★色々起きて、だいたいが死亡率を上げる原因となる。
■心臓合併症
①周術期心筋梗塞
・術後は心筋逸脱酵素上昇/ 心電図変化あり、診断が難しい
⇒新たなQ波、トロポニン上昇度合いなどから疑う
②グラフト閉塞
・静脈グラフトの5-10%:主に血栓閉塞で、縫合のミスが原因
⇒PCI施行する
③EF低下
・多くの原因による
…手術侵襲による虚血と心筋気絶、前負荷↓(交感神経↓、出血、血管透過性↑、低体温による尿量↑)、後負荷↑(高血圧)、不整脈、心筋梗塞、
④神経原性ショック
・交感神経↓により、末梢血管抵抗↓
⇒少量のノルアドで対応
⑤不整脈
・Af:15-40%におきる。通常自然に治る。β遮断薬使って良い
・non-sustained VT:17-97%に起こる。再還流が原因と考えられ、予後良好
・sustained VT, VF:1-3%に起こる。
・徐脈性不整脈:0.8-4%に起きる。伝導路を障害することによる
⑥心嚢液貯留
・皆に起きてほとんど無症候性。時々タンポナーデになる
■心臓外合併症
①出血
・安易な輸血はしない:でも30%にされている
②感染
・縦隔炎になると洗浄を繰り返す必要あり。足傷の感染、繰り返す蜂窩織炎など
●肺
③胸水
・これ自体は問題なし。90%に認める。原因疾患があるか確認する
④肺炎
・術後胸が痛いので深呼吸、咳ができないため、リスクが上がる。3-5%。
⑤他、ARDS、無気肺、肺コンプライアンス低下など
●神経
⑥脳梗塞
・0.4-14%。リスクに応じる。
・機序:低血圧による脳還流↓、プラークが剥がれてとぶ、空気が入る
⑦脳症
・痙攣から認知機能低下、昏睡まで多彩
・原因はマイクロエンボリと考えられているが、正確には不明。「ポンプ後症候群」などと呼ばれる
⑧末梢神経症
・四肢:腕神経叢損傷、内胸動脈剥離時の神経損傷、低体温
・横隔膜:心臓を冷やす際に障害
●血管
⑨DVT
⑩大動脈解離
●腎
⑪急性腎障害
・塞栓や低還流による
⇒透析が必要になるのは0.9-1.7%程度
●消化器
⑫膿瘍、イレウス、潰瘍、出血など
・4.1%にみられる
●薬剤
⑬プロタミンアレルギー
・2.6%に認める。ほとんどは投与後10分以内。
⑭血球減少
・HITによることが多い。診断は難しい。
参照 UpToDate