★13〜33%は水虫じゃなく、そのほとんどが湿疹。
■足白癬の診断
●直接鏡検にて皮膚糸状菌を検出することが絶対必要
・偽陽性
…モザイク菌(角質間の油滴)との間違え、糸くずとの間違え
=医師の技術の問題
・偽陰性
…抗真菌薬外用中、接触性皮膚炎の合併(特に湿潤型;趾間型に多い)
※しかも、抗真菌薬は接触性皮膚炎を起こしやすい
■足白癬の鑑別診断
・湿疹、皮膚炎
・掌蹠膿疱症
…原因不明の膿疱性疾患。左右対称、手のひらにも多いことが鑑別点
・紅色陰癬
…趾間型白癬と紛らわしいし、合併する事もある
※紅色陰癬はWood灯でサンゴ色となる
・疥癬
…ヒゼンダニの感染。時々足底にも病変つくる
・足乾癬
…免疫の問題。足底に限局するのはまれ
■足白癬疑いの患者へのアプローチ
・水虫を主訴に来院した13〜33%の患者は、水虫でない
・視診のみでは、皮膚科専門医で80%程度しか診断できない
●まず鏡検、証明できれば抗真菌薬外用を
⇒反応性は良いため、1週間以内に改善認める
●鏡検を2,3回繰り返しても証明できない場合
⇒他の鑑別を考える。74%は湿疹という。
●OTCの抗真菌薬を試したが、水虫が良くならない患者
・鏡検が偽陰性かどうか、確かめる事はできない
⇒しかし白癬は抗真菌薬へ反応性が良いため、白癬でない可能性が高い
⇒湿疹rule outのため、ステロイド外用を試してみて良い
…1,2週間で、湿疹なら改善するし、白癬なら菌増殖して検出しやすくなる
+白癬でもそこまで臨床症状が悪化しない
参照 皮膚真菌.jp、Dermatology exercises、皮膚真菌症診断・治療ガイドライン