内分泌・糖尿病

糖尿病1型と2型をどう区別するか

★自己抗体陽性なら1型、陰性だと分からないが、必死に区別する必要なし。

■1型糖尿病

膵臓β細胞が破壊され、インスリンが分泌できなくなること
●原因は自己免疫が多い
抗GAD、インスリン、チロシンホスファターゼ、IA-2、ZnT8抗体など
⇒これらが陽性なら1型として良い
⇒陰性でも、β細胞破壊、インスリン分泌不全を認める事あり
 …これは特発性1型DMとする(1B型DMということもある)

■2型糖尿病
●高血糖と、様々な段階のインスリン抵抗性/分泌不全を呈する疾患
…遺伝、環境要因どちらも強く、それぞれの患者の原因を特定することは難しい


■1型と2型の区別

インスリン必要性で区別できない
・1型はインスリンが絶対的に必要
⇒2型もβ細胞機能不全に陥り、インスリンが必要となる事が多い

糖尿病性ケトアシドーシスで区別できない
・DKAはインスリン絶対欠乏下、1型DMで起こるとされる
⇒2型でも、感染や他の病気を期に発症しうる

臨床像で区別できない
・以前、1型は不良な血糖コントロールにより肥満を呈する事は少なかった
⇒現在はインスリン療法により、1型DMの20-30%が肥満
肥満だとインスリン抵抗性(2型の特徴)を呈する
 …特に2型糖尿病の家族歴がある場合

自己抗体が陽性なら1型と考えられる
・誰に検査するか
…発症が50歳未満、急性の症状出現、BMI<25、自己免疫の既往/家族歴
 ⇒この内2つ以上:感度90%、特異度71%で抗GAD抗体陽性
※但し内服薬に反応しない場合など、経過に応じて検査する

・自己抗体の検査は、臨床医により考え方が違う
⇒抗GAD抗体は必須だが、他の抗体をどれくらい検査するか
 …コストパフォーマンスを考える
抗体陽性なら、1型として対応:すぐにインスリン療法開始すべき
 …食事/内服療法に反応しにくいし、早期治療でβ細胞破壊を遅らせることができる

迷ったらインスリンを開始する
ケトン体産生↑の所見、「高血糖+脱水 or やせ」がある場合
⇒どちらの型だとしても、インスリンを開始すべき
 …DKAを予防するため

※現基準はβ細胞機能不全で分けようとしており、無理がある
⇒1型か2型かというより、インスリンの必要性を判断する事大事
⇒抗体陰性だが1型っぽければ1型として対応すべき

参照 UpToDate

-内分泌・糖尿病