★非心臓手術を控えていて、心疾患がある場合。
■冠動脈狭窄+心筋虚血
●一般的に、術前の冠動脈治療により予後は変わらない
⇒但し、重要な冠動脈病変がある場合、個々に対応する
…LMT病変、低心機能の多枝病変など
・METs<4(アルゴリズムに従う)
+非侵襲的検査で大きな虚血が疑われる場合
+手術を数ヶ月延期する事が出来る場合
⇒冠動脈造影をやってもよい
⇒治療適応の冠動脈病変があった場合
・治療により生命予後改善する場合、手術前に治療することを検討
…LMT病変は先行治療すると良いかも、というデータもある
・治療により予後変わらない場合、手術を先行させる
※治療するにしても、CABGかPCI(DAPT必要)かを考えること
■AS
・重症じゃなくても、術後の予後は悪い
●AVR適応の場合
…severe ASで有症候性 or 心機能低下している場合
⇒控えている手術を遅らせ、ASの治療を優先する
…AVR or TAVI;BAVは予後改善させるデータが少なく、勧められない
●無症候性AS+冠動脈病変ある場合
⇒心臓治療を優先させた方が良いかも(個々に対応)
●無症候性ASで冠動脈病変なし
⇒周術期に血行動態を慎重にモニターすれば、手術可能
…術前半日〜1日、術後1日〜2日
⇒具体的には、
・volume管理;特にhypovolemiaを回避する(虚血になりやすいため)
⇒特に麻酔導入の際に注意
・洞調律を維持し、心拍数を適正化する;左室を充満させる
■心不全
●急性心不全
⇒心不全治療を優先し、落ち着いてから手術とする
●ルーチンにエコーで心機能を評価する必要ない
…EF<40だと予後悪いが、心エコーは管理に影響しない
⇒原因不明の息切れ、慢性心不全患者の症状増悪時のみエコーの適応
●現行の心不全治療薬は継続した方が良い
⇒手術前より新たに何かを始めた方が良い、とのエビデンスはない
(特に、β遮断薬をルーチンで始めるのは良くない)
参照 UpToDate