★ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用し、以降の尿細管作用を阻害する。
◎あまり臨床で実感することは少ないですが、理論的にはこうなります。
■ヘンレ上行脚の電解質輸送メカニズム
●解剖(尿管輪切り)
・尿細管内腔
-膜(Na/K/2Clチャネル,Kチャネル)
-細胞内
-膜(3Na/2K ATPase,Clチャネル)
-毛細血管
●電解質輸送
①3Na/2K ATPaseでNaが細胞外,Kが細胞内に
⇒細胞内Na↓
②Na/K/2ClチャネルでNa,K,Clを細胞内に
③Kチャネル(ROMK)で、細胞内から尿細管内腔へK漏出
-これは遠位尿細管でNaClの再吸収を継続するため
④Clチャネルで、細胞内から毛細血管へCl漏出
⇒尿細管腔がプラス,毛細血管がマイナスに傾く
⇒尿細管腔にあるプラスイオンが毛細血管へ流れる力となる
⑤Ca,Mgが細胞間隙より再吸収される
■ループ利尿薬の機序
●ループ利尿薬はヘンレ上行脚に作用
⇒Na/K/2Clチャネルを抑える
⇒以降が働かなくなる(下記の②〜⑤)
⇒Ca再吸収↓
⇒低Ca血症
参照 UpToDate