★浸透圧ギャップ。
◎「浸透圧ギャップ」とは、測定されたものと計算したものの差。これは意味がある指標です。
ただ、多くの施設では浸透圧を「計算した浸透圧」は自分で計算しなければなりません。
よって臨床ではそんなに使う知識ではありません。国試用です。
■浸透圧の値の出し方
●計算して出す場合
2×Na+Glu÷18+BUN÷2.8
●測定して出す場合
液体が凍結する温度を測ります
=凝固点降下の評価です
(昔化学でやりました。水に電解質が溶解すると、凍結する温度が下がる現象です)
⇒溶解物のmolがわかります
⇒これから、浸透圧を換算します
■浸透圧ギャップ
●測定された浸透圧>計算した浸透圧
となること。
2つ原因があります。
①他の溶解物がある場合
計算に使う電解質が足りない、ということ。
✅アシドーシスでもある時
⇛エチレングリコール、メタノール、腎不全、ケトン、乳酸、ホルムアルデヒド、パラルデヒド
✅アシドーシスでない時
⇛エタノール消化物、ジエチルエーテル消化物
②偽性低Na血症
●浸透圧は変わらないが、Naの検査値が低く出るため、計算値が低くなる、ということ。
・高蛋白血症、高脂質血症でみられます
…血漿中の水分は約93%であり、7%は蛋白と脂肪で占められる
=Na140mEq/Lは、実際血中だと140÷0.93=151mEq/L、ということ
⇒蛋白・脂肪が極端に多いと、血漿中水分量が減る
=上記の例で水分80%となった場合、151×0.8=128 となりえる
⇒Naの検査上データが低くなる、ということ。
参照 UpToDate