表記されたものもあるが、簡略化されているだけ
…「mOsm/kg H2O」が長くて記載できないから、など。定義には準じていない。


参照 日本流動食協会HP、異常値の出るメカニズム 

★K排泄増加、PTH作用↓のため。

■低Mg⇒低K
・細胞内Mg↓
ATP活動性↓
⇒①Kチャネル(ROMK)が増える;ROMKはATPにより抑制されるため
 ⇒K排泄↑
 ②アルドステロン↑
 ⇒Na再吸収により管腔側がマイナス
 ⇒K排泄↑


■低Mg⇒低Ca
・低Mg
⇒①PTH分泌↓
 ②骨,腎へのPTH作用↓(cAMP産生↓による,詳細機序は不明)


参照 UpToDate
➤低カリウム血症,低マグネシウム血症,低カルシウム血症

★抜去>導尿>交換。

■尿カテーテル関連尿路感染症の病態

①尿道の中で、カテーテルの外部にバイオフィルムが形成され、逆行性に感染
尿ドレナージ不良か、尿バッグ中の細菌汚染のため、内部から逆行性に感染
外部からが66%, 内部からが34%
※purple urine bag症候群に注意する;参照 紫色採尿バッグ症候群→尿は紫にならない?


■フォーレをどうするか

●当然可能なら抜去すべき
⇒抜去できない患者は、間欠的導尿で管理すべき
⇒間欠的導尿が困難な場合、抗菌薬開始時にフォーレを交換すべき
※それぞれ効果が確かめられている。しかし理想的な管理方法は正確にはわかっていない。 


参照 UpToDate 

★用語の組み合わせ。

■腎代替療法 RRT:renal replacement therapy

血液濾過 HF:hemo-filtration
「脱血→ポンプ→濾過器→側管から輸液→送血」
膜に圧力をかけて液を押し出す
血液中の水分や溶解物を取り除く目的で行う;電解質も除去されるため補液を行う

血液透析 HD:hemo-dialysis
「脱血→ポンプ→濾過器(側管から透析液)→送血」
拡散の原理:接する透析液との浸透圧の違いを用いて、受動的に拡散させる
⇒BUN, Cre, Kは除去され、CaやHCO3などは負荷される
 ※参照:透析の原理、透析⇒低K血症

血液透析濾過 HDF:hemo-dia-filtration
「脱血→ポンプ→濾過器(側管から透析液)→側管から輸液→送血」
・HD+HF


■持続的腎代替療法 CRRT:continuous RRT

・12時間程度持続して行うRRT。
スカッフ SCUF:slow continuous ultra-filtration
・血液中の水分を取り除くためだけの目的。補液、透析液を用いず、最もシンプルな回路。

持続血液濾過 CHF:continuous HF
①動脈-静脈 CAVH:continuous arterio-venous HF
②静脈-静脈 CVVH:continuous veno-venous HF

持続血液透析 CHD:continuous HD
①動脈-静脈 CAVHD/CAVD:continuous arterio-venous HD
②静脈-静脈 CVVHD/CVVD:continuous veno-venous HD

持続血液透析濾過 CHDF:continuous HDF
①動脈-静脈 CAVHDF:continuous arterio-venous HDF
②静脈-静脈 CVVHDF:continuous veno-venous HDF

※AVかVVか

AV:2本のルートが必要だが、血圧で回すため体外式の血液ポンプを必要としない 
VV:1本のダブルルーメンで可能。対外式ポンプを必要とする
⇒ほとんどVV。 


参照 UpToDate, http://www.hiranogh.com/hirarinsyou_bumon_09.html 

★尿酸結晶が沈着する。

■急性尿酸腎症

●尿酸産生↑+排出↑
尿細管内で、尿酸が沈殿
⇒急性腎不全
・原因は主に白血病やリンパ腫の化学療法、放射線治療後(腫瘍崩壊症候群)。Lesch-NyhanやURAT1欠損など。
尿酸値15mg/dl以上とかなり高値となる

■慢性尿酸腎症

尿酸ナトリウム結晶が、髄質間質に沈着する
⇒炎症
間質繊維化、CKD
・症状や検査所見は非特異的で、高血圧性腎症や糖尿病腎症と鑑別は難しい
⇒本当は生検しなければ診断できない
⇒しかしあまり信頼できないが、一応基準はある
①尿酸>9mg/dl(Cre<1.5)
②尿酸>10mg/dl(Cre<2)
③尿酸>12mg/dl(Cre>2)

 
参照 UpToDate 

★NSIADsでFFは変化しない。

■定義
●GRR(glomerular filtration rate, 糸球体濾過量)

糸球体細動脈(G)からボウマン嚢(B)へ濾過された量
GFR = 定数 × {(Gの静水圧 − Bの静水圧) − (Gの浸透圧 − Bの浸透圧)}
 ※濾過されるため、Bの浸透圧はほぼ0
 ※定数(Kf)は腎機能に直結する(単位:ml/min/mmHg)
 ⇒機能する動脈の減少、動脈の内膜肥厚などで減少:糖尿病、遷延する高血圧など 

●RPF(renal plasma flow, 腎血漿流量)

RBF(腎血流量)= RPF / (1 − Ht)
 ∵Htは赤血球が占める体積の割合のため

●FF(filtration fraction, 濾過率)

FF = GFR / RPF
・平均 20% 


■薬剤の影響

①NSAIDs
・プロスタグランジンは輸入細動脈を拡張
⇒それを阻害
Gの静水圧減るためGFR↓、RPF↓
FFは変化なし

②ACE阻害薬、ARB
・アンギオテンシンⅡは輸出細動脈を収縮
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/38468991.html
⇒それを阻害
Gの静水圧減るためGFR↓、RPF↑
FF↓
 

参照 Guyton生理学 

★排尿筋と尿道括約筋の協調不全による。
※完全にはわかっていない

●排便異常を伴う排尿・膀胱異常
dysfunctional elimination syndrome, bowel bladder dysfunction

①直腸圧↑
膀胱後壁への圧力↑
⇒排尿筋が過活動
⇒排尿筋と尿道括約筋の協調不全

②排尿筋、肛門括約筋の神経インプットが同じグループ
・便秘によりずっと外肛門括約筋収縮
骨盤底筋の収縮↑
⇒排尿筋収縮↑
⇒排尿筋と尿道括約筋の協調不全
※便秘
副交感神経↑
⇒排尿筋収縮↑ も関与

③骨盤底筋の収縮↑
排尿筋が弛緩しなくなる
⇒排尿筋と尿道括約筋の協調不全

 
参照 UpToDate 

★詳細な機序は不明。

■ネフローゼ症候群⇒脂質↑
①産生↑
血漿膠質浸透圧↓
肝細胞でアポプロテインB転写↑
 …この機序は不明。単純な代償ではない(膠質浸透圧を上昇させるには分子量が大きすぎるため)
  アルブミンやデキストランで浸透圧を上げると、転写下がる

②代謝↓
・脂肪代謝:VLDL→IDL→LDL
      …ポプロテインリパーゼによる
      ⇒ネフローゼではこの代謝が遅くなる
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/29639547.html
LDL受容体によるLDL、IDLのクリアランスも低下
⇒これらの詳細なメカニズムは不明
腎でのアルブミンクリアランス↑が原因
…正常では尿排泄されない、脂肪代謝のメディエーターの存在が示唆される

●高コレステロール血症は膠質浸透圧↑が重要
●高TG血症はAlbクリアランス↓が重要

※大規模な研究は無いが、ネフローゼによる脂質異常症も冠動脈イベントのリスクが上がるとされている。

 
参照 UpToDate 

★アンギオテンシンⅡ作用の拮抗。

■アンギオテンシンⅡの作用
○輸入細動脈も輸出細動脈も収縮させるが、輸出細動脈収縮の作用が大きい
…①輸出細動脈の方が径が小さい
  ⇒収縮による血管抵抗↑作用が大きい
  ②輸入細動脈からNO放出される
  ⇒輸入細動脈の収縮が緩和される
  ③輸入細動脈でAT-Ⅱ受容体が刺激
  ⇒チトクロムP-450依存経路にて血管拡張
⇒以上より糸球体内圧↑
GFR↑


■自己調節能
○血圧↓
輸入細動脈の拡張:尿細管糸球体フィードバック、直接の筋収縮による
⇒さらに腎血流↓
 ⇒レニン↑
 ⇒アンギオテンシン↑:上記機序にてGFR↑ 


■ACEi、ARB
○アンギオテンシンⅡの作用を拮抗
 =血管拡張;輸入細動脈<輸出細動脈
自己調節能にて血圧維持されている状態の場合、薬剤によりGFR↓
 =腎血流↓の状態
 =腎動脈狭窄、利尿薬によるhypovolemia
  (つまり、本態性高血圧症の場合、これら薬剤による腎機能低下は生じづらい)
アンジオテンシンⅡの半減期は短い
⇒治療開始してすぐ腎機能悪化する
⇒開始3-5日で腎機能チェックすると良い

○ほとんど問題となる腎機能障害はおきない
 +腎機能障害生じた例でも、治療中断とともにすみやかに改善する
⇒まれに不可逆的な腎障害生じることがあるが、原因不明。

※ACE阻害薬、ARBの違い…参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/26237567.html


参照 UpToDate

★結局5%グルコース。

■ナトリウム濃度の決定
[Na]=(Nae+Ke)÷体内総水分量
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/37084374.html


■治療
・自由水の補給
 ⇒経口水分摂取,5%グルコースで補正する
・原疾患(高血糖,尿崩症,感染など)の治療

水分喪失量
・[Na]=(Nae+Ke)÷体内総水分量
 高Naが,水分喪失のみによるとした場合,
⇒[Na]÷体内総水分量=一定
 正常[Na]=140とすると,
⇒140÷正常総水分量=[Na]÷現体内総水分量

よって,水分喪失量
    =正常総水分量-現体内総水分量
    =正常総水分量×([Na]÷140-1)

予想される補正Na
・(★)より、Adrogue-mediasの式
 補正Na={(現在Na×体重×係数)+(入れるNa+入れるK)}÷{(体重×係数)+入れる水}
⇒これに尿からの排泄を考慮すると、
 補正Na={(現在Na×体重×係数)+(入れるNa+入れるK)-(尿中Na+尿中K)} 
       ÷{(体重×係数)+入れる水-尿量}


参照  体液異常と腎臓の病態生理、研修医.com

★NaかKの喪失による。

■血清ナトリウム濃度はどう決まるか
・まず,血漿浸透圧≒2×[Na] である
 ※2倍してあるのは、Na+と同じmol数だけ陰イオンがあり、陽・陰イオンの総数で浸透圧が決まるため
・また,血漿浸透圧=体内の全溶質÷体内総水分量 である

体内の全溶質=細胞外溶質(細胞外Na塩)+細胞内溶質(細胞内K塩)
          =2×細胞外Na+(Nae)+2×細胞内K+(Ke)
 ※e=exchangable
 
・よって,[Na]=(Nae+Ke)÷体内総水分量
⇒喪失するNae+Keが血漿に比べて小さいと,高Na血症となる(★)
 =NaでもKでも喪失すると、血中Na濃度は下がる!
 …通常は150mEq/L程度


■機序
1.水分補充ができない+以下の水分喪失
皮膚から
 …不感蒸泄,発汗の増加
 ・普通,口渇感→水分補給で是正される
 ⇒高齢者,sedation使用時などはこの機序がなくなる
 ⇒高Na

尿から
 …尿崩症,浸透圧利尿(高血糖による)
 ・高血糖
 ⇒近位尿細管で糖を再吸収しきれない
 ⇒尿管腔の糖が,水を大量に引っ張る浸透圧利尿
 ⇒尿のNae+Keが低下する
 ⇒(★)
 ※ただし,高血糖により細胞内から外へ,浸透圧による水の移動がある
 ⇒高Naとなっていないことがある
 ⇒インスリンで血糖を是正すると,高Na血症が顕在化する

消化器から
 …下痢
 ・Nae+Ke
 …感染性下痢症では40~100mEq/L程度(尿素,有機酸が残りの溶質を占める)
 ⇒(★)

2.口渇中枢の障害
・視床下部病変(非常にまれ)

3.高濃度ナトリウム負荷

4.尿崩症
・ADHに反応できない
尿浸透圧<300mOsm/kgの時に疑う
…>500の場合,ADHが比較的作用し,尿濃縮が起きていると考える
 (健常者では1000~1200程度まで上昇する)


参照 体液異常と腎臓の病態生理
更新 2014/4/4 

★利尿作用が全然違う.

1.ループ利尿薬
ヘンレのループの太い上行脚に作用
 …Na/K/2Cl共輸送体をブロック
電解質の濃い尿が集合管へ
⇒①浸透圧高い
  ⇒アクアポリンによるfree waterの再吸収↓
  ②対向流増幅系を阻害
  =集合管とヘンレのループ下行脚(両者とも髄質)でのfree water吸収↓
  ⇒尿の濃縮が阻害

※対向流増幅系
…ヘンレのループ(髄質)で電解質を吸収
 ⇒髄質の間質の浸透圧↑
 ⇒尿は遠位尿細管(皮質)を通った後,集合管(髄質)へ
 ⇒集合管でのfree water吸収↑
  =尿の濃縮


2.サイアザイド利尿薬
遠位尿細管のNa/Cl共輸送体をブロック
⇒Na排泄促進するが、利尿作用はほとんどない
低Na(ループは来さない)
・ループと同様,副作用に低Kがある
…アルドステロン依存性のNa/K交換が亢進することによる

ループはCa排泄,サイアザイドはCa再吸収の方向へ働く
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/23004690.html
     http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/23183279.html

 
参照 Guyton生理学,UpToDate 
更新 2014/8/24 

★リン貯留が最も重要.

1.リンの貯留
・GFR低下
リンの再吸収↑
⇒リン貯留
・血清P濃度↑より,
 ①低Ca血症
 ②活性化ビタミンDの産生・活動性↓
 ③PTH遺伝子発現↑
⇒PTH↑

2.フリーのCaイオン濃度↓

・P濃度↑,活性化ビタミンD↓,PTHの骨への作用↓よりCa濃度↓
・副甲状腺の主細胞:膜受容体のCaSRにより感知される
PTH mRNA濃度↑
⇒PTH産生↑

3.活性化ビタミンD(カルシトリオール)濃度↓
①副甲状腺のVDRへの作用
 =PTH転写を抑制,が抑制される
⇒VDRの量↑
⇒PTH産生↑
②Ca吸収,骨からのCa放出↓
⇒低Ca血症
⇒PTH産生↑

4.FGF-23濃度↑
・腎障害により,骨細胞より迅速にFGF-23濃度↑
・FGF-23は1-αヒドロキシダーゼ活性↓
活性化ビタミンD産生↓
⇒3.へ

5.ビタミンD受容体,Ca感受性受容体,FGF受容体発現↓
・骨格筋のPTHへの抵抗性↑

※PTHの作用
・近位尿細管でP再吸収を抑制する:血清P↓
・骨吸収を促進:血清Ca↑
・活性化ビタミンD産生の反応を仲介:活性化ビタミンD↑


参照 UpToDate

★なんとなく原則を知っておくと良いかも.

■重要な点
・出血性ショック,糖尿病性ケトアシドーシスなどは,急速に補液する必要がある
⇒現場ではボーラス投与とする
高張食塩水,グルコース投与の時は,ある程度遅くする必要がある
⇒①高張食塩水:100ml/h以下で
  ②glucose:0.5g/kg/h以下で
  …生体内で代謝される速さを考えないと,浸透圧利尿により脱水を生じてしまうから
  ⇒5%グルコース:10ml/min以下
    10%グルコース:5ml/min以下

■輸液速度に関する簡易化

 

ml/min

滴数/min

ml/hr

very slow

1

15-20

60

slow

2

30-40

120

moderate

4

60-80

250

rapid

8

120-160

500

very rapid

16

240-320

1000

extremely rapid

32

480-640

2000


・1ml≒15-20滴
1秒に1滴=slow~moderate
・5%Glu投与時:moderate以下とする


■尿量を考慮に入れる

・「0.5ml/min=30ml/hr=720ml/day」を基準とする
…これは不感蒸泄(15ml/kg/day)-代謝水(5ml/kg/day) =10ml/kg/dayとほぼ等しい
⇒例)・尿量がこの基準だと,
     水の支出≒1/ml/minとなる
    ・x ml/minで輸液した場合,
              x−0.5ml/min がおおよその尿量となる
    ・0.25ml/min(=360ml/day)だと乏尿の基準
 

参照 ドクター和田の輸液の基礎知識 

★1Lに含む組成を,主要なものだけ分かりやすくまとめました.


■細胞外液

 

Na

K

Cl

Ca

Mg

P

乳酸

ブドウ糖

kcal

生理食塩水

154

0

154

0

0

0

0

0

0

リンゲル液

147

4

156

5

0

0

0

0

0

ラクテック

130

4

109

3

0

0

28

0

0

(乳酸リンゲル)

ソルアセトF

130

4

109

3

0

0

28*

0

0

(酢酸リンゲル)

ビカーボン
(重炭酸リンゲル)

135

4

113

3

1

0

25*
5**

0

0

フィジオ140

140

4

115

3

2

0

25*
6
**
3
***

10

40




















■○号液

Na

K

Cl

Ca

Mg

P

乳酸

ブドウ糖

kcal

ソリタT1

ソルデム1

90

0

70

0

0

0

20

26

104

フィジオ70

70

4

52

3

0

0

25*

25

100

ソリタT2

84

20

66

0

0

10

20

32

128

ソルデム2

77.5

30

59

0

0

0

48.5

14.5

58

ソリタT3

ソルデム3A

35

20

35

0

0

0

20

43

172

ソリタT3G

ソルデム3AG

35

20

35

0

0

0

20

75

300

フィジオ35

35

20

28

5

3

10

20*

100

400

 

 

■末梢静脈栄養(PPN)

Na

K

Cl

Ca

Mg

P

乳酸

ブドウ糖

kcal

kcal(非蛋白)

ビーフリード

35

20

35

5

5

10

20
16
*
6
**

75

420

300

アミカリック

30

25

50

0

3

0

40

75

410

300

 
■中心静脈栄養(TPN)

Na

K

Cl

Ca

Mg

P

乳酸

ブドウ糖

kcal

kcal(非蛋白)

エルネオパ1

50

22

50

4

4

5

12
8
*
41
**

120

560

480

エルネオパ2

50

27

50

5

5

6

15
13
*
5
**

175

820

700

 

○*酢酸,**クエン酸
○単位
・P以外の電解質:mEq/L(P:mmol/L),ブドウ糖:g/L
○その他添加物
※PPN,TPNはアミノ酸を含む.
※TPNのみ,ビタミン,微量元素(Zn,Fe,Mn,Cu,I)含む.
 

参照 輸液製剤協議会HP 
更新 2014/1/25 

★研究中.

●敗血症
⇒血管拡張
⇒腎血流は1~2倍になる
これだけならGFR増加,腎不全は生じない

血管拡張が,輸出細動脈>輸入細動脈
⇒腎血流量は増加するが,糸球体血管圧は低下
⇒GFR低下
・ノルアドレナリン,バソプレシン:輸出細動脈の血管抵抗を増加させる
⇒GFR増加することが確かめられている

②炎症性サイトカイン,エンドトキシンによる好中球活性化
直接腎障害を起こす


参照 UpToDate,Intensivist

★利尿薬は理論上有効だが,エビデンスに乏しい.

■初期治療

①緊急透析の必要性判定
超音波で水腎症の有無=腎後性AKIの除外
 ⇒水腎症あれば泌尿器科へ
・重症の尿毒症,治療抵抗性高K血症,体液過剰,アシドーシスなど
⇒腎臓内科にコンサルト
※透析絶対適応以外の症例
いつ,どんな方法で始めればよいかは,議論が分かれる

②体液量管理
体液量,腎潅流圧の維持は重要
⇒体液量推定が必要
⇒困難な場合,体液量↓の場合,生食500mlボーラス投与
⇒尿量増加,臨床症状改善の場合は,血管内脱水を補正
 ※心不全の患者には,右心カテーテル挿入し,厳密に水分管理を行う

■利尿薬の意義

①尿量を維持する=体液管理を容易にする
・AKI
壊死尿細管上皮などのデブリにより,尿細管が詰まる
⇒尿細管腔内圧↑
⇒糸球体濾過液が腎間質へ漏出
 …尿が流れると,デブリを流してこれを予防できる
・乏尿性AKI
…尿が少なく(500ml/day以下),尿中に老廃物を排泄しきれない
⇒尿毒性物質が体内に貯留
非乏尿性AKIより予後が悪い
●利尿薬により,乏尿性を非乏尿性にしようとする

②尿細管上皮の代謝需要を抑える
・腎髄質は生理的に低酸素である
+ここに存在する近位尿細管直部とヘンレループ
  …物質輸送を積極的に行っているため,酸素需要が大きい
⇒虚血により障害を受けやすい
・ループ利尿薬
⇒Na-K-Clチャネルをブロック
⇒代謝需要を減らす
⇒腎保護的に作用
※ループ利尿薬は,腎血管抵抗を下げる,とも言われる


■利尿薬の実際

・上記機序により,利尿薬はAKIにおける腎保護に有用,と考えられた
⇒しかし,腎機能への利益を示す質の高い研究はない
 +有害とする報告もある
⇒なぜ結果が出なかったか
⇒①利尿薬により循環血漿量が減った可能性
  ②ループ利尿薬によりTamm-Horsfall蛋白の凝集おき,尿細管が閉塞した可能性
  ③ループ利尿薬が尿細管にうまく運ばれなかった
  …有機酸と競合したため,低Albにより間質液中に漏出したため,蛋白尿のため尿細管で遊離できないため

●AKIに対する利尿薬の使用
利尿薬は,腎性AKIかつvolume overloadを合併した場合のみ有用である
⇒septic AKIについても,利尿薬のエビデンスはない
参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/33919808.html


参照 Intensivist 

★急性尿細管壊死(ATN)によるが,その原因は立証されていない.

■ATN
・病理上尿細管壊死がおきた状態
虚血or 腎毒性により,腎臓に壊死性変化を来した状態
・虚血性の場合
⇒臨床では,必ずしも「腎前性腎不全(PRA)」との鑑別が明瞭でない
 …①実際,補液により数日で回復すればPRA,しなければATNとされる
   ②ATNとされた症例の20%程度にしか,病理で壊死を認めない
・結局,腎血流量が低いことによるAKIは,PRA~ATNの中間のどこかに位置づけられる
補液に反応するかどうかを,FENa,尿比重など尿検査で複合的に判断する

・結局,
…糸球体腎炎,血管炎,間質性腎炎でなく,PRAらしくない腎性AKIがATNとされる


■造影剤腎症の機序

組織低酸素
・造影剤
⇒投与後数秒は腎血流↑
⇒その後腎血管攣縮が長時間持続
⇒髄質を中心とした虚血
 ※髄質は皮質に比べ,もともと低酸素状態(PO2…40:10)
⇒尿細管障害

直接毒性
・造影剤の排泄
…糸球体で濾過
一部がエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれる
⇒酸素フリーラジカル↑,カスパーゼ活性化など
⇒腎を直接障害


■造影剤腎症の対処

・造影剤
 …少ない量で,投与期間が長いほど良い
   種類による違いは,現在検討中
・補液
 …造影剤投与前後に生理食塩水投与をすることで,腎症を改善しうる
  ⇒マンニトール,フロセミド等は悪化させる危険あり
・血液浄化療法
 …造影剤が除去されるのは確実だが,腎障害の予防効果は実証されていない
  ⇒HDは特によくなく,悪化したという報告もあり
  ⇒HFやCHDFは有効とする報告も多い


参照 Intensivist, UpToDate

★「細胞内外を自由に移動できる水」ではない!
…誤訳

●自由水=有効浸透圧物質を含まない水

・有効浸透圧物質:細胞膜を自由に移動できない物質
           ⇒これにより溶液の有効浸透圧(張度)が決定する

・自由水:尿路でNaCl再吸収された時などに生じる
     ⇒尿中の自由水の程度(自由水クリアランス)は補液の参考になる

※自由水=free water
⇒このfreeは'smoke free'のfreeであり,'自由'は誤訳
 

参照 レジデントノート 

★発生⇒維持が必要.
※代謝性アルカローシス:HCO3-の増加

発生
1.H+の喪失
・CO2 + H2O ↔ H+ + HCO3- より,緩衝される
失ったH+と等モル数のHCO3-が産生される
 ①嘔吐,経鼻胃管
 ・「胃酸→十二指腸に到達→膵からHCO3-分泌され中和される」
 ⇒これが阻害
 ⇒適切なHCO3-分泌なしにH+が喪失される
 ②ループ,サイアザイド利尿薬
 ・近位尿細管でのNa再吸収阻害
 ⇒尿管腔にNa過剰
 ⇒アルドステロン↑により集合管でNa再吸収
 ⇒尿管腔が陰性
 ⇒主にH+ATPase(尿管腔側にある)により細胞から尿管腔へH+放出
 ③低K血症
 ⇒細胞内へH+移行する

2.直接的なHCO3-の増加
 ①重炭酸の投与
 ②有機陰イオンの投与:クエン酸など
  ⇒代謝されてHCO3-となる
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/28748661.html

3.体液減少
・HCO3-をあまり含まない液の喪失
HCO3-が濃縮される
 ①浮腫患者への利尿薬:1.②に追加して助長される
 ②嚢胞性線維症での発汗喪失など


維持
・過剰なHCO3-は量に応じて尿中へ排泄される
⇒HCO3-排泄を阻害する要因が必要
循環血漿量低下が最も重要
1.更にNaが喪失しないようにしたい⇒高アルドステロン
2.Cl-枯渇:胃酸喪失や利尿薬による
 ⇒尿管腔Cl-↓
 ⇒①尿の電気的中性を維持する為,集合管H+ATPase促進
   ②尿管腔側にあるCl-/HCO3-交換輸送体働かない


★臨床的には以下のように考える

Cl反応性=Cl喪失:生食負荷に反応,尿中[Cl] <20 mEq/L

嘔吐,胃ドレナージ

Cl喪失性下痢:大腸の絨毛腺腫,先天性

HCO3喪失による代謝性アシドーシスもきたしうる

ループ,サイアザイド系利尿薬(過去の使用)

・高CO2血症後の状態:代償的なHCO3高値

Cl抵抗性:生食負荷に反応,尿中[Cl] >20 mEq/L

[高血圧性]

高アルドステロンNa再吸収に伴うH+の排泄↑

 →原発性;Conn症候群,続発性;循環血漿量↓,腎血管狭窄,レニン分泌性腫瘍など

・アルドステロン正常:アルドステロン以外の原因によるNa再吸収↑

Cushing症候群Liddle症候群,甘草

[血圧正常]

K血症:細胞内へのH+移行

アルカリ負荷:重炭酸塩,輸血中のクエン酸など

ループ・サイアザイド系利尿薬使用中

Bartter症候群(ループ利尿薬様),Gitelman症候群(サイアザイド系利尿薬様)


※なぜ尿中[Cl] で鑑別するか
⇒20以下の時,循環血漿量低下が考えられるから
尿細管でNaと同じような動きをする
 =循環血漿量が少ない場合には再吸収される
⇒Naは,代謝性アルカローシスの時では,電気的中性を保つために尿細管で排出されてしまう
尿中Clは,尿中Naより正確に循環動態を反映する


参照 体液異常と腎臓の病態生理,UpToDateなど
更新 2013/11/30
➤低カリウム血症,尿中クロライド濃度,尿中ナトリウム濃度,重炭酸イオン 

★効きすぎによる.

■透析のシステム

①拡散=浸透圧差
・ダイアライザーの中で血液と透析液が,半透膜を通じて接する
半透膜にある小さな無数の孔を通して,物質のやり取りをする
孔通る:尿毒素(尿素,Cre,尿酸)、電解質、細菌毒素
 孔通らない:赤血球,白血球、蛋白質、細菌,ウイルス

②限外濾過=機械的圧力
透析液に陰圧をかける
⇒水を血液から透析液へ引く
浸透圧差でも原理的には水を引けるが,浸透圧を変えると溶血してしまう
⇒血液・透析液は同浸透圧で,②により水を引く


■透析液成分⇒電解質変化

●K
・高K血症是正するため,透析液のK低い
2mEq/l:低K起こさないため少しある.しかしこれでも低K起こしうる
※低K予防のため,透析中はアルダクトン止めとする
●Na
・水と一緒に移動する
⇒この要素をなくしたい
⇒血液と同濃度;140mEq/l
●Ca
・補給したい
血中イオン化Ca濃度より高く設定
3mEq/l
※血中Caの約半分はAlbと結合している
●HCO3
・アシドーシス是正したい
25~30mEq/l
●BUN,Cre,P,UA
・取り除きたい
⇒入っていない
●Glu
・糖新生予防したい
⇒100mg/dl


参考 色んなWebサイト

★硝子円柱が鋳型になる!

■機序
尿の停滞+Alb↑,pH↓,尿浸透圧↑,尿流圧↓
⇒主に遠位尿細管,集合管において,
 尿細管内腔を鋳型とし,
 尿細管上皮から分泌されるTamm-Horsfallムコ蛋白と尿中血漿蛋白(主にAlb)がゲル化
硝子円柱形成
  ※これに細胞封入,崩壊,変性が加わると各種円柱となる
再疎通
⇒円柱が尿へ


■円柱の定義⇒機序,意味
硝子円柱
・細胞2個以下,顆粒1/3以下の円柱
⇒各種円柱の鋳型.これのみでは病的意義なし

上皮円柱
・上皮細胞3個以上
⇒上皮の落屑を意味する
⇒急性尿細管壊死,糸球体腎炎

顆粒円柱
・顆粒1/3以上
⇒顆粒=円柱内細胞が変性したもの;ほとんどは上皮細胞
⇒②,腎不全

赤血球円柱
・赤血球3個以上
⇒ネフロンのどこかに出血
⇒腎炎,IgA腎症など

白血球円柱
・白血球3個以上
⇒炎症を意味する
⇒腎盂腎炎,間質性腎炎,膠原病性腎炎(ループスなど)

脂肪円柱
・脂肪顆粒3個以上
⇒ネフローゼ

蝋様円柱
・均質,蝋様の円柱
⇒尿細管腔の長期閉塞を意味する
⇒重篤な腎疾患


参照 UpToDate,尿沈渣検査法2000






 

★anion gap(AG)開大の有無で分類する.
◎AG=Na-Cl-HCO3

AG開大⇒他の陰イオンの増加がprimary
      =他の酸の増加
AG正常HCO3が下がるのがprimary
      ①平衡より,Hが上がるのと等しい
      ②HCO3とNH4は等価交換されるので,NH4が減るのと等しい
     ※HCO3が下がると,HCO3/Cl交換輸送体が活動
      ⇒高Clとなる
      ⇒逆に,HCO3/Cl交換輸送体が活動することによっても,低HCO3となる

AG増加=酸(測定されない陰イオン)の貯留

①酸産生増加

ケトアシドーシス:糖尿病,アルコール,飢餓

乳酸アシドーシス

  A型:虚血組織での乳酸過剰産生…ショック,肺疾患による酸素化不良

  B型:組織灌流正常…激しい筋肉使用,癌,アルコール,
     薬物(メトホルミンなど)

  D-乳酸アシドーシス…短腸症候群

②酸排泄低下

腎不全:硫酸塩,リン酸塩など有機陰イオンが蓄積

③酸負荷

アスピリン(アセチルサリチル酸)→サリチル酸

メタノール→ギ酸

エチレングリコール→シュウ酸

AG正常=HCO3↓(H+↑,NH4+排泄↓)+Cl

HCO3喪失HCO3-/Cl-交換輸送体の作用

[腸から直接]

下痢

・回腸瘻,結腸瘻

[尿の腸での吸収;Cl-/ HCO3交換,NH4+再吸収]

尿路変更術:尿管回腸吻合術,尿管S字結腸吻合術

腎尿細管性アシドーシス(RTA

1RTA:遠位尿細管でのH+分泌障害

 -原発性,続発性;Sjogren症候群,RA,アムホテリシンB服薬

2RTA:近位尿細管でのHCO3再吸収障害

 -副甲状腺機能亢進症PTHの作用),
   Fanconi症候群(近位尿細管不全),
  炭酸脱水素酵素阻害薬(アセタゾラミド),多発性骨髄腫

低アルドステロン症K+K+/H+交換↑,NH3産生↓→NH4+

 -低レニン(4RTA糖尿病性腎症NSAID

 -レニン正常:副腎不全,ARBACEi

 -アルドステロンへの反応性↓:K保持性利尿薬,ST合剤,
  尿細管間質性腎炎

Clを含む酸の負荷

・塩化アンモニウムなど

⑤他

・早期腎不全:アンモニア産生障害

・低CO2血症後:代償的な代謝性アシドーシスの回復遅延(一過性)


 

★平衡で成り立っていることが重要.末期に全て破綻する!

①Kがたまる

普段,摂取した分だけ尿細管で分泌し,濃度を保つ
⇒腎機能に比べK多く摂取
⇒一過性に血漿K上昇
⇒排泄量も上昇
⇒戻る
⇒何%かの尿細管が使えなくなっても,他で代償できる
  =GFRが80%以上低下しても大丈夫
末期になると破綻し,高Kとなる

②水がたまる
・水を排泄する,ということについても同様
⇒末期になると平衡が破綻し,水分貯留,それに伴い低Naとなる

※末期になり破綻するのは,ネフロンの機能異常ではない
⇒むしろ,極端にネフロンの数が減り,代償できなくなるため.

③高血圧
1.体液量の増加
⇒血圧↑
※臨床的には浮腫により証明される
2.RAAS系の亢進
2-1.腎血管性の場合
⇒レニン分泌↑
⇒RAAS系↑
2-2.その他の腎病変
⇒腎の構造的な異常
腎の虚血
⇒レニン分泌↑
⇒RAAS系↑
 

参照  体液異常と腎臓の病態生理

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