麻酔・外科・胸部外科

術前の心臓リスク評価の方法

★非心臓手術の術前評価の話。

■アルゴリズム
 ①緊急手術が必要なら、施行する
⇒②超ハイリスク患者は、落ち着くまで心臓の治療を優先
  …最近のMI/UAP/AHF、重要な弁膜症(特にAS)
  ⇒参照;術前の心臓リスクへの対応
⇒③RCRIでno riskの場合、手術へ
  …下記参照
⇒④METs≧4の場合、手術へ
  …下記参照
⇒⑤以降の対応は下記参照


■Revised Cardiac Risk Index (RCRI)

●6項目



①高リスク手術:血管手術、開腹/開胸手術

②虚血性心疾患の既往:OMI、誘発虚血(+)、異常Q(+)

③慢性心不全

④脳血管疾患の既往

⑤糖尿病でインスリン治療中

Cre2 mg/dl


●MI、心停止、それによる死亡のリスク
0項目:0.4%(no risk)
1項目:1%
2項目:2.4%
3項目以上:5.4%

Af肥満もリスクとされる
どのように扱えば良いか、答えは出ていない


■metabolic equivalent (MET)
●1 Met = 1 kcal/ (kg × h)

1-2 Met:食う、着る、トイレ
4 Met程度:上り坂や階段を登る、平地を3-4km/hで歩く、自転車
それ以上:セックス(5.8 Met)、ジョギング(7 Met)、縄跳び(10 Met)


■RCRIでリスクあり+MET<4の場合

心筋負荷イメージング
・心筋虚血の程度と予後は相関する
⇒但し、術前の冠動脈治療により予後改善するというエビデンスはない
⇒しかし、病変によっては治療を考慮する
 …参照;術前の心臓リスクへの対応

心エコー
・診断されていない弁膜症(特にAS)が聴診で疑われる場合に適応
基本的に適応ない

略語)MI:心筋梗塞、UAP:不安定狭心症、AHF:急性心不全、AS:大動脈弁狭窄

参照 AHA guidline、UpToDate

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