★経口摂取禁忌の場合、経静脈栄養はすぐ始めないほうが良い。
■経静脈栄養
・入室後48時間以内に開始しても、ICU滞在日数や死亡率に変化ない
⇒感染症の発生率は上昇する:(4~5%程度)
⇒ICU滞在日数、挿管期間も延長するかもしれない
・適正な開始時期は不明
⇒一般的に、入室後1週間~2週間程度が目安
※入室時より低栄養状態の患者
⇒禁忌がなければ経腸栄養が勧められる
⇒経静脈栄養の是非については、現在研究段階。
※ただし低栄養は確実に死亡率を上昇させる
⇒経腸栄養が不可能な場合、1週間後程度より経静脈栄養開始とすると良いかも。
■経腸栄養
・入室後48時間以内に開始すると、感染の発生率が減少する
…機序(仮説):炎症↓、腸管免疫の保持(バクテリアルトランスロケーションの予防)
⇒死亡率が改善するかどうかは、まだ諸説ある。
※トライアルの患者は主に外傷・腹膜炎・熱傷の患者。
他の内科系疾患の患者に、そのまま適用できるかは微妙。
■経腸栄養禁忌
・循環動態が不安定、シビアなhypovolemia
⇒経腸栄養によって腸管虚血となりうるため
…安定した循環血漿量低下のみであり、臓器症状なければ適応。
・他:腸閉塞、遷延したイレウス、消化管出血、止まらない嘔吐・下痢、腸管虚血、分泌量が多い消化管ろう
※ 腸管関連手術後:早期の腸管栄養は腸管吻合を強くする
⇒以前は禁忌と考えられていたが、現在は推奨される
■栄養量
・最小限の栄養量とすることで、感染↓、胃腸不耐性↓
⇒熱量:18~25kcal/kg/day
蛋白:1.2~1.5g/kg/day
…重症でなければ8~1.2g/kg/day、重症熱傷などでは2g/kg/dayまで。
参照 UpToDate