★詳しくは不明だが、主に細胞膜透過性亢進による。
■アムホテリシンB⇒腎障害
●AmpBが細胞膜に入り、孔をあける
⇒膜透過性↑
⇒尿細管障害
※溶媒のデオキシコール酸も尿細管障害に関与する
●AmpBにより緻密斑の透過性↑
⇒尿細管糸球体フィードバック(TGF)活性↑
⇒輸入細動脈収縮
⇒GFR↓
※TGFシステム
・遠位尿細管のNaCl濃度↑
⇒遠位尿細管の入り口にある緻密斑細胞へNaCl流入↑
⇒フィードバックにより、輸入細動脈収縮
…NaClの過度な排泄を防ぐ機構
■アムホテリシンB⇒電解質異常
・細胞膜透過性↑
⇒遠位尿細管細胞質、尿細管腔のイオン濃度勾配↓
…カリウムが管腔へ排泄+水素イオンの再吸収↑(逆拡散)
⇒低K、anion gap正常の代謝性アシドーシス
・K, Mgを細胞内から細胞外へ漏出
⇒そのまま尿として排泄
⇒低K, 低Mg
※低Mgとなる薬剤は3つ;アムホテリシンB、シスプラチン、シクロスポリン
■アムホテリシンBリポソーム
●腎毒性が弱くなっている
①デオキシコール酸が含まれていない
②網内系にうまく分布し、トラップされている真菌に作用
⇒他の細胞への分配が減る
参照 UpToDate