★トロポニンが最も重要。

◎この分野は様々な研究がされています。一例を紹介しますが、基本は一緒です。


■基本

・胸痛患者が来たら、まず採血+Xp+ECG
⇒ECGで虚血性変化があればACSを考える
 …ACSはSTEMI, NSTEMI, UAP
 ※NSTEMIとUAPの違いはトロポニンが上がるか上がらないか
(レントゲンでは解離を除外する。わかりにくければCT)

トロポニンの上昇が極めて重要;3時間あけて2回測定することが推奨されている
 …2回目でcut-off値を上回ったら、基本的にAMI=NSTEMIということ
 ⇒STEMIは心電図で診断されているはずなので。

・よって、次のシチュエーションがよく問題となる。
 :ECGで変化なく、トロポニンも上がっていなかった場合
全患者に2回測定する必要があるのか?


■リスク評価の例

 the modified goldman score ⇒ the TRUST accelerated diagnostic protocol(ADP)
●the modified goldman score(それぞれ1点)
・初発の安静時の狭心痛
・前回心筋梗塞の時と同じ痛み
・ニトロ使用しても15分以上痛みがとれない
・60分以上持続する痛み
・だんだん頻度が増加している胸痛
・低血圧(sBP<100))
・急性の呼吸困難感
・MI、PCI、CABG後6週間以内の胸痛

●TRUST ADP

low risk(=帰してよい)以下の3つを満たす
 the modified goldman score=0か1
 虚血を示唆するECG変化なし
 hsTnT<14 (14がcut-off値)

・その他はnot low risk

→予後は問題なかった。


※TIMI risk score(各1点)
・65歳以上
・FHあり, HT, DLP, DM, current smokerの内3つ以上
・50%以上の冠動脈狭窄の既往
・ST changeあり
・24時間以内に2回以上の狭心症症状
・7日以内にアスピリンを服用
・トロポニン陽性

これは有名だが、かなり昔のもの。要点はついているように思える。


■どういう解釈か?
・現状ではACSでUAPが少なくなった=ほぼNSTEMIなので、トロポニンの値にACSの診断を大きく依存しています。トロポニン上がらないけどそれっぽいな、という時、2回目の測定し、それでも上がらない時入院させるか迷います。

・まあ不安であればトロポニンフォローすべきです。20%以上の増減+片方がcut-off値(99percentile)以上によりAMIと診断されます。

・胸痛発症後時間が経って来院された場合は、1回の採血で目処を立てても良いです。


 
参照 Heart 2015;101:1041-1046