内分泌・糖尿病 血液、輸血

健常人でもメトヘモグロビンがあるのは何故か

★Hb酸素に伴って産生される。

■メトヘモグロビン血症の病態
ヘモグロビン中のFe2+がFe3+へ酸化された状態
⇒そのHbは酸素運搬できず、酸素化↓
※参照:メトヘモグロビン血症でPaO2-SaO2 gapが起こる機序


■どうしてメトヘモグロビンが形成されるか?

●健常人でも、0.5-3%のHbが自己酸化されてMet Hbとなっている
Hb + O2 → 酸化Hb;この際、[Fe3+ - 02- (鉄/活性酸素アニオン複合体)]が形成される
⇒この反応で普通、酸素分子が副産物として産生される(副産物)
少量のみ、O2-(活性酸素)が産生される
O2-によりHbが酸化され、Met Hbとなる


■どうしてメトヘモグロビンが蓄積されないか?

●Met HbがHbに還元されることで、総量が1%に抑えられている
チトクロムb5還元酵素経路
解糖系:FAD→FADH2の反応でNADHが産生
NADHはヘム蛋白であるチトクロムb5還元
⇒還元される=e-負荷であり、e-はメトヘモグロビンへ輸送される
⇒Fe3+をFe2+に還元

NADPH-メトヘモグロビン還元酵素経路
・ヘキソース1リン酸シャントで、G6PDによりNADPHが産生
⇒赤血球の中で、NADPHの電子と反応できる分子はない
メチレンブルーやレボフラビンが電子受容体となり、Met Hbを還元
これら投与下でのMet Hb還元機序(正常時は有意でない)

参照 UpToDate

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