知識の卵

医学のWhy?を解決するブログです。What?も少し触れています。
著者は循環器内科医・疫学者です。

古い箇所など、是非、ご指摘お願い致します。

感染

★Memory B cellの影響.

◎根本的な内容、免疫の基礎です。

Cellular and Molecular Immunology, 9e


   良書です。


■体液性免疫の概要
①抗原感作
⇒未熟なB細胞のIgM,IgDにて行われます。
⇒場所は感染方法により異なります
 ・菌血症:脾臓
 ・皮膚,その他上皮からの感染:リンパ節
 ・吸入,又は消化による感染:粘膜のリンパ組織

②B細胞活性化
・ヘルパーT細胞などからの刺激で、以下の応答が生じます。
細胞増殖(Clonal expansion
形質細胞へ分化:抗体産生
免疫グロブリンのswitching:IgGなど他の種類を産生
親和力増強:体細胞変異→感作した抗原に対する,抗体のaffinityが増強
      ⇒この一部がMemory B cellとして残る
      ⇒これにより多少抗体が産生される
      ⇒抗体価↑

時系列

 

初感染

再度感染

抗体↑の時間

5-10

1-3

抗体量

少ない

多い

isotype

IgM>IgG

IgG(特定の状況ではIgA,IgE

affinity

小さい

大きい

抗原

何でも
⇒大量暴露が必要

特定の抗原
⇒少量暴露でOK


※再度感染の時,既にある少量の抗体だけで抗原に防御するわけではないです!
⇒少量の抗原は指標であり,その後のB細胞活性化が最も重要です.


参照 Cellular and Molecular Immunology

★排泄される大きさが小さいと空気感染(飛沫核感染)!


◎麻疹流行で空気感染の恐ろしさが認識されました。飛沫感染とは、何が異なるのでしょう。

感染症予防!【N95マスク/DS2マスク】【興研 日本製 ハイラック350型(10枚入り) 国家検定合格】使い捨て防塵マスク 感染対策マスクのスタンダードタイプ ンフルエンザウイルスに!結核に!空気感染対策に 02P03Dec16


空気感染にはN95マスク。医療者の常識です。


■定義
感染範囲で異なります。
・飛沫感染:1m程度以下
・飛沫核感染:1m程度以上
・空気感染:飛沫感染と飛沫核感染の総称

▶下記参照ください。1mというのは大体ですが、大体で結構です(2004年の定義によります)。


■機序の違い
上気道病変を引き起こす病原体
⇒咳やくしゃみ
多量の分泌液とともに,病原体が排泄
⇒5μm以上の粒子は1mくらいしか飛ばない
=飛沫感染

結核,麻疹,水痘,SARSコロナウイルス
⇒咳やくしゃみで排泄
コートしている分泌液が蒸発しても病原性を維持
⇒5μm以下の粒子となる
⇒浮遊して1m以上飛ぶ
=飛沫核感染


ウイルスや細菌自体の大きさではないということに留意しましょう。

※比較的最近は、60 µmを境界にlarge dropletsとsmall droplets + droplet nuclei を分けている定義もありますが、日本語の定義は2004年の論文を参照にしているものと思われます(違うようでしたら教えてください)。


参照 Current Opinion in Biotechnology. 2004;15(3):170–174. Journal of Hospital Infection. 2006;64(2):100–114.

★感度は低い.

◎意外にも尿路感染症の診断は悩むことがあります。

■亜硝酸塩のできるメカニズム
・細菌感染
尿中の硝酸塩が還元される
⇒亜硝酸塩

還元作用をもつ細菌でないと認められません
グラム陽性菌は還元能力を欠如しているものが多い:肺炎球菌,GBS,腸球菌など
⇒グラム陰性桿菌に対する検査だと認識しておきます。


■臨床的有用性
・尿中細菌の存在=UTIではないです
⇒診断基準は、尿培養で10000CFU/ml以上なのです。

尿培養の結果を予測する他の因子が知りたい
⇒白血球エステラーゼ反応,尿潜血と並び,尿中亜硝酸塩もそのうちの一つです.

・UTI診断基準と比較したとき
感度53.4%,特異度88.6%
偽陽性率は低い
陽性ならUTIが疑われます

※単純性膀胱炎ではより感度が低くなります
…陽性となるためには,還元作用を持つ細菌が,尿路に4時間以上いる必要があります。
 ⇒単純性膀胱炎は尿量が多いため、感度が下がるということです。


参照 泌尿器科紀要 (1997), 43(12): 861-865

★それぞれの検査項目に意味がある.

◎これは忘れがちですが、USMLEなどのテストには頻出。

■抗原,抗体の経時的変化
http://www.kanen.ncgm.go.jp/forpatient_hbv.html


■検査の意義(抗原⇨抗体)
●HBc抗原:
core…コア粒子
⇒なかなか血中にでてくるレベルにまでなりません
よって現在,診断に用いられません。


HBs抗原:surface…HBVの外殻
⇒coreに比べ,めっちゃいっぱい産生されます
感染の指標となります。

▶︎HBs抗原なくなってからHBs抗体が産生されます
⇒HBs抗体=中和抗体
=感染防御の指標です。


HBe抗原:envelope…コア粒子を覆う外殻
⇒coreに比べ,めっちゃいっぱい産生されます
⇒粒子を形成せず,可溶性のものも産生されます
⇨これが血中へ移行,測定されるのです。
 =HBe抗原が高値の場合,肝臓でのHBV量が多い事を意味します。
 =感染性高い

・HBV遺伝子の一部が変異すると可溶性HBe抗原なくなり,HBe抗体産生されます
⇒肝炎おちついた指標です。


●セロコンバージョン

HBe抗原=コア蛋白なので,HBe抗体の出現をセロコンバージョンといい,感染しているB肝ウイルスが増殖できない状態を示します.

⇒しかしこの状態(HBe抗原(-),抗体(+))でもB肝発症し得るのです.

⇒これは、変異したため(プレCミュータント)で,HBV-DNAポリメラーゼが陽性となります.
 これがセロコンバージョン。

⇒この場合抗ウイルス療法を行います.
 

de novo B型肝炎

HBc, HBs抗体陽性だがHBVが潜伏感染しているためです。

⇒免疫抑制・化学療法で再燃してしまいます
 ⇨予後不良となります。

HBV-DNAが陽性となるのが診断です。



参照 国立国際医療研究センター,UpToDate

★パルボ感染で造血産生停止するため。

◎パルボウイルスの感染症(伝染性紅斑)で貧血となる病態は機序から推定可能です。鎌状赤血球はUSMLEに頻出。

■パルボウイルスB19感染

赤血球前駆細胞破壊
1週間程度の造血停止
 これは誰でもおこります。

・しかし、健常人の赤血球の寿命は120日
⇒軽度貧血にとどまります


■貧血となる病態

球状赤血球症,鎌状赤血球症
 =赤血球のターンオーバーが早い 
⇒産生が追い付かない
⇒重度貧血

鉄欠乏性貧血
 =赤血球産生が低下している
⇒産生が追いつかない
⇒重度貧血

免疫不全,免疫抑制状態
 =感染が長引く
⇒造血が始まらない
⇒重度貧血

★1-3類は重症度の区別、4類は人人感染しないもの、5類はその他でモニターしておきたいもの。

●1類

・極めて危険。入院、消毒、交通規制等が必要
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱 

●2類
・危険。入院、消毒が必要
急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ(インフルエンザAウイルスかつ血清亜型がH5N1

●3類
・そこまで危険でないが、特定の職業で集団発生を起こし得る就労制限、消毒が必要 
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス 

●4類
動物や飲食物を介して感染しうる消毒(動物への処置も含む)が必要
E型肝炎、ウエストナイル熱、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、サル痘、腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、炭疽、チクングニア熱、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、鳥インフルエンザ(H5N1を除く)、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ病、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ボツリヌス症、マラリア、野兎病、ライム病、リッサウイルス、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱

●5類
発生、拡大を防ぐべきもの感染症発生動向調査が必要
全数把握疾患
アメーバ赤痢、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)、クリプトスポリジウム症、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性インフルエンザ菌感染症、先天性風疹症候群、梅毒、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、風疹、麻疹
・定点把握疾患(全国で特定の医療機関のみが届け出を行う)
RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、百日咳、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎(髄膜炎菌性髄膜炎はのぞく) 、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性アシネトバクター感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症

●新型インフルエンザ
・状況によるが、1類と同等の扱いも可能であり、別枠。

●指定感染症
・既知の感染症だが、1-3類と同等の扱いが必要になった場合。 

侵襲性髄膜炎菌感染症、麻疹以外の5類感染症のみ、7日以内の届け出、他はすぐに届け出。
⇒この理由は調べても分かりませんでした。


参照 厚生労働省HP 

★物理的、アレルギー性に機械的損傷がおき、それをベースに感染性角膜炎を合併し、治療が遅れると失明しうる。

■コンタクトレンズへの眼への影響

・角膜と結膜の上皮細胞涙液層により感染/傷害から保護されている
⇒コンタクトレンズはこれらの相互作用、ガス交換などを阻害しうる
基本的にはコンタクトレンズは涙液層にのっており、適正使用では安全


■非感染性合併症
①ドライアイ

●涙液層が薄い、酸素欠乏、ゴミが入る、レンズ液が合わないことによる
・人工涙液点眼により対処(コンタクトつける前も後も使うと良い)

②無菌性の角膜浸潤

炎症細胞が角膜実質に浸潤
 …ゴミ、化学物質、低酸素、過敏反応が原因と考えられる
⇒数が多くなると疼痛、涙、光線過敏などの症状でる
・ステロイド点眼により対処

③角膜上皮剥離

●コンタクトを入れる/取る時、瞬きするときコンタクトがずれ、機械的傷害を生じる
⇒角膜上皮表層に痛覚の神経があるため、痛い
下記感染症のリスクになる
・コンタクト中止、抗菌薬の予防的点眼により治療

④低酸素

●角膜は空気中の酸素を直接とりこんで利用している
⇒コンタクトを長時間つけて眼をつむった状態が、角膜の低酸素を来たしやすい
⇒角膜の小細胞浮腫、実質浮腫を来たし、視力障害など生じる
⇒慢性に低酸素の場合、血管新生を来す(まれ)
 …特に角膜上縁
・ガスの透過性が高いレンズへ変更する事で対処

⑤その他

・免疫反応;人によって、点状角結膜炎、上皮傷害など引き起こす
・Tight lens syndrome;吸盤みたいに角膜にはりつく(涙液層に乗るのでなく)
・コンタクトレンズが瞼の裏の盲端にはまる
・巨大乳頭結膜炎;機械刺激、免疫反応による
・結膜下出血


■感染性合併症:感染性角膜炎
●特徴

・最も深刻な合併症
感染後24時間以内に生じる
・10000人中1-20人/年に生じる
●機序
・非感染性合併症により、角膜のバリア機能不全となる
・レンズの酸素透過性あるポリマーに細菌が巣くってバイオフィルムを形成する
不適切な使用により、レンズ、ケース、レンズ液が感染する
●原因菌
・95%が細菌性;GNR(緑膿菌), GPC(ブドウ球菌、連鎖球菌)
・他、アカントアメーバ、真菌
●臨床像
・充血、視力低下、疼痛、眼瞼腫脹、光線過敏
・黄/白色の実質浸潤、角膜浮腫、実質菲薄化、前房蓄膿、前房にフィブリン沈着、Wessely ring
・進行すると角膜穿孔
●予後
・迅速な治療が必要。遅れると失明しうる
角膜白斑、血管新生、穿孔、不整乱視が原因
・他、白内障、緑内障、眼内炎、眼球萎縮を合併する


参照 UpToDate

★風邪症状+肝脾腫+AST/ALT↑で疑い、まず異好性抗体を取る。

■定義

伝染性単核球症 (IM)発熱+咽頭炎+リンパ節腫脹を呈す症候群
⇒後に、血中リンパ球↑、異型リンパ球(+)、EBウイルスの関連が示された
⇒現在では主に、EBV感染症のことをさす事が多い
・高率にリンパ節腫脹、肝脾腫を呈す


■IMの病態

咽頭上皮細胞へのEBV感染
⇒増殖
⇒分泌物にEBV含まれる
⇒分泌物を介し、咽頭のリンパ豊富な組織にいるB細胞へ感染
B細胞により、全身のリンパ組織へ感染伝播
⇒全身性リンパ節腫脹、肝脾腫
※このため、潜伏期間が長い;4-8週

●感染したBリンパ球は抗体を産生
EBVに体する抗体、異種親和性抗体(EBVと反応しない抗体)
⇒まれに、好中球/ 赤血球/ 血小板に対する抗体も産生する 
⇒合併症の原因となる
⇒合併症
 …脾破裂、ギランバレー症候群、顔面神経麻痺、溶血性貧血など

●NK細胞、細胞障害性Tリンパ球も活性化する
⇒これらが、異型リンパ球として血液検査で現れる


■鑑別診断
●heterophile-negative mononucleosis-like syndrome

 …異好性抗体陰性の伝染性単核球症様症候群
A群β溶血性連鎖球菌
⇒上記三徴を呈すが、全身性のリンパ節腫脹や肝脾腫を呈さない
 ※口腔内溶連菌(+)でもIMは否定されない
サイトメガロ
 ⇒IMとかなり似るが、咽頭炎は軽度な事が多い
HIV一次感染
 ⇒皮膚粘膜潰瘍がある場合、より疑われる(IMではまれ)
  皮疹が高率に見られる(IMではまれ)
B型肝炎
トキソプラズマ
 ⇒発熱+リンパ節腫脹;咽頭炎や肝脾腫は起こさない
HHV-6, 7
 ⇒大人ではまれだが、報告あり


■診断

・症状が最も重要
AST, ALTの上昇は強く示唆する
異好性抗体(heterophile antibody)
 …他種の抗原に反応する抗体;羊/ 馬/ ヤギ/ 牛の赤血球(monospot testなど)
⇒迅速キットは、感度85%、特異度100%
⇒伝染性単核球症の内、10%が陰性
 =上記の鑑別診断へ

●つまり、症状から伝染性単核球症を疑った時、異好性抗体を取る
ほとんど陽性
⇒陰性の場合、鑑別も含めて血清検査する
・EBV:VCA抗体(カプシド):IgMは急性感染、IgGは既感染を意味
    EBNA(核):感染後6-12週で上昇。急性感染でないことを意味
    EA(early antigen):抗D抗原IgGは急性感染の指標となりうるが、微妙
⇒上記鑑別診断の抗体も、適宜提出する
特に妊婦は、崔奇形性のリスクあるためちゃんと調べる
 …EBVの妊娠への影響はないとされている

※アメリカではきちんと診断をつけ、しばらく運動制限するよう言うとのこと
 …伝染性単核球症は、まれに脾臓破裂を合併するため;物理刺激が誘因になる

参照 UpToDate

★13〜33%は水虫じゃなく、そのほとんどが湿疹。

■足白癬の診断

直接鏡検にて皮膚糸状菌を検出することが絶対必要
偽陽性
…モザイク菌(角質間の油滴)との間違え、糸くずとの間違え
 =医師の技術の問題
偽陰性
抗真菌薬外用中、接触性皮膚炎の合併(特に湿潤型;趾間型に多い)
 ※しかも、抗真菌薬は接触性皮膚炎を起こしやすい


■足白癬の鑑別診断

湿疹、皮膚炎
・掌蹠膿疱症
 …原因不明の膿疱性疾患。左右対称、手のひらにも多いことが鑑別点
・紅色陰癬
 …趾間型白癬と紛らわしいし、合併する事もある
 ※紅色陰癬はWood灯でサンゴ色となる
・疥癬
 …ヒゼンダニの感染。時々足底にも病変つくる
・足乾癬
 …免疫の問題。足底に限局するのはまれ


■足白癬疑いの患者へのアプローチ

水虫を主訴に来院した13〜33%の患者は、水虫でない
・視診のみでは、皮膚科専門医で80%程度しか診断できない
まず鏡検、証明できれば抗真菌薬外用を
 ⇒反応性は良いため、1週間以内に改善認める
●鏡検を2,3回繰り返しても証明できない場合
 ⇒他の鑑別を考える。74%は湿疹という。

OTCの抗真菌薬を試したが、水虫が良くならない患者
・鏡検が偽陰性かどうか、確かめる事はできない
⇒しかし白癬は抗真菌薬へ反応性が良いため、白癬でない可能性が高い
⇒湿疹rule outのため、ステロイド外用を試してみて良い
 …1,2週間で、湿疹なら改善するし、白癬なら菌増殖して検出しやすくなる
 +白癬でもそこまで臨床症状が悪化しない


参照 皮膚真菌.jp、Dermatology exercises、皮膚真菌症診断・治療ガイドライン

★限定された感染症にかかりやすくなり、その機序は大分わかっている。

■本当に易感染か

実は議論が分かれる所
・以下の特定の感染症は明らかに罹患しやすい
…足感染、尿路感染、浅部真菌感染(口腔カンジダ、白癬)、ムコール症、悪性外耳炎、気腫性胆嚢炎、化膿性筋炎、壊死性筋膜炎、歯周病


■易感染性の機序:宿主因子
①免疫機能低下

好中球の遊走と内皮細胞接着、貪食能、細胞内殺菌、オプソニン化、細胞性免疫が低下する
…マクロファージのTNFαとIL-1β産生↓、アポトーシス関連遺伝子発現↑など色々

②血管障害

末梢の虚血
⇒白血球の酸素を用いた殺菌↓、抗菌薬届きにくい

③感覚障害

傷に気づかず、細菌の入り口となる

④自律神経障害
尿閉、尿停滞からUTIの原因となる
・汗がでず、乾燥しやすい=皮膚が傷つきやすくなる

⑤他

皮膚と粘膜に細菌定着しやすい(原因は不明)
 …鼻腔と皮膚にS.aureus、粘膜にCandidaがつきやすい
手術部位感染が増える
 …昔から言われている。


■易感染性の機序:菌の因子
●明らかに証明されているものがある
①カンジダ
・グルコース誘発性蛋白により、頬や膣に定着しやすくなる
⇒貪食されにくくなり、感染引き起こしうる

②Rhizopus(ムコール症)
・ケトンリダクターゼをもち、高血糖+酸性下で繁殖できる;ケトアシドーシス

③Burkholderia pseudomallei(類鼻疽)
・マクロファージのこの菌に対する殺菌力が低下する

 
参照 UpToDate 

★治療に必須で、予防にも使われる。

■単純性膀胱炎の治療

抗菌薬が非常に効果的
ST合剤  4T2x  3日間;7日間の治療と成績は同等、とされた
(他の第一選択抗菌薬;ニトロフラントイン、ホスホマイシンは日本であまり使われない)
・フロモックス100mg  3T3x  7日間
・クラビット500mg  1T1x  3日間
など。

・ほぼ原因は大腸菌と考えてよく、地域によって耐性が異なる
βラクタムでも結構効く。何でも良いと言えば何でも良い
⇒耐性の判定のため、培養を取る事は重要
クラビットは効くが、他の治療ため残しておく方が良い
※効けば、48時間以内に症状改善する


■繰り返す膀胱炎

●定義:6ヶ月に2回以上、若しくは1年に3回以上の膀胱炎
●再燃か、新規か
ほぼ新規の感染
 2週間以内の症状再燃の場合は、治療失敗し再燃したと考える
⇒但し、以下のことが多い
 ・再燃の場合は、元の抗菌薬無効な、同じ大腸菌
 ・新規感染の場合は、元の抗菌薬有効な、同じ大腸菌
効く抗菌薬で治療する
⇒様々なリスクが提唱されている。予防が重要

●予防方法

①行動変容
・性交渉の回数を減らす、殺精子剤の使用を控える
排尿回数を増やす
・クランベリージュースを飲む
 …フルクトースにより、病原体が尿路上皮細胞へ付着するのを防ぐ
 (実証された良い研究はない)

予防的抗菌薬投与
・ずっと飲む:非常に効果的。6ヶ月で止めると再発しうる。STなら5年いける。
性交後に飲む:性交が原因の人には一番良い方法。ST1回分内服。
・自分のタイミングで飲む:ほぼ症状から診断できるため。協力的な人に。

③エストロゲンの局所投与
・閉経後の女性に、膣内エストロゲン製剤を用いると効果的。


参照 UpToDate 

★症状が典型的なら、ほぼ必要ない。

■診断

若年女性で下部尿路症状:排尿障害、頻尿、尿意切迫、下腹部痛、血尿
⇒これだけで50%膀胱炎
 …検査の必要あり
生殖器の症状なければ90%膀胱炎
 …検査の必要なし

・65歳以上の場合、下部尿路症状自体は非特異的
⇒発熱、1週間以内発症の排尿障害/頻尿/尿意切迫、多量の血尿、CVA巧打痛、意識障害などで疑う
⇒もちろん検査の必要あり


■診断の補助検査

※当たり前だが、症状から膀胱炎の可能性が微妙にある時に施行する
 …「絶対膀胱炎!」という時にやっても、陰性の場合否定できないから
●尿検査
尿中白血球は非常に感度が高い
⇒なければ、結石の嵌頓か、他の診断を考える
血尿は診断を指示する
尿道炎や膣炎では生じないため

●試験紙

白血球エラスターゼ:陽性なら白血球>10/hpfを示唆する(感度75-96%、特異度95%程度)
亜硝酸塩:陽性なら>10^5CFUの腸内細菌を示唆する
 …但し感度はそこまで高くない 参照:「どちらか陽性になる」はUTIに対して感度75%、特異度82%

●尿培養

・起因菌はほぼ大腸菌(75-95%)であり、ルーチンでとる必要は無い
⇒但し耐性菌が出回っている事を考え、以下の場合施行するとよい
 ・症状が非典型の場合
 ・抗菌薬投与後3ヶ月以内に再発した場合
 ・感染の複雑化が考えられた時

※膀胱炎の起因菌:大腸菌、プロテウス、腸球菌、クレブシエラ、S. saprophyticus


■鑑別診断

・膣炎:トリコモナス、真菌、細菌など様々
・尿道炎:クラミジア、淋菌、トリコモナス、HSVなど
・PID
・腎結石
・膀胱痛症候群:下部尿路症状があるが、他の疾患が除外された場合


参照 UpToDate 

★ハイリスクな患者に選択的に処方すると良い。

■抗インフルエンザ薬の適応

●患者:重症入院が必要インフルエンザ合併症のリスクが高い、いずれかの場合
リスク因子
⇒5歳以下(特に2歳以下)
・65歳以上
・妊娠
・心肺肝腎血液内分泌神経の合併症を持つ場合
・免疫抑制状態
・19歳以下で長期のアスピリン内服をしている場合(Reye症候群の危険あり)
・BMI>40
・老人/介護施設にいる

●時期:発症後48時間以内
 ※重症患者は5日以内なら始めるべき。検査結果を待つ必要なし。


■抗インフルエンザ薬の影響

①生来健康な患者
・症状の期間を0.5〜1日短縮させる
・悪心(NNH28)、嘔吐(NNH22)を増加させる
・合併症の発生率:ザナミビル(リレンザ)は気管支炎の発生率を下げるかもしれない
⇒ただし、普通自然に軽快するので、抗ウイルス薬投与しなくてよい

※日本感染症学会は投与を推奨している。WHOガイドラインはtreatment no needed。
日本は抗インフルエンザ薬使用頻度が非常に高く(ほぼインフルエンザ=抗インフルエンザ薬投与)、医療資源の有効利用の意味で使用対象を限定する事は重要。

②ハイリスク患者

・症状の期間を0.5〜1日短縮させる
・入院患者は、肺炎合併率、予後など改善する
抗ウイルス薬投与すべき

 
■抗インフルエンザ薬の選択

・基本的にノイラミダーゼ阻害薬
=ザナミビル(リレンザ)、オセルタミビル(タミフル)
 …オセルタミビル耐性に注意(約1%みられる)
⇒飲む事も吸う事もできないとき、ペラミビル(ラピアクタ)使用しても良い
・色々な新薬が開発途中 


参照 UpToDate, DynaMed, 日本感染症学会提言

★抗ヒスタミン薬は効かない、効くのは意外に少ない。

■発熱、疼痛

・NSAIDs:効く、とするものが多い。筋肉痛、関節痛、倦怠感には効かない
・アセトアミノフェン:効くかどうかは議論が分かれる。効くとするものも、500-1000mg使用している
※OTC薬でアセトアミノフェンが入っているものは、効果あるかもしれない
⇒カロナール処方は推奨される


■咳
・OTCでも処方されたものでも、幾つか効く可能性あるもの
①デキストロメトルファン(メジコン)、チペピジン(アスベリン
②グアイフェネシン(フストジル)
③ブロムヘキシン(ビソルボン)
④抗ヒスタミン薬;研究されている薬(シュードエフェドリンなど)は日本で発売されていない
※ベンプロペリン(フラベリック)はよく研究されていない
β2刺激薬は、COPDや喘息をもつ成人に対してのみ有効かもしれない


■鼻水、鼻閉感

nasal decongestantは効く
⇒日本で使えるのは、オキシメタゾリン(ナシビン)スプレーくらい;OTC


■推奨されない薬

・抗ヒスタミン薬単剤:症状改善効果なし+副作用(鎮静、口腔内乾燥)
・ステロイド
・抗菌薬


参照 DynaMed

★病態にこだわらず、臨床症状から病型分類をする。

■感冒

・かぜ症候群の最も頻度の多い疾患が、急性ウイルス性上気道炎
⇒臨床的には、急性上気道炎の病態にこだわるのは利便性がない
 (抗菌薬使用の判断など)
⇒臨床病型分類をして、可能性の高い病気を頭におく
⇒当てはめることで、診察がやりやすくなる


■病型分類
①非特異的上気道炎型

鼻炎咽頭炎(咽頭痛)+下気道炎(咳)症状あり
3つ揃えばウイルス性上気道炎と自信をもって診断可能
 ※2つでも、ほぼウイルス性上気道炎と言って良い
⇒抗菌薬必要なし、対症療法のみ
※但し、インフルエンザ流行時期はインフルエンザの可能性あり;症状で上気道炎と区別できない

②鼻炎型

・くしゃみ、鼻水、鼻閉感が主体
・この内、細菌性急性副鼻腔炎が0.2〜5%
 …7日以上持続する症状、片側性の頬部痛/腫脹、膿性鼻汁、発熱を伴う
  +典型的には、7〜10日後の再増悪として発症
⇒この場合のみ抗菌薬が必要

③咽頭炎型

・咽頭痛が主体
・一般的にはウイルス感染で、抗菌薬の必要なし
A群β溶連菌性咽頭炎が10%
 …Centor基準:発熱/ 扁桃の白苔/ 咳なし/ 前頸部リンパ節腫長、圧痛、の内3項目以上で、感度75%/ 特異度75%
 ⇒迅速診断キットで確定診断
⇒ペニシリン系を10日間投与
クラミジア、淋菌、HIV感染の可能性もある(診断難しい、課題)
・症状が激しければ、扁桃周囲膿瘍も考える
・強い嚥下痛、嗄声がある場合、急性喉頭蓋炎を考える

④気管支炎型

・咳が主体
肺炎の除外が重要;疑ったらレントゲンを
 ※参照
5〜10%はマイコプラズマ、クラミジア、百日咳が原因
⇒治療可能だが、診断遅延しても容認される(じっくり診断してよい)

⑤高熱のみ型

・突然の高熱+局所症状なし
・インフルエンザも多いが、腎盂腎炎、前立腺炎、化膿性胆管炎、感染性心内膜炎、リケッチア症など、鑑別は多岐にわたる
⇒インフルエンザで無い場合、抗菌薬投与せず、血液培養採取し、じっくり診断へ
 ※但し、多くはインフルエンザの初期や、特定不能のウイルス感染であることを知っておく

⑥微熱倦怠感型

・大部分は非特異的なウイルス感染症
⇒急性の場合、急性肝炎細菌性心内膜炎を除外する必要あり
伝染性単核球症様症候群が頻度高い
・慢性の場合、不明熱の鑑別と同じ

⑦特徴的所見のある型

●髄膜炎型:neck stiffnessや激しい頭痛がある場合、髄膜炎を考える
●発疹型:ほとんどはウイルス感染で自然に改善する
   ⇒リケッチア、薬疹は常に念頭におく。小児では猩紅熱、川崎病、エルシニア感染症を
●関節痛型:多関節痛の場合、ウイルスが多い(特にパルボウイルス)
     ⇒偽痛風、他膠原病も念頭におく
●胃腸炎型:ウイルス性胃腸炎とする
 ※参照:


参照 かぜ症候群の診療

★日本ではA-DROP、抗菌薬はマクロライド/キノロン/βラクタム。

■入院判断

Pneumonia severity index(PSI) 

 

背景

合併症

男性年齢

女性年齢

介護施設

肝疾患

心不全

脳血管

点数

年齢

年齢−10

10

30

20

10

10

10

身体所見

意識レベル低下

呼吸数>30

sBP<90

BT<35 or >40

HR>125

点数

20

20

20

15

10

検査所見

pH<7.35

BUN>30

Na<130

血糖>250

Ht<30

PaO2<60

Xpで胸水

点数

30

20

20

10

10

10

10


⇒Class 2(<70), 3(71〜90), 4(91〜130), 5(>131)
・Classは死亡率と相関
Class 3から入院が勧められ、Class 4,5は入院が必須
・日本は寿命が長いため、過大評価される(元はドイツ)

CURB-65
Confusion(混乱ある), Urea(BUN>20), RR(呼吸数>30), BP(sBP<90 or dBP<60), Age>65
2点以上で入院が必要
・これも過大評価される(元はイギリス)

CRB-65
・血液検査の必要をなくした
1点以上で入院を検討

A-DROP
Age(男>70, 女>75), Dehydration(BUN>21 or あきらかな脱水), Respiration(SpO2<90 or PaO2<60), disOrientation(意識障害), low blood Pressure(sBP<90)
・日本版であり、血液検査も必要ない
1-2点で入院が勧められ、3点以上で入院が必要


■抗菌薬

●Gram染色可能なら必ずやり、結果に基づいて抗菌薬選択すべき。ここではGram染色施行できない場合
・まず、高頻度の原因は
 …S. pneumoniae, Mycoplasma pneumoniae, Chlamydophilia pneumoniae, ウイルス
①マクロライド耐性肺炎球菌が疑われない場合
マクロライド(アジスロマイシン、クラリスロマイシン)、ドキシサイクリン
②マクロライド耐性肺炎球菌のリスクがある場合
キノロン系(レボフロキサシン、ゲミフロキサシン)
 もしくはβラクタム(アモキシシリンなど)+マクロライド
(UpToDate方式)
※定型、非定型と分ける事も多いが、これらは非定型だけでなく定型もカバーする(事が多い)。

※実際はもっとバリエーションある。

・定型肺炎を疑えば、アモキシシリン(サワシリン)+アモキシシリン+クラブラン酸(オーグメンチン)。オーグメンチンのみではアモキシシリンの量が少ない。
・インフルエンザ桿菌、モラクセラが疑われれば、セフォチアム(パンスポリン
・BLNARが疑われれば、クラビットやミノマイシンなど。

・普通、すぐ症状改善する
 ⇒48〜72時間経っても症状改善が見られない場合、考え直す必要あり
解熱して48〜72時間以上たち、状態安定するまでは、抗菌薬投与を継続する


参照 UpToDate, 成人市中肺炎診療ガイドライン、内科外来マニュアル

★肺炎 vs. 気管支炎≒上気道炎。

■臨床像

①上気道炎:感冒症状…鼻水、咳、咽頭痛の内2種類以上ある事が多い
②気管支炎:5日以上長引く咳。3週間程度持続する。50%に痰あり。発熱はまれ
 ⇒①と②は区別する意義ほぼなし
③肺炎:発熱、喀痰を伴う


■細菌、治療

①上気道炎
・ライノが50%、他:コロナ、アデノ、エンテロ、パラインフルなど
②気管支炎 
ほぼウイルス。インフルエンザウイルスもあり得るので、ここだけ注意(治療薬があるから)。
 ⇒基本的には対症療法
百日咳で、発症後1週間以内だと治療適応
・マイコプラズマ、クラミジアは起こしうるが、治療適応とならない
③肺炎
・基本的に抗菌薬が必要
・但し起因菌はいろいろ;インフル、アデノ、パラインフル、RS、huma metapneumovirusなど、抗菌薬が必要ないものもあることに注意


■検査、診断

●胸部レントゲン
何かあれば、基本的には肺炎
肺炎が疑われたときのみ、オーダーする
※気管支炎で下肺野の気管支壁肥厚がある、とする報告もあるが、基本的には変化なし

●プロカルシトニン
・WBC、CRPよりも特異的な細菌感染のマーカー
炎症で上昇する+ウイルス感染で放出されるIFNγで上昇が抑えられるため
抗菌薬使用を考えた時、オーダーする
0.25未満では推奨されない、0.25以上で推奨される、0.5以上で強く推奨される


■胸部Xpでうつらない肺炎の判断

浸潤影の有無のみで、抗菌薬必要性は判断しきれない!
⇒レントゲンではっきりしない理由
・脱水が強い、浸潤影が小さい、側面像でしかわからない、肺に基礎疾患がある
●肺炎を疑う病歴
突然の悪寒を伴う発熱
②上気道炎症状が先行し、その後②を認める(二峰性
③高齢者の、びっしょりするくらいの寝汗
胸膜痛(肺炎球菌を疑う)


参照 UpToDate、内科外来マニュアル

★抗菌薬使用は,便培養の結果を待ってからが良い.

■治療
①水分補給
・腸がだめのに水分補給が可能なのは、小腸のGlu-Naトランスポーターはやられないため
⇒補充するのは水分だけではだめで、NaとGluが必要
・WHO推奨の経口補液 (WHO-ORS)
…1L水の中に、3.5g NaCl, 2.5g NaHCO3, 1.5g KCl, 20g Glucose
ポカリスエットがほぼ同じ成分!


②栄養指導
BRAT(バナナ,米,アップルソース,トースト)で,牛乳を避けると良いかもしれない
 ⇒牛乳避けるのは,一過性ラクトース不耐症が生じうるから
・ヨーグルトが良いか悪いか、結論はでていない
※クリアウォーターだけを摂取していると、便が緑色になる


③対症療法
制吐剤(ナウゼリン,プリンペラン)は必要ない
⇒嘔吐を減少させるエビデンスなく,副作用の錐体外路症状,下痢の悪化が有りうるため
ナウゼリン(ドンペリドン):ドパミンD2受容体遮断
 プリンペラン(メトクロプラミド):ドパミンD2+5-HT3受容体遮断
 ⇒プリンペランの方がBBB移行性高く,副作用に注意が必要
止痢薬(ロペラミドがエビデンス高い)は使えうる
⇒下痢の持続期間を1日程度短くするかも
⇒但し,シゲラ,C.difficile,HUSの場合,発熱の持続期間を長くする
 +血便,中等度脱水の場合避けるべき
※お茶に止痢作用あり;タンニンが効くらしい


④抗菌薬
炎症性下痢であり,キノロン耐性カンピロ・O-157でないと確認できた場合,フルオロキノロンを用いてもよい
便培養の結果を待つのが合理的

●菌特異的な治療
・カンピロ⇒早期投与により1-2日回復が早まるかも
 ※フルオロキノロン耐性がはびこっているため,エリスロマイシンなど用いる
・シゲラ⇒フルオロキノロン
・サルモネラ⇒健康人で症状強くなければ投与しない
 ※高リスクの場合:ST合剤,フルオロキノロン投与してもよい
・O-157⇒投与しない;毒素が遊離し,致死的となりうるため
・vibrio cholerae(コレラ菌)⇒ドキシサイクリン
・ジアルジア⇒メトロニダゾール


⑤整腸剤(特に乳酸菌)

・症状緩和に有効とする研究がいくつかある
⇒但しエビデンスレベルは低い
⇒あと、飲んでいて効いている感じがしない


参照 N Engl J Med. 2004 Apr 8;350(15):1576-7, UpToDate 

★抗菌薬投与の必要がないウイルスと細菌が多いが、他を見落とさぬように。
外来で,急性下痢・腹痛を主訴とする,生来健康な患者について.

■原因

・軽症はウイルスが多い
・重症は細菌が多い;4回/日以上の下痢が3日以上続いた患者の、87%は細菌性だった
…サルモネラ,カンピロバクター,シゲラ,大腸菌(O-157:H7)、クリストスポリジウム,ビブリオ

■アプローチ
①重症度を評価

・以下の1項目以上で比較的重症
…脱水所見、血便、少量粘液便が頻回、38.5℃以上の発熱、24時間に6回以上の下痢便か48時間以上の下痢持続、激しい腹痛、入院患者か最近の抗菌薬使用、70歳以上か免疫不全者、全身症状のある妊婦

病歴,所見から検査を選ぶ
・24時間以内の発症
半分は24時間以内に軽快するため,経過観察
 ※脱水,発熱,血便の場合は別.
・冬
⇒家族内,介護施設内(ノロ)か,小児(ロタ)
⇒1-3日で収まるので,検査いらない
・発熱(>38.5℃)
⇒細菌感染が疑われる
⇒血便もあれば、ルーチンで便培養すべき
 …サルモネラ,シゲラ,カンピロ、大腸菌(O-157:H7)を疑う
・下痢の持続,テネスムス,発熱
炎症性下痢を確かめる検査が必要
便中白血球;感度73%,特異度84%
 便中ラクトフェリン;感度92%,特異度79%
 ※ラクトフェリンは好中球の顆粒成分の一つ.
・曖昧なケース
 ⇒ラクトフェリンをスクリーニングとし,陽性なら便培養すれば良いかも
  (陰性的中率が高いため)
 ⇒ラクトフェリン陽性の場合,治療可能な原因菌を否定すれば炎症性腸疾患を疑う
 ⇒シゲラ,サルモネラ,カンピロ,C.difficile,赤痢アメーバ

※疾患特異的な病歴

・食べた時期
⇒6時間以内:黄色ブドウ球菌、Bacillus cereus
 8-16時間:Clostridium. perfringens
 16時間以上:なんでもあり
・発熱なし,血便あり⇒O-157:H7
・アフリカ,アジア,ラテンアメリカ帰りで血便あり⇒赤痢アメーバ
・甲殻類食べた⇒ビブリオ
・持続する腹痛,発熱,腹膜リンパ節炎,他の免疫反応⇒Yersinia属
・最近の抗菌薬使用⇒C.difficile
・汚い水に7日以上接触⇒ジアルジア,クロストスポリジウム(プロトゾルのため)
・ソフトチーズを食べた妊婦⇒リステリア症(20倍危険がある) 

参照 N Engl J Med. 2004 Apr 8;350(15):1576-7, UpToDate 

★原因不明の敗血症か黄疸で除外診断。

■病態

・内皮障害、胆嚢の虚血、胆泥鬱滞
⇒胆嚢腫大、ネクローシス
十二指腸から二次感染
免疫抑制状態の患者は、感染が引き金となることあり


■患者背景

複数のリスクをもつ患者に多い
…普通は、重症管理中の男性に多い
●リスク
・AML, AIDS, 骨髄移植、免疫抑制状態、複数の輸血後
・熱傷、感染、外傷、人工呼吸器管理中、完全静脈栄養
・CPR後、冠動脈疾患、心不全、血管炎
・分娩
・総胆管嚢胞、経皮的胆管ドレナージチューブ留置中、胆道出血、肝門への癌転移
・コレステロール塞栓
・糖尿病、末期腎不全、薬剤


■診断

重症患者又は外傷の患者で、敗血症か黄疸を認めるが明らかな原因が分からない時、疑う。
①血液培養
腹部超音波
壁厚>3.5mm⇒感度80%、特異度99% 壁厚>3mm⇒感度100%、特異度90%
※他の所見:胆石や胆泥を認めず、5cm以上の胆嚢腫大あり、腹水あり、プローベでMurphyサインあり。CTも同様の所見が得られる。
 
●鑑別診断

胆石性胆嚢炎、消化管潰瘍、急性膵炎、肝/横隔膜下膿瘍、右肺炎、右腎盂腎炎、原因特定される敗血症
⇒これらが除外される場合、無石性胆嚢炎を考える(特に上記のリスクを複数持つ場合)
 

参照 UpToDate 

★抜去>導尿>交換。

■尿カテーテル関連尿路感染症の病態

①尿道の中で、カテーテルの外部にバイオフィルムが形成され、逆行性に感染
尿ドレナージ不良か、尿バッグ中の細菌汚染のため、内部から逆行性に感染
外部からが66%, 内部からが34%
※purple urine bag症候群に注意する;参照 紫色採尿バッグ症候群→尿は紫にならない?


■フォーレをどうするか

●当然可能なら抜去すべき
⇒抜去できない患者は、間欠的導尿で管理すべき
⇒間欠的導尿が困難な場合、抗菌薬開始時にフォーレを交換すべき
※それぞれ効果が確かめられている。しかし理想的な管理方法は正確にはわかっていない。 


参照 UpToDate 

★院内感染症のよくある起因菌で、ユナシンやゾシンは効かないことも多い。

■SPACEとは

●医療関連感染を起こす、代表的なグラム陰性桿菌
⇒Serratia(セラチア), Pseudomonas(緑膿菌), Acinetobacter(アシネトバクター), Citrobacter(サイトロバクター), Enterobacter(エンテロバクター)
・使える抗菌薬が限られるため、臨床的に重要。
ESBL産生株の可能性あり
βラクタム系全て+アズトレオナムに耐性。感受性試験でどれかにRの場合、他がSでも選択すべきでない


■セラチア

・咽頭や泌尿器系に常在
⇒接触感染で広がり、院内肺炎のよくある起因菌
 …他、カテーテル感染(血管内、尿路)が重要
○治療
アミカシン+ピペラシリン(シナジー効果)、セフェピム、イミペネム、シプロフロキサシン
 …7〜14日間
※アンピシリン、マクロライド、第1世代セフェムに内在耐性
 +第3世代セフェムにもよく耐性
※参照:ゲンタマイシンによるシナジー効果の原理


■緑膿菌

・バイオフィルムを形成し、水のある場所に住む
・様々な院内感染、日和見感染をおこす
○治療
第1選択ピペラシリン、セフェピム、セフタジジム、メロペネム、イミペネム、アズトレナム
アミノグリコシドアミカシン>トブラマイシン>ゲンタマイシン
 …1剤では使わない+尿路感染には使えない(移行性悪い)
③キノロン:シプロフロキサシン、レボフロキサシン
 …耐性化してきており、最初には使わない
ポリミキシン:コリスチン、ポリミキシンB
 …多剤耐性の場合、第1選択となりうる
○投与期間
⇒UTI:7-14日, 肺炎:8-14日以上, 菌血症:ライン除去後7-10日
重症の場合、2種類の抗菌薬を組み合わせると予後改善するかも


■アシネトバクター

・自然環境、院内に住む
⇒院内肺炎、カテーテル感染、創感染が重要
○治療
通常イミペネムかメロペネム。アンピシリン/スルバクタムも使えることがある。


■サイトロバクター

・腸内細菌
⇒免疫不全、60歳以上、新生児のUTI、肺炎、カテーテル感染を起こす
○治療
①尿路感染:経口キノロン、ST合剤で十分
②重症:ピペラシリン/タゾバクタム、セフェピム、カルバペネム系
※Citrobacter koseriはセフトリアキソンやセフォタキシムも効くかも。freundiiはカルバペネム系やセフェピム、シプロフロキサシンが必要。


■エンテロバクター

・院内肺炎、熱傷、創感染、尿路感染の原因
・アンピシリン、第1世代セフェムに内在耐性
 +inducible βラクタマーゼ:βラクタムで治療失敗することがある
 +カルバペネマーゼを産生しうる
○治療
ピペラシリン/タゾバクタム+アミノグリコシド or フルオロキノロン
・ESBLの場合⇒カルバペネム系
・多剤耐性の場合⇒コリスチン(+チゲサイクリン)


参照 感染症診療マニュアル、Johns Hopkins ABX Guide

★Dukeは感度が高い。

■Duke criteriaについての研究

①405例の内69例が病理的にIE
・Dukeでdefiniteだったものが80%
・IEの内、Dukeでrejectedだったものはない
②63例の内10例がIE
・全てDukeでdifiniteだった
③115例の内27例がIE
・22例がDukeでdefinite
⇒Duke基準でrejectedなら否定的(感度高い)
 …一方特異度はそこまで高くない
⇒臨床的によく遭遇するシチュエーション
Dukeでpossibleの例、心臓疾患があり血液培養陽性例をIEとして扱うか


■心エコー

●TTE
・疣贅検出の感度79%、特異度95-100%
●TEE
・疣贅検出の感度92-94%、特異度95-100%
⇒人工弁の場合、検出感度は落ちる
※エコーで疣贅を認めなければほぼないということだが、小さい場合など偽陰性もありうる
 ⇒再検が重要;適正なタイミングは検証されていない
つまりTEE陰性であった症例の場合、一定の考え方はない!
 (総合的に考える)


■血液培養
●典型的な菌で無い場合

A-C群溶連菌IEにほとんど関連しない
・G群溶連菌;IEの可能性ある
・Enterococcusの中でもfaecalisはIEに関連する
コンタミネーションと区別難しいPropionibacterium acnes, Corynebacterium spp, Bacillus spp, CNS
⇒培養繰り返すことが重要
⇒このために、大項目に培養陽性の基準ある

●培養陰性のIE
・IEの2-7%
・抗菌薬投与後(特にStreptococcus)、手技の問題はよくある
①感染症:Q熱、バルトネラ、Whipple病、真菌、フィネゴルディア
②非感染症:衰弱性、SLE、RA、Bechet病


■(おまけ)正確なDuke criteria

●表1

definite

病理基準

①疣贅(心内か塞栓)、心内膿瘍に培養で菌が検出

②疣贅(心内か塞栓)、心内膿瘍の病理で心内膜炎の所見

臨床基準

2大項目か、②1+3小項目か、③5小項目

possible

1+1小項目か、②3小項目

rejected

①他の確定した診断

②抗菌薬開始後4日以内の心内膜炎再燃、

③抗菌薬開始後4日以内で病理的にIEが証明されない

④上の基準に当てはまらない


●表2

大項目

1.培養陽性

2回以上の血液培養で、以下の典型的な病原菌

Strept. viridans, gallolyticus (bovis)

HACEK; Haemophilus, Aggregatibacter, Cardiobacterium hominis, Eikenella spp, Kingella kingae
 ※これらは、培養陽性となるまで時間かかる 

Staph. aureusかEnterococcus;心臓の他に感染源が特定されない場合

②血液培養が12時間おいて2 回以上陽性 or 3回以上(最初と最後は1時間以上あけて)の陽性

Coxiella burnetti陽性 or antiphaseIgG >1800

2.心内膜炎

①エコー所見

・振動性の腫瘤;弁か弁支持組織の上、逆流ジェットの中、人工物の上

・膿瘍

・人工弁の新たな部分離解

②新たな弁逆流

小項目

①心臓の基礎疾患、静注薬物使用

38℃の熱

③血管現象;動脈塞栓,肺梗塞,感染性動脈瘤,頭蓋内出血,眼球結膜出血,Janeway発疹

④免疫現象;糸球体腎炎,Osler結節,Roth斑,リウマチ因子

⑤血液培養陽性だが大基準を満たさない or 血清学的な活動性の炎症








 

 


















参照 UpToDate

★Enterococcus faeciumの話。

■ベータラクタム系

・内在性耐性
ペニシリンに耐性のある細胞壁合成酵素
=PBP(ペニシリン結合蛋白)のペニシリンに対する親和性↓
・ほとんど効かない

■アミノグリコシド系

・中等量まで内在性耐性
 ①アミノグリコシド修正酵素
 ⇒AAC(6')-Ii:トブラマイシン、カナマイシンなどと細胞壁の反応を阻害
 ②aph(3')-IIIa遺伝子
 ⇒カナマイシン、アミカシンへの耐性
・ゲンタマイシン、ストレプトマイシンのみ、シナジー効果を狙って使える
※参照http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/33693050.html

■バンコマイシン

・通常の、D-alanineで終わるペプチドグリカンが少ない;VCMの作用部位
セリンで終わるペプチドグリカンをコードする遺伝子に
・VRE:Vancomycin Resistant Enterococcusという

■リネゾリド

23SリボソームRNA(rRNA)に作用し蛋白合成を阻害
⇒アデニンのメチル化により変異
⇒最近は23SrRNAのコピーをいくつか持っており、変異した数によりどの程度耐性か決まる
 ・LREという

など、色々耐性が増えてきている。 


参照 UpToDate 

★エビデンスのある予防のみ推奨される。

■CD4+細胞数と感染症

CD4

感染症

<400

足白癬、VZV・結核菌再活性化、細菌感染(H.influ, S.pneumo, Salmonellaなど)

<200

HSV再活性化、クリプトスポリジウム、コクシジオイデス、ニューモシスチス、イソスポラ

<100

カンジダ食道炎、トキソプラズマ、ヒストプラズマ

<50

CMVMAC、クリプトコッカス



■予防的抗菌薬投与の概略

①CD4<200
ニューモシスチスに対しST合剤

②CD4<100
・ニューモシスチス、トキソプラズマに対しST合剤
・ヒストプラズマに対しイトラコナゾール

③CD4<50
・ニューモシスチス、トキソプラズマに対しST合剤
・ヒストプラズマに対しイトラコナゾール
・MACに対しアジスロマイシン


■菌ごと

①ニューモシスチス
・ST合剤だめならダプソン
②トキソプラズマ
抗原陽性の場合に予防投与適応
③ヒストプラズマ
暴露の危険のある場合に予防投与適応
④MAC
・アジスロマイシン(週1回)だめならクラリスロマイシン(1日1回)
コクシジオイデス
CD4<250かつIgG, IgM抗体陽性かつ暴露の危険がある場合、予防投与適応
 (日本ではほぼない)
⇒フルコナゾールかイトラコナゾール

※他の菌、ウイルスに対する予防的抗菌薬投与は、生存率を上げるエビデンスが無いなどより推奨されない。


参照 UpToDate

★鼻かみが重要。

■副鼻腔炎

ほとんどウイルス性;細菌性は0.5〜2%程度
・細菌性のほとんどは、ウイルス性に合併して生じる
※但し、ウイルス性か細菌性かを鑑別することは、実際難しい
⇒急性上気道炎に合併する副鼻腔炎は、全例3週間以内に、抗菌薬なしで治る

●ウイルス⇒副鼻腔へ

①全身性
直接接触「鼻かみ」が重要
     …鼻腔内圧↑より、ウイルスを含む鼻水が副鼻腔へ
     ⇒炎症↑

●ウイルスの影響 
①炎症↑
⇒浸出液↑、血管透過性↑ 
浮腫、粘液↑
繊毛の機能↓
⇒粘液繊毛クリアランス↓

①、②より副鼻腔閉塞⇒病態が持続
 

参照 UpToDate 

★細菌感染といえば胆管炎で、門脈系から侵入する。

■胆嚢炎
●動物実験において、胆管閉鎖だけでは炎症生じない
  =炎症誘発する物質が必要
⇒実験では、カテーテールにより胆嚢粘膜障害することで炎症が生じる
  or ライソレシチン加えることでも炎症生じる
⇒ライソレシチンが必要と考えられている

レシチン:胆汁の構成要素
⇒胆嚢粘膜にあるホスホリパーゼAにより触媒
ライソレシチンとなる
  ※胆嚢嵌頓による粘膜障害で、これらの反応が惹起される
⇒炎症↑
プロスタグランジン(特にE2)↑
胆嚢収縮・胆嚢内液体貯留↑
⇒胆嚢炎増悪
 
●感染も炎症増悪に関与する
⇒しかし22〜46%が培養陰性であったという報告あり
感染は必須でない


■胆管炎
●胆管閉鎖+感染⇒胆管炎
  …どこから菌が侵入するか?
 ⇒主に門脈で、十二指腸からは少量
防御メカニズム
Oddi括約筋:十二指腸からの逆流を防止している
・胆汁の流れ
・胆管粘膜から産生されるIgA
・クッパー細胞

●病態
①胆管閉鎖
胆道内圧力↑
胆管透過性↑
門脈循環から細菌・トキシンが胆管内へ移行
※また、圧力↑より体循環への移行も促進=菌血症となりやすい

②胆石嵌頓
胆石が感染巣となりうる
⇒Oddi括約筋を乗り越え、十二指腸から胆管へ、少量ながら細菌が侵入する
※エンテロバクターなどは、線毛により胆石へ付着しやすい

 
参照 UpToDate 

★偽膜性腸炎は内視鏡診断。

■Clostridium difficile(CD)感染症
・CDは芽胞をもつ嫌気性菌で、経口感染する
⇒発熱のみ~偽膜性腸炎まで、様々な病態を示す
抗菌薬関連下痢症(Antibiotics-Associated Diarrhea:AAD)の一種

●CD感染症の病態

 

疫学

特徴

無症候性保菌者

健常者の5%
4週間入院患者の50%

感染者保菌者

下痢症のみ

抗菌薬関連下痢症の20%

抗菌薬中止により改善

下痢症+発熱・炎症反応
(偽膜なし)

 

ICU発熱のよくある原因
内視鏡ではアフタ性大腸炎
 

偽膜性腸炎

CD関連下痢症の10%

腹痛あり

劇症

CD関連下痢症の3%

腸管穿孔・中毒性巨大結腸症


※38.5℃以上の発熱はCD感染症の15%で認め、腸炎の合併を示唆する
 典型的には、抗菌薬開始後5-10日で症状出現する


■CD感染症の病態・診断
●流れ
抗菌薬投与中に下痢を認める症例において
・toxin(+):positive result=CD感染症
・toxin(-), antigen(+):intermediate result⇒PCR、陽性ならpositive、陰性ならnegative
・toxin(-), antigen(-):negative result=CD感染症でない

・「トキシンの存在→CD感染症」となる
 Toxin A:好中球遊走因子
 Toxin B:細胞毒
⇒Toxin Bの存在証明(Cytotoxin assay)が診断のスタンダードだが、日本では検査できない
Toxin Aを酵素免疫法で診断している
 …感度75%、特異度99%
※但しToxin Bのみ陽性のCDが2~3%あるといわれる
 また、アッセイによっては感度が非常に低い

・CD抗原の証明(ラテックス凝集反応):グルタミン酸脱水素酵素(GDH)に対する試薬
⇒簡便だが、非特異的反応多く、毒素の有無とは無関係
感度は高いため、スクリーニングとしては有用

PCR;toxin Aかtoxin B遺伝子を検出
⇒感度も特異度も高い

便培養
・CDの毒素産生株は30%程度
⇒単純培養で陽性でも診断とならない
意義は感受性出すこと
・選択的な嫌気性培養+toxin検出は最も感度の高い検査
⇒しかし手間と時間がかかるため、疫学調査用の検査


参照 UpToDate、重篤副作用疾患別対応マニュアル(厚生労働省)
更新 2015/8/3

★被膜のある細菌に感染しやすくなる。

■脾臓の機能
・類洞にいる白血球:循環している細菌を貪食
・巨大なリンパ組織:抗体産生するBリンパ球の半数がいる
            オプソニン化も行う

●細菌は脾臓又は肝臓の白血球により除去される
⇒多くは補体or脾臓でのオプソニン化後に感知される
細菌に被膜があるとオプソニン化されにくい
 …①細菌にくっついた補体と白血球の反応↓
   ②補体が結合しにくい
 ⇒脾臓でのみ除去される
  よって、脾臓摘出後は、主に被膜のある細菌に感染しやすくなる

※被膜のある細菌:S.pneumoniae、H.influenzae、Neisseria.meningitis


参照 UpToDate、Lancet. 2011;378(9785):86.

★基本は血液培地。

①血液培地
大抵の病原菌が発育できる
 …Hemophilus influenzaeは発育しない
溶血を評価できる

・α溶血(一部溶血):Streptococcus pneumoniae, viridans
    …過酸化水素産生による
・β溶血(完全溶血):Streptococcus pyogenes, Listeria
・γ溶血(溶血なし):Enterococcus facalis

②チョコレート培地
●チョコレート色。
溶血した赤血球と、それにより放出された成長因子(hemin, NAD)を含む。
H. influenzaeが生育できる

③MacConkey培地

胆汁塩が含まれており、それがグラム陽性菌の発育を阻害
グラム陰性桿菌を選択的に評価できる
※発育阻害されるGPC
 … Bordetella, Brucella, Campylobacter, Haemophilus, Legionella, Pasteurella, Acinetobacter, Eikenella
ラクトース発酵する菌は、ピンクのコロニー形成してわかる
 …早く発酵:E.coli, Enterobacter, Klebsiella
  遅く発酵:Citrobacter, Serratia
⇒ラクトース発酵しない菌には、オキシダーゼテスト
 …オキシダーゼ陽性:Pseudomonas. aeruginosa
⇒オキシダーゼ陰性の菌には、TSI培地
 …HS産生あり:Salmonella, Proteus
  HS産生なし:Shigella

④その他、選択的培地
●大抵抗菌薬が入っている
Bordetella pertussis: Bordet-Gengou血液寒天培地
・Salmonella sp.: SS寒天培地(SS=Slamonella-Shigella)
         クロモアガー寒天培地
・Shigella sp.:SS寒天培地
        XLD培地(キシロール、リジン、デオキシコール酸)
・Neisseria gonorrhoeae: Thayer-Martin VCN培地(VCN=vancomycin, colistin, nystatin)
              NYC培地(NYC=New York City)
・Legionella pneumophila: B-CYE寒天培地(B-CYE=
buffercd charcoal yeast extract
・Corynebacteria diphtheriae: cysteine-tellurite培地


参照 UpToDate

★基本的に陽性の場合胸部Xp.

■機序
ツベルクリン:ヒト結核菌から分離精製した数種類の蛋白質
●陽性 
・結核菌への暴露歴あり:Tリンパ球による遅発性過敏反応をみているため

●陰性
①活動性結核の患者と接触している場合
 ⇒TB感染の初期で,Ⅳ型アレルギーが確立していない可能性
 ⇒患者接触後8週間後再検(反対の腕で)
  …3~7週でツベルクリンコンバージョンが起き,新規感染引き起こす
常に感染リスクのある状況の場合
 …北アメリカの医療従事者など
 ⇒血清学的検査(クオンティフェロン)施行すべき
③remote exposureが疑われる場合
 …BCGによる感染,TB以外のMAC暴露
 ⇒最初のツベルクリン反応は陰性となりうる
 ⇒しかしこれが免疫を呼び覚ます
 ⇒2回目のツベルクリン反応で陽性となる(ブースター効果


■解釈

・感度:5mmで98%,10mmで90%
陰性⇒偽陰性を除外する
陽性⇒活動性結核の精査のため,医療機関受診 

●偽陰性
免疫力低下,テクニカルミス
●偽陽性
・MAC感染
・BCGワクチン:小学校入学前に2回目の接種⇒10年以上陽性となる
         ⇒クオンティフェロンで鑑別可能 
※BCG
…ウシ型結核菌の弱毒化ワクチン
※クオンティフェロン
…結核菌に特異的な蛋白と血液を反応
 ⇒Tリンパ球からインターフェロンγが放出
 ⇒これを定量測定


参照 UpToDate 

★N95規格をクリアするマスク.

●米国NIOSH(National Institute of Occupational Safety and Health)が定めた,N95規格をクリアする.
 …9規格の中で,最も低い基準
もとは製造現場等のマスク

レスピレータ=防じんマスク(装着者の感染を防ぐ),といわれる
※サージカルマスクの目的
 ①患者の痰,唾,体液,血液などに含まれるエアロゾルからの防御
 ②医療者から患者へのエアロゾル伝播の防止
 ③咳をしている人の痰,唾による感染を防止

●N95マスクは,
①block non-oil based or aqueous aerosol
 =not resistant to oil:耐性油がない
                =油をブロックできない
95%の空気感染を防ぐ
 …使われるのは0.3µmの試験粒子

ことが由来,

サージカルマスクは,インフルエンザ(空気感染)予防に効果あるのか?
・ランダム化試験では有意差なし.コホートでは効果あり,とするものもあり.
・手洗いは,有意に予防する
※研究手法の問題かもしれない
 …だいたいの研究は家族に感染者がいる場合,としている
  ⇒手洗いを毎日するより,マスクをずっとつけるのは居心地が悪いため

マスク着用より,「口と鼻を触らない,手洗い,換気,消毒,人ごみをさける」のエビデンスが高い
・マスクを正しく使用しないと,感染を助長する可能性もある
⇒国立感染症研究所のエビデンスはB


 参照 wiki,ICU book,UpToDate,http://koueki.net/library/cis/k03-ronbun15.pdf

★どちらも感染予防に有効.

■機序
①腸管腔にものが入る
 ⇒腸粘膜のintegrityを保つ
  =腸粘膜からの,腸内細菌の侵入(トランスロケーション)を防ぐ

②腸管栄養
 ⇒腸壁の単球によるIgA産生↑
 ⇒病原体の腸粘膜への付着を防ぐ

胃の膨張刺激
 ⇒ガストリン,コレシストキニン放出
 ・腸管内グルタミン↑
 …腸管粘膜の細胞の栄養となる
 ⇒これらは①と②を促す

④栄養体の塊(bluk)が腸管にある
 ⇒絶食によりなくなる
 ⇒腸管粘膜が萎縮
 ⇒トランスロケーション↑


■選択的消化管殺菌(SDD)
バクテリアルトランスロケーションを防ぐ目的
⇒実際ICUでの感染症発症・死亡率を下げるという報告有り
 一方,ESBLアウトブレイクの報告もあり
…耐性菌の出現,地域性,持続時間等考える必要あり
・中咽頭の選択的除菌という考え方もある

経腸栄養,SDDともバクテリアルトランスロケーションによる感染症の予防効果ある,と考えられる.
※プロバイオティクス(ビフィズス菌)も同様の効果ある 
 

参照 UpToDate,jseptic,呼吸器内科医ブログ 

★好気性菌だから.
○肺結核:一次結核→潜在性感染→二次結核

■一次結核
●結核菌を含んだ空気を吸入
⇒大部分は上気道で補足,排出(10%程度が下気道へ)
重力により,中~下肺野へ(特に末梢)
⇒非活性化マクロファージによる貪食,ファゴソーム形成
宿主vs.菌
 ・ファゴソームとリソソームの融合により細菌の成育を阻止するか,
  細菌が増殖しマクロファージの破裂に至るか.
 ・機序
 …細菌細胞壁の糖脂質であるリポアラビノマンナン
  ⇒細胞内Ca2+の増加を阻止
  ⇒Ca2+/カルモジュリン経路(ファゴソームとリソソームの融合を導く)を阻害

●2~4週間後
肺実質や肺門部において
  T細胞を介した特異的免疫発現
 …活性化マクロファージにより肉芽腫つくる
 ⇒菌を含んだ非活性化マクロファージを破壊+中央に壊死
 ⇒壊死の環境内でも菌は生き残れるが,
   低い酸素分圧+低いpHにより発育は抑制される

●大多数は自然治癒し,小さな石灰化した結節となり明らかになることがある
⇒免疫抑制者では一時病巣が大きくなり,臨床的結核となる(進行性一時結核)
Ghon complex:下肺野浸潤影+同側の肺門部リンパ節腫脹


■二次結核
●潜在性感染の再燃
上肺野に多い
  ・吸入した酸素は上肺野に多く分布する
  ・肺の血流は重力に従い中~下肺野に多く分布
  ⇒上肺野ではガス交換が少ない
  ⇒酸素濃度↑
  ・結核菌は好気性菌であるため,上肺野で増殖しやすい

・菌の増殖,免疫応答により病変が拡大
気管支も巻き込む
空洞形成
・病変の中心部で,乾酪壊死物質が液化
空洞を介して気道内へ排液
⇒①肺野内に他の衛星病巣つくる
  (⇒それがまた空洞化する)
  ②外に結核菌を放出


参照 UpToDate,ハリソン
更新 2014/6/27

★研究中.

●敗血症
⇒血管拡張
⇒腎血流は1~2倍になる
これだけならGFR増加,腎不全は生じない

血管拡張が,輸出細動脈>輸入細動脈
⇒腎血流量は増加するが,糸球体血管圧は低下
⇒GFR低下
・ノルアドレナリン,バソプレシン:輸出細動脈の血管抵抗を増加させる
⇒GFR増加することが確かめられている

②炎症性サイトカイン,エンドトキシンによる好中球活性化
直接腎障害を起こす


参照 UpToDate,Intensivist

★リスクを考慮し,経口抗菌薬で良い.

■好中球減少症
・正常な炎症反応を起こせない
症状がでにくい
発熱のみがサインの場合がしばしばある
⇒発熱性好中球減少症といわれる

・好中球減少:重要な感染症が起きうる,という意味において
        ⇒「好中球<500」(UpToDate)
        ⇒IDSAは「好中球<100」としている

・リスク
高リスク…①好中球減少が7日以上続く,と予想される場合
         ②はっきりとした肝 or 腎不全を伴う場合
         ③同種骨髄移植施行中,急性白血病に対しケモ施行中
  低リスク…上記全てない場合
  中リスク…自家移植,リンパ腫,CLL,MM,プリンアナログによる治療
        好中球減少が7-10日

■抗菌薬予防投与
高リスク群に推奨される
⇒低リスク群には推奨されない
  中リスク群はcase by case
ニューキノロンの有効性がエビデンス高い
⇒但し,耐性菌がはこびっている地域では,予防の有効性は低くなる

ニューキノロンと他の抗菌薬の併用は,推奨されない
⇒感染による死亡率に影響しない

・抗菌薬を切るタイミングは,あまり研究されていない

■ニューモシスチス肺炎(PCP)

・致死率はほぼ100%
⇒ST合剤(バクタ)による予防が極めて有効
・適応
…薬:プレドニン≧20mg,免疫抑制薬,プリンアナログ
  ALL
  同種骨髄移植,臓器移植
  SCID,特発性CD4 Tリンパ球減少症,高IgM血症

■抗ウイルス
①インフルエンザ
・ワクチン接種すべし
②HSV,VZV
・HSV抗原(+),同種移植施行中,急性白血病の初期治療
⇒アシクロビルかバラシクロビル投与すべき
③CMV
・抗原(+)の場合,ガンシクロビルを使用
④HBV
・HBV抗原(+),HBV DNA量↑,B型肝炎治癒後
⇒抗ウイルス薬を,治療後最低6ヶ月継続すべき


参照 UpToDate

★アミノグリコシドが良く効くようになる.

・アミノグリコシド(ゲンタマイシン,アミカシン)
…リボゾーム30Sに作用する,殺菌性抗菌薬
  カバーは緑膿菌含むGNR中心.
  ⇒GPCについては,βラクタムとの相乗効果を期待.
  腎排泄なので尿路感染にはよい.肺への移行は微妙.

・βラクタム系抗菌薬+アミノグリコシド
βラクタムによる細胞壁合成阻害により,細菌細胞の透過性↑
⇒通常では到達しえない部位へ アミノグリコシドが到達
⇒抗菌作用が増強

※混注してはいけない!
…アミノグリコシドは陽性,ペニシリン系は陰性に荷電
 ⇒長時間共存させると不活性となる

■適応
緑膿菌菌血症:エビデンスが微妙(in vitroでは確かめられているが)
         ⇒ルーチンでの使用は勧められない
          …high riskで使用勧められる:かなり好中球減少,初期治療の遅れ,骨髄移植後
・他,連鎖球菌,腸球菌感染症(特に感染性心内膜炎)に用いられる
…この使用もコントロバーシャルである

 
参照 UpToDate,イラスト薬理学 

★咽頭痛,鼻水,咳の3つがそれえば,ほぼ風邪.
※どれか一つしかない場合,違う疾患を疑う.

■A群β溶連菌咽頭炎
・成人咽頭炎の10%
・疑えばストレプトID行う
⇒感度80%,特異度95%
⇒陰性でも,経過がそれっぽければ治療すべき
※ちなみに,培養と迅速を同時に行うことは,保険では認められていない
①特徴
左右のどちらかに限局する:扁桃腫大,咽頭痛,リンパ節圧痛
小児との接触,本疾患の既往も重要
②Centor criteria

38℃以上

1

前頸部リンパ節圧痛

1

扁桃腫大or白苔

1

咳なし

1

15歳未満

1

45歳以上

-1

 ※リンパ節圧痛が,感度最も高い
  扁桃白苔は,感度低い(特異度高い)
・感度高く,特異度低い検査
除外のための基準
⇒score≧2で迅速検査推奨(陽性的中率≧10%のため)


■インフルエンザ
①特徴
●流行期
発熱,咳嗽はいずれも80-90%に認める
突然発症し,症状は48時間以内に完成する:陽性的中率79%
・倦怠感,悪寒戦慄あり,くしゃみなし
・咽頭所見(-),リンパ節腫脹(-),呼吸音正常
⇒陽性の場合,合併症+インフルか,インフル以外
●非流行期
・風邪と鑑別困難

②迅速検査
・感度50%,特異度95%


参照 レジデントノート,UpToDate

★鼻から.結構使える.

■髄膜炎の病態
鼻咽腔上皮に付着しコロニー形成
⇒①膜結合性の小胞
  ⇒上皮細胞を通過
  ⇒血管内腔へ
⇒②tight junctionを分離
  ⇒血管内腔へ
・血流内では,多糖類被膜により貪食を回避
脈絡叢上皮に感染
⇒髄液腔へ
 ※肺炎球菌は脳の毛細血管内皮に付着
 ⇒細胞を通過 or 間隙を通り髄液腔へ


■髄膜刺激症状
・くも膜下腔の炎症
⇒セロトニン・キニン分泌
くも膜下腔の血管周囲にある痛覚受容性神経が刺激
疼痛の受容閾値が低下している
⇒この際の疼痛に対する防御反応=髄膜刺激症状

①項部硬直・Brudzinski徴候
・頸部前屈
⇒脊髄が移動;延髄で4mm上昇,腰椎レベルで1cm上昇
⇒神経根圧迫
⇒疼痛
※前屈により髄膜に進展刺激が加わるので,他の動きでは生じない!
②Kernig徴候
・大腿屈曲により,脊髄を移動させる

●有用性
★まれだけど,認められれば診断的価値あり
・Kernig,Brudzinski:感度5%,特異度95%
・項部硬直:感度30%,特異度68%
これらは「髄膜炎が疑われ腰椎穿刺をした例」において,「CSFで白血球≧6個/µlを髄膜炎」と定義した場合
 (これが重要.緊急性がある髄膜炎に対する感度・特異度ではない)
⇒より重症では有用性が高まる

実際の臨床では,頭痛と発熱があり,
 ①generalがかなり悪い場合か
 ②髄膜刺激徴候が認められる場合か
 ③意識混濁・障害がある場合に
 細菌性髄膜炎を考える!
⇒無菌性髄膜炎は経過観察しかない.ヘルペス性髄膜炎には気を付ける

・jolt accentuation:感度97%,特異度60%
※髄液細胞増加症に対して

 
参照 UpToDate,ハリソン,サパイラ,細菌性髄膜炎の診療ガイドライン - 日本神経感染症学会

★エビデンスがある.

1.糸
吸収糸は2-6週,非吸収糸は300日程度で吸収される
⇒非吸収糸の方がテンション持続するため,よさそう
⇒エビデンスはない
※非吸収糸だと皮膚から結び目が触れ,不快となりうる

2.結び目
・最も重要
外科結びの必要はない
・6回結ぶ必要がある
 
3.層 
腹膜48-72時間で再上皮化するため,必要ない.
      覆う必要もない;局所感染のリスクとなる
筋膜…最も重要
・炎症⇒コラゲナーゼ↑⇒壊死組織,筋膜の吸収,コラーゲン融解(5PODにピーク)
 ⇒筋膜の緊張は50%減る
・張力が完全に戻るまで70日かかる
 ⇒すぐには吸収されない糸を用いる
皮下…そんなには必要ないかもしれない
・デッドスペースがなくなる⇒皮下血腫,感染の予防になるかも
・ドレナージについても議論が分かれる所
皮膚
・結び:皮膚が虚血に陥る⇒感染のリスク↑
・テープ(ステイプラ)が良い

※2層閉腹(Mass closure)と3層閉腹に差はなかった.

参照 UpToDate

★全然ダメ.

●手術時手洗いの意義
手袋破損の際,感染が起こる可能性を減らす

・手洗いについて
①手にいる細菌数を減らす事が出来る
 ※勿論滅菌はできない
②水道水で良い
 ⇒滅菌水と変わらない,とするエビデンスあり.
  また,滅菌水を滅菌に維持することは困難.
③アルコールでよい
 ⇒従来の方法(スクラブ法)と変わらない,とするエビデンスあり.
  また,スクラブ法では手荒れが起き,細菌増殖の温床となる
④ヨードよりクロルヘキシジンが良い
 ⇒クロルヘキシジンの方が皮膚と親和性あり,消毒・抗菌効果優れる

・手袋破損について
①かなり穴あいている
 ⇒2-4時間で12%,4-6時間で28%…
②20%しか自覚できていない
ピンホールにより感染のリスクが上昇する

⇒感染予防に重要なのは手を露出しないことである
  手洗い後しても滅菌できないので,清潔野には触れてはいけない


参照 手術医療の実践ガイドライン,整形外科SSI管理

★エビデンスはある.

・周術期感染で最も重要なのは,皮切時の菌の創部への侵入
⇒執刀時に抗菌薬の濃度を最大にしたい
 +組織移行性が良いものを使いたい
 +黄色ブドウ球菌をカバーしたい
執刀開始60分以内に投与開始し,執刀時には投与終了するべき.
  抗菌薬はセファゾリンが良い.

※あまりに広域なものは使うべきでない
⇒常在菌まで殺菌し,菌交代減少→難治性感染症引き起こすリスクあるため.


 参照 UpToDate,http://www.kenkyuu.net/id/09.html

★菌いないことも重要な情報.

■生体由来のもの
白血球(ほとんど好中球):炎症を反映
                                        ⇒古くなるにつれて核が分葉する
                                        ⇒戦い終わると空泡化、ぐしゃぐしゃ
※25以上で有意
扁平上皮:唾液の混入を示唆
※10以下でないと信頼できない
マクロファージ:炎症終わりのゴミ処理
フィブリン:現在アクティブな炎症を反映


■菌の形態
グラム陽性球菌⇒双球状orクラスターor連鎖状
グラム陽性桿菌⇒八の字
  ※ほとんどはコリネバクテリウム(常在菌)を反映
グラム陰性桿菌⇒ゴミっぽいor太いor細長い
  ※代表例はそれぞれインフルエンザ桿菌、大腸菌、緑膿菌
グラム陰性球菌⇒グリーンピース状
  ※これもゴミみたいにみえる:モラクセラ

■同定方法
①好中球,MΦ付近に細菌(+)
 ⇒起炎菌と予想
②細菌の貪食像
 ⇒起炎菌と確定:但しほとんどは白血球の上に細菌がのっているだけ
          ⇒検査する人も,貪食像を探そうとはしない
③好中球・MΦ多数だが細菌少数
 ⇒結核,マイコプラズマ,ウイルス,真菌感染疑う
④好中球少数,細菌少数だが臨床症状あり
 ⇒CMV,ニューモシスチス疑う

※扁平上皮細胞⇒上気道分泌物の混入:誤嚥を考える所見でもある
 線毛上皮細胞⇒下気道の炎症を反映:特にウイルス感染


参照 感染症レジデントノートなど

★決められたやり方がある!

ラミネート






























◆視野がぼやける、欠けてる
光軸調節
1.⑥を回す⇒コンデンサを上限位置に
2.③と⑤⇒全開、対物レンズ⇒10×
3.普通にピントを合わせる
4.⑤を絞る⇒光の範囲が、視野よりも小さくなる
                ⇒光を適当な大きさに
5.⑥でコンデンサ調節⇒光にピントを合わせる
               ⇒きれいな多角形の像
6.④を両手で回す⇒光を視野の中心に
7.⑤を開く:光がはみ出るくらいまで
◆ピントは合ってるけど見えづらい
開口絞り調節
1.接眼レンズを外す⇒明るく輝く円(瞳)が見える
2.瞳を見ながら③を回す
  ⇒瞳の中:多角形の光の像(開口絞り像)のサイズが変化
      ⇒「開口絞り像の直径=瞳の直径の75%」に調整
3.接眼レンズ戻す
※接眼レンズを外した時、絶対にゴミを入れない!
◆目が疲れる
視度調整
1.右目だけで見て、⑦でピントを合わせる
2.次に左目だけで見て、①でピントを合わせる
3.
◆ゴミが見える
ゴミをふく
1.③をしぼる;ゴミが見やすくなる
2.①②④⑤動かす
 ⇒ゴミが動いた場所のレンズをふく


参照 OLYMPUS 

★抗菌薬と同じく,広域⇒de-escalationする!
概略
・カンジダ⇒だいたいアゾール系
      ⇒好中球減少時など初期治療の失敗許されない場合,AMPHかMCFZ・CPFG
・アスペルギルス⇒アムホテリシンor アゾール系
          ⇒侵襲性肺アスペルギルス症では,AMPHかVRCZ
・クリプトコッカス⇒アムホテリシン± アゾール系
・ニューモシスチス⇒ST合剤
           ※エルゴステロールない⇒アムホ,アゾール×
            エキノカンディンは栄養体のみ有効⇒予防にしかならない
・その他(トリコスポロン,ムコール,フサリウム)⇒アムホテリシン
■一般的なスペクトラム

 

FLCZ

ITCZ

VRCZ

AMPH-B

MCFZ,CPFG

Candida. Albicans

non-albicans candida sp.

Cryptococcus sp.

×

Aspergillus sp.

×

その他

*

*

**

×

*:トリコスポロンのみ

**:トリコスポロン,フサリウムのみ


■アゾール系
機序:真菌の酵素阻害
   ⇒エルゴステロール(真菌の細胞膜構成要素)産生↓
①ケトコナゾール(ニゾラール)
特徴
・内服:胃酸が十分にないと吸収されない=PPIと併用できない
・副作用が多い⇒今は外用薬のみ
②フルコナゾール(ジフルカン) FLCZ
特徴
・副作用少なく,普通に吸収される
適応菌
・カンジダ:C.albicans(80%)にほとんど効く
     ※C.glabrata,C.kruseiには効かない!
クリプトコッカスに効くが,多くはアムホテリシンBの補助として使われる
アスペルギルスには効かない
③イトラコナゾール(イトリゾール) ITCZ
特徴
・①の改良版;PPIダメ⇒副作用は軽減した
・眼や中枢神経に移行しにくい⇒カンジダ眼内炎,髄膜炎に使いにくい
・脂溶性+角質好む
適応菌
白癬菌:特に爪白癬
・ヒストプラズマ,ブラストミセスなど
・アスペルギルスに効くが,④が優先される
④ボリコナゾール(ブイフェンド) VRCZ
特徴
・②の改良版
・副作用:眼に可逆性の毒性あり
適応菌
アスペルギルスに効く!
⇒侵襲性アスペルギルス症に使う(アムホテリシンBと同等の効果)

■アムホテリシンB AMPH-B

機序
・真菌のエルゴステロールに結合⇒細胞膜透過性↑
・アムホテリシンBの自己酸化⇒フリーラジカル産生
特徴
・重症真菌感染症の第一選択になることが多い
・副作用多い:特に腎毒性
 ⇒今はリポソーム製剤(L-AMB)となり,副作用減った
  …①血中でL-AMBが崩壊しない(10%しか)
    ⇒毒性をもつ,フリーのAMPH-Bが少ない
    ②粒子径が小さい
    ⇒細網内皮系に捕捉されづらい+炎症部位は血管透過性亢進により,血管外に漏出する
    ⇒感染巣特異的に効果を発揮する
適応菌
ほとんど効く
・効かない⇒Candida.lusitaniae(アゾール系効く), Aspergillus terreus(ボリコナゾール),
         スケドスポリウム(ボリコナゾール)

■キャンディン系
①ミカファンギン(ファンガード) MCFG
②カスポファンギン(カンサイダス) CPFG

機序
細胞壁β-Dグルカン合成酵素を阻害
エルゴステロールを介さない=上記2種と機序異なる!
特徴
・分子量大きい⇒点滴のみ
・副作用少ない
適応菌
全てのカンジダ⇒アゾールが効かない時or C.kruseiに使う
 ※眼への移行性悪く,カンジダ眼内炎には効果なし
アスペルギルスアムホテリシンB,ボリコナゾールの次に使える
※他には効果なし⇒クリプトコッカス,接合菌,トリコスポロン


参照 抗菌薬の考え方,使い方,日内誌
2013/12/15更新 

★全てのセフェム系は腸球菌に無効!

①第一世代
   セファゾリン(セファメジンα®,CEZ):静注
 セファレキシン(ケフレックス®):経口
特徴
組織移行性めっちゃいい=狙った所に行く!
⇒但し,髄液のみ移行性悪い
髄膜炎には使えない.
・経口⇒バイオアベイラビリティー高い
    =投与量のほとんどが腸管から吸収される
適応菌
■GPC
黄色ブドウ球菌(MSSA):効く
連鎖球菌:効く
※肺炎球菌,腸球菌,リステリアには効かない!
■GNR
感受性あれば効くが,あまり使わない
適応病態
●軟部組織感染症;顔面は除く
           ⇒インフルエンザ桿菌などGNRが原因となりうるため
●化膿性関節炎など

②第二世代
  セフォチアム(パセトクール®,パンスポリン®,CTM):静注
  第三世代
  セフトリアキソン(セフトリアキソン®,ロセフィン®,CTRX):静注,肝排泄
  セフォタキシム(セフォタックス®,CTX):静注,腎排泄
特徴
・GNRをよりカバーしている
・組織移行性良い;髄液移行性も良い
適応菌
■GPC
・ほとんどの連鎖球菌,肺炎球菌,MSSA(中等度)
■GNR
・全ての腸内細菌群,サルモネラ,シゲラなど
・他,大腸菌,エンテロバクター,クレブシエラ,プロテウスなど(耐性なければ)
※セラチア,サルモネラ,淋菌には効かない!
適応病態
肺炎+尿路感染をだいたいカバーできる

③第二世代(セファマイシン)
  セフメタゾール(セフメタゾール®,CMZ):静注
特徴
嫌気性菌をカバーする!
適応菌
■GNR
・ほとんどカバーする
⇒大腸菌,プロテウス,クレブシエラなどに最適
■嫌気性菌
・だいたいカバーする

④第三世代
  セフタジジム(モダシン®,CAZ):静注
  第四世代
  セフェピム(マキシビーム®,CFPM):静注
特徴
緑膿菌をカバーする!
・セフタジジム⇒GPCには効かない
・セフェピム⇒GPCに効く
適応病態
好中球減少時の発熱;緑膿菌をカバーしなくてはならない(死亡率高い)
             ⇒GPCはそんなに急変しない
             ⇒とりあえず緑膿菌カバーすればよく,セフタジジムでよいかも.

⑤第三世代
  セフォペラゾン/ スルバクタム(スルペラゾン®,CPZ/SBT):静注
特徴
超広域.
※セフォペラゾン:胆道移行性良い
⇒但し,スルバクタムは腎排泄
⇒腎不全の時,バランス悪くなるため使いにくい
+胆道閉塞の時,排泄されにくくなるので,逆に使いにくい
適応菌
・腸内細菌
・緑膿菌
・アシネトバクター(スルバクタムの効果)
・腸球菌にも効果あるかも
適応病態
胆管炎…但し,ERCPで大体治ってしまい,抗菌薬は何でもあんまり変わらないかも
     ⇒嫌気性菌カバーする,セフメタゾールやアンピシリン/ スルバクタムでも良い


参照 抗菌薬の考え方,使い方 感染症まるごとこの一冊

 

①ベンジルペニシリン
  ペニシリンG(ペニシリンG®,PCG):点滴
特徴
感受性があればめっちゃ強い
用法
・100~400万単位を4時間おき(6回/day):100万単位=0.6g
・長時間おいておくとバッグの中で失活する
⇒但し8時間おきに交換すれば,持続点滴使える

適応菌
■GPC
・溶連菌:A群には100%効く
       B群にはほとんど効く
       C,G群にはあまり効かない
・緑色連鎖球菌(viridans)…常在菌だが,感染性心内膜炎おこす
                ⇒単剤若しくはアミノグリコシドとの併用
・腸球菌:E.faecalisは効く(但しアミノペニシリンの方が有効
       E.faeciumには効かない
   ※ちなみに,腸球菌にセフェムは効かない
・肺炎球菌:ほとんど効く
      ⇒髄膜炎を起こすと効かない
■GPR
・アクチノマイコーシス…ゆっくり腫瘤作り,腫瘍と間違えられる:効く
・破傷風菌:効く(破傷風免疫グロブリンに併用)
■GNR
ほとんど効かないが,
・髄膜炎菌:100%効く
・淋菌:7割効く
・感染性心内膜炎おこすGNR(HACEK):ペニシリン効くことがある(初期治療は3世代セフェムが多い)
⇒Haemophilus parainfluenzae, Aggregatibacter actinomycetocomitans(歯周病の原因菌),
   Cardiobacterium hominis, Eikenella corrodens, Kingella kingae
・鼠毒の起炎菌:効く
■嫌気性菌
・横隔膜より下(GNR)には効かない
・横隔膜より上(GPC)にはやや効くが,他の薬あるのでそっち使う

副作用
・アナフィラキシー
・間質性腎炎(2型アレルギー):腎毒性の原因.
⇒アレルギー機序なので,容量多いから腎毒性がでるわけではない(アミノグリコシドとは違う)
※但し腎機能悪ければ,血中濃度上昇し痙攣来しうるため,容量減らす

②アミノペニシリン
  アンピシリン(ビクシリン®,ABPC):点滴
  アモキシシリン(サワシリン®,AMPC):経口
特徴
ペニシリンGよりGPCへの活性↓,GNRへの活性↑(ちょっとだけ)
※腸球菌,リステリアは例外
⇒但し,他にGNRへもっと効く抗菌薬あるので,ほぼペニシリンGと同様に用いられる.
適応菌
■GPC
腸球菌:E.faecalisの第一選択
       E.faeciumには効かない
・肺炎球菌,連鎖球菌
■GPR
Listeria monocytogenes…食中毒の原因:第一選択
■GNR
・ペニシリンGでカバーできる菌

適応病態
ペニシリンGと異なり,アモキシシリンは経口できるので,以下の病態に有用
●歯科治療時
・心内膜炎予防に用いられる
⇒口腔内GPCと嫌気性菌をカバーできるため
※但し適応は弁置換後,IEの既往ある場合のみ
⇒普通の歯磨きでも菌血症になり,コスト/ ベネフィットを考えた結果.
●細菌性上気道炎
・伝染性単核球症に用いると全身皮疹の原因になる
⇒迅速kitでA群溶連菌を確かめてから処方する.
●中耳炎,副鼻腔炎
・重症例のみ治療対象となる
⇒その場合第一選択
●梅毒
・アモキシシリン+プロベネシド(尿酸排泄促進,ペニシリン排泄抑制)
⇒benzathine penicillinだと筋注1回で治療できるが,日本にはない

③アンピシリン/ クロキサシリン(ビクシリンS®,ABPC/MCIPC)

特徴
黄色ブドウ球菌に効くペニシリン!
※メチシリンの改良版.メチシリンは間質性腎炎を高率で発症し,現在発売停止.
・他のGPCにも良く効く.
適応菌
黄色ブドウ球菌…IE,関節炎など
⇒βラクタマーゼ産生のため,①や②は効かない
第一世代セフェムは効くが,髄液移行性が悪い;IEの脳塞栓などには使えない
⇒クロキサシリン使える(実際は,アンピシリンとの合剤;ビクシリンS のみ売られている)

④アシルアミノペニシリン

  ピペラシリン(ペントシリン®,PIPC)
特徴
緑膿菌に効くペニシリン!
適応菌
かなり広域(βラクタマーゼ産生菌には使えない)
●GPC
・活性は②よりやや落ちる
⇒但し,黄色ブドウ球菌,連鎖球菌,腸球菌などには十分.
●嫌気性菌
ほとんど効く
●GNR
ほとんど効く
緑膿菌に効く:これがほとんど唯一の適応
⇒他のGNR,嫌気性菌には,他に使える抗菌薬がめっちゃあるため
※緑膿菌の患者は免疫抑制状態
⇒静菌できる濃度(MIC)では足りず,殺菌できる濃度(MBC)が必要
⇒大量投与が必要

アンピシリン/ スルバクタム(スルバシリン®,ユナシン®,ABPC/SBT):点滴
  アモキシシリン/ クラブラン酸(オーグメンチン®,AMPC/CVA):経口

特徴
βラクタマーゼ阻害剤+②
スルバクタム:ペニシリン結合蛋白に結合し,抗菌効果もたらす
          ➤染色体由来(AmpCなど)のβラクタマーゼにも割と効く
クラブラン酸:βラクタマーゼに結合した後に活性化
        ➤プラスミドでなく,染色体由来のβラクタマーゼには効かない;ESBL産生菌など
        ➤肝排泄;②は腎排泄なので,腎不全患者で容量調節できない
適応菌
■GPC
・MSSA,連鎖球菌,腸球菌
■GNR
・インフルエンザ菌,モラキセラ,大腸菌,プロテウス,サルモネラなど(感受性ある場合)
※βラクタマーゼ産生するGNR,嫌気性菌によく用いられる
アシネトバクタースルバクタムがかなり効く
          ⇒使うべき
適応病態
動物に咬まれた時:第一選択
アモキシシリンでうまく治療できなかった急性中耳炎,副鼻腔炎など
副作用・用法
アモキシシリン/ クラブラン酸:オーグメンチン®はクラブラン酸の配合比率多い
                 ⇒下痢生じる
                 ⇒アモキシシリン(サワシリン®)と併用すれば大丈夫(オグサワ)

⑥ピペラシリン/ タゾバクタム(ゾシン®,PIPC/TAZ):点滴

特徴
④+βラクタマーゼ産生菌=ほとんどの菌に効く!
適応菌
●GNR
・緑膿菌:保健上,なぜか④より投与できる量が多い(行政の問題)
※緑膿菌の,ピペラシリン耐性機序は,βラクタマーゼ産生とは関係ない
④耐性=⑥耐性
⇒緑膿菌に⑥使う意味は無い(④使う)
適応病態
初期治療…緑膿菌感染が疑われる場合,医療関連感染,好中球減少時の発熱,術後の腹腔内感染,
        免疫不全患者の敗血症


参照 抗菌薬の考え方,使い方 感染症まるごとこの一冊
 

★全ては細菌の遺伝子変異による.

■細菌内の耐性獲得機序

①酵素の阻害

⇒黄色ブドウ球菌のβラクタマーゼなど

②細菌の膜透過性の変化

⇒抗菌薬はチャネルを介したり電解質輸送を利用したりする

⇒これらが変異する

③細胞からの抗菌薬排泄が亢進

④抗菌薬のリボソーム結合部位の変異

⇒蛋白合成や細胞の成長へ作用できなくなる

⑤抗菌薬の作用する蛋白・酵素が無くても生きて行けるように変異する


ワクチン接種後5年以降は,どんな傷でもトキソイド接種すべき.

■受傷時の破傷風予防

状況

創傷

きれいな傷

汚い傷

過去のトキソイド
接種回数

02

3以上

02

3以上

最終接種後の
経過年数

不問

5年未満

5年以上

不問

5年未満

5年以上

治療

トキソイド

+

-

+

+

-

+

抗破傷風ヒト免疫
グロブリン

-

-

-

+

-

+

 
⇒接種後5年未満なら投与必要なし
 傷が汚ければ,テタガム(抗破傷風ヒト免疫グロブリン)投与

※摂取後5年を過ぎると,抗体価が発病予防に必要なレベルを下回る.
 初期のワクチンで基礎免疫ができれば,追加接種によりすぐ免疫がつく(ブースター効果).


■破傷風
・日本で年間100名程度が発症し,5-7名程度が死亡する.
・どんな傷も原因となる
明らかな創傷が見られない場合もある(6.4%)


参照 破傷風に対する免疫化のガイドライン
更新 2014/3/27 

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