★一回拍出量変化で,輸液反応性の指標となる.
◎SVVは、施設によって多用されます。Frank-Starlingの法則に合わせて理解しましょう。
■SVV:stroke volume variationの原理
・一回拍出量(SV)の呼吸性変動のこと
…吸気→肺血管床↑→前負荷↓→SV↓;SVmin
呼気→前負荷↑→SV↑;SVmax
⇒SVV(%)=(SVmax-SVmin) ÷ SVmean
=一定の前負荷変化による,拍出量変化の割合
=Frank-Starlingの曲線における傾き
●Frank-Starlingの曲線
・①より②の傾きが大きい
=②のSVV大きい
⇒SVV大きいと前負荷が少ない
⇒血管内volume少ない
⇒輸液に反応する
・SVV=13%以上で輸液反応性あり,とされています
⇒一概には言えず,患者ごとに相対的に判断する必要があります
…SVVが輸液反応性と相関することは,研究で確かめられています。
■SVVが当てにならない場合
●flotrac(動脈ラインにつなげる機械)で測定します
・flotracは圧波形を基に統計からSVを算出します
⇒数値の信頼性は限定される
…自発呼吸中や一回換気量が少ないと当てにならない
⇒SVVはSVを基に計算するので,この場合不適
※参照(フロートラック)
:https://chishiegg.com/archives/37091864.html
https://chishiegg.com/archives/36032547.html
●心機能障害がある場合
・Frank-Starling曲線は下に移動する
⇒全体的に傾きが小さくなる
⇒②に部分でもSVVは小さい
⇒SVVが小さい事が前負荷少ない事を意味しません!
※加えて,心拍出量を増やせば予後がよくなる訳ではないことに注意しましょう。
=輸液反応性があるからといって,輸液すれば良い訳でない、ということ。
参照 Edwards社HP,AneSTATION,anesthemanのブログ