内分泌・糖尿病

インスリン療法:スライディングの代わりに用いるべき方法

★基礎インスリンを付加するのが前提。

◎スライディングは楽なので指示してしまいますが、benefitは証明されていません。そのかわりにするべきインスリン指示です。

■食事摂取安定⇒インスリン強化療法
各食前に超速効型インスリン(ノボラピッドかヒューマログ)
 +眠前か朝に持効型インスリン(ランタス);朝打ちが推奨されます

・これが一番基本的なインスリン治療です
⇒非常に特殊な糖尿病でなければ、これで必ず血糖コントロールできます
…食事摂取がある程度安定している患者が対象
 ⇒ICU管理で定期的な経管栄養施行しているときもOK

・最初に導入する時は、4-4-4-4単位か3-3-3-3単位程度がよいと言われます
⇒それぞれの直後の血糖を参考に、インスリン量を調整します
(例えば、眠前のランタスは、翌日の朝食前血糖を参考に)
+時々ターゲス(7検:各食前/2時間後、午前3時)で食後2時間と深夜の血糖を確認します

食事時間が長い時注意します
…経管栄養などで、投与に2時間かけている場合など
⇒食前、食後2時間血糖が高くみえますが、、
 =この時超速効型をそれほど増やす必要ありません。


■食事摂取不安定⇒食後打ち

摂取した主食量に応じて、投与する超速効型インスリン量を変える
 +眠前か朝に持効型インスリン(ランタス)

・食事摂取が始まったばかり/ 安定しない患者に有用です
 …例えば、「2/3以上で4U、1/3以上で2U、それ以下で0U」など
 ⇒血糖をみて、大まかに調整します
 (必ずランタスも併用)

食事摂取が安定したらインスリン強化療法へ移行します
※ちなみに、Gluの量は、食事量というよりは主食量に依存します。


■食事摂取なし⇒持効型のみか持続静注

●持効型のみ:ランタスのみ
●持続静注 
…①メインに混注:ブドウ糖5gに1Uが目安
 ②シリンジポンプで持続静注:生食49.5ml+ヒューマリンR 50単位
 ⇒0.5ml/h(12U/day)くらいから始めます
 ⇒これはスライディングしない方が良い;やってみると上手く調節できません
 =血糖の経過を見て、1日毎に調整します
※ヒューマリンRは速効型(皮下注で効くまで30分程度)だが、静注すれば一瞬で効果発現します

・これにスライディングを併用する事は許容されます!
⇒投与した単位数を参考にインスリン量を調整できるためです。
 …スライディングで投与した単位数をそのまま付加しても問題ありません。

参照 病棟血糖管理マニュアル

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