呼吸器 神経・感覚・精神・脳外科

神経原性肺水腫の機序

★詳細は不明だが、静水圧・血管透過性↑によるだろう。

■原因

・重症てんかん、頭部外傷、SAHが多い
・重症脳梗塞でも稀にみられる


■病態
●関与する神経構造

延髄、視床下部、交感神経
…支持する根拠
⇒孤束核、最後野両側の障害で、高血圧+肺水腫となる
 α拮抗薬で発症を抑えられる
 肺への交感神経を切断することで発症を抑えられる
 
●機序

・基本的に血管からの漏出
膠質浸透圧はすぐ変わるものでない
⇒毛細血管静水圧の増加が重要
①静水圧増加の原因
…頭蓋内圧↑+交感神経↑による肺血管収縮
 交感神経↑による全身血管収縮により、心臓の前負荷が一時的に増加
 心収縮力↓:心筋スタニング、全身血管収縮による後負荷↑、迷走神経↑による陰性変時・変力作用

・肺水腫の成分が蛋白richであること、血行変動なくても肺水腫生じる
⇒静水圧だけが原因でない
⇒血管透過性の亢進
 ②血管透過性亢進の原因

カテコラミン(アドレナリン、ノルアド)が直接血管に作用
  ※但し通常注射しても血管透過性は亢進しない
 αアドレナリンアゴニスト↑によりセカンドメッセンジャー↑
  …ブラジキニン、ヒスタミン、エンドルフィン
 肺血管が攣縮し、そのため血管障害が生じる
 炎症亢進する


■治療

・ふつう48〜72時間で治る
⇒支持療法
・根拠のある治療薬はない;α拮抗薬もランダム化試験はされていない

参照 UpToDate

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