知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

神経・感覚・精神・脳外科

★急に脳圧を下げたい時はマンニトール使ってもよい。

◎普通、心不全には使わない。脳圧低下させる。


■マンニトール
・吸収されない糖
⇒血管内浸透圧上昇し、間質から血管内に水を引く
⇒体内で代謝されない
 =完全に腎排泄
⇒近位尿細管、ヘンレのループにてNaと水の再吸収を抑制

投与後40〜50分後に脳圧は最低となり、3時間持続する
早く脳圧を下げたい時に使える
 …くも膜下出血、脳出血など
※但し持続しないため、脳圧の変動が大きい

●副作用
血管内volume↑⇒肺水腫、低Na血症
 ⇒特に腎障害ある場合、効果が遷延して危険。心不全には使えない。
・浸透圧↑より、高血糖高浸透圧性脱水の状態⇒高K血症、代謝性アシドーシス
・脳神経の細胞内脱水
リバウンド現象:BBB破綻している場合、脳内にマンニトール移行し脳浮腫が逆に増悪する
・投与量が多い場合、腎障害(可逆的)


■グリセロール
80%程度が肝臓で代謝され、残りが腎排泄
⇒浸透圧利尿が少ない
⇒電解質変化がマイルド
・エネルギー源となり、脳代謝を改善させる
投与後2時間で脳圧最低となり、6時間持続する


■エビデンス、実際
・大きな脳出血の急性期にグリセロール投与が救命に有効であった:エビデンスレベルⅡa
・グリセロールにより有意な変化なし:Ⅰb
・マンニトールにより有意な変化なし:Ⅰb

・実際、脳圧亢進疑われる急性期の患者にはマンニトール使用することが多い。
・長く使う場合はグリセロールとすることが多い。
・併用する人もいる

 
参照 UpToDate、脳卒中ガイドライン2009 

★クエン酸回路関連で神経障害、血管拡張により心不全をきたす。

◎この理解には、生化学の理解が必要。


■生化学
①クエン酸回路
kuensan

・ビタミンB1(サイアミン、チアミン)はピルビン酸⇒クエン酸回路での代謝に必要
⇒B1欠乏
⇒乳酸,ピルビン酸の蓄積
代謝性アシドーシス
ref: 


②解糖系

・グルコース⇒(好気的解糖)⇒ピルビン酸である.
⇒神経系はグルコースをほぼ唯一の燃料としている
⇒B1がないとエネルギー源がない
末梢神経障害
※神経以外の多くの組織は,脂肪もクエン酸回路の燃料として利用できる.


③心血管系
・B1欠乏
血管運動作用を低下
⇒血管抵抗↓
⇒静脈還流↑
高拍出性心不全
※心筋肥大も起きるが,直接的なメカニズムは不明.


■アルコールとビタミンB1の関連

<アルコール依存⇒ビタミンB1欠乏>
・栄養不足⇒B1欠乏
・慢性下痢+尿からMg排泄↑⇒低Mg血症
⇒MgはB1の補因子(サイアミン⇒サイアミンピロリン酸に必要)
⇒B1が使えない

※なぜWernicke脳症となるかは明らかでない.
アルコール依存者によるB1欠乏の,一部の患者にしか見られない
⇒遺伝的要因が考えられている;トランスケトラーゼの活性低下(ペントースリン酸回路で必要)



参照 UpToDate、GUYTON生理学(最高の生理学の教科書)

Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)

★はっきりと区別できない。

◎定義を知っておきましょう。

自信がもてる! せん妄診療はじめの一歩~誰も教えてくれなかった対応と処方のコツ

 よくまとまっています。



■せん妄と不穏
●せん妄(delirium)

・以下4つの特徴を呈する状態です。
意識障害、集中できなくなる
②認知症で説明のつかない認知機能障害
数時間〜数日しか持続しない、日内変動する
何らかの原因がある
活動性低下や亢進、交感神経↑、感情の障害(うつ、恐れなど)を伴う(必須ではない)

●不穏(confusional states)

…思考のスピード,鮮明さ,一貫性が障害された状態です。

せん妄は、特別なタイプの不穏と考えられる
普通せん妄は、不眠、自律神経活動↑、精神活動↑を伴うからです
 …具体的には、興奮、振戦、幻覚など
※但し、この2つをはっきり区別する定義はありません。


■病態
●複雑で,はっきりと解明されていません。(ベースの疾患の影響を除外できないため)
 以下は関与するであろう病態の一部です。
①神経系
上行性網様体賦活系(ARAS)の障害;覚醒,注意に関わる
非優位頭頂葉,前頭葉の障害;思考の統合の障害
・皮質の障害

②神経伝達物質,ホルモン

アセチルコリン
CNSでの濃度が下がると、せん妄が悪化、発症します
…低酸素、低血糖、チアミン欠損、アルツハイマー患者での研究によります
⇒抗コリン薬はリスクとなります
※但し、ChE阻害薬は治療に使われない⇒死亡率が上昇したためです。

・他:エンドルフィン,セロトニン,ノルアドレナリン,GABAなど関与
・炎症性サイトカインも関与しています:敗血症など


参照 今日の治療薬,UpToDate, DSM-Ⅳ

★ミトコンドリアの異常=ATP産生の異常。

◎ミトコンドリア脳筋症は、時々出会います。なぜ脳と筋肉が影響されるのか、気になりました。すると、酸化的リン酸化に関わる、なかなか複雑な話でした。

イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)


 リッピンコットにお世話になりました。


■ミトコンドリアでのエネルギー産生機序

●糖,アミノ酸,脂肪酸の代謝において
⇒NAD+→NADH
  FAD→FADH2
  ADP→ATP
NADHとFADH2はミトコンドリアでATP産生に用いられます
 ...これが酸化的リン酸化


●酸化的リン酸化
電子伝達鎖において,電子を受け渡していく
 ...電子を受け渡す=酸化

🔽電子は,以下のように伝達されます
H-としてNAD+へ
H×2としてFMN,CoQ,FADへ
e-としてシトクロムへ

還元→次を酸化…をくりかえすのです。

詳しくは,
①NADH+H+→NAD+(酸化)によりFMN→FMNH2(還元)
②FMNH2→FMN(酸化)によりCoQ→CoQH2(還元)
③CoQH2→CoQによりFe3+→Fe2+(シトクロムbc1において)
④Fe2+→Fe3+によりFe3+→Fe2+(シトクロムcにおいて)
⑤Fe2+→Fe3+によりFe3+→Fe2+(シトクロムa+a3において)
⑥Fe2+→Fe3+によりO2→2H2O

⇒これら全ての反応でエネルギーが生じます!
 …還元電位が違うから:その還元剤がどれほど強力か
  (ex. 還元剤の還元力の強さ:NAD+>FMN>シトクロムc Fe3+>O2) 
 ⇒強い還元剤は電子を喪失したい
 ⇒喪失するとエネルギー生じるのです

⇒できたエネルギーでプロトンポンプが作動
⇒ミトコンドリアマトリックス(内側)から膜間腔(真ん中)へH+が移動
⇒電気的勾配,pH勾配できます

⇒複合体ⅤのF0ドメイン(膜間腔側)よりH+が流入
⇒F1ドメイン(マトリックスへ突き出ている)へ
⇒F1ドメインのコンホメーション変化
⇒酵素活性化
ADP+P→ATP


■ミトコンドリア脳筋症

・酸化的リン酸化に120個のポリペプチドが必要ですが、
⇒13個がミトコンドリアDNA(mtDNA)によりコードされています。
これらはミトコンドリア内で合成されます

・病態=mtDNAの変異により,酸化的リン酸化に不備があるということ
⇒ATP産生↓
ATP要求度が高い組織が大きく影響うけるのです
 ex. 中枢神経,骨格筋,心筋,腎臓,肝臓など


参照 リッピンコット生化学

◎意外に知られていない、酔い止め薬の作用機序。

★トラベルミンは、ジフェンヒドラミンとジプロフィリンの合剤。

【第2類医薬品】トラベルミン(6粒)【トラベルミン】

★アネロンは、マレイン酸フェニラミン、スコポラミン、ビタミンB6、無水カフェイン、アミノ安息香酸エチルの合剤。

【第(2)類医薬品】アネロン 「ニスキャップ」(9カプセル)【アネロン】



乗り物酔いのメカニズム
●揺れにより内耳のリンパ液が振動します
⇒視覚情報と内耳からの情報に矛盾
⇒自律神経が混乱、副交感神経が刺激
⇨ムスカリンM1ヒスタミンH1経路が刺激されます!
⇒胃酸・唾液分泌↑,平滑筋痙攣
 +嘔吐中枢も刺激を受ける
⇨乗り物酔い


■酔い止め薬の構成物質
●ジフェンヒドラミン・マレイン酸フェニラミン

ヒスタミンH1拮抗薬です
⇒脳の嘔吐中枢、内耳前庭での自律神経反射を抑制する

・ヒスタミン拮抗薬は眠気の副作用をもちますが、以下のジプロフィリンで拮抗されます

●ジプロフィリン
キサンチン誘導体(喘息治療薬)です
⇒①内耳の血管を拡張させます
  ⇒内耳のバランス保持機能を改善
  ②中枢神経興奮させます
  ⇒異常感覚入力の抑制
  ⇒ジフェンヒドラミンの眠気の副作用も抑制する

●スコポラミン
・抗ムスカリン薬です
=副交感神経の興奮を抑制します
⇨制吐作用があります

●無水カフェイン
・交感神経を刺激します


▶︎個人的にはアネロンが好きです。事前に飲んでいきましょう。

▶︎薬がなければ、カフェインが入った飲み物を飲んで交感神経を活性化させるのも手です。また、ジェットコースターで酔った時は、目を瞑ることで視覚情報を遮断し、自律神経を混乱させないようにさせてあげましょう。

★急性アルコール性筋症という.

◎私は時々おきますが、その機序を調べました。

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●急性アルコール性筋症
・以下の機序で、アルコールが横紋筋細胞に作用します。
 ①エタノール・アセトアルデヒドによる解糖系酵素活性の阻害
 ②エタノールによる細胞膜の構造・機能障害
  ⇒膜透過性の亢進
 ③慢性アルコール中毒による低K,低P血症
  ⇒細胞障害

・しかし、筋細胞自体に痛みの知覚線維はありません
⇒運動後の筋痛を同様,修復過程での筋膜・結合組織への炎症が原因と考えられています。
⇒だから、アルコールを飲んだ翌日に痛くなるのです。

 
参照 UpToDate

★生活指導と理学療法がメイン。

◎外来をしていると、膠原病科でなくともレイノー現象はよく経験します。割と生活で困る人も多いです。正しい対応を調べました。


■レイノー現象に対する診断アプローチ
●レイノー現象とは

冷感やストレスの刺激で血管が攣縮し、指先の色が白くなり痛みを伴う症候。
⇨基本的には交感神経刺激による血管攣縮、虚血が病態です。
動脈硬化による狭窄による虚血が病態ではありません!!
 …それは閉塞性動脈硬化症(ASO)で、基本的には下肢です。Interventionが必要となり得ます。
 =ASOの症状は労作時です。

●まず、2次性のレイノー現象を除外する。
・SLEや全身性強皮症に伴い、レイノー現象が生じる事があります
⇨それらを示唆する症状がなければ否定的ですが、血液検査をしてもよいです。

※2次性レイノー現象が否定されたものをレイノー病(一次性レイノー現象)といいます。


■レイノー病の治療
●良性な疾患であることを理解する

・基本的に命に関わる事はありません。
7-14年のフォローアップで、1/3以上の方が自然に症状消失が得られます
※ただし、寒冷刺激を避けられない方など、積極的な医学介入が必要がいるのも実際です。


●治療の目標を考える

・症状緩和によるADL改善が目標だが、具体的に評価するとよいです。
Raynoud Condition Score (0-100点)というものがあり、15点以上の変化を有意な変化と考えることができます。
⇨これを用いなくても、発作の記録(頻度、持続時間)を記録してもらい、週ごとに平均することで客観的な指標となります。
⇨介入による変化を確認します。


●治療方法

基本的には以下の流れです。
患者教育(最も重要)
②薬物療法
③認知行動療法


①患者教育

●臨床研究によると、これにより発作回数と重症度を10-40%減じる事ができます。
  最も重要です。

●具体的には以下の通りです。
・寒いところに行かない、急激な温度変化を避ける
・暖かい服を着て、体をいつもあたためておく
・指先まで温める(手袋とか)
・発作時の対応を覚える;温かいお湯につける、両手をこする、などして指を温める
・寒いところでは、じっとしないでなるべく動く
・禁煙する
・市販の交感神経刺激薬を控える;鼻炎薬、アンフェタミン、麻黄を含む漢方など
・ADHD薬を控える;メチルフェニデート、デキストロアンフェタミン
・一部の偏頭痛薬を控える;セロトニンアゴニスト(スマトリプタン)、カフェイン+エルゴタミン
・指を傷つけないようにする
・振動するものを持たない(vibration-induced Raynoud's というものがある)
・感情ストレスをコントロールする。ストレス+寒冷刺激がトリガーとなりやすいため。

コーヒーを控えた方が良い、とするコンセンサスはないです。というのは、カフェインは交感神経刺激ですが、コーヒーは血管保護的なその他多くの生理活性物質を有するからです。そのため、患者個人に経験に応じて、コーヒーをどうするか個別に決定すべきです。


②薬物療法

・①の効果が不十分な場合、薬物療法が検討されます。
第一選択薬はカルシウム拮抗薬です。

・上述したように、レイノー現象の本体は血管攣縮です。冠攣縮性狭心症の第一選択薬はCa拮抗薬です。
⇨海外ではアムロジピンが使われるそうですが、血圧の高い人にはよいですが、結構血圧が下がります。
⇨循環器内科では、コニールかヘルベッサーが頻用されます。


③認知行動療法

・あまり推奨されません。
※あまりにストレスが強く、管理できない場合に検討されることがあります。つまり、スパズム誘引としてのストレス除去、という論理的根拠です。
…大規模臨床試験で効果は実証されていません。


参照 UpToDate

★ほとんどはストレスや不安が原因。

◎歯ぎしりは時々みますが、病的意義は何なのでしょう。

■歯ぎしりとは

ブラキシズムといい、顎収縮により歯をギリギリ、もしくはカチカチすること。
 …もっとも頻度が高いのは睡眠中である。
 ⇒成人の8-10%程度に認められる。小児はもっと多い。


■機序

睡眠中のmicroarousal(少しの覚醒), 自律神経系の賦活化が関連する
・歯ぎしりの直前には、脳波の興奮、心拍数上昇、呼吸努力の上昇が認められる
 ⇒脳幹網様系の影響によるmicroarousal下の顎運動筋の反応亢進が主因と考えられる

◇おそらく、睡眠が浅いことが一つの原因だと思います。深い眠りを得るには、専門家の意見を参考にするのが一番。良い本です。

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■原因/リスク因子

・睡眠時無呼吸、REM睡眠障害
・神経疾患(この場合、覚醒中のブラキシズムがメイン)
⇒Rett, Down, 自閉症, ハンチントン, 高度アルツハイマー, 頭部外傷, 脳性麻痺など
・不安、精神疾患
 …不安感が歯ぎしりに関連する事は証明されているが、詳細な機序は不明。


■医学的な問題、介入法

歯の消耗顎の疲労感が医学的な問題である。
・一時的な歯ぎしりはよくみられるもので、特別な治療を必要としない。

・非常に激しい歯ぎしりに対しては、口腔デバイスの使用が検討される
 ⇒これは歯ぎしり自体の頻度を低下させないが、歯ぎしりの悪影響を軽減できる。

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・繰り返す歯ぎしりに対しては薬物療法の適応となり得る
 ⇒クロニジンが効果がある可能性あり。


参照 UpToDate

★生理的ミオクローヌスの一つで、ジャーキングと言われ、無害な現象。

◎寝ている時によくビクってなりますが、なんなのでしょう。


■生理的ミオクローヌス(ジャーキング)
●単純な睡眠関連行動の一つ。
・どの年齢でも生じうる、良性の現象。
睡眠不足や、カフェインなどのstimulant摂取と関連がある場合もある。
入眠時に認められる
・入眠時の異常感覚が伴う場合がある。
 …最も多いのは、落ちる感覚(夢の場合もある)。
 …最も激しい症状は、exploding head syndromeといい、頭が爆発する感覚。

●機序
皮質の一次感覚・運動野から局所興奮が伝播して生じる
 …これは、一次感覚野もしくは一次運動野による抑制が十分働かないことが原因
※詳細は不明。

●分類

①partial myoclonic jerks
 ⇒multifocalで、遠位筋に生じるもの。
②massive myoclonic jerks (hypnic jerks)
 ⇒体幹と近位筋に生じるもの。
③睡眠時周期性運動(夜間ミオクローヌス)
 ⇒つま先の背屈、ひざと臀部の屈曲を繰り返す。
 ・むずむず足症候群でも認められる運動。


参照 UpToDate

★基本的には、内皮細胞間のタイトジャンクションと細胞の特殊機能。

◎血液脳関門(脳血管関門)は、脳の神経細胞を有害物質から守るために大事です。もとは染料を動物の脊柱に入れても、末梢組織が染色されなかったことが発見のきっかけでした。バリアとは、具体的には何なのでしょう?

■Blood Brain Barrier(BBB)とは
●定義脳と脳脊髄液(CSF)への、血液からの単純拡散を防ぐもの
 …上のとおりです。
⇒具体的には、以下の通りに選択します。
通す:水、CO2、酸素、脂溶性物質(アルコール、麻酔)、電解質(少しだけ)
通さない:血漿蛋白、水溶性物質

※アルコールや麻酔が効くのは、血行性にBBBを通過して脳組織まで届くからです。一方、蛋白は基本的には通りませんが、間違って細菌がBBBを通過してしまうと髄膜炎となります。髄膜炎は、基本的には血液を介して罹患するのです(菌自体は飛沫感染などで体内に侵入します)。

ちなみに、肺炎球菌はそれこそ高齢者の髄膜炎の重要な起因菌です。必ずワクチン接種しましょう。
ワクチンを有害なんて考える人は、非科学的かつ視野が狭いです。ワクチンを打たないのは勝手ですが、打たないよう煽動するのは悪です。

効果がないどころか超有害! ワクチンの罠


何の薬でもそうですが、メリットと副作用を集団の中で比較して、有用性が決まります。不幸にも副作用が起きてしまった人だけに注目するのは、jounalistが得意とする非常にbiasのかかった見方です。また、ワクチン供給の社会的構造を考えて「受けるな」というのはnonsenseで、あくまでcost-performanceで受けるか判断されるべき。

逸れました。

・細かい事をいうと、2種類のBBBがあります。
脳-血液関門:CNSの毛細血管の内皮細胞やアストロサイト間
 脳脊髄液-血液関門:くも膜の細胞と脈絡叢の内皮細胞間


●構造
 =血管内皮細胞間のタイトジャンクション血管内皮細胞の特殊機能
1) タイトジャンクションとは、細胞間結合のひとつ。密接結合=物理的バリア
 ⇒電子顕微鏡で確認できます。最初はこれだけかと考えられていました。

2) 脳神経の血管内皮細胞の特殊機能
 ⇒これは、細胞自体が特殊で、積極的に異物を除去しているということです。後に判明しました。
 …炎症性サイトカイン (TNF, IL)を出したり、
  グルコースを用いた能動輸送で異物を除去したり、
  アストロサイトという細胞が抗原提示細胞となったりすることで、
 ⇒感染や炎症の制御に関わります。


●どこにあるの?
・ほとんどの脳実質をカバーしますが、視床下部、松果腺、最後野の一部を除きます
 …ここは、上のBBBが通さない物質が、拡散しやすい。
⇒なぜなら、ここには感覚受容体があり、全身の調整に必要なのです。
 …具体的には、
 ・血糖(水溶性物質)を通過させる>全身調節(喉乾くなど)
 ・レプチン(蛋白)を通過させる>食欲を制御する 
 など。

以上、BBBってなんですか?という質問の回答でした。


参照 UpToDate, Guyton生理学

★物理的、アレルギー性に機械的損傷がおき、それをベースに感染性角膜炎を合併し、治療が遅れると失明しうる。

■コンタクトレンズへの眼への影響

・角膜と結膜の上皮細胞涙液層により感染/傷害から保護されている
⇒コンタクトレンズはこれらの相互作用、ガス交換などを阻害しうる
基本的にはコンタクトレンズは涙液層にのっており、適正使用では安全


■非感染性合併症
①ドライアイ

●涙液層が薄い、酸素欠乏、ゴミが入る、レンズ液が合わないことによる
・人工涙液点眼により対処(コンタクトつける前も後も使うと良い)

②無菌性の角膜浸潤

炎症細胞が角膜実質に浸潤
 …ゴミ、化学物質、低酸素、過敏反応が原因と考えられる
⇒数が多くなると疼痛、涙、光線過敏などの症状でる
・ステロイド点眼により対処

③角膜上皮剥離

●コンタクトを入れる/取る時、瞬きするときコンタクトがずれ、機械的傷害を生じる
⇒角膜上皮表層に痛覚の神経があるため、痛い
下記感染症のリスクになる
・コンタクト中止、抗菌薬の予防的点眼により治療

④低酸素

●角膜は空気中の酸素を直接とりこんで利用している
⇒コンタクトを長時間つけて眼をつむった状態が、角膜の低酸素を来たしやすい
⇒角膜の小細胞浮腫、実質浮腫を来たし、視力障害など生じる
⇒慢性に低酸素の場合、血管新生を来す(まれ)
 …特に角膜上縁
・ガスの透過性が高いレンズへ変更する事で対処

⑤その他

・免疫反応;人によって、点状角結膜炎、上皮傷害など引き起こす
・Tight lens syndrome;吸盤みたいに角膜にはりつく(涙液層に乗るのでなく)
・コンタクトレンズが瞼の裏の盲端にはまる
・巨大乳頭結膜炎;機械刺激、免疫反応による
・結膜下出血


■感染性合併症:感染性角膜炎
●特徴

・最も深刻な合併症
感染後24時間以内に生じる
・10000人中1-20人/年に生じる
●機序
・非感染性合併症により、角膜のバリア機能不全となる
・レンズの酸素透過性あるポリマーに細菌が巣くってバイオフィルムを形成する
不適切な使用により、レンズ、ケース、レンズ液が感染する
●原因菌
・95%が細菌性;GNR(緑膿菌), GPC(ブドウ球菌、連鎖球菌)
・他、アカントアメーバ、真菌
●臨床像
・充血、視力低下、疼痛、眼瞼腫脹、光線過敏
・黄/白色の実質浸潤、角膜浮腫、実質菲薄化、前房蓄膿、前房にフィブリン沈着、Wessely ring
・進行すると角膜穿孔
●予後
・迅速な治療が必要。遅れると失明しうる
角膜白斑、血管新生、穿孔、不整乱視が原因
・他、白内障、緑内障、眼内炎、眼球萎縮を合併する


参照 UpToDate

★12週間続く症状がある時。

■慢性副鼻腔炎の定義

副鼻腔〜鼻腔の炎症が12週間以上続いた状態

■診断
●症状

・以下のうち2つ以上の症状が12週間以上続く(治療に関わらず)
①粘液膿性鼻汁
②鼻閉
③顔面痛、緊満感
④嗅覚低下
検査へ
※身体所見はあまり有用でない(参考)
⇒頭部を前屈させた時の痛み:感度75%、特異度77%
 上気道感染後の症状:感度89%、特異度79%

●炎症の証明

・以下のうち1つ以上を鼻内視鏡かCTで証明する
①篩骨か中鼻道に膿状の粘液か浮腫あり
②中鼻道か鼻腔にポリープあり
③CTで副鼻腔に粘膜肥厚か混濁あり
これで慢性副鼻腔炎の診断確定

偶発的にCTで慢性副鼻腔炎の像が見つかった場合
最近の急性上気道炎の影響の可能性があり、それを除外する
症状がなければ治療対象とならない
(上記の症状があれば、診断となる)

●他の鑑別診断の除外

・頭痛、顔面痛症候群;群発頭痛など
・副鼻腔炎を合併していない鼻炎
・咽頭後逆流症
・嗅覚異常

●病型分類

①鼻ポリポーシスを合併した慢性副鼻腔炎
・20-33%
・ポリープはふつう両側性で痛覚なし
・喘息、NSAIDsアレルギーと関連あり
②アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎
・8-12%
・コロニー形成している真菌に対するアレルギーが原因
・真菌の菌糸とアレルギー性ムチンを認める
③鼻ポリポーシスを合併しない慢性副鼻腔炎
・60-65%
・上記2つで無い場合
 

参照 UpToDate、rocky note

★脳血管栄養部位の境界域の梗塞で、体血圧低下か微小塞栓が原因。

■定義、分類

●脳血管が栄養する境界域の部分の脳梗塞
・脳梗塞の10%程度と推定される

●名前が一定していない
⇒watershed, border-zone, boundary zone, borderland, end zone, terminal zone
 (日本語では「分水嶺:ぶんすいれい」か「境界性」)

●2種類ある
皮質分水嶺:前/中/後大脳動脈(ACA/ MCA/ PCA)各々が栄養する皮質の境目
内側分水嶺:MCAが栄養する、白質浅層と深層の境目
       or 白質浅層で、MCAとACAが栄養する部分の境目


■病態
①体血圧低下による還流不全
・分水嶺はそもそも虚血に弱いところ
⇒還流低下の際、最も影響される部分
・基礎として重要;内頚動脈狭窄/閉塞、各々異なる脳血管の分布

②微小塞栓
A-to-A塞栓:画像、剖検で示唆されている
…分水嶺は血管分布が少ないので、塞栓により梗塞となりやすい、ということ
(但し、微小塞栓の寄与の程度はコントロバーシャル)


■特徴
●症状
・一般的な脳梗塞の症状を呈する
⇒特にwatershedを疑う場合
 =両側失明 or 意識障害 or 四肢近位の脱力で、顔面と手足に障害ない時
  (man-in-a-barrel症候群のパターン
・無症候性の場合、梗塞部位より近位の狭窄を評価する必要あり

●経過、治療
・神経/筋の変性、特に認知症の原因となる
・致死的ともなりうる
・原因治療(基本的にCASか内膜剥離)が最も重要


参照 UpToDate, Stroke.36: 567-577 、日本脳卒中学会HP

★原因が多すぎて除去しきれない。

■原因

代謝異常
低血糖,低Ca血症,肝・腎不全
全身状態悪い栄養失調,感染,脱水(循環血漿量↓だけでも)
・脳疾患:低酸素脳症,神経変性疾患,脳卒中,加齢,アルコール
薬剤(原因の30%)
⇒何でも原因になるが、特に以下に注意。
 ①オピオイド;せん妄
疼痛増強として発現しうる
 ②ベンゾジアゼピン「眠れない→眠剤」も原因となる
 ③H2ブロッカー;見過ごされやすい。CNSでの抗ヒスタミン作用の影響か
※治療域の濃度でも生じる!


●リスク

・疼痛;リスクとなる(9倍)
・術後,癌は特に高いリスク
・状況:動けない(抑制も含まれる),care unitへの長期滞在,部屋変更,時計ない状況
    視覚聴覚の制限(眼鏡なし,リハビリなし)など.入院自体も.


■治療
原因の除去が最重要
⇒但し、なんでも原因になるので、現実的にはできるだけ除去する。

●次に
サポート管理が重要
…痛みや栄養をしっかり管理する

 付き添い人がいると出にくいか,いないと出にくいか判断する
 環境変化に注意する

薬剤
著効するエビデンスは乏しいが、臨床上著効する印象はある。
①内服可能な場合
セレネース(ハロペリドール) 0.5~1mg、
リスパダール(リスペリドン) 0.5~4mg
 …
major tranquilizer:ドパミン2受容体遮断
⇒昔から使われ、一番エビデンスがある
 ※リスパダールはセレネースの2倍の力価

ジプレキサ(オランザピン)やセロクエル(クレチアピン)
 …
非定型抗精神病薬:ドパミン2受容体+セロトニン2A受容体遮断
催眠作用もあり、使える。但し糖尿病患者には禁忌


②内服困難な場合
セレネース(ハロペリドール) 1~2A:せん妄を軽くする(頻度は減らない)
⇒効かなければ、追加でサイレース(フルニトラゼパム) 1A:眠剤。寝るまで投与。

抑制は最終手段(不穏を助長する)


参照 UpToDateなど

★分布が明確に違うのと、作用する神経伝達物質が違う事を理解すると、色々わかる。

■自律神経の回路

●交感神経
 脊髄(中間外側角から後根を通って外へ)⇒節前繊維⇒交感神経節⇒節後繊維⇒各臓器へ
●副交感神経
・交感神経と同様に、神経節前後で、節前/後繊維となる
①動眼神経:毛様体神経節を通り、毛様体筋へ
②顔面神経:翼口蓋神経節を通り、瞳孔調節筋、涙腺、鼻腺へ
      顎下腺神経節を通り、顎下腺へ
③舌下神経:耳神経節を通り、耳下腺へ
④迷走神経 (副交感神経の75%):心、肺、食道、胃、小腸、大腸半分、肝胆膵、腎、尿管上部へ
⑤脊髄神経 (主にS2-3):仙骨神経叢を通り、下降結腸、直腸、膀胱、尿管下部へ


■自律神経から神経伝達物質分泌

アセチルコリンか、ノルアドレナリンが分泌される
⇒アセチルコリン分泌するものをコリン作用性、
 ノルアドレナリン分泌するものをアドレナリン作用性という

・交感/副交感ともに、節前繊維はコリン作用性
副交感の節後繊維は、全てコリン作用性
交感の節後繊維は、基本的にアドレナリン作用性
 ⇒汗腺、立毛筋のみ、コリン作用性
 ※手足の汗腺のみアドレナリン作用性(手に汗握る、でしょ)


■これから色んな事がわかる!
①アトロピンの副作用に高体温があるのは?

・アトロピン
抗コリン薬
汗腺は交感神経支配だが,コリン作動性なので、活動↓
⇒体温調節↓、高体温

②副交感神経↑でなぜ血管拡張する?

血管は交感神経のみの支配
常に適度の交感神経刺激があり、収縮している(細血管では径が1/2程度になっている)
⇒副交感神経優位になる
⇒交感神経活性↓となることで血管拡張する

 
参照 Guyton生理学 

★使わない方が良い。

■機序

感覚刺激+立位や脱水などで起こる
参照:反射性失神の仕組み


■診断

まず他の疾患を除外する。その後↓
head up tilt試験
・Type1(混合型):Type2と3に当てはまらないが、血圧低下+心拍数低下により症状が誘発される
・Type2(心臓抑制型):HR<40が10秒以上、又は3秒以上の心停止
 ⇒2A:血圧低下が心拍数低下に先行、2B:同時に低下
・Type3(血管抑制型):血圧低下による失神で、心拍数低下は10%以下


■治療

失神を繰り返す時のみ適応
●生活指導
・排尿や脱水に注意し、長時間の立位を避ける
足組み、手をぐっと握る、腕をのばす (physical counterpressure)
⇒静脈還流量を増やすことで失神を予防する
 …十分なエビデンスのある治療はこれだけ
●Tiltトレーニング
・踵を上げて立位を10-50分保つトレーニングを、毎日行う
 ⇒効果がない、とするエビデンスも多い
●β遮断薬
・Bezold-Jarisch反射の求心性繊維、心臓の機械/化学受容体から出るC fiberを阻害すると考えられている
・よく使われるが、エビデンスない+若年者には有害かもしれない
プラセボ効果が強く、複数の大規模試験で効果なしとされた
基本的に使用を推奨されない
●ペースメーカー
・薬剤抵抗性で心停止を伴うType1か2で考慮される(心臓抑制された証明がないと適応外)
 …小規模研究にて、A-systole>3secで失神ある例、A-systole>6secで失神ない例のみ有効
※UpToDateでは、40歳以上の心臓抑制型で、年5回以上失神がある場合にのみ推奨される


参照 UpToDate, EPS

★調節ではない。

■ものが見えるということ

「角膜・水晶体で屈折→網膜上にピントの合った像を結ぶ→大脳視覚領に送る」
近視
・角膜か水晶体の屈折率が大きいか、眼軸長が長い
網膜より前に結像する


■近視の人が目を細める

角膜に入る光の幅が小さくなる
⇒焦点距離は変わらないため、目を細める前と同じ所(網膜より前)に結像する
⇒しかし、網膜に投影される幅も少なくなる
⇒ピントが合っている状態に近くなっている


■調節

水晶体の屈折率を変えること
…「水晶体−チン小帯−毛様体ひだ部−毛様体輪状筋」
毛様体輪状筋は副交感神経刺激で収縮
⇒チン小帯が緩む
⇒水晶体が厚くなる
屈折率が増す
近方に焦点が合う

●老視=調節異常

…老化とともに水晶体の中で水晶体核の割合が多くなる
弾性力がないため、水晶体が固くなる
⇒調節力↓

 
参照 UpToDate、標準眼科学 

★前大脳動脈拡張が原因の可能性あり。

■寒冷誘発性頭痛(アイスクリーム頭痛)

●原因
・冷たい水へのダイビング
・冷たい液体か固体が、口蓋と後咽頭を通過するとき

●機序(仮説)

静脈洞が冷やされ、再び温められることが原因と考えられていた
⇒最近、冷えたものを摂取すると前大脳動脈が拡張する事+収縮すると頭痛が改善する事、が示された
脳の温度を保つ自衛機能により血管拡張、それにより頭痛が生じる可能性あり

※「血流↑⇒頭痛」参照:高血圧⇒頭痛


参照 UpToDate、http://www.gizmodo.jp/2012/05/gw_21.html

★共鳴数の違いにより、振動する繊維が違うため。

■音伝達の機序

・音→外耳道→…→アブミ骨(振動を増幅)
卵円窓と接している
前庭階と接しており、振動が前庭階へ

●蝸牛

前庭階:ライスネル膜:中央階:基底膜:鼓室階
・ライスネル膜はかなり薄く、音の伝達には関与しない
⇒前庭階と中央階をまとめて考える
⇒ 前庭階と中央階:基底膜:鼓室階

●基底膜

・2万程度の繊維からなり、片方がゆるく固定されている
 +蝸牛の周りは骨で固く固定されている
⇒蝸牛の中の液体が動くと、基底膜が動く
・音でアブミ骨→前庭階と中央階が押されると、中の液体が前(蝸牛の先)へ向かって動く
基底膜は鼓室階側へ押される

・基底膜の繊維は、
 入り口(卵円窓側)が太く短く、 蝸牛先端側が細く長い
高い音(高振動数)は、卵円窓側で共鳴、
 低い音(低振動数)は、蝸牛先端側で共鳴する

その部分の繊維が大きく振動、そこで音のエネルギーが途絶える
⇒繊維の揺れをコルチ器が感知、蝸牛神経へ伝える


参照 Guyton生理学 

★ベンゾジアゼピンか否か、半減期はどれくらいか。

■睡眠薬の種類

 

一般名

商品名

用量(mg)

半減期

超短時間作用型

ゾルピデム*

マイスリー

510

2

ゾピクロン*

アモバン

7.510

4

トリアゾラム

ハルシオン

0.1250.5

24

短時間作用型

エスゾピクロン*

ルネスタ

13

6

エチゾラム

デパス

13

6

ブロチゾラム

レンドルミン

0.250.5

7

リルマザホン

リスミー

12

10

ロルメタゼパム

ロラメット,エバミール

12

10

ロラゼパム

ワイパックス

13

12

中間時間作用型

ニメタゼパム

エリミン

35

21

フルニトラゼパム

サイレース,ロヒプノール

0.52

24

エスタゾラム

ユーロジン

14

24

ニトラゼパム

ベンザリン,ネルボン

510

28

長時間作用型

クアゼパム

ドラール

1530

36

フルラゼパム

ダルメート,ベノジール

1030

65

ハロキサゾラム

ソメリン

510

85

メラトニンagonist

ラルメテオン

ロゼレム

8

12


・*はベンゾジアゼピン系
・半減期に応じて作用時間が違い、分類される


■ベンゾジアゼピン系
様々なGABA typeA受容体に結合
⇒抗けいれん、抗精神病効果あり
ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)
…半減期20〜100時間
 +代謝物のデスメチルジアゼパムにも活性があり、その半減期が2〜5日
作用時間が長過ぎて、睡眠薬としては使えない


■非ベンゾジアゼピン系

・1つのGABA typeA受容体に特異的に結合
⇒睡眠薬としてのみ使える

 
参照 UpToDate、睡眠薬の適正な使用と休薬のためのガイドライン 

★詳細は不明だが、静水圧・血管透過性↑によるだろう。

■原因

・重症てんかん、頭部外傷、SAHが多い
・重症脳梗塞でも稀にみられる


■病態
●関与する神経構造

延髄、視床下部、交感神経
…支持する根拠
⇒孤束核、最後野両側の障害で、高血圧+肺水腫となる
 α拮抗薬で発症を抑えられる
 肺への交感神経を切断することで発症を抑えられる
 
●機序

・基本的に血管からの漏出
膠質浸透圧はすぐ変わるものでない
⇒毛細血管静水圧の増加が重要
①静水圧増加の原因
…頭蓋内圧↑+交感神経↑による肺血管収縮
 交感神経↑による全身血管収縮により、心臓の前負荷が一時的に増加
 心収縮力↓:心筋スタニング、全身血管収縮による後負荷↑、迷走神経↑による陰性変時・変力作用

・肺水腫の成分が蛋白richであること、血行変動なくても肺水腫生じる
⇒静水圧だけが原因でない
⇒血管透過性の亢進
 ②血管透過性亢進の原因

カテコラミン(アドレナリン、ノルアド)が直接血管に作用
  ※但し通常注射しても血管透過性は亢進しない
 αアドレナリンアゴニスト↑によりセカンドメッセンジャー↑
  …ブラジキニン、ヒスタミン、エンドルフィン
 肺血管が攣縮し、そのため血管障害が生じる
 炎症亢進する


■治療

・ふつう48〜72時間で治る
⇒支持療法
・根拠のある治療薬はない;α拮抗薬もランダム化試験はされていない


参照 UpToDate

★PPRF, MLFの機能を理解する。

■側方注視の神経調節
・大脳の前頭葉:前頭眼野、補足眼野
⇒放線冠
⇒半卵円中心(脳梁)
脳幹上部で交差
⇒橋の被蓋:PPRF(傍正中橋網様体)
 …ここが側方注視中枢
⇒外転神経核:2つ神経が出る
⇒①同側の外転神経:PPRFと同側の外直筋を支配
 ②すぐ交差
  ⇒MLF(内側縦束)を形成し、脳幹の正中部を上行
  ⇒中脳:動眼神経核の腹側
  ⇒対側の外転神経:PPRFと対側の内直筋を支配
大脳と逆、PPRFと同じ方向への注視


■側方注視障害
前頭葉の障害
⇒病変と対側への注視障害
この状態で意識障害が起きると、病変側へ眼球共同偏倚
 ※意識障害が起きないと正中位を保つのは、視覚刺激によるか。

橋の被蓋の障害
PPRFの障害
病変と反対側への共同偏倚(意識障害なくても)
MLFの障害も起きた場合
⇒病変側のMLFを介して、病変側の眼球内転が障害
⇒基本的に反対側へ共同偏倚するが、病変側の眼球はやや正中に寄る

MLFのみの障害
・上記の通り、同側の眼球内転のみ障害
=対側の眼球外転は可能
核間性眼筋麻痺
⇒外転側に向かって速い相をもつ、側方注視眼振がみられる
※MLFは脳幹の被蓋正中を通るので、MLF障害である核間性眼筋麻痺は脳管障害を意味する
 ⇒臨床的に重要


■垂直注視障害
・垂直注視の中枢中脳上部の動眼神経核近く
        …MLFの吻側介在核+カハールの介在核
上方、下方視の区別は明らかでない
Parinaud症候群
中脳四丘体障害
垂直注視麻痺+輻輳麻痺(+内直筋麻痺)
輻輳:中脳の動眼神経核の近く、ペルリア核が中枢
 ⇒動眼神経と同時に障害されることが多い


参照 神経診断学を学ぶ人のために、UpToDate

★基本的に血行力学的な刺激によると考えられている。

■動脈瘤の形態
囊状:saccular aneurysm
・突出しており、壁が薄い
中膜は無いか薄い。内弾性板も無いか壊れている。
紡錘状:fusiform aneurysm
・全周性に拡張している
・動脈硬化の影響もあり
・解離(dissection)が原因として多いとされている。

■囊状動脈瘤の成因
・血行力学的なストレス
内弾性板が裂ける+破壊される
渦流による振動が血管の共鳴振動数と一致、負荷が大きくなるとの説も
剖検でも、内弾性板がないことが動脈瘤の特徴。
・異常な側副血行路
⇒hyperdynamicとなり、血管への負荷が大きくなる
炎症が関与する、との考え方もある
・高血圧、喫煙、コラーゲン繊維の異常は副次的である


参照 UpToDate

★ラクナ梗塞が起きやすい血管。

■血管の部位
脳内の太い血管からの穿通枝
 …特に小さく、90°曲がっているもの
⇒太い血管からの圧力が強くかかりやすい
⇒やぶけやすい

●つまり、ラクナ梗塞がおきやすい血管と同じ
 参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/33780279.html
①脳底動脈(BA)の穿通枝:橋と中脳へ
②後大脳動脈(PCA)のP1, P2から視床線条体への穿通枝:視床へ
③中大脳動脈(MCA)のM1からレンズ核線条体への穿通枝:被核、尾状核へ

小脳出血だけは例外:ラクナ梗塞が起こりにくい箇所。


■血管の変化
・高血圧持続
内膜肥厚、ヒアリン化
⇒局所壊死、血管壁の破壊
⇒血液リークし、仮性動脈瘤形成
 …サブクリニカルな出血
凝固系で抑えきれなくなると、臨床的な脳出血となる

 
参照 UpToDate 

★ブローカとウェルニッケだけでない。

■失語の評価
①流暢に話せるか
②繰り返して話せるか
③理解できるか(指示に従えるか)
④字を読めるか
⑤字を書けるか


■失語症候群

 

流暢さ

繰り返し

理解

読み

書き

Broca失語

×

×

 

 

×

Wernicke失語

 

×

×

×

×

健忘失語

 

 

 

(×)

(×)

伝導失語

 

×

 

 

(×)

超皮質性運動失語

×

 

 

 

×

超皮質性感覚失語

 

 

×

×

×

超皮質性混合失語

×

 

×

×

×

全失語

×

×

×

×

×

純粋語聾

 

 

×

 

 

失読

 

 

 

×

 

純粋語唖

×

 

 

 

 

失書

 

 

 

 

×


Broca失語
・左前頭葉下部
MCA前部の枝の閉塞が多い
⇒右半身麻痺、口部失調を合併する
理解は比較的保たれるが、正常範囲ではない

Wernicke失語
・左上側頭葉、下頭頂葉
MCA後部の枝の閉塞が多い
⇒右上部視野欠損を合併する
「言葉のサラダ」

健忘失語
・側頭葉、頭頂葉、後頭葉でBroca, Wernicke野以外の部分
ものの名前が分からない
 …役割や関連するものは言える

伝導失語
・上側頭回、下頭頂葉で弓状束の部分
Wernicke失語の回復期でもみられる
⇒他に神経症状を伴わないことが多い
流暢だが何か変。繰り返しはできない

超皮質性運動失語
・左内側眼窩側、特に補足運動野
後大脳動脈の閉塞
Broca失語の回復期でもみられる
分かるけど、うまくoutputできない

超皮質性感覚失語
左後頭葉の分水嶺:MCAとPCAの間
 …Wernicke野の隣
Wernicke失語に似ているが、繰り返しができるもの

超皮質性混合失語
前後分水嶺
全失語に似ているが、繰り返しのみできるもの
・両側の分水嶺、多数の塞栓による
⇒視野欠損、両側四肢不全麻痺(man in a barrel syndrome)を伴う

全失語
左MCA主幹部左内頸動脈閉塞による広大な梗塞でみられる
 …Broca野、Wernicke野を含む
⇒右半身麻痺、右視野障害を伴う
・理解不能で、意味不明な単語をつぶやくのみ

失語関連症候群
純粋語聾
・左or両側の上側頭回
・まれ
書いてあることは分かるが、話し言葉が理解できない

失読
・左後頭葉+脳梁膨大部
・左PCAの閉塞
⇒右の視野障害を伴う
話せて書けるけど読めない

純粋語唖
・運動の皮質流出路から調音器官の障害
 …Broca野の近く、中心前回の最下部
書けて読めるけど話せない

失書
・左下前頭葉
書けないだけ


参照 UpToDate

★英語、略語を知っておく。

■外頸動脈:external carotid artery (ECA)

2

①上甲状腺動脈:superior thyroid artery
②舌動脈:lingual artery
③顔面動脈:facial artery
④後頭動脈:occipital artery (OA)
⑤浅側頭動脈:superficial temporal artery (STA) 
⑥中硬膜動脈:middle meningeal artery (MMA)
⑦顎動脈:maxillary artery
⑧顔面横動脈:transverse temporal artery
⑨中深側頭動脈:middle deep temporal artery




■内頸動脈:internal carotid artery (ICA)

q
C1:頸部
C2:錐体部(頸動脈管内)
C3:破裂部
〜錐体舌靭帯〜
C4:海面静脈洞部(曲がった所=膝 がある)
C5:床突起部(硬膜輪内)
C6:眼部
 ⇒眼動脈:ophthalmic artery(OA)分岐
C7:終末部
 ⇒後交通動脈:posterior communicating artery(PCA)分岐


■椎骨動脈:vertebral artery(VA)

V1:骨外(鎖骨下A〜C6)
V2:孔(C6〜C1)
V3:脊椎外(C1〜硬膜を貫いて〜大後頭孔)
V4:硬膜内(〜脳底A)

※全て脳動脈造影の側面像


参照 diagnostic cerebral angiography

★機序ははっきりとしていないが、一過性なのでほとんど問題にならない。

■中枢性塩類喪失(cerebral salt-wasting: CSW)

・CNSの疾患で生じる;主にSAHで問題となる
・CSWは実際に存在しない、と考える人もいる
 ●根拠
 ・脳血管攣縮予防に多量の輸液をする
 ⇒反応性に尿が出ているだけ+Naは輸液した分が排泄されている
 ・カテコラミン放出
 ⇒静脈系の血管収縮
 ⇒多尿
 ・SIADHの一表現型だ
⇒但し、大体皆はCSWは実際に存在すると考えている


■メカニズム

①塩類喪失
●仮説が2つある
⑴交感神経
 …レニン↑、近位尿細管にてナトリウム、尿酸、水再吸収↑
交感神経やられると、Na排泄↑
※循環血漿量↓に反応してアルドステロン産生できないため、K排泄は促進されない

頭蓋内圧↑
⇒ホルモン産生神経細胞よりBNP放出
⇒BNPが尿細管でのNa再吸収、レニン放出↓
 +自律神経活性↓
※循環血漿量↓となり、頭蓋内圧↑に対する代償性変化となっている

②低Na血症
・腎での塩類消失
⇒循環血漿量↓
圧受容体反射にてADH放出
尿を希釈できない(尿中Na↑)
⇒低Na血症


■治療
CSWとSIADHの鑑別は重要
⇒SIADHの場合水制限が治療だが、CSWによる循環血漿量減少を増悪させるため
・鑑別は、明らかな循環血漿量低下の所見があるかどうか(あればCSW)
 …低血圧、BUN/Cre↑など
 …尿中Naが下がっていないことが条件
⇒大抵の場合判断が難しい

●CSW
・出た分を生食で補うのはよい
⇒ADH分泌を抑制し、低Na補正につながるため
Na補充ミネラルコルチコイド使用してもよい
※CSWは一過性のため、2週間程度で改善する

●SIADH
・水制限が必要
⇒SAHの場合、循環血漿量低下により血管攣縮が生じるのが怖い
※但し純粋なSIADHだと循環血漿量は正常。結局循環血漿量の評価が難しいのと、CSWも合併しているかもしれないので、水制限はやりづらい、ということ。
⇒代替案として、高調食塩水(3%)が使われる


参照 UpToDate

★脳室拡大により、白質路牽引され障害される。

■正常水頭症⇒尿失禁
◎排尿反射
①仙骨排尿中枢(S2-S4):副交感神経⇒膀胱壁のアセチルコリン受容体を刺激⇒膀胱収縮
②橋排尿中枢(橋の網様体):膀胱収縮時、外尿道括約筋を弛緩
大脳皮質:仙骨排尿中枢を抑制

・CSF吸収↓
⇒CSF量↑、脳室拡大
皮質の放線冠を牽引
  =特に、前頭葉と交通する傍皮質の白質路を牽引(◇)
⇒上記の③を障害
⇒膀胱がいっぱいになると、自動的に排尿反射が生じる
 …蓄尿なく、排尿調整もできない

※他の症状も影響する
・歩行障害により、トイレまで時間がかかること
⇒末期になると、認知機能障害から関心がなくなること

 
■正常圧水頭症⇒認知機能障害
・(◇)
⇒皮質下、前頭葉の障害
⇒動作緩慢、注意・集中力の欠如、アパシー
※皮質症状はない:失語、失認、失行


■正常圧水頭症⇒歩行障害
・(◇)
⇒前頭葉の補足運動野の障害、皮質下の運動コントロールの障害
拮抗筋の異常収縮、骨盤回転・対応する胴体の反対回転の障害
・脳室内シャントにより最も改善する

 
 参照 UpToDate

★2分以上持続する痙攣には、まずセルシン。

■痙攣の分類
seizure:脳の異常な電気活動
convulsion:筋の不随意収縮
けいれん重積けいれんが5~10分以上持続 or 意識の戻らない内に発作再発
 ●メカニズム
 ①GABA受容体の小胞への取り込み・不活性化+NMDA受容体のシナプス表面への移動
  ⇒GABA受容体の数↓、NMDA受容体の数↑ 
  ⇒抑制性ニューロンが働きづらくなる
 ②海馬のペプチドも変化する
  …抑制性ペプチドであるダイノルフィン、ガラニン、ソマトスタチンが減少
    興奮性ペプチドであるサブスタンスPが増加


■痙攣の治療開始
5分以上持続する痙攣
 =痙攣重積が疑われる
 ⇒治療開始
・ほとんどの痙攣は2分以内に消失する
 ⇒治療は必要ない
  ※但し静脈ラインは確保しておく
●臨床的に、2分以上続く痙攣は以下の治療開始する


■痙攣の治療
1)ABCの確保
2)抗痙攣薬
 ①ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)10mg
  ※ジアゼパムはベンゾジアゼピン系の一種
 ●メカニズム
  ・ベンゾジアゼピン
  ⇒ClチャネルへのGABA結合を促進
   …GABAによりClチャネルが開口
  ⇒神経細胞へのCl流入
  ⇒過分極
  ⇒脱分極が起こりづらくなる=神経興奮が抑制される

 ②フェニトイン(アレビアチン)15~20mg/kg 
  ※1000mgを20分以上かけて
  ⇒ローディングドーズであり、ここで十分に血中濃度を上げる必要あり
  ⇒2日目からは維持量(約半量)の投与となる
 ③ジアゼパム10mg
 ④フェノバルビタール(ノーベルバール)20mg/kg 10分で
  ※エビデンス十分でない
 ⑤ICUでチオペンタール、ペントバルビタールなど 24時間以上
  =burst suppression
3) 原因精査、治療

抗てんかん薬は、基本的に2回目のseizureを認めた時から始める
…痙攣再発のリスクが高いため
 

参照 UpToDate、イラスト薬理学、救急医の挑戦 in 宮崎、
    http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/book/29/7.pdf?1368758383

★ガイドラインに定まっている。
頭部CTは、GCS≦14の患者全てに推奨される

■最重要
●酸素化維持:PaO2>60
●血圧維持:sBP>90
●GCSを繰り返し評価する;受傷後数時間では低下しやすい
 ⇒GCS<8、対光反射消失、除脳・除皮質固縮、徐脈、高血圧、呼吸↓
  =脳ヘルニアを示唆する
 ⇒早急に対処する
  …頭部挙上マンニトール1mg/kg iv +繰り返し評価

凝固の評価
 ◎凝固障害がおきやすい理由
 …組織因子の放出、脳リン脂質の血中移行
 ⇒血管内凝固
 ⇒消費性の凝固障害
・PT-INRが伸びてきたら早急に対処する
PT-INR<1.4、PLT>75000を目指し、FFP・PC輸血、ビタミンK投与(ワーファリン服用中の場合)
※DVTの予防
 ・出血のリスクとの兼ね合いがあり、コンセンサスはない
 ⇒24-48時間以内に再出血のリスクが最も高いため、その間は抗凝固避けるべきかも

●体液量維持
 生食で行う;膠質液は予後を悪化させる
●栄養
 …受傷後7日までに必要量カロリーを摂取すべき


■浸透圧療法
・間質から水を引く⇒ICP低下
マンニトール:脳血流改善させることが示されており、推奨される
 …0.25~1mg/kgを、4~6時間ごとに投与する
血漿浸透圧<320mmol/lを維持、電解質・腎機能をモニタリングする
・高張食塩水(6~7.5%)も使われる


■換気
過換気を避ける(人工呼吸管理の場合)
…過換気
 ⇒PaCO2↓
 ⇒血管収縮
 ⇒○脳血流↓→ICP↓
   ●脳虚血
   ●乳酸↑、グルタミン↑→二次性脳障害
 …悪影響の方が強く、PaCO2<30で死亡率↑


■抗痙攣薬
6~10%の患者にけいれん生じる
⇒重症だと30%
・抗痙攣薬の短期使用は早期の痙攣を予防できるが、症候性てんかんは予防しない
⇒痙攣重積の予防、二次的な外傷予防が目的
フェニトインorバルプロ酸の7日間の使用が勧められる


■解熱薬
高体温は脳卒中の予後を悪化させる
…頭部外傷の予後も、おそらく悪化させる
⇒解熱薬の使用、クーリングが勧められるが、予後改善するエビデンスはほぼない

■頭蓋内圧(ICP)モニタリング

・重症の場合施行すべき。ICP>20は予後悪い
詳細は略


■手術適応(血腫除去術)

●硬膜外血腫:血腫>30ml、GCS<8+瞳孔不同
●硬膜下血腫:CTで10mm以上+mid line shiftあり、GCS<8 or 入院後GCS 2以上低下、瞳孔不同+散瞳、
         ICP>20が持続
●脳内出血:後頭蓋窩の出血で、容量効果がある場合
 ※容量効果(mass effect):脳実質の位置の変化・ゆがみ、第4脳室閉塞、基底槽の圧迫、水頭症
 ・他の場所の出血は、手術適応が定まっていない

開頭除圧術の有効性は研究段階


参照 UpToDate 

★抗てんかん薬のバルプロ酸投与により、高アンモニア血症・けいれん生じうる。

■バルプロ酸⇒てんかん抑制
GABAトランスアミナーゼ阻害
 ⇒GABA代謝を阻害
 ⇒シナプス前GABA濃度↑
グルタミン酸デカルボキシラーゼ活性化
 ⇒GABA合成↑

●以上よりGABA作用↑
⇒電位依存性Naチャネルを抑制
神経の連続的な興奮を抑える


■バルプロ酸⇒高アンモニア血症⇒てんかん
 …バルプロ酸関連高アンモニア性脳症(VHE)という
●VPA濃度はアンモニア濃度と比例、カルニチン濃度と反比例する
①バルプロ酸(VPA)
⇒代謝されてプロピオン酸
⇒ミトコンドリアにおいてカルバモイルリン酸シンセターゼⅠを阻害
 …尿素回路においてアンモニア代謝に必要
 (CO2+NH3+2ATP→カルバモイルリン酸、という最初の反応)
⇒十分に阻害されるとアンモニア蓄積

②VPAとカルニチンが相互作用
カルニチン濃度↓
⇒ミトコンドリアでの脂肪酸β酸化における、カルニチンシャトルを阻害
 =アシルCoAの、ミトコンドリア細胞質(外)からマトリクス(中)への輸送
⇒アシルCoAをエネルギー(アセチルCoA)に変換できず、アシルCoAが蓄積
N−アセチルグルタミン酸産生↓
 …「グルタミン酸+アセチルCoA→N−アセチルグルタミン酸+CoA」で、アセチルCoA↓のため
N−アセチルグルタミン酸はカルバモイルリン酸シンセターゼⅠの必須の活性化因子
カルバモイルリン酸シンセターゼⅠ活性↓
⇒アンモニア蓄積


■てんかん発作⇒高アンモニア血症
急激な筋収縮
プリンヌクレオチド回路にて
 「アデノシン一リン酸→脱アミノ化→イノシン一リン酸
⇒アンモニア発生
(参照:Internal medicine. 47: 21-23,2008 詳細な経路は不明)
 …この場合、3時間程度でアンモニアは正常値に戻る
※よって、痙攣のないてんかん発作では高アンモニアとならない



参照 UpToDate、リッピンコット生化学

★SAHの内,80%しか動脈瘤が原因でない.

■SAH

・SAHの内,20%程度は動脈瘤が見つからない
非動脈瘤性クモ膜下出血
⇒この原因は,
 ①非動脈瘤性中脳周囲SAH:2/3を占める
 ②同定されない動脈瘤,血管奇形, 頭蓋内動脈解離,大脳静脈塞栓, 外傷,鎌状赤血球症,出血素因
  下垂体卒中,コカイン中毒, 脳アミロイド血管症,脊髄動脈瘤, 脳腫瘍,もやもや病,動脈炎


■非脳動脈瘤性中脳周囲クモ膜下出血
●特徴
・中年に多いが,どの年代でも発症
中脳前方の脳底槽~迂回槽~シルビウス裂の底部に限局するSAH
・動脈瘤が見つからない
・予後が良い
…再出血ほとんどない+生命予後は健常人と変わらない
 ※持続する頭痛,うつ病呈することはある
●原因
不明だが,いくつか提唱されている
 ①椎骨脳底動脈系の穿通動脈の破裂
 ②静脈系の血管破綻
 ③脳底動脈壁の壁内血腫


※「動脈瘤がみつからない」ことに関して
・3mm以下はそもそも見つけられないが,破裂する危険は少ない
・検査法
 ①血管造影:感度99.5%,特異度100%
 ②CT Angiography:感度97%,特異度97%
 ③MR Angiography:感度95%以上
⇒すぐできるCTAがよく研究されている
⇒普通のSAHの場合,②でなかったら①やる
中脳周囲SAHの場合,②でなかったら①やらなくていいかも
 …①は合併症あり,②と①やるより②だけの方がoutcome良かった


参照 UpToDate

★だいたい血管迷走神経反射.

■迷走神経反射
感覚刺激
⇒迷走神経上行路,疼痛刺激伝導路,中枢神経入力路(視覚など)
孤束核を刺激
副交感神経賦活化:心抑制反射:除脈,A-systole,房室ブロック
 交感神経抑制:血管拡張反射:低血圧


Bezold-Jarisch反射
交感神経刺激による血管内圧↑
 or 血管内volume↑
⇒左室過剰収縮、心拍数増加
心房か大血管:伸展刺激受容器の活性化
 左心室:機械受容体の活性化
迷走神経求心路を介する、中枢性の交感神経抑制+副交感神経刺激
⇒末梢血管拡張、徐脈

●このトリガーとして、立位やTilt試験がある
…下肢血液貯留
⇒静脈還流量↓
⇒左室容積↓
⇒交感神経↑

※よく、迷走神経反射に含まれる。


■頸動脈洞反射
頸動脈や大動脈弓の血管内圧↑、又は外部からの頸動脈圧迫
⇒血管壁伸展
頸動脈,大動脈弓にある圧受容器活性化
舌咽神経を介し、延髄の孤束核/ 迷走神経背側核、疑核、延髄橋網様体へ
⇒遠心性神経繊維へ作用
 …洞結節や房室結節に分布する迷走神経↑、心室筋や全身血管に分布する交感神経↓
⇒除脈,低血圧

セロトニン伝導路が関与しているかも
 …SSRIや三環系抗うつ薬が,発症予防に有効であるから
 
アデノシンが関与しているかも
 …アデノシン投与により誘発+tilt試験でアデノシン濃度上昇
 ⇒アデノシンは血管拡張は心抑制作用有り

 
参照 UpToDate 
更新 2015/1/22

★ドーパミン受容体遮断による色々効果.

■スルピリド(ドグマチール)の用量
・150mg⇒消化性潰瘍,便秘
・300mg⇒うつ病
・600mg⇒統合失調症

■スルピリドの作用機序
D2受容体遮断薬である
①消化管への作用
・末梢でD2受容体遮断
アセチルコリン(Ach)遊離↑
⇒腸管でのAch濃度↑
腸管運動↑,腸管血流↑

②中枢神経への作用
仮説1:ノルアドレナリン↑
   …前頭葉ではドーパミン少なく,ノルアドレナリンがノルアドレナリン受容体・ドーパミン受容体に作用
    ⇒ドーパミン受容体遮断
    ⇒ノルアドレナリン神経伝達↑
    ⇒うつ改善
仮説2:ドーパミンのパーシャルアゴニスト
   …低用量では,優先的にシナプス前ドーパミン受容体を遮断
    ⇒ドーパミン放出を促進
    ⇒うつ改善
   …高用量ではシナプス後ドーパミン受容体遮断
    ⇒ドーパミンの作用↓
    ⇒統合失調症(陽性症状)改善


※スルピリドは日本でよく使われるが,アメリカでは認可されていない
 ⇒大規模の臨床研究なく,UpToDateにもあまり情報なし

 
参照 標準精神科学,役に立つ薬の情報,きょうクリいんちょうブログ

★高血圧が遷延し,内膜肥厚したことによる脳梗塞.

■ラクナ梗塞
穿通枝、小動脈の散在性閉塞のこと
●メカニズム
穿通動脈(3-7mm)の脂肪硝子変性
 ⇒穿通動脈:脳幹や脳の深部灰白質に栄養する
穿通動脈基部の動脈硬化,肥厚
 …中大脳動脈幹,ウィリスの動脈輪,脳底動脈,椎骨動脈
※この2つは病理学的に証明されている

塞栓による小動脈の梗塞

●症状
片麻痺:内包後脚,橋底部
・純粋感覚型脳卒中:視床腹側
・失調性片麻痺:橋腹側,内包
構音障害:橋腹側,内包膝部
・認知症
梗塞巣は小さいが、はっきりとした症状を呈する


■BAD:Branch Atheromatous Disease

穿通枝入口部が閉塞し、穿通枝まるまる1本が閉塞したもの
 …もとは病理学的な概念であり、臨床的な定義はされていない
 +現状では、画像検査で穿通枝の閉塞を示すことは困難
 ⇒梗塞巣で判断する

●臨床的には、橋正中動脈、レンズ核線条体動脈の閉塞が原因として多い
以下の条件で、主幹動脈の狭窄・心原性の要素がないもの
橋正中動脈(paramedian pontine artery:PPA)
・橋腹側の梗塞巣
・橋のみの梗塞の32-57%
レンズ核線条体動脈(lenticulostriae artery:LSA)
・基底核の梗塞で病変が水平断で3スライス以上に及ぶもの

●BADという概念が重要なのは、急性期に症状の増悪を認めるため
 …BADで51%, 非BADで22%


参照 ハリソン,UpToDate, KNI activities 2008-2009
更新 2014/7/23 

★鼻から.結構使える.

■髄膜炎の病態
鼻咽腔上皮に付着しコロニー形成
⇒①膜結合性の小胞
  ⇒上皮細胞を通過
  ⇒血管内腔へ
⇒②tight junctionを分離
  ⇒血管内腔へ
・血流内では,多糖類被膜により貪食を回避
脈絡叢上皮に感染
⇒髄液腔へ
 ※肺炎球菌は脳の毛細血管内皮に付着
 ⇒細胞を通過 or 間隙を通り髄液腔へ


■髄膜刺激症状
・くも膜下腔の炎症
⇒セロトニン・キニン分泌
くも膜下腔の血管周囲にある痛覚受容性神経が刺激
疼痛の受容閾値が低下している
⇒この際の疼痛に対する防御反応=髄膜刺激症状

①項部硬直・Brudzinski徴候
・頸部前屈
⇒脊髄が移動;延髄で4mm上昇,腰椎レベルで1cm上昇
⇒神経根圧迫
⇒疼痛
※前屈により髄膜に進展刺激が加わるので,他の動きでは生じない!
②Kernig徴候
・大腿屈曲により,脊髄を移動させる

●有用性
★まれだけど,認められれば診断的価値あり
・Kernig,Brudzinski:感度5%,特異度95%
・項部硬直:感度30%,特異度68%
これらは「髄膜炎が疑われ腰椎穿刺をした例」において,「CSFで白血球≧6個/µlを髄膜炎」と定義した場合
 (これが重要.緊急性がある髄膜炎に対する感度・特異度ではない)
⇒より重症では有用性が高まる

実際の臨床では,頭痛と発熱があり,
 ①generalがかなり悪い場合か
 ②髄膜刺激徴候が認められる場合か
 ③意識混濁・障害がある場合に
 細菌性髄膜炎を考える!
⇒無菌性髄膜炎は経過観察しかない.ヘルペス性髄膜炎には気を付ける

・jolt accentuation:感度97%,特異度60%
※髄液細胞増加症に対して

 
参照 UpToDate,ハリソン,サパイラ,細菌性髄膜炎の診療ガイドライン - 日本神経感染症学会

★機序がわかりつつある.

1.片頭痛
有病率:8%
病歴
・家族歴ある若年女性
・前兆あり:部分的な閃輝暗点(明るくなって見えない)
        半側視野欠損→半側視野の閃輝暗点
・片側が多い
・悪心,嘔吐あり
・12時間程度持続
NSAIDsは効いたり効かなかったり
機序
・誘因
神経ペプチド放出(Substance P, kininなど)
⇒①血管拡張,血管炎症
  ②三叉神経の神経原性炎症
⇒痛み
参照(高血圧性頭痛との関連):http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/29269894.html
治療
トリプタン系(5HT1B, 5HT1Dレセプター作動薬)が最も有効
…5HT1Bレセプター:脳血管に分布
            ⇒拡張した脳血管を収縮
  5HT1Dレセプター:三叉神経に分布
            ⇒三叉神経の神経終末から神経ペプチド放出を阻害
だから,根本的治療である.
・NSAIDsは原因を治療しない
 …但し,トリプタン系と併用すると効果↑


2.群発頭痛
有病率:0.5%
病歴
・中年男性
・昔スポーツやっていた
・片方の目の奥に,えぐられるような激しい痛み
流涙,充血あり
・毎晩おき,これが1ヶ月続く.1年おきに発生
機序
・内頚動脈の海綿静脈洞部の無菌性炎症
⇒血管拡張,浮腫
⇒痛み
・視床下部よりトリガー(体内時計が関与)
⇒三叉神経核,上唾液核(副交感神経の中枢核)を介する反射弓つくる
副交感神経↑
⇒症状の助長
参照(群発頭痛の分類):http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/29005683.html


3.緊張型頭痛

有病率:22%
病歴
・中年男性
・コンピューターを毎日使い,肩こり,目の疲れあり
・後頭部の締め付けられる感じ
・ぐらっとするめまい
・入浴,マッサージで軽快
機序
持続的な筋収縮
⇒①筋の血流需要↑
  ②強い筋収縮のため,動脈の血流障害
  ③ストレスによる筋血流↓
乳酸,ピルビン酸が筋と靭帯に蓄積
⇒痛み 
・特に後頸部の筋肉群が原因となる 
後頭神経痛を合併する
…筋肉により後頭部の知覚神経が圧迫されることによる
 

参照 講義 

★神経が近い,は説明になってない.

■関連痛(連関痛)の機序
●知覚神経(一次ニューロン)

⇒脊髄の後ろから入る
後角の細胞に伝達
⇒二次ニューロンとなる
⇒脊髄を上行し,脳へ

内臓知覚神経皮膚知覚神経が後角細胞に伝達するところ
どちらもシナプスを出す細胞がある(一部)
 =内臓からの痛みと、その脊髄レベルの皮膚の痛みが、同じ神経回路をたどる
⇒痛みを区別できない
 =関連痛

※なぜこんな後角細胞があるか?
 なぜ逆に、皮膚の痛みが内臓の痛みとならないか?
⇒皮膚は常に刺激にさらされているので,その細胞は皮膚からの情報を優位に結び付けやすいから(推測)


●関連痛の例
・虫垂炎での心窩部痛
・心筋梗塞での肩痛、歯痛、顎痛
腹腔ドレーンが横隔膜刺激している場合の肩痛


参照 Guyton,痛み学NOTE39
更新 2015/1/22

★諸説ある.

1.脳浮腫による
●高血圧性脳症では頭痛が起きる
・ちょっとした血圧↑
組織内への血流増加を血管収縮で対応する
血圧が上がりすぎるとこの対応ができない
血管拡張する
⇒血流増加により脳浮腫
⇒激しい頭痛
●高血圧患者の一部にこのメカニズムが認められる.


2.血管拡張による

●片頭痛の頭痛メカニズム(仮説)
 ・緊張
脳血管攣縮
⇒一部脳虚血となる
 ※これが前兆の原因
⇒収縮している血管平滑筋が疲弊する
⇒圧を維持できなくなる
⇒血管拡張
壁の進展による疼痛=頭痛
●高血圧も同様に頭痛を発現する


3.実は片頭痛

●高血圧と頭痛は相関する(randomised studyにより確か)
この頭痛患者は,降圧薬により軽快する
 ※但しこのstudyに頭痛の性状の記載なし
片頭痛は降圧薬により軽快する
⇒片頭痛は女性の17%,男性の8%に認める
高血圧は片頭痛を増悪している,という可能性.


参照 UpToDate,Guyton生理学,ハリソン

★効くが,エビデンスはない.
※日本独自の治療.

作用機序
(動物実験による仮説)
・炭酸水素Na(メイロン)静注
⇒①血中HCO3濃度↑
  ⇒代謝されCO2濃度↑
   ・平衡の記事参照:http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/28748661.html
  ⇒血管拡張
  ②血中Na濃度↑
  ⇒血漿浸透圧↑
血流量↑
内耳血流改善

エビデンス
・論文は日本ののみ,臨床試験はなし
・標準的なめまいの治療:抗ヒスタミン,フェノチアジン,ベンゾジアゼピン
               ⇒これらは内耳血流改善作用あり(機序の可能性)
・内服では効果なし
・経験的に効く印象がある,とのこと


参照 UpToDate,http://rockymuku.sakura.ne.jp/ROCKYNOTE.html


 

★TACsという概念を理解する.

分類
・一次性頭痛
群発頭痛群
  =三叉神経・自律神経性頭痛(TACs:trigeminal autonomic cephalalgias)
 ①群発頭痛
 ②発作性片頭痛
 ③結膜充血と流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛
 (SUNCT:short-lasting unilateral neuralgiform headahe attacks with conjunctival injection and tearing)  
 ④頭部自律神経症状を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛
 (SUNA:short-lasting unilateral neuralgiform headahe attacks with cranial autonomic symptoms)

病態
・片側性のひどい頭痛⇒眼神経(Ⅴ1)発火
・流涙など自律神経症状⇒顔面神経(Ⅶ)由来の副交感神経発火
・縮瞳,眼瞼下垂など交感神経麻痺⇒交感神経節後線維の障害
によると考えられる.

※海綿静脈洞の神経原性の炎症が関与しているかも
…群発頭痛の自律神経症状

視床下部の活性化が関与しているかも
⇒(視床下部-三叉神経回路)
「三叉神経-自律神経反射」活性化
…三叉神経の入力⇒頭蓋内自律神経の出力
…群発頭痛で重要

cf.群発頭痛の治療
 ⇒三叉神経根のエントリーゾーンにガンマナイフをかける治療がある
 ※副作用多く,推奨されていない


参照 UpToDate
2013/8/21更新

・排尿や排便
胸腔内圧↑
⇒心臓への血液還流↓
⇒脳血液量↓
⇒失神
 


・長い咳

⇒胸腔内圧↑
⇒大動脈を経由し,頭蓋内圧↑
⇒脳血流量足りない
⇒失神
※排尿や排便と同じ機序も考えられるが,長い咳の場合,平均動脈圧が変化しない,との報告がある.

■動眼神経は,①動眼神経核,②エディンガー・ウエストファル核(動眼神経副核)からの線維があり,②は副交感神経であるため.


※神経回路
・中脳下丘より,①と②からの線維
⇒海綿静脈洞外壁
⇒上眼窩裂
⇒上枝:上直筋,上眼瞼挙筋
  下枝:下直筋,内側直筋,下斜筋
   ⇒下枝がさらに分岐
     ⇒毛様体神経節を通過
     ⇒短毛様体神経:毛様体筋,瞳孔括約筋(この神経が②由来

★変性疾患は大まかな分類を抑えるとわかりやすい!

■主な病変の場所による分類

病変

病名

大脳

Alzheimer

Lewy小体型認知症(DLBdementia with Lewy body

前頭側頭葉変性症(Pick病など)

基底核

Parkinson

MSA-P

進行性核上性麻痺(PSP)

Huntington

小脳

孤発性SCDMSA

ADSCD(常染色体優性遺伝)=SCADRPLA

ARSCD(常染色体劣性遺伝)→Friedreich失調症

家族性痙性対麻痺(複合型)

運動ニューロン障害

ALS

球脊髄性筋委縮症

家族性痙性対麻痺

 

■脊髄小脳変性症(SCD:spinocerebellar degeneration) の分類

非遺伝性

●多系統委縮症  MSAmultiple system atrophy

・オリーブ橋小脳委縮症(OPCA)MSA-CCerebellar ataxia
 ⇒小脳失調がメイン

Shy-Drager症候群
 ⇒自律神経失調がメイン

・黒質線条体変性症=MSA-PParkinsonism
 ⇒パーキンソニズムがメイン

●皮質小脳委縮症

遺伝性(AD)

●脊髄小脳失調症 SCAspinocerebellar ataxia

●歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮 

DRPLA dentatorubral pallidoluysian atrophy

遺伝性(AR)

Freidreich失調症

 

針筋電図⇒筋力低下が神経によるか(神経原性),筋によるか(筋原性)
末梢神経伝導検査(NCS)⇒脱髄や神経変性がおきているか



 

筋電図

・患者に力を入れてもらい,それにより生じる運動単位電位(MUP)を測る

・安静→弱収縮→最大随意収縮と測定する
 

通常

安静:何も出ない

弱収縮:ぽつぽつ⇒最大収縮:運動単位が動員される・干渉良好(運動単位が区別できない)

安静時異常活動

筋繊維束電位(fasciculation potential):ALS

ミオトニー放電(急降下爆撃音):筋強直性ジストロフィ

Positive sharp wavePSW),線維自発電位:神経原性変化
 

●神経原性変化

・神経変性
⇒①支配領域の一部は他の神経に支配される(神経再支配)⇒その領域は大きな
MUPとなる

 ②一部は支配されない⇒筋が勝手に発火する(脱神経電位):この例がPSWと線維自発電位

 ③神経が減る⇒最大収縮で埋め尽くされない:干渉不良

●筋原性変化

・持続力↓,振幅↓+MUP数は変わらない
⇒干渉は落ちない:低振幅完全干渉型

※例外

①筋強直性ジストロフィ

②皮膚筋炎のactivityが高い時⇒脱神経電位と同じものが出る(活動性の指標となる)

 

末梢神経伝導検査(NCS

・電気刺激⇒伝導速度を測る.

・有髄神経の伝導速いものしかわからない(Aα,Aβ)
 

1.正中神経伝導検査

CMAPcompound-muscle-action potential

・刺激強くする⇒興奮する運動単位増える
⇒振幅大きくなる⇒最大の時がCMAP

②伝導速度(MCV

2点で刺激⇒CMAPが出現する時間差から求める.

1点刺激のみでMCV=距離÷時間としてはいけない
 ⇒神経筋接合部の伝導時間を考慮していないため

 

●軸索変性(消失)

・変性した神経は伝導しない
⇒①変性していない神経のみ伝わる⇒振幅が下がる

 ②変性していない神経は正常⇒速度は低下しない

●脱髄

・脱髄のあるところで速度低下⇒速度↓+CMAP持続時間↑,多相化,潜時↑

⇒再髄鞘化

⇒時間的分散(CMAP持続時間↑,多相化と同じようなもん),筋力は戻る

※完全伝導ブロックとなれば軸索障害と同じ

 

2.反復神経刺激試験

●漸減現象(Waning):MG

23Hz刺激⇒アセチルコリンが減っていくため

●漸増現象(Waxing):Lambert Eaton

・なかなかAchがでてきてくれない⇒20Hz刺激⇒Ach濃度が上がる

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