★原因が多すぎて除去しきれない。
■原因
・代謝異常;低血糖,低Ca血症,肝・腎不全
・全身状態悪い;栄養失調,感染,脱水(循環血漿量↓だけでも)
・脳疾患:低酸素脳症,神経変性疾患,脳卒中,加齢,アルコール
・薬剤(原因の30%)
⇒何でも原因になるが、特に以下に注意。
①オピオイド;せん妄が疼痛増強として発現しうる
②ベンゾジアゼピン;「眠れない→眠剤」も原因となる
③H2ブロッカー;見過ごされやすい。CNSでの抗ヒスタミン作用の影響か
※治療域の濃度でも生じる!
●リスク
・疼痛;リスクとなる(9倍)
・術後,癌は特に高いリスク
・状況:動けない(抑制も含まれる),care unitへの長期滞在,部屋変更,時計ない状況,
視覚聴覚の制限(眼鏡なし,リハビリなし)など.入院自体も.
■治療
●原因の除去が最重要
⇒但し、なんでも原因になるので、現実的にはできるだけ除去する。
●次にサポート管理が重要
…痛みや栄養をしっかり管理する
付き添い人がいると出にくいか,いないと出にくいか判断する
環境変化に注意する
●薬剤
・著効するエビデンスは乏しいが、臨床上著効する印象はある。
①内服可能な場合
・セレネース(ハロペリドール) 0.5~1mg、リスパダール(リスペリドン) 0.5~4mg
…major tranquilizer:ドパミン2受容体遮断
⇒昔から使われ、一番エビデンスがある
※リスパダールはセレネースの2倍の力価
・ジプレキサ(オランザピン)やセロクエル(クレチアピン)
…非定型抗精神病薬:ドパミン2受容体+セロトニン2A受容体遮断
⇒催眠作用もあり、使える。但し糖尿病患者には禁忌
②内服困難な場合
・セレネース(ハロペリドール) 1~2A:せん妄を軽くする(頻度は減らない)
⇒効かなければ、追加でサイレース(フルニトラゼパム) 1A:眠剤。寝るまで投与。
※抑制は最終手段(不穏を助長する)
参照 UpToDateなど