腎・泌尿器

紫色採尿バッグ症候群の病態生理→尿は紫にならない?

★色素が水に溶けないため.

◎時々見かけて、初めての方はびっくりします。病態が説明されると目からウロコです。臨床医学が面白いと思う瞬間です。

■紫色採尿バッグ症候群
尿カテーテルを挿入している患者で、以下が両方ある場合に生じることがあります。
便秘を合併
 ⇒排泄されるトリプトファンが,腸内細菌に分解されインドールになります
  ※これは生理的反応.便秘により助長される,という意味です.
 ⇒肝臓で代謝されインジカンとして尿中に排泄されます
 
尿路感染を合併
 ⇒尿中の細菌が産生するスルファターゼにより,インジカンを分解
 ⇒インジゴブルー(青)インディルビン(赤)になります
 ⇒合わせて紫になるのです!!

●但し,これら色素は水に溶けないです
 ⇒つまり、尿の色は変わらないです。
 ⇒プラスチックやポリマーに溶けるため,バッグだけが紫になるのです!!!驚
 
●色は,青から赤の様々な色となります(比率に応じる)
 ⇒脱水があると濃くなります。

参照 救急専門医の独り言,薬剤師ノート

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