知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

整形外科・皮膚・形成

★ATをトレッドミル等の運動負荷で測定し、そのレベルのMETsの運動を推奨する。

◎奥が深い分野です。ここでは、基本の解説。


■運動負荷の実際
準備
・安静時に以下のパラメーターを確認
 …酸素摂取量 3.8ml/min/kg (1.1 METs)、VE 8-10l/min、ガス交換比 0.84

試験終了の目安
・ST変化、重篤な不整脈、血圧高値など
⇒なければ、自覚的最大負荷(ボルグスケールで19-20)まで
※エネルギー代謝の面で最大負荷となるのは、ガス交換比1.2なので、これも参考にする
 (客観的所見)


■重要な基準点
●anaerobic threshold (AT)

・運動強度の増加する過程で、エネルギー産生様式が変化する点
 (有酸素運動から無酸素運動へ移行する所

AT以上の運動をすると乳酸蓄積し、結果的に運動を中断することとなる
 …AT以下の運動であれば持続可能である(筋肉痛などエネルギー以外の因子を除き)
⇒日常の活動レベルを表す指標、心疾患のfunctional capacityを表す指標として用いられる
AT程度の運動を、1日30分以上週3-5日行う事を推奨する
 …AT時のワット数や運動強度を参考にMETs換算することが多い
※高血圧(運動時血圧↑↑)やAf(正確に測定できない)の場合、参考として用いる


●respiratory compensation (RC)

・運動によるCO2産生が増えると、ある所で代謝性アシドーシスとなる
呼吸性代償が働き、呼吸数増える
⇒この点がRCであり、RC出現後は短時間の内にアシドーシス進行する
 =運動強度が生理学的に最大のレベルに達したと考える


■運動負荷時の呼気ガス変化の原理
●原則、変化の流れ

運動強度は呼気酸素濃度(VO2)と相関するとされる
VO2 maxは、生理学的にその個人がもつ最大運動能力を表す
 ※peak VO2は、試験中に記録された最大のVO2であり、必ずしもmax VO2ではない
 ⇒必ず測れる指標なので、心不全の生命予後や治療効果判定に用いられる

・有気代謝でCO2産生される
 +嫌気代謝も生じると乳酸産生、乳酸が水とCO2に分解される
無酸素運動では呼気CO2濃度(VCO2)がVO2より早く増加
分時換気量(VE)はVCO2と相関するので、VE/ VO2も上昇
 ⇒よって、VE/ VO2の最低値がATを表す

・VCO2が更に増えると、代謝性アシドーシスとなる
⇒呼吸性代償としてVEは更に増加する
 ⇒よって、VE/ VCO2の最低値がRC(呼吸性代償の開始点)を示す
 …この時、終末呼気二酸化炭素分圧(PETCO2)が下降し始める


●AT決定のクライテリア

①ガス交換比(R)/ VO2 の上昇点
②VCO2/ VO2 の上昇点
③VE/ VO2の上昇点(VE/ VCO2が増加しない所で)
④VE/ VO2の上昇点
⑤PETO2 の上昇点(PETCOC2が変化しない所で)
⇒これら総合的にATを判断する
⇒AT時のワット数、運動強度をMETs換算して、指導の参考にする


■ワット数→METs(指導の目安)

METs

運動負荷試験

ワット数

歩く早さ

運動

12

 

 

1-2 km/h

食事、洗面、自動車運転

23

stage 0

 

3 km/h

調理、モップがけ、乗り物に立ち乗り、
ボーリング

34

 

25

4 km/h

シャワー、炊事、洗濯、ふとん敷き、
釣り、ラジオ体操、トラック運転

45

stage 1

50

5 km/h

軽い大工仕事、草むしり、セックス、
入浴、卓球、テニスのダブルス

56

stage 2

75

6 km/h

階段、農作業、アイススケート

67

stage 3

100

4-5 km/h
(ジョギング)

シャベルで掘る、雪かき、水汲み、
テニスのシングルス

78

stage 4

125

8 km/h
(ジョギング)

水泳、エアロビクス、登山、スキー

8

stage 5

150

10 km/h
(ジョギング)

なわとび、各種スポーツ





参考 狭心症・心筋梗塞のリハビリテーション(基本の本)

狭心症・心筋梗塞のリハビリテーション―心不全・血管疾患の運動療法を含めて

★短時間では問題とならない熱源が,長時間接触することで生じる熱傷.

◎意外に知らないかもしれません。

■温度,機序
(動物実験による)
SDB:37.8℃
DDB:41.9℃
Ⅲ度:47.9℃
圧力が加わると,これ以下でも生じます
 ⇒血流障害により熱拡散・希釈障害おきるため

・受傷部位にNOの活性酸素代謝物の蓄積が有った
⇒NOの関与が考えられています


■臨床像

・皮膚所見では判断が難しいことあります
⇒より深部へ到達していることある
 …デブリードマン行って判断され得ます

・カイロ,電気カーペットが典型的だが,長時間の入浴や電気こたつも原因となる.


参照  熱傷治療マニュアル

★軟膏はあくまで補助的。

◎軟膏はたくさんの種類があり、人によって使い方が異なります。理論的に自分の使い方を作っておく事が大事です。ただ創処置の場合、最も大事なのは外科的処置で、軟膏で治すとは考えません。

■抗菌薬作用
●バラマイシン軟膏

・抗菌薬で、汎用性が高いです。
・ガーゼに塗りやすく、広範な病変によく使います。

●ゲンタシン軟膏
・これも使いやすく、外傷によく処方します。
・緑膿菌に効くので、疑われたらこれに。
・傷に直接塗りやすいです。

●フシジンレオ軟膏
・MRSAに効きます。
・よくバラマイシン軟膏と混合して使います。

●カデックス軟膏、イソジンシュガーパスタ
・抗菌薬というよりは、殺菌剤です。
・殺菌効果は極めて高いですが、組織の創傷治癒を遅延します。
・糖尿病の足壊疽などに使います。


■抗炎症作用
●プロスタグランディン軟膏

・血流改善作用が期待されるので、血流が悪そうな創に出します。
・そのままだと塗布しにくいので、よくバラマイシン軟膏と混ぜます。

●デルモベート軟膏
・ステロイドのストロンゲスト
・熱傷の急性期(1-2日)に使い、疼痛を和らげたりします。

●アンテベート軟膏
・ステロイドのベリーストロング
・皮膚科でよく処方されます。痒みの強いときに。

●リンデロンV軟膏
・ステロイドのストロング
・ちょっとした炎症に。

●リンデロンVG軟膏
・Gはゲンタシンです。
・ちょっとした炎症+感染が疑われる時に使います。

●キンダベート軟膏

・ステロイドのミディアム
・こどものかぶれなど。

●ケナログ口腔内軟膏
・口腔内に非常に塗布性の高いステロイドです。
・口内炎に非常に有用です。

●アズノール軟膏
・ステロイドでありません。
・気持ち程度の抗炎症作用です。


■その他
●サトウザルベ、亜鉛華単軟膏

・皮膚を乾燥化させます。
・表皮びらんにつかいます。特に、高齢者の下痢の臀部に頻用します。

●ヒルドイド軟膏
・皮膚の保湿剤です。
・美容目的、採皮後に用います。特に分層植皮で脂腺がない場合、皮膚がカサカサになるので、ずっと塗り続けます。
・ワセリンも同様の保湿剤ですが、ヒルドイドの方が良い、とよく聞きます。一時、医者が自分用に処方しまくって問題になっていました。


参照 形成Dr.S.

★陥入爪に悩む方はある程度いますが、基本的には保存的治療を先行します。


■一般的な治療、教育

・側方の爪が十分に指の外側まで伸びてから爪を切る事
・足のサイズに合った靴をはく事 
 …機械的な陥入を防ぐためです。


■軽症〜中等症の治療

●軽度の疼痛、軽度の紅斑、浸出液なし の場合
爪側壁の指の間にコットンやデンタルフロスを敷き、圧迫を解除する
1日3回、泡立った温水に10-20分ひたし、爪を爪板から離すようマッサージする
 …Episom saltを溶かして使うのもよい

シークリスタルス 国産 エプソムソルト (硫酸マグネシウム) 入浴剤 2.2?約14回分 浴用化粧品 計量スプーン付


・炎症が強い時はステロイド外用を用いるのも可
※70%が上記の保存的加療に反応する。無効の場合は外科的介入へ。


■中等〜重症の治療
●広範囲の紅斑、浸出液あり の場合
・外科的介入:爪と爪板を隔離し、肉芽腫を除去する


参照 UpToDate

★真皮に色素を沈着させる。

◎日本ではタトゥーがそれほど広まっていませんが(アメリカでは18-25歳の20-25%といいます)、その原理について理解しておく事は重要だと思います。

●タトゥーには3種類あります。
⇒スタジオタトゥー、アマチュアタトゥー、ヘナタトゥー

■スタジオタトゥー
・tattoo artistは誰でも慣れ、徒弟制もしっかりしておらず、自ら研鑽を積んでいます。
⇒つまり、施術が標準化されていません。
※Alliance of professional tattooistsというNPO組織は、3年以上の経験と推薦をもってcertificateすることで、artistのクオリティーを高めようとしています。
 ▶︎http://www.safe-tattoos.com/

●プロセス
①アルコール、イオジンで消毒
②手書き、もしくはステンシルにて下書き
③インクをしみ込ませた針で色づけ
 ・多くは機械で行う。使う針の量で、線や色の特徴を出す
④皮膚を繰り返し針で刺し、色素を真皮まで到達させる
 ⇒マクロファージに取り込まれる
※血がでたら、その都度拭き取られる


■アマチュアタトゥー

素人が尖ったもので皮膚を刺し、真皮まで色素を到達させます。
・衛生的でない事が多く、色素もインクやマスカラなど手に入りやすいものが多いです。
 …鉛筆の芯を刺してしまって、色が取れないのは、一種のアマチュアタトゥーと言えるかも
※但し、皮膚に入れる色素はFDAの認可はおりていません(スタジオも同様)。
※推奨されません。


■ヘナタトゥー
色素を皮膚表面につけるものです
 =一過性です。2-3週間といいます。
・色素は、ヘンナ という植物のパウダーから生成されたものです。
 …髪を染める時にも使います。
・6-12時間色素をつけ、洗い流して色をつけます。


参照 UpToDate

★様々な要因があるが、色素沈着や浮腫が大きな原因。

◎寝不足や疲れ、加齢で眼の下に'くま'ができます。英語で infraorbital dark circles といいます。なぜできるのでしょう。

■機序
●解剖学的特徴

・眼の下の皮膚は薄く(全身で最も薄い皮膚のひとつ)、やや透過性があります。
⇒皮下組織の血管や眼輪筋がみえやすいのです。

・まぶたの下の軟部組織は、靭帯で区切られています
浮腫の際に、眼窩縁の下に限局して、液体が貯留しやすいのです。

●黒いものは?
色素沈着です。
 =ヘモグロビンの分解産物;ヘモジデリン、ビリベルジン
・これらは、色々な原因で沈着します。
 ⇒肝斑、母斑、紫外線、ホルモン変化、炎症(アトピーやコンタクトレンズ)

●なぜ高齢になると'くま' ができる?
・加齢により、以下の変化が生じるからです。
皮下脂肪の萎縮眼輪筋の肥大、眼輪筋下の繊維脂肪組織の仮性突出、頬部のvolume loss、皮膚のエイジング(コラーゲン・エラスチン喪失によるツルゴール低下)
⇒これらが、複合的に くま を助長します。

※眼輪筋が透ける、という影響が強いと、紫色っぽくなることもあります。

●なぜ疲れると'くま' ができる?
・基本的には浮腫が原因です。
…皮膚細胞はそもそも色素を持っていますが、皮下組織によって見え方に日内変動が生じます。
 ⇒特に浮腫、真皮の肥厚により
 ⇒色素沈着した皮膚の部分から光反射する可能性が増えると考えられます。

◇文献によると、くまを無くす為に、ビタミンA、カフェインの局所塗布、様々なペプチド(glycyl-L-histidyl-L-lysine など)の根拠はあるようです。

カシス-i EX 29.4 g


▶︎カシスはビタミンAだけでなくCも含む、よいサプリです、きっと。

眼輪筋ストレッチ アイバーン

▶︎マッサージは浮腫軽減につながり、理論的にも くま を軽減します。



参照 J Cutan Aesthet Surg. 2016 Apr-Jun; 9(2): 65–72 

★吸収性+モノフィラメントに沢山種類あり。

◎何気なく使っている糸で、若手はだいたい教えてもらった通りに使うと思います。もしかして常識かもわかりませんが、それぞれの特徴をまとめてみました。

■糸の特徴3種類
①素材

●合成糸か、天然糸か。
天然糸は絹糸(シルク)だけです。

②吸収性

●吸収性か、非吸収性か。
皮膚、筋膜、腱、骨などには非吸収性糸を使います。
・吸収される糸は、時間とともに張力が弱くなります
⇒吸収されなければいけない所につかいます。

③編み糸か

●モノフィラメント(単一糸)か、ブレイド(編み糸)か。
編み糸の方がしなやかで、縫いやすく、強くしばれます
モノフィラメント感染に強く、糸を通す時に組織を傷つけにくいです。


■よく使われる糸のカテゴリー、特徴
●吸収性+モノフィラメント

PDS(polydioxanone)
最高の張力を持っています。5-6週間張力を保ちます。
モノフィラメントなので固いですが、感染にも強く、適応の幅が広いです。

マクソンPolytrimethylene carbonate
PDSを扱いやすくした改良版です。

モノクリル(poliglecaprone 25)
7日間張力を保ち、21日で完全に失います。顔の外傷などで形成外科でよく使われます。


●吸収性+ブレイド
バイクリル(polyglactin)

3-4週間張力を保ち、60-90日で吸収されます。
編み糸なので扱いやすいです。軟部組織に良い適応です。


●非吸収性+モノフィラメント

ナイロン

昔から使われている、張力の強い糸です。何回も結ばないと緩んでしまうのが難点。

プロリン(ポリプロピレン)
ナイロンとほぼ同様です。組織が腫脹しても耐えてくれます。


●非吸収性+ブレイド
絹糸(シルク)

これのみ天然由来です。扱いやすいですが、張力は非吸収性の中で最も弱いです。


■糸の規格
●USP(米国薬局方)規格に準じています。
・細い順に、以下の通りです。
 12-0, 11-0, ...., 2-0, 0 (=1-0), 1, 2, ...., 10

・太さは、以下の通りです。
0   : 0.35〜0.399mm
2-0: 0.27〜0.349mm
3-0: 0.20〜0.269mm
4-0: 0.15〜0.199mm
5-0: 0.10〜0.149mm
6-0: 0.07〜0.099mm


参照 UpToDate, Ensinger Japan official blog

★骨密度の低下で診断する。

■診断基準

①日本
続発性を除外した上で、
・脆弱性骨折なし→骨密度がYAMの70%未満
・脆弱性骨折あり→骨密度がYAMの80%未満
脆弱性骨折:軽微な外力による骨折
 YAM:若年成人平均値

②WHO
・骨密度が、成人女性平均の2.5SD以下(Tスコアが-2.5SD以下)

●続発性骨粗鬆症(鑑別診断)

・多発性骨髄腫、Cushing症候群、ステロイド内服中、糖尿病、原発性副甲状腺機能亢進症、原発性甲状腺機能亢進症、ビタミンD欠乏症、骨軟化症、骨Paget病、低栄養、慢性炎症、重篤な肝疾患


■骨量定量法
①DXA; dual-energy X-ray absorptiometry

2種類のエネルギーのX線を照射、骨成分を他の組織と区別し骨密度を定量する
対象(骨粗鬆症の診断候補)
・65歳以上の女性、70歳以上の男性
・危険因子をもつ、閉経後女性、50歳以上男性
 …アルコール摂取(エタノール24g/day以上)、現在の喫煙、大腿骨近位部骨折の家族歴
・骨粗鬆症の原因となる疾患に罹患、薬物投与されている者
●部位
腰椎(L2-L4の平均):日本での標準
・大腿骨近位部(total hipか頸部で低い方):世界での標準
⇒これらの測定が困難な場合、橈骨や第2中手骨で撮影
●評価
・腰椎:1SD以下で同部位骨折リスク2.3倍
・大腿骨:1D以下で同部位骨折リスク2.6倍、あらゆる部位での骨折リスク1.6倍

②MD; microdensitometry

第2中手骨のX線画像の濃淡、皮質骨の幅から骨密度を評価する
⇒末梢の皮質骨を中心とした骨密度がわかる
・日本発なので、日本でよく用いられる方法
・1SD低下より、全身の骨折が1.6倍になる
 ⇒但しエビデンスレベルは低い+反映されるのが遅くモニタリング困難


参照 UpToDate、骨粗鬆症ガイドライン 

★骨芽細胞↓、破骨細胞↑。

■骨粗鬆症の機序

骨密度の低下、骨質の劣化による
①骨密度
・思春期に高まる(→骨量頂値);破骨細胞(骨吸収)<骨芽細胞(骨形成)
⇒成人以降減っていく;骨吸収>骨形成
②骨質
骨リモデリング(新陳代謝機構)、酸化/糖化の程度、ビタミンD/K、コラーゲン含有量、石灰化度で規定される
骨リモデリング亢進
 ⇒骨基質のライフスパン↓
 ⇒十分に石灰化されない
酸化ストレス(活性酸素)↑
⇒骨芽細胞のアポトーシス↑
⇒骨形成↓

●以上より、
皮質骨:骨の菲薄化、骨髄側の海綿骨化
 …加齢による骨粗鬆症の主体;ゆっくり起きる
海綿骨:骨梁幅/数の減少
 …エストロゲン低下による骨粗鬆症の主体;急激に起きる


■原因と機序
①加齢

骨芽細胞機能↓
骨細胞数↓:骨リモデリング↑、微小障害の修復機構↓
 ⇒骨中の血管、水分↓
 ⇒骨結晶化度↓、脆弱性↑
カルシウム吸収能↓ ⇒骨密度↓
・壮年期以降コラーゲン含有量↓、コラーゲン分子間に老化型架橋↑
 …架橋は終末糖化産物(AGE)による
酸化ストレス(活性酸素)↑

②閉経

エストロゲンの機能
破骨細胞の分化と成熟を直接抑制、破骨細胞の活性をRANKL↓を介し抑制
 骨細胞、破骨細胞のアポトーシスを抑制
⇒閉経でこの作用が急になくなる

③ステロイド

・骨芽細胞産生↓
・骨芽細胞、骨細胞アポトーシス↑
・VEGF↓:骨芽細胞、骨細胞が産生
⇒骨の水分量↓
⇒壊れやすくなる
・破骨細胞の寿命↑
・IGF↑、Wntシグナル活性化も関わっているかも

④ビタミンD, K不足

・オステオカルシン量↓
 ⇒基質石灰化↓、コラーゲン繊維/架橋形成変化;骨質の異常


■男性が骨粗鬆症になりにくい理由

①思春期によく運動する
⇒骨量頂値が高い
②閉経によるエストロゲンの急速な低下がない

よって、男性の場合高齢こそが骨粗鬆症のリスク
80歳以上では注意


参照 UpToDate、骨粗鬆症ガイドライン 

★13〜33%は水虫じゃなく、そのほとんどが湿疹。

■足白癬の診断

直接鏡検にて皮膚糸状菌を検出することが絶対必要
偽陽性
…モザイク菌(角質間の油滴)との間違え、糸くずとの間違え
 =医師の技術の問題
偽陰性
抗真菌薬外用中、接触性皮膚炎の合併(特に湿潤型;趾間型に多い)
 ※しかも、抗真菌薬は接触性皮膚炎を起こしやすい


■足白癬の鑑別診断

湿疹、皮膚炎
・掌蹠膿疱症
 …原因不明の膿疱性疾患。左右対称、手のひらにも多いことが鑑別点
・紅色陰癬
 …趾間型白癬と紛らわしいし、合併する事もある
 ※紅色陰癬はWood灯でサンゴ色となる
・疥癬
 …ヒゼンダニの感染。時々足底にも病変つくる
・足乾癬
 …免疫の問題。足底に限局するのはまれ


■足白癬疑いの患者へのアプローチ

水虫を主訴に来院した13〜33%の患者は、水虫でない
・視診のみでは、皮膚科専門医で80%程度しか診断できない
まず鏡検、証明できれば抗真菌薬外用を
 ⇒反応性は良いため、1週間以内に改善認める
●鏡検を2,3回繰り返しても証明できない場合
 ⇒他の鑑別を考える。74%は湿疹という。

OTCの抗真菌薬を試したが、水虫が良くならない患者
・鏡検が偽陰性かどうか、確かめる事はできない
⇒しかし白癬は抗真菌薬へ反応性が良いため、白癬でない可能性が高い
⇒湿疹rule outのため、ステロイド外用を試してみて良い
 …1,2週間で、湿疹なら改善するし、白癬なら菌増殖して検出しやすくなる
 +白癬でもそこまで臨床症状が悪化しない


参照 皮膚真菌.jp、Dermatology exercises、皮膚真菌症診断・治療ガイドライン

★持続期間で分類され、急性は原因が特定できうる。

■蕁麻疹の分類

・急性:6週間以内の発症
・慢性:再発性でほとんど毎日症状があり、それが6週以上続く
ほとんど自然軽快する=急性
 …6週間というのは一応の基準


■蕁麻疹の原因/病態
●蕁麻疹の基本病態

表皮浅層にある、皮下肥満細胞と好塩基球が活性化
ヒスタミン放出:痒くなる
 血管拡張物質放出:限局した膨疹
※血管浮腫は、より深部で起きる同じ病態


●急性蕁麻疹の原因

・原因不明のことが多いが、慢性蕁麻疹と比較し原因特定できる事は多い
感染
・小児例の80%は感染関連という報告もあり
⇒感染自体か、内服薬か特定はできないため
…多いのは、ピコルナ/ コロナ/ RSウイルス、A/B型肝炎、マイコプラズマなど
・寄生虫も原因となりうる

IgEを介した免疫反応
・薬剤:特にβラクタム
・虫さされ
・ラテックス
・食べ物:牛乳、卵、ピーナッツ、魚などが多い。食べてから30分以内に発現
・接触:植物、野菜、魚、動物の唾液、石鹸など
・輸血

肥満細胞の直接活性化(IgEを介さない反応)
・麻薬、筋弛緩薬、バンコマイシン(レッドマン症候群)、造影剤、NSAIDs
・食べ物:トマト、イチゴ(pseudo-allergenといわれる)
・他、寒冷刺激、血清病、プロゲステロン(低容量ピルなど)


●慢性蕁麻疹の病態

 仮説がいくつかある
①自己免疫
・一部の患者で、ヒスタミン放出↑などに関与していると考えられる
・提唱されている自己抗体
…抗IgE抗体、抗Fc-ε-R1-α抗体(IgE受容体のαサブユニット)
⇒補体活性化を介して、肥満細胞活性化、ヒスタミン放出を促す
※但し、慢性蕁麻疹特異的でない(他の自己免疫疾患でも陽性となる)

②肥満細胞/ 好塩基球の遊走、シグナリング、機能の欠陥

・患者の肥満細胞/ 好塩基球数は高くなく、重症患者はむしろ低い
患部に集簇している
・正常の好塩基球は、Fc-ε-R1-α刺激に反応してヒスタミンを出す
⇒慢性蕁麻疹患者では、半数の好塩基球がFc-ε-R1-α刺激に反応しない
※但し、好塩基球のアッセイは難しく、再現性に乏しい

③誘因がある(実証はほとんどない)

・慢性感染:ピロリ菌、A型肝炎、C型肝炎
・食事:肉、辛いもの、アルコールなど
 ⇒含まれるヒスタミン、アルコールの血管拡張作用により、一時的に症状増悪しうる
 ⇒但し一つの誘因にすぎない


参照 UpToDate

★血管、神経病変がなくとも、高血糖だけで足病変のリスクである。

■糖尿病による足病変の原因

①神経障害
温痛覚が鈍くなる
⇒下肢の障害に気づかない
自律神経障害
⇒汗をかきづらくなる
⇒皮膚乾燥、ひび割れ
⇒皮膚深層への感染が助長される
運動神経障害
⇒足の変形
⇒加重による軟部組織障害

②末梢血管障害
・ 潰瘍、感染治癒に必要な血流が保てなくなる

③高血糖
・好中球機能↓
・易感染性

①〜③の内1つ以上で、難治性損傷、二次感染のリスクとなる

 
■糖尿病による足病変の重症度分類
・Wagner分類

Grade

 

0

潰瘍なし

1

皮膚のみの潰瘍

2

靭帯/筋まで及ぶ潰瘍で、膿瘍形成と骨病変なし

3

蜂窩織炎か膿瘍形成を伴う(骨髄炎伴いうる)

4

限局性の壊疽

5

足全体を巻き込む壊疽


・grade4以上で入院加療と迅速な外科対応が必須、アンプタの可能性が出てくる


■糖尿病による足感染症の重症度分類
・IDSA分類

感染

 

なし

化膿、炎症所見なし

mild

2つ以上の炎症所見:化膿、発赤、疼痛、硬結、熱感

皮膚〜皮下組織表面までの感染

蜂窩織炎、発赤が潰瘍の周囲2cm以内

moderate

全身状態良好だが、以下の1つ以上の所見あり

︎2cm以上の蜂窩織炎、リンパ節炎、浅層筋膜以上の伸展、
膿瘍、壊疽、筋//関節/骨の巻き込み

severe

全身症状あり;発熱、嘔吐、白血球上昇など

※虚血がある場合、感染増悪する

・抗菌薬投与は必須で、重症度に応じて菌のカバー範囲と投与期間が異なる
・moderate以上で外科的デブリドマンが必須
・severeは入院と迅速な加療が必須


参照 UpToDate 

★脂肪が動脈系につまるだけでない。

■臨床症状

三徴低酸素、点状出血、神経障害
 …これらを受傷から24〜72時間で呈す
・低酸素:約半数で呈する。人口呼吸が必要なことあり。
・点状出血:20〜50%で認める。5〜7日で治る。
・神経障害:だいたい認める。意識障害、けいれん、巣症状等認める。一過性。


■機序
1.物理的な塞栓

・骨折など
細静脈が破壊
⇒骨髄に解放する
骨髄が静脈系に侵入、肺へ
※整形外科手術中に、エコーで右心に何か飛んでいる様子が見られることから。

・その後

肺に沢山つまる
 ⇒肺動脈、右心圧↑
 ⇒卵円孔開く
 ⇒動脈系へ
塞栓が小さい
 ⇒肺をパスして動脈系へ
 ※卵円孔ない患者でもみられることから。 
⇒脳梗塞(神経障害)、点状出血
●しかし、侵襲から24〜72時間で症状見られることと合致しない。


2.害のある中間物ができる

①骨折など
血中脂肪濃度↑
⇒加水分解
遊離脂肪酸↑
⇒肺障害、心障害

CRP↑
脂肪凝集↑
⇒微小血管にて血流障害

※これらは、症状出現しやすい時間の説明になる。


参照 UpToDate 

★皮脂、炎症、破裂。

■にきび(尋常性痤瘡)

皮脂の分泌↑+角層が厚くなる(毛包異常角化
毛包に皮脂が詰まる
 …この状態が白、黒にきび
アクネ菌の感染
炎症を起こして丘疹となる
 …この状態が赤にきび
毛包破裂し悪化
 …嚢腫、硬結
⇒瘢痕


■アクネ菌

・毛包分解、破裂する酵素を産生
・表面の蛋白に抗原性あり、免疫反応を惹起
・Heat-Shock proteinを産生
・ポルフィリン産生
IL-1β、NLRP3-inflammasome(不活性のIL-1を除去)の活性化
 Toll-like receptorを介した自然免疫の活性化
炎症


■アンドロゲン

・副腎、性腺、皮脂腺でアンドロゲン分泌
⇒皮脂腺にて、「DHEA-S→テストステロン」
⇒皮脂腺にて、5αレダクターゼにより「テストステロン→DHT」
※参照:アンドロゲンとテストステロンの違い
皮脂腺、毛包表皮のケラチノサイトが、テストステロンとDHTに結合するアンドロゲン受容体を発現

・アンドロゲン受容体欠損すると、にきび生じない
・アンドロゲン↑状態では、にきびになりやすい
にきび発生に関与している
⇒しかし、にきびのあるほとんどの人はアンドロゲン正常


■他の因子

・ゴシゴシこする;にきび破裂、悪化する
牛乳;大規模研究で相関あり。Insulin-like growth factor (IGF)↑を介すか。
・ストレス:小規模研究で相関あり。皮脂腺にあるCRH受容体が関与しているか。
・家族歴、BMI


参照 UpToDate, ニキビの基礎知識

★薬にもより,すぐ~数ヵ月.

■蕁麻疹様
Ⅰ型アレルギー
・原因:βラクタム,筋弛緩薬
     生物学的製剤(異物)
     プラチナ製剤(カルボプラチン,シスプラチン)
数分~1時間で発症
⇒吸収遅れたり,既に感作されていれば時間は変わってくる

■麻疹様薬疹
Ⅳ型アレルギー
・原因:抗菌薬(βラクタム,ST合剤,サルファ剤,ミノサイクリン)
       抗けいれん薬(フェニトイン,カルバマゼピン)
        アロプリノール
5-14日で発症
⇒最大3週間かかる
・やめて2日で最大,7-14日で消失

■溶血性貧血
・Ⅱ型アレルギー,まれ
■血清病,血管炎
・Ⅲ型アレルギー,まれ

■固定薬疹
表皮内のCD8+ T細胞による免疫反応
・原因:抗菌薬(ST合剤,テトラサイクリン,ペニシリン,キノロン)
     NSAIDs,アセトアミノフェン
     バルビツール酸
     抗マラリア薬
30分~8時間で発症
⇒2週間までかかりうる
・服薬やめれば,7-10日で自然に治る:色素沈着を残す
 
■苔癬型薬疹
・interface dermatitis;非特異的,原因不明
・原因:ACE阻害薬,サイアザイド系利尿薬,抗マラリア薬,β阻害薬,金製剤,ペニシラミン
数ヵ月~年で発症
・服薬やめて数週~数ヵ月で消失:色素沈着を残す 


参照 UpToDate 

★膿を吸うことだけが目的ではない.

●VAC療法
…陰圧閉鎖療法のうち,VAC systemを用いた方法

■直接作用
湿った,温かい環境となる
⇒創傷治癒に適している
・陰圧により,創の表面+間質から水分を引く
組織の浮腫を防ぐ
・陰圧により組織が変形する
⇒端の部分が合わさる,など細胞学的にも良い影響
⇒瘢痕組織となり,変形しなくなる

■間接作用
血流↑
 ※陰圧が強すぎると血流↓となるため,注意
炎症↓
⇒動物実験で炎症性サイトカイン↓.人間でもMMP↓
・ずり応力
⇒線維芽細胞の遊走・分化を刺激
線維化へ

※基本的にopenの創には非常に有効
⇒但し,洗浄・ドレナージを先に行わねばならない

※VAC療法の良い点は,機能が優れている点,交換が3日に1回で良い点,移動できる点.
⇒欠点は金がかかること.日本では3-4週しか保険適応とならない


参照 UpToDate

★痒み⇔皮膚病変悪化の悪循環を抑える!

①抗ヒスタミン薬
・末梢性,中枢性(下記参照)のいずれにも有用
⇒皮疹のない痒み(皮膚搔痒症)にも有用
⇒但し,アトピー性皮膚炎には効きにくい
・世代
第一世代: 抗ヒスタミン作用
       抗コリン作用⇒口渇,便秘,排尿障害,緑内障・前立腺肥大で禁忌
       中枢神経抑制(眠気)が強い
ex.アタラックス,レスタミン,ポララミン,ヒベルナ,タベジール
第二世代: 抗ヒスタミン作用:H1受容体に対する選択性高い
                 ※H2受容体は胃酸分泌に関与
       ケミカルメディエーター遊離抑制作用(+)
       血液脳関門通過しにくく,眠気少ない
ex.エバステル,アレジオン,アレロック,アレグラ,ザジテン,タリオン,クラリチン,ジルテック,アゼプチン
まず第二世代用いる!
・代謝
ほぼ肝排泄
⇒腎排泄:ザジテン,アレロック,タリオン,ジルテック

②保湿+皮膚保護薬

・外部刺激を減らす目的=単独では改善しにくい
・形状
  軟膏⇒機能よいが,べたつく
  クリーム⇒顔面,汗かきやすい部位(接触性皮膚炎に注意)
 ローション⇒頭皮,広範囲の病変(接触性皮膚炎に注意)
・成分
  尿素含有(ウレパール):刺激性あり⇒粘膜,びらんには×
  白色ワセリン:異物感,べとつき
  動物性油脂(アズノール,亜鉛華):乾燥しやすく,日光に弱い
  ヘパリン類似物質(ヒルドイド):出血傾向の患者に×

③ステロイド外用薬・免疫抑制薬

・weak~strongestまで5段階ある
⇒使い分け:皮疹の重症度・部位(頭皮,前頸,易かなどは吸収良いため1-2ランク下げる)
         年齢(小児では1-2ランク下げる)
・ステロイドの効き悪いor 有害事象で使えない
⇒免疫抑制薬使う

④オピオイドκ受容体作動薬(レミッチ)

血液透析患者に適応
⇒既存治療の効果が不十分な場合
※モルヒネはμ受容体作動薬:痛みを抑制する一方,痒みを増強させる


■痒みのメカニズム
末梢:(炎症⇒)ケミカルメディエーター遊離
   ⇒ヒスタミンはH1受容体に結合.ILやサブスタンスP,PG,炎症性サイトカインも関与
   ⇒C線維(痒みを伝達)⇒脊髄へ
中枢:脊髄(脊髄視床路)⇒大脳皮質オピオイド受容体⇒痒み

◎痒み⇒掻破⇒大脳皮質刺激(positive feedback)+末梢のケミカルメディエーター遊離助長
乾燥肌
表皮内に知覚神経が侵入
⇒外部からの刺激で痒み生じやすい
皮膚搔痒症:皮疹のない痒み
⇒乾燥,腎不全,癌,糖尿病,甲状腺疾患,多発性硬化症,鉄欠乏性貧血などによる
⇒メカニズムは明らかでない


参照 頻用薬の使い分け

 

★紫外線による損傷をうけたDNAを修復できないため,多数の突然変異が蓄積するから.

 ・紫外線
⇒DNAに作用
⇒隣り合う2つのチミン(A,C,T,GのT)が共有結合
チミンが二量体化する
⇒DNAポリメラーゼによるDNA複製が,そこで阻害される

・正常
チミン二量体の部位を除去
 ※紫外線特異的エンドヌクレアーゼにより,その部位を挟むようにニック(切れ目)を入れ,除去する
⇒片割れのDNAから,DNAポリメラーゼにより復元
⇒DNAリガーゼによりくっつく
 
・色素性乾皮症(XP)
⇒このヌクレオチド除去修復機構が欠損している
⇒細胞内に変異が蓄積
⇒癌化 


■DNA修復機構

①メチル化を介したミスマッチ修復

DNAには,1000ヌクレオチドに1つメチル化されているアデニン(A)がある

⇒新しく合成されたDNA鎖では,まだメチル化されていない

メチル化されている親鎖が正しいと判断される

⇒親鎖と娘鎖がA-TC-Gのようにマッチしてない(ミスマッチ

⇒親鎖のメチル化を指標とし,Mut蛋白によりそこが分離される

DNAポリメラーゼにより埋められ,DNAリガーゼによりくっつく

 

②紫外線損傷による修復

・上記;チミン二量体を,紫外線特異的エンドヌクレアーゼにより除去する

 

③塩基除去修復

CからUへ,自然と脱アミノ化し変化する

⇒ウラシル-N-グルコシラーゼによりUが除去される

⇒この欠損部位はAP部位(アピリミジン部位)といわれる

⇒特異的APエンドヌクレアーゼがこれを識別

DNAポリメラーゼ・リガーゼ

 

④二重鎖切断の修復

・非相同末端結合修復:切れ端が他のどこかにくっつく

・相同組み換え修復:相同な他の遺伝子を用いて復元する

          Holliday構造形成など,特異なステップをふむ.


参照 リッピンコット生化学

★腰椎の構造.

■椎間板ヘルニアの機序
プレゼンテーション1













・L4-5間からはL5脊髄神経が出る
馬尾を形成し,ほぼ下方へ走行している
・L3-L4の椎間板ヘルニア
⇒L3-4間の椎間板は,L4-L5からでるL5脊髄神経を圧迫する
 
※腰椎椎間板ヘルニアが特殊
⇒頸椎では,例えばC4-C5ヘルニアではC5神経が圧迫される
  
更新 2014/3/13 

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