救急・外傷 神経・感覚・精神・脳外科

けいれんの対応;まずセルシン、で良いか

★2分以上持続する痙攣には、まずセルシン。

■痙攣の分類
seizure:脳の異常な電気活動
convulsion:筋の不随意収縮
けいれん重積けいれんが5~10分以上持続 or 意識の戻らない内に発作再発
 ●メカニズム
 ①GABA受容体の小胞への取り込み・不活性化+NMDA受容体のシナプス表面への移動
  ⇒GABA受容体の数↓、NMDA受容体の数↑ 
  ⇒抑制性ニューロンが働きづらくなる
 ②海馬のペプチドも変化する
  …抑制性ペプチドであるダイノルフィン、ガラニン、ソマトスタチンが減少
    興奮性ペプチドであるサブスタンスPが増加

■痙攣の治療開始
5分以上持続する痙攣
 =痙攣重積が疑われる
 ⇒治療開始
・ほとんどの痙攣は2分以内に消失する
 ⇒治療は必要ない
  ※但し静脈ラインは確保しておく
●臨床的に、2分以上続く痙攣は以下の治療開始する

■痙攣の治療
1)ABCの確保
2)抗痙攣薬
 ①ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)10mg
  ※ジアゼパムはベンゾジアゼピン系の一種
 ●メカニズム
  ・ベンゾジアゼピン
  ⇒ClチャネルへのGABA結合を促進
   …GABAによりClチャネルが開口
  ⇒神経細胞へのCl流入
  ⇒過分極
  ⇒脱分極が起こりづらくなる=神経興奮が抑制される

 ②フェニトイン(アレビアチン)15~20mg/kg 
  ※1000mgを20分以上かけて
  ⇒ローディングドーズであり、ここで十分に血中濃度を上げる必要あり
  ⇒2日目からは維持量(約半量)の投与となる
 ③ジアゼパム10mg
 ④フェノバルビタール(ノーベルバール)20mg/kg 10分で
  ※エビデンス十分でない
 ⑤ICUでチオペンタール、ペントバルビタールなど 24時間以上
  =burst suppression
3) 原因精査、治療

抗てんかん薬は、基本的に2回目のseizureを認めた時から始める
…痙攣再発のリスクが高いため
 

参照 UpToDate、イラスト薬理学、救急医の挑戦 in 宮崎、
    http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/book/29/7.pdf?1368758383

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