★高血圧が遷延し,内膜肥厚したことによる脳梗塞.
■ラクナ梗塞
・穿通枝、小動脈の散在性閉塞のこと
●メカニズム
①穿通動脈(3-7mm)の脂肪硝子変性
⇒穿通動脈:脳幹や脳の深部灰白質に栄養する
②穿通動脈基部の動脈硬化,肥厚
…中大脳動脈幹,ウィリスの動脈輪,脳底動脈,椎骨動脈
※この2つは病理学的に証明されている
③塞栓による小動脈の梗塞
●症状
・片麻痺:内包後脚,橋底部
・純粋感覚型脳卒中:視床腹側
・失調性片麻痺:橋腹側,内包
・構音障害:橋腹側,内包膝部
・認知症
⇒梗塞巣は小さいが、はっきりとした症状を呈する
■BAD:Branch Atheromatous Disease
●穿通枝入口部が閉塞し、穿通枝まるまる1本が閉塞したもの
…もとは病理学的な概念であり、臨床的な定義はされていない
+現状では、画像検査で穿通枝の閉塞を示すことは困難
⇒梗塞巣で判断する
●臨床的には、橋正中動脈、レンズ核線条体動脈の閉塞が原因として多い
⇒以下の条件で、主幹動脈の狭窄・心原性の要素がないもの
①橋正中動脈(paramedian pontine artery:PPA)
・橋腹側の梗塞巣
・橋のみの梗塞の32-57%
②レンズ核線条体動脈(lenticulostriae artery:LSA)
・基底核の梗塞で病変が水平断で3スライス以上に及ぶもの
●BADという概念が重要なのは、急性期に症状の増悪を認めるため
…BADで51%, 非BADで22%
参照 ハリソン,UpToDate, KNI activities 2008-2009
更新 2014/7/23