★血管、神経病変がなくとも、高血糖だけで足病変のリスクである。
■糖尿病による足病変の原因
①神経障害
・温痛覚が鈍くなる
⇒下肢の障害に気づかない
・自律神経障害
⇒汗をかきづらくなる
⇒皮膚乾燥、ひび割れ
⇒皮膚深層への感染が助長される
・運動神経障害
⇒足の変形
⇒加重による軟部組織障害
②末梢血管障害
・ 潰瘍、感染治癒に必要な血流が保てなくなる
③高血糖
・好中球機能↓
・易感染性
※①〜③の内1つ以上で、難治性損傷、二次感染のリスクとなる
 
■糖尿病による足病変の重症度分類
・Wagner分類
| Grade |   | 
| 0 | 潰瘍なし | 
| 1 | 皮膚のみの潰瘍 | 
| 2 | 靭帯/筋まで及ぶ潰瘍で、膿瘍形成と骨病変なし | 
| 3 | 蜂窩織炎か膿瘍形成を伴う(骨髄炎伴いうる) | 
| 4 | 限局性の壊疽 | 
| 5 | 足全体を巻き込む壊疽 | 
・grade4以上で入院加療と迅速な外科対応が必須、アンプタの可能性が出てくる
■糖尿病による足感染症の重症度分類
・IDSA分類
| 感染 |   | 
| なし | 化膿、炎症所見なし | 
| mild | 2つ以上の炎症所見:化膿、発赤、疼痛、硬結、熱感 | 
| 皮膚〜皮下組織表面までの感染 | |
| 蜂窩織炎、発赤が潰瘍の周囲2cm以内 | |
| moderate | 全身状態良好だが、以下の1つ以上の所見あり | 
| ▶︎2cm以上の蜂窩織炎、リンパ節炎、浅層筋膜以上の伸展、 | |
| severe | 全身症状あり;発熱、嘔吐、白血球上昇など | 
※虚血がある場合、感染増悪する
・抗菌薬投与は必須で、重症度に応じて菌のカバー範囲と投与期間が異なる
・moderate以上で外科的デブリドマンが必須
・severeは入院と迅速な加療が必須
参照 UpToDate
