神経・感覚・精神・脳外科 薬剤

酔い止め薬の作用機序

◎意外に知られていない、酔い止め薬の作用機序。

★トラベルミンは、ジフェンヒドラミンとジプロフィリンの合剤。

【第2類医薬品】トラベルミン(6粒)【トラベルミン】


★アネロンは、マレイン酸フェニラミン、スコポラミン、ビタミンB6、無水カフェイン、アミノ安息香酸エチルの合剤。

【第(2)類医薬品】アネロン 「ニスキャップ」(9カプセル)【アネロン】

乗り物酔いのメカニズム
●揺れにより内耳のリンパ液が振動します
⇒視覚情報と内耳からの情報に矛盾
⇒自律神経が混乱、副交感神経が刺激
⇨ムスカリンM1ヒスタミンH1経路が刺激されます!
⇒胃酸・唾液分泌↑,平滑筋痙攣
 +嘔吐中枢も刺激を受ける
⇨乗り物酔い

■酔い止め薬の構成物質
●ジフェンヒドラミン・マレイン酸フェニラミン

ヒスタミンH1拮抗薬です
⇒脳の嘔吐中枢、内耳前庭での自律神経反射を抑制する

・ヒスタミン拮抗薬は眠気の副作用をもちますが、以下のジプロフィリンで拮抗されます

●ジプロフィリン
キサンチン誘導体(喘息治療薬)です
⇒①内耳の血管を拡張させます
  ⇒内耳のバランス保持機能を改善
  ②中枢神経興奮させます
  ⇒異常感覚入力の抑制
  ⇒ジフェンヒドラミンの眠気の副作用も抑制する

●スコポラミン
・抗ムスカリン薬です
=副交感神経の興奮を抑制します
⇨制吐作用があります

●無水カフェイン
・交感神経を刺激します

▶︎個人的にはアネロンが好きです。事前に飲んでいきましょう。

▶︎薬がなければ、カフェインが入った飲み物を飲んで交感神経を活性化させるのも手です。また、ジェットコースターで酔った時は、目を瞑ることで視覚情報を遮断し、自律神経を混乱させないようにさせてあげましょう。

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