★無症候性の限り治療しなくてもよい。するなら男性でUA>13, 女性でUA>10の場合。
■高UA血症の合併症
高UAに対する治療=高UAによる合併症の予防
①痛風
年間発症率;UA>9で4.9%, UA 7-8.9で0.5%, UA<7で0.1%
5年発症率:UA>9で22%
※尿酸ナトリウムクリスタルの関節や腱への沈着;エコーで発見されるが、頻度は不明
②CKD
・男性でUA>13、女性でUA>10とならなければUAによる腎毒性は否定的
…実はそれほど高値でもUAによる腎機能悪化は明確には実証されていない
・一方、腎機能障害によりUAのクリアランスは低下するため、UAのcut offが変わってくる
Cre<1.5:UA>9
Cre 1.5-2:UA>10
Cre>2:UA>12
③尿管結石
UA排泄>1100mg/dayにて50%程度リスクとなる⇒が、そこまで尿酸高値となる例はまれ
■管理、対応
●UA>8の場合、まず精査する;血液疾患や薬剤性など二次性の除外
⇒一次性が疑われても、30歳未満の男性や閉経前の女性はFEUrを確認
…FEUr>10: 産生増加、FEUr<6: 排泄低下
●一次性、無症候でUA>8が持続する場合
・生活習慣指導;食事(プリン体回避)、アルコール回避、減量、定期的な運動
⇒降圧薬などの調整
…ロサルタンやCa拮抗薬はUA下げる。ACEi, 利尿薬、β遮断薬などはなるべく避ける
⇒それでもUA高値の場合
①石がなくてUAがやや高い程度
⇒conditionとして経過観察してよい
…高UAは上記合併症の必要条件に過ぎない
尿酸排泄薬による重篤な合併症の可能性ある
尿酸排泄薬を一生飲み続けなければいけない可能性があるため
②生活指導後も男性でUA>13, 女性でUA>10と高値の場合
⇒不確定な利益を説明した上でアロプリノールなどを開始してもよい
(しなくても良い)
…この場合、UA<8を目標とする
※HGPRTase欠損などリスクの高い状況では薬物療法開始すべき
※末期心不全によるUA高値は治療しない(予後に関わらないため)
●尿酸結石ある等、症候性の場合
UA<6を目標とし、薬物治療を開始する
参照 UpToDate