★ACT(activated clotting time)は心臓手術時、体外循環時、バルーンパンピング時等に使われる.
◎APTT、PT、ACTの違いを理解しておきましょう。
■ヘパリンのモニター
●ヘパリン少量投与の際
⇒Ⅸ,Ⅺ,Ⅻ因子に対して強く反応する
⇒PTよりAPTTの方が延長する
⇒APTTでモニターする
・もし大量投与したら
⇒アンチトロンビンと複合体形成し,トロンビン(Ⅱ因子)の作用抑制+Ⅹa因子阻害
⇒両方延長する
※よって、普通APTTでモニターします。
■ACTの原理
●血液採取し,セライト,カオリンなどの活性化剤と混合
⇒Ⅶ因子(内因系)活性化
⇒最終的にクロット形成するまでの時間=ACT
●ほとんどAPTTに取って代わられている!
⇒が,ACTは迅速に測定される
⇒例えば、
・人工心肺稼働中,測定される(400秒を越えるようにする)
・体外循環時(PCPS)、300秒を超えるようにする
⇒ただ、300〜400秒というのは経験則による値で、状態に合わせて微調整する。
※抗凝固がしっかりしていないと,人工心肺中で凝血をおこし,解決不可能(=死亡)ともなりうるので重要な問題です。
●ACTは色々な要素により影響を受けることを理解するのが重要
・低体温,低血小板,経口凝固薬,凝固因子低下,ループスアンチコアギュラントなど
⇒過度に延長するため注意
参照 JaSECT 安全対策委員会 2011.1,Practical-Haemostasis.com,研麻抄