★アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損は,重症複合免疫不全症(SCID)の原因の14%であり,最も多い.
SCIDといえばADA欠損が有名ですが、ADAという酵素が欠損することでなぜ免疫不全となるのか。
生化学に基づきます。
わかりやすく解説しました。
アデノシンデアミナーゼ欠損の病態
・ADA:アデノシン→イノシンの酵素
(プリンヌクレオチド分解の回路)
・ADA欠損
⇒アデノシン蓄積
⇒細胞のキナーゼにより,アデノシンがリボヌクレオチド型・デオキシリボヌクレオチド型へ変換
⇒dATPが上昇
⇒リボヌクレチドレダクターゼが阻害
⇒DNA合成停止,分裂できない
※ADAは全ての細胞の細胞質に発現しているが,ヒトではリンパ球においてその活性が高い
⇒リンパ球が分裂できない
⇒T・B細胞免疫不全
参照:リッピンコット生化学