★心血管イベントをかなり抑制する可能性あるが、なかなかコンプライアンスが良くない。
■機序
・アルファグルコシダーゼ(αGI)
…炭水化物の二糖を単糖へ分解する、小腸の消化管酵素
マルターゼ、スクラーゼ、αデキストリナーゼなどが含まれる
⇒これを用量依存的に阻害
⇒糖の吸収を遅くする
⇒インスリンが効果的に効くようになり、食後血糖の上昇を防ぐ
※このため、必ず毎食直前に服用する
⇒コンプライアンスが悪い
■特徴
●種類
・アカルボース;グルコバイ
・ボグリボース;ベイスン
・ミグリトール;セイブル
※セイブルのみ、小腸上部で血中に吸収され、腎臓で代謝される
●適応
・食後高血糖の患者
・境界型糖尿病(糖尿病への進展抑制という意味)
…ベイスン0.2mgのみ
●禁忌、慎重投与
・開腹手術後、イレウスの既往;下記副作用により増悪のおそれ
・腎機能障害;セイブルのみ
・全身状態が悪い患者
●副作用
・鼓腸、放屁
…上部小腸で吸収されなかった糖が大腸へ行く
⇒腸内細菌により発酵され、腸内ガス貯留することによる
※少量から漸増することで、発生を抑える事ができる
・下痢
・肝機能障害
■効果
・食後血糖を63、HbA1cを0.4-0.9%下げる、という研究あり
・脂質異常を改善するという報告もあるが、controversial
・心血管イベントの発生をかなり抑える、とした大規模研究(STOP-NIDDM)
…アカルボースの1429名の研究。心筋梗塞のHR 0.09
⇒予想外の良い結果だったため、更に検証が必要とのこと
参照 UpToDate, http://www.igaku.co.jp/pdf/1502_tonyobyo-02.pdf