★物理的、アレルギー性に機械的損傷がおき、それをベースに感染性角膜炎を合併し、治療が遅れると失明しうる。
■コンタクトレンズへの眼への影響
・角膜と結膜の上皮細胞、涙液層により感染/傷害から保護されている
⇒コンタクトレンズはこれらの相互作用、ガス交換などを阻害しうる
※基本的にはコンタクトレンズは涙液層にのっており、適正使用では安全
■非感染性合併症
①ドライアイ
●涙液層が薄い、酸素欠乏、ゴミが入る、レンズ液が合わないことによる
・人工涙液点眼により対処(コンタクトつける前も後も使うと良い)
②無菌性の角膜浸潤
●炎症細胞が角膜実質に浸潤
…ゴミ、化学物質、低酸素、過敏反応が原因と考えられる
⇒数が多くなると疼痛、涙、光線過敏などの症状でる
・ステロイド点眼により対処
③角膜上皮剥離
●コンタクトを入れる/取る時、瞬きするときコンタクトがずれ、機械的傷害を生じる
⇒角膜上皮表層に痛覚の神経があるため、痛い
⇒下記感染症のリスクになる
・コンタクト中止、抗菌薬の予防的点眼により治療
④低酸素
●角膜は空気中の酸素を直接とりこんで利用している
⇒コンタクトを長時間つけて眼をつむった状態が、角膜の低酸素を来たしやすい
⇒角膜の小細胞浮腫、実質浮腫を来たし、視力障害など生じる
⇒慢性に低酸素の場合、血管新生を来す(まれ)
…特に角膜上縁
・ガスの透過性が高いレンズへ変更する事で対処
⑤その他
・免疫反応;人によって、点状角結膜炎、上皮傷害など引き起こす
・Tight lens syndrome;吸盤みたいに角膜にはりつく(涙液層に乗るのでなく)
・コンタクトレンズが瞼の裏の盲端にはまる
・巨大乳頭結膜炎;機械刺激、免疫反応による
・結膜下出血
■感染性合併症:感染性角膜炎
●特徴
・最も深刻な合併症
・感染後24時間以内に生じる
・10000人中1-20人/年に生じる
●機序
・非感染性合併症により、角膜のバリア機能不全となる
・レンズの酸素透過性あるポリマーに細菌が巣くってバイオフィルムを形成する
・不適切な使用により、レンズ、ケース、レンズ液が感染する
●原因菌
・95%が細菌性;GNR(緑膿菌), GPC(ブドウ球菌、連鎖球菌)
・他、アカントアメーバ、真菌
●臨床像
・充血、視力低下、疼痛、眼瞼腫脹、光線過敏
・黄/白色の実質浸潤、角膜浮腫、実質菲薄化、前房蓄膿、前房にフィブリン沈着、Wessely ring
・進行すると角膜穿孔
●予後
・迅速な治療が必要。遅れると失明しうる
…角膜白斑、血管新生、穿孔、不整乱視が原因
・他、白内障、緑内障、眼内炎、眼球萎縮を合併する
参照 UpToDate