★分布が明確に違うのと、作用する神経伝達物質が違う事を理解すると、色々わかる。
■自律神経の回路
●交感神経
脊髄(中間外側角から後根を通って外へ)⇒節前繊維⇒交感神経節⇒節後繊維⇒各臓器へ
●副交感神経
・交感神経と同様に、神経節前後で、節前/後繊維となる
①動眼神経:毛様体神経節を通り、毛様体筋へ
②顔面神経:翼口蓋神経節を通り、瞳孔調節筋、涙腺、鼻腺へ
顎下腺神経節を通り、顎下腺へ
③舌下神経:耳神経節を通り、耳下腺へ
④迷走神経 (副交感神経の75%):心、肺、食道、胃、小腸、大腸半分、肝胆膵、腎、尿管上部へ
⑤脊髄神経 (主にS2-3):仙骨神経叢を通り、下降結腸、直腸、膀胱、尿管下部へ
■自律神経から神経伝達物質分泌
●アセチルコリンか、ノルアドレナリンが分泌される
⇒アセチルコリン分泌するものをコリン作用性、
ノルアドレナリン分泌するものをアドレナリン作用性という
・交感/副交感ともに、節前繊維はコリン作用性
・副交感の節後繊維は、全てコリン作用性
・交感の節後繊維は、基本的にアドレナリン作用性
⇒汗腺、立毛筋のみ、コリン作用性
※手足の汗腺のみアドレナリン作用性(手に汗握る、でしょ)
■これから色んな事がわかる!
①アトロピンの副作用に高体温があるのは?
・アトロピン
=抗コリン薬
⇒汗腺は交感神経支配だが,コリン作動性なので、活動↓
⇒体温調節↓、高体温
②副交感神経↑でなぜ血管拡張する?
・血管は交感神経のみの支配
⇒常に適度の交感神経刺激があり、収縮している(細血管では径が1/2程度になっている)
⇒副交感神経優位になる
⇒交感神経活性↓となることで血管拡張する
参照 Guyton生理学