★ないかもしれない.
★輸血する理由=ヘモグロブリンによる酸素運搬能を補強する
●Hbで輸血の是非を判断してはいけない
⇒①Hbでは組織の酸素化について何もわからない
②Hbが低いのは,単に希釈されているからなのかもしれない
⇒ガイドラインではHb値によって輸血判断をすべきでない,とされるが,
特定の状況下ではHb値によって輸血するよう書いてある(矛盾している)
…ex. ICUで挿管中・重症外傷・心臓病ある患者で,Hb<7の場合
●酸素需要と供給のバランス評価にて,輸血を判断すべき
⇒「O2 extraction=(SaO2-ScvO2)/ SaO2」(※)
…運んだ酸素のうち,組織内に取り込まれた酸素の割合
⇒SaO2≒1の場合,(※)≒1-ScvO2
⇒これが0.7以下の場合,輸血の適応と考えられる
⇒(※)=0.5までは組織で代償されている
…それ以下になると,運ばれる酸素が組織の需要に見合っていない
=嫌気性代謝となる
⇒0.5を輸血のtriggerとしても良いかも.
※敗血症の場合,ミトコンドリアの酸素利用障害が起きる
⇒組織で酸素利用できないため,組織低酸素でもScvO2下がらないことがある(★)
⇒この場合,個別に考える
※但し,Early Goar Directed TherapyではScvO2>75%としている
⇒(★)と矛盾するようだが,EGDTの根拠は「EGDTで生存率が改善したこと」にあるので,こうなっている
●しかし,RBC輸血しても,組織の酸素化が改善するというデータはない!
⇒何のために輸血するのか,答えは出ていない
…確実なのは,Hbではなく血管内volumeが最も重要,ということ.
参照 ICU book