薬剤

抗癌剤いろいろ作用機序

★各段階に分けて押さえる.
※S期(ヌクレオチド合成⇒DNA合成)
⇒G2期(有糸分裂に必要なものを合成)
⇒M期
⇒G1期(DNA合成に必要なものを合成)

①ヌクレオチド合成に作用(=S 期に作用)
●MTX
・葉酸アナログ
⇒「ジヒドロ葉酸→テトラヒドロ葉酸」を阻害(ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害
⇒テトラヒドロ葉酸は「dUMP→dTMP」に必要
 cf. http://blog.livedoor.jp/megikaya/archives/26110553.html
・白血病,リンパ腫,RAなどに使用
●5-FU(5-フルオロウラシル)
・ピリミジンアナログ
⇒①代謝され,FdUMPとなる:「dUMP→dTMP」を阻害(チミジル酸シンセターゼ阻害
  ②代謝され,FUDPとなる:UTPの代わりにRNAに取り込まれる
                 ⇒RNAプロセシング,翻訳を阻害
・消化器癌に使用
●その他
・6-MP,6-TG:プリンアナログ
・シタラビン(ara-C):ピリミジンantagonist
⇒血液癌に使用

②DNAに作用
●ダクチノマイシン・ドキソルビシン
DNAの塩基間に挿入⇒DNA,RNA合成阻害(=S期に作用)
●ブレオマイシン
・Feイオンなど反応
free radical産生
⇒DNA切断
※G2期に作用する
●エトポシド
・トポイソメラーゼⅡを阻害
  ➤トポイソメラーゼⅡは,二重鎖の切断・再合成を介し,ねじれをほどく作用がある
⇒DNA分解↑
※late S~G2期に作用

●アルキル化剤
・DNAをアルキル化=陽性荷電を帯びた中間体生成
⇒グアニンは陰性荷電を帯びている
⇒中間体を通して,グアニン同士が結合する(架橋される)
ほどけなくなり,DNA複製できなくなる
☞種類
 ・シクロホスファミド:チトクロムP450により活性化するアルキル化剤
 ・ニトロウレア脳血管関門を通過できるアルキル化剤
●シスプラチン
・アデニン,グアニンに結合し,アルキル化剤と同じく架橋される
⇒DNA複製できなくなる

③微小管に作用
※微小管:細胞骨格のひとつ.
     ⇒チューブリン付加(重合)により伸長,解離により短縮する
     ⇒一端を中心体におき,一端を細胞内の様々な領域におく
     ⇒細胞分裂の際,一端を染色体においた微小管の集合(紡錘体=スピンドル微小管)が活躍する
      (染色体をちょうど2つに分割する)
     ⇒細胞分裂の後,役割を終えた微小管は,もとのばらばらな状態となる(脱重合
●パクリタキセル
・脱重合を阻害
⇒分裂した後,先へ進まない
M期で分裂止まる
●植物アルカロイド(ビンクリスチンなど)
・微細管の重合を阻害
⇒紡錘体形成されない
分裂おきない

参照 First Aid for USMLE step1,役に立つ薬の情報,リッピンコット薬理学
更新 2013/7/20

 -抗癌薬,化学療法

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