★平均血圧を見て判断する.
※ここでは橈骨動脈ラインについてです。
◎ICU bookで、それぞれのエラーの原因を理解しておきましょう。
■A-lineのエラー
・動脈が曲がる(先が壁に当たる):手の位置がずれる,動脈が攣縮する
※動脈を押さえつけると攣縮してしまいます
・0位置が変化する
体動でも変化します
⇒定期的に調整する必要があります
・アーチファクト:
ルート内の液体自体が振動することによります(増幅 or 減衰する)
⇒フラッシュテストで確認
※詳細は略.気泡の除去,チューブの交換が対処法.
■血圧計のエラー
・誤ったカフの利用:
上腕の半分以上が覆われること(大きすぎは問題ない),平行に巻けていない
・嚢が一様に動脈を圧迫していない
…嚢とはカフの中の空気が入る場所.嚢の幅は上腕周の40%を超える必要があります
■血圧モニタリングについて
・末梢に行くほど,収縮期血圧が高くなります
※末梢からの圧波反射によります:
血管分岐部と狭小化した血管から,反射波発生する
▶動脈硬化で顕著となる(圧波がより速く戻る)
⇒但し,平均血圧は変化しません
…平均血圧は,収縮期・拡張期の時間で平均されます
⇒上記の収縮期血圧上昇は,収縮期波形の狭小化を伴うため,平均血圧は変化しないのです。
・血圧計,動脈ラインで平均血圧の差は±10程度のはずです
⇒これがずれた時,上記を確認します
●動脈ラインの管理については、本当に病院それぞれです。A lineを(ほとんど)全く使わない所もあります。
私見:集中管理中,基本的に血圧計は信頼できます.a-lineは継続して監視できるのが良い点なので,血圧計の値を参考に適宜調整していきます。
参照 ICU book,UpToDate