腎・泌尿器

慢性腎不全で高血圧,高カリウム血症となる機序【詳細】

★平衡で成り立っていることが重要.末期に全て破綻する!

慢性腎不全で高血圧,高カリウム血症となる、ということは常識に近いですが、その機序は?

RAAS系が亢進するというのはざっくりとしすぎです。

すこし詳細に病態生理をみていきましょう。

Kがたまる機序

普段,摂取した分だけ尿細管で分泌し,濃度を保ちます。

・腎機能に比べK多く摂取した場合:
⇒一過性に血漿K上昇
⇒排泄量も上昇
⇒戻る
⇒血中カリウム濃度は変化しない。

✔︎これは、何%かの尿細管が使えなくなっても,他で代償できるものです
  =GFRが80%以上低下しても大丈夫
⇒しかし末期になると破綻し,高Kとなる

水がたまる機序

・水を排泄する,ということについても同様
⇒末期になると平衡が破綻し,水分貯留,それに伴い低Naとなる。

※末期になり破綻するのは,ネフロンの機能異常ではない!
 ⇒むしろ,極端にネフロンの数が減り,代償できなくなるため.

高血圧となる機序

1.体液量の増加

・これにより血圧↑
※臨床的には(当然)浮腫により証明される

2.RAAS系の亢進

 2-1.腎血管性の場合
  ・レニン分泌↑
  ⇒RAAS系↑

 2-2.その他の腎病変
  ・腎の構造的な異常
  ⇒腎の虚血
  ⇒レニン分泌↑
  ⇒RAAS系↑

参照  体液異常と腎臓の病態生理

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